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わらの女
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わらの女の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.10pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全41件 21~40 2/3ページ
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頭から足まで冷たさに満ちている 登場人物達の関係も、ストーリー展開も氷のごとくの冷たさ この世界には愛や情など夢のまた夢 必要ともしてないし、得られない こんな冷たく痛いのに夢中になって読んでしまったのは、一条の光が見たかったからかもしれない それさえも突き放され、もっと暗く震撼とする氷をヒロインと読者は抱きかかえらせて沈んで行く ダウナータイプの小説作品 | ||||
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不思議とハラハラしない。クリスティのように上品だからか?アクロイド殺し的な、「ネタはいいけど板前がイマイチ。」 | ||||
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カトリーヌ・アルレーの作品は私にとってこれが二作目。 デビュー作「死の匂い」も男の野心が女の打算(と愛)を凌駕して、女に与えたのはほんの僅かなお情けだけ。 それはほんのいっときの「贅沢」であったり「悔悛」の情であったり。 果たして、一度味わった「贅沢」とは、その後の人生に値するほど素晴らしいのか。 そんなわけ当然ないのだが、それを分かっていながら物語に織り上げて生きた美女(アルレー)が50年以上前にいた、その事自体が恐怖に近い。 本物の前には、この物語のヒロイン・ヒルデガルテだってごくごく普通の女性に見える。トーストとミルクだけの朝食シーンなど、乾いた音まで想像できる位わびしく、セレブ婚ぐらい夢見たっていいだろと思えてならない。 「虚栄心」というよりはむしろ「自分は決して騙されない」と思い込んでいた所に穴があり、その穴に入り込んだ者こそ真犯人。 今でも、詐欺師があの手この手で入る穴だ。 そしてその穴は、後半の拘置所で一言一言、蟻地獄の穴と化す。 読むべし。 優しさのない世界も知っておかねば。 人の生きた記録さえふっ飛んだハンブルグの街の描写も、読み手をひっそり助けてくれる。 | ||||
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「悪女」書きで定評のあるアルレーの代表作。 でも本作のヒロインは「悪女」じゃありません。 本書は「悪女」になれない女の転落劇。 こういう「私は他の女たちとは違うのよ」と思ってる女、現実には多いわよね。 そんな女たちの虚栄心を嘲笑う話です♪……って言ったらミもフタもないかしら??? 「自分は特別な存在でない」と気づいたときこそ、女は「悪女」になれるか、 「ゴミのように使い捨てにされるだけの存在」となるかの分かれ道。 さて、ラストで本作の主人公はどちらの道をたどるのでしょうか? 作者の主人公を追い詰めるサディスティックな語り口を堪能ください。 アルレーの「悪女」を味わいたいなら『二千万ドルと鰯一匹』がお薦め。 美貌の未亡人と、その未亡人から義理の息子の殺害を依頼された看護婦。 莫大な遺産をめぐる悪女二人の壮絶なバトルがたまらない☆ 二千万ドルと鰯一匹 (創元推理文庫 140-6) | ||||
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期待していたのだが・・・普通だった。 最後の終わり方が、「えっ、これで終り?」と思うほどあっけない。 まさかこんな終わり方になるとは思わなかった。 もうひとひねりもふたひねりも欲しいところ。 やはり古いと感じた。 なんというか、主人公には△△あって欲しかった。 (ネタばれ回避のため書きません。) | ||||
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アルレーの作風を一言で表現するなら〈甘ったるい残酷さ〉ってなところでしょうか。本書はそんな特徴が生々しく迫ってくる彼女の 代表作でしょう。ミステリーやサスペンスの視点から見ても傑作には違いないですが,ひっくるめると小説として名作。 平々凡々な現実を嫌い,贅沢な暮らしをひたすら夢見る虚栄心のかたまりみたいなヒロイン。新聞広告で見つけた億万長者の誘いに乗り 意気揚々と出向くのだが....そこに予期せぬ罠が。。 いやぁ〜それにしても恐ろしい内容ですよ。普遍性をなによりも虚しいと断定して忌避すればするほど,普遍性にすら届かない憐れさが。。 後半で描かれるヒロインの心理描写なんかは徹底して空中分解していて儚いね。美しいくらい儚い。 エンディングの描き方にもその特徴がよく表れていて,生きることも死ぬことも理屈じゃない普遍性を感じる。別の言い方をすれば 中性的に描かれている。だので絶望的な割にはそれほど嫌味を感じさせない。万人が心えぐられる作品じゃないだろうか。 | ||||
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何度もドラマ化されたり、映画にもなったりした、カトリーヌ・アルレーの’56年発表のミステリー史上に燦然と名を残している作品である。 戦争で家族や親類縁者を失って天涯孤独な34才のドイツ人女性ヒルデガルテは、新聞の求縁広告に莫大な資産家で自分にぴったりの条件の相手を見つける。早速応募する彼女だったが、実際はその広告は本人ではなく、その秘書が出したものだった。ふたりは綿密な計画の下、首尾よくこの気難しい老人の心をつかみ結婚することに成功する。ところが思いがけない事態となり、ヒルデガルテは危機に陥る。頼みとなるのはくだんの秘書のアントン・コルフひとりだけなのだが・・・。 テンポのよいスピーデーィーなストーリー展開、男と女の欲望と打算に満ちたサスペンスフルな計略、どんでん返しといってもいいほどの予想外の悲劇をともなう結末。本書はこれら三拍子そろったミステリーの、いまやクラシックの域に達した作品である。欲を言えば、もっとヒルデガルテを徹底的な悪女に設定して、憎らしいほどドラマチックなサスペンスであっても良かったと思う。 | ||||
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何度もドラマ化されたり、映画にもなったりした、カトリーヌ・アルレーの’56年発表のミステリー史上に燦然と名を残している作品である。 戦争で家族や親類縁者を失って天涯孤独な34才のドイツ人女性ヒルデガルテは、新聞の求縁広告に莫大な資産家で自分にぴったりの条件の相手を見つける。早速応募する彼女だったが、実際はその広告は本人ではなく、その秘書が出したものだった。ふたりは綿密な計画の下、首尾よくこの気難しい老人の心をつかみ結婚することに成功する。ところが思いがけない事態となり、ヒルデガルテは危機に陥る。頼みとなるのはくだんの秘書のアントン・コルフひとりだけなのだが・・・。 テンポのよいスピーデーィーなストーリー展開、男と女の欲望と打算に満ちたサスペンスフルな計略、どんでん返しといってもいいほどの予想外の悲劇をともなう結末。本書はこれら三拍子そろったミステリーの、いまやクラシックの域に達した作品である。欲を言えば、もっとヒルデガルテを徹底的な悪女に設定して、憎らしいほどドラマチックなサスペンスであっても良かったと思う。 | ||||
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とにかくスゴイお話。 冒頭から映画を観ているかのようにドラマの中に吸い込まれていくような疑似体験。 舞台は高級ホテルから豪勢なクルーズヨット、そしてニューヨークの摩天楼と豪邸。 最後は拘置所・・・全部一人の女を追い込む密室にして罠なのです。 今から半世紀前の作品で今だったら成立しない事件だったし もしかしたらこの事件ももっとヒロインが突っ込んでいけば 最悪の結末にはならなかったかもしれない。 それだけ穴のある完全犯罪なのだ。 しかし追い込まれたヒロインの心理状態すら計算していたであろう 真犯人の冷酷さと計算高さには感服します。 なんせ全世界の人間の心理すら操った男は小説の人物といえどこの真犯人くらいでしょう。 人間は単純な話ほど騙しやすいというお話。 この本を読んでからマスコミ報道の裏の真実や犯人の心理状況に興味を持ちました。 | ||||
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1956年リリース。カトリーヌ・アルレーの第2作。既に半世紀前の作品である。にもかかわらず登場人物の気質は、現代でも十分ありそうでまったく違和感がない。あわせてストーリーの展開が実にスムーズでテンポよく流れる。さすがに『名作』と言われることはあるな、と思った。 カトリーヌ・アルレーについては経歴が謎に包まれている。生年も1920年から35年と言われていて既にミステリアスだ。写真を見てもなかなかの美人で、彼女の小説に登場する『悪女』は彼女自身の経験が元ネタにあるのでは、と思えてしまう。それ故か、女性心理の描写は詳細で非常に精緻だ。でもそれ以上にその『悪女』に対峙する男性を描くのが非常に上手い。 読了後、ここに登場するアントン・コルフのすっかりファンになってしまった。彼の言葉、『悪者はいつも罰せられるものだと思っている。しかし、それは決定的なあやまりですな。悪者は、何かに夢中になったり、ばかだったりしないかぎり、いつでも成功する。その証拠をお目にかけますよ』に、世の中にはびこる『悪』の根っこを見る思いがする。 で、基本的に打算的美人のスタンスというのは変わっていない、あるいは不変なのかもしれない。だから美人は失敗する。 | ||||
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サディズム−といっても鞭やロウソクで肉体をいたぶる様な生易しいものではありません。 心胆寒からしめる衝撃のラストが待っています。 中盤の犯罪隠ぺい工作だけでも手に汗握る素晴らしいサスペンスだと思うのですが、驚異のどんでん返しが最後に待っています。 また主人公ヒルデガルトの心境はある年齢に達した人間なら誰でも共感できるものであるだけに、余計恐ろしい。 まったくうまい話にはご用心−。 内容はこれ以上書くわけにいきません。 とにかく読んでこの暗澹たる気持ちを味わってみてください。 カトリーヌ・アルレーの本はこれしか読んだことがないのですが、こういった系列の作品が多いそうです。 そして彼女、旦那さんとは別居中だのこと。 確かに亭主としては奥さんがこんな話ばかり考えているのではとても一緒に暮らすことはできないでしょう。 心中お察し申し上げます。 | ||||
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よく知られた作品です。読んでいなかったので、手にとりましたが、失望しました。翻訳の文章は、こなれていないというか、すこし硬いようにおもいました。作者が修行時代の作品であるせいか、単なる説明でもってストーリーがすすんでいくので、登場人物にも場面にもリアリティが乏しい。 悲劇の主人公、ヒルデガルデはなぜこうも無防備に、見知らぬ男に自分の人生を預けてしまうのか、作者はきちんと説明していない。ヒルデガルドがどういう女で、なにをおもっているのか、断定的に説明するだけで、読者が、彼女に感情移入して、その身の上を案じるように導く、そういう描き方ができていない。だから、サスペンスゼロになってしまう。 富豪のリッチモンドの性格も類型的で三文小説並みです。どうやって財をなしたかについても、どうにでも書けるような説明だけで、説得力のないことおびただしい。 はじめの40ページぐらいまで、コルフがヒルデガルデに計画をおしつける段階で、結末が読めてしまいます。おもしろい推理小説はどんなものか、古くなったとはいえ、ドイルを読めばおのずから明らかでしょう。 | ||||
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ストーリーも結末も知った上で、その評判に惹かれ、遅ればせながらこの正月休みに通読した。う〜ん、やっぱり名作の誉れあるだけあって、巧いなあ!今じゃサスペンス・ドラマなんかでよくある設定なんだけど、結末をここまで突き放したのはこの原作以外ちょっと無いな。ってか、もし原作のままストーリーをテレビで放映したら非難轟々だろうな。 又、翻訳小説独特の読みにくい文体も覚悟していたのだが、先日読んだ松本清張の小説を読むのと全然変わらない読みやすさ!訳者の力量なのか、原作が巧いのか?読みやすい理由の一つとして、登場人物の少なさもこの作品の長所の一つでしょう。但し、犯罪計画のプロットはかなり複雑で精緻なものなので、その点は覚悟して下さい。 | ||||
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作者の代表作。題名の「わらの女」は原語で「言う通りになる女=あやつり人形」の意。ヒロインの悪女ぶりと、完全犯罪の達成ということで評判となり、私が若い頃、「Yの悲劇」、「幻の女」等と共に、海外ミステリ・ベストテンの上位の常連だった。 物語はヒロインがある新聞広告を見たところから始まる。大富豪の付添人を求めているというのだ。ところが、それは広告を出した執事の策略で、応募したヒロインに大富豪を誘惑させ、結婚した後は彼を殺し、財産を乗っ取ろうと持ちかける。虚栄と打算に満ちたヒロインはそれに応じる。大富豪の性格を良く知る執事の主導の下、2人は綿密な計画を立てる。ヒロインは計画のまま冷徹な女を完璧に演じ(ほとんど地のままなのだが)、彼らの筋書き通りに事は運ぶのだが...。 完全犯罪は成立するのだが、作者はそこに"驚き"を仕掛けている。それにしても、女性の虚飾、自己本位性、冷酷さ等を描かせると女流作家は何てうまいのだろう。プロットの素晴らしさと共にそんな感想も抱かせる作品である。 | ||||
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カトリーヌ・アルレーが描く サスペンスミステリ。 打算から虚飾に包まれた億万長者の妻になることに成功した女性が引き込まれるできごと。 何が正しく、何が間違っているのか 誰が善で誰が悪なのか。 二転三転する中それに翻弄される人間を描いた サスペンスの古典です。 | ||||
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推理小説のベストテンには必ず登場する作品なので、いまさら付け加えることも特にないのだが。最後のどんでん返しは見事だし、いま読み返しても古さは感じさせない。著者の主人公に対する残酷なまでに冷たい視線は、やはり女流作家ならではのものなのだろうか。 | ||||
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冒頭から一気に読者を惹き込む導入の巧みさ。ラストの数10ページでは、(精神的な)世界が崩壊する、ガラガラという音が聞こえてきそうなほど、無情なまでに物語は加速し、エンディングを迎る。1956年の作品だが、古さは全くと言っていいほど感じなかった。 | ||||
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映画も観てみたい。ドラマも観てみたい。注文として結末は原作どおりであることを願います。ストリー内容に魅了されてしまった。男性的な感想としては「計算だかい」美しく・知的な女性を罠にはめていく過程、男性作家だったら主人公の女性に感情が入っていくかな。そして主人公のハッピーエンドでおしまいだったかな。女把が描いた女性の結末の運命、真犯人の男が女に一切の感情移入をおこさない描き方。アルレーの才能、女性の才能だと思いました。 | ||||
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アルレーの傑作。魅力的な登場人物のキャラクター、テンポのよいストーリー展開、ショッキングな結末と三拍子そろったミステリーサスペンスで一気に読ませる。洋上の船が舞台。夏の昼下がりのプールサイドでの読書にとてもよく似合う。ストーリーの面白さから、テレビドラマや少女マンガにも採り上げられているが、ミレーヌ・ドモンジョとショーン・コネリー主演の同名の映画が最高。中学生の時(40年前)に先に映画を見て感激。その後、原作本を捜して読んだ。本と映画の結末は違うところがが面白いが、どちらもお奨め。 | ||||
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20年ほど前にNHKでドラマ化された際、結末をストレートに表現することがはばかられて変更が加えられた、当時の問題作。今となってはそれほど刺激的なラストではないが、ストーリ展開の速い一級品のサスペンス。 | ||||
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