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傷だらけのカミーユ



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【この小説が収録されている参考書籍】
傷だらけのカミーユ (文春文庫)

傷だらけのカミーユの評価: 4.30/5点 レビュー 64件。 Aランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.30pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全52件 41~52 3/3ページ
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No.12:
(5pt)

読者を最後まで惹きつける巧みなプロット

宝石強盗の際、通りがかりの女性アンヌがその強盗に襲われ瀕死の重傷を負う。この女性、実は主人公である身長145cm短躯の刑事カミーユの
恋人であった。前作「悲しみのイレーヌ」で愛する妻を殺されたカミーユが傷心の5年間を経て、やっと見つけた愛する人。カミーユは必死に犯人を捜し、
アンヌを守ろうとする。単に宝石強盗の目撃者であるという理由だけでは、余りにも執拗なアンヌへの更なる殺害計画。カミーユはその背景に何か
あることを感じ始める。「その女アレックス」でもそうであったが、話の端緒はそう凝ったものではない、と読者思わせられる。だが、このルメトールと
いう作家はプロット設定が非常に巧い。その謎解きで最後まで読者は惹きつけられる。ある残虐な男が、この犯罪の中心にいる。それは誰なの
か。目的は何なのか。そして、このアンヌという女性は一体何者なのか。作品としては、いろいろなところに伏線を引きながら、この犯罪の背景
にある大きな陰謀をやがて見つけるカミーユ。前作(実際は前々作らしいが)の「悲しみのイレーヌ」と緊密に絡み合う作品となっていることを読者は
知ることになる。「その女アレックス」も相当面白いと思ったが、それに迫る作品である。
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No.11:
(5pt)

衰えなし

これだけ面白いシリーズは久しぶり。三部作で終わりは残念だが、それが正解。
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No.10:
(5pt)

もっと読みたい!

一気に読んでしまいました。このシリーズをもっと読みたいです。
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No.9:
(4pt)

カミーユ・ヴェルーベンという男の悲しみと痛みの物語

このシリーズは読む順番に注意が必要かな。
カミーユ・ヴェルーベン警部シリーズは、執筆順に「悲しみのイレーヌ」「その女アレックス」そして本作「傷だらけのカミーユ」と三部作になっている。
しかし、日本での発売は1作目と2作目が逆転しており、「その女アレックス」が先に発売され、翌年「悲しみのイレーヌ」が発売された。

単独で読んでも楽しめるというコメントもあるが、やはり執筆順に読んだ方が楽しめると思う。
特に第一作の「悲しみのイレーヌ」は重要な作品で、本書を読むうえでは是非読んでおきたい作品。
本作や「その女アレックス」を先に読んでから「悲しみのイレーヌ」を読むとネタバレしてしまってるから注意が必要。
本作は三部作の完結編となっているのだが、主人公のカミーユが背負っている心の痛みや悲しみをより理解するには前作を読むのが必要になってくる。

ストーリーに関してはあまり書くとネタバレになってしまうので書かないが、今回も主人公の心の痛みが伝わってくる描写が素晴らしかった。
巻末の解説で文芸評論家の池上冬樹氏が
「こんなに世界的に人気を博している以上、シリーズの新作を書かないわけにはいかないと思う」
と書いており、ここのレビューでも続編を希望する声があるが、私はこれで完結でいいと思う。
完結編としてはこれがベストであり、これ以上書くのは蛇足だと思う。
人生に悲しみと痛みを背負ったカミーユ・ヴェルーベンという男の物語はこれで完結で、その後のカミーユの人生は読者それぞれが想像すればいいと思う。
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No.8:
(5pt)

謎解きと人間の描写のすごさ

満足です。真相は後半あたりから徐々に分かってはきますが、人間心理など謎解き以外の部分も含めた小説の面白さを満喫させてもらいました。とくに何人も出てくる犯罪者の描写が秀逸と思いました。三部作として早くから構想されていたということのようですが、うすっぺらな謎解きに終わらない骨太さがたいしたものだと思います。
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No.7:
(4pt)

「偶然」という矢は狙いを定めて放たれる

亡き妻への想いや、もう誰かを愛することなどないだろうと思っていた自身が新たに別の女性アンヌを愛することになった戸惑い、そしてあきらめかけていた幸福を取り戻すことができるかもしれない、そんな矢先に降ってわいたようなあまりに無惨な事実に対する衝撃。
「妻を殺されるという言いようのない苦しみを味わい、立ち直るのに何年もかかった。そういう試練をくぐり抜けるとこれ以上ひどいことは起こらないと思ってしまう」
 カミーユ三部作最終章である本作は、まさに心が傷だらけとなったカミーユ自身の物語です。
 したがって、できれば前作から順番に(少なくとも「悲しみのイレーヌ」だけでも)読んでいく方がカミーユの思いに共感することができます。
 
 強盗事件で被害にあった女性が自身の恋人であることを隠して捜査の担当となったがため、普段どおりの冷静な判断を超えた強引な手法で犯人逮捕に執念をみせるものの、その過程で警察組織には嘘をかさね、次第に自身の立場を追い込んでいってしまうものの、もう後には引けなくなってしまうカミーユ。
 カミーユは思う。
「自分が入り込んだ道は暗くて曲がりくねっていて、どこに通じているのかわからない。それでもアンヌへの愛情に目がくらんでこの道に固執しているのではない。もっと別のものが背中を押し、なにがなんでもこの道を行けと言っている」 
 この事件を自身の問題にしたのではなく「おれ自身の問題がこの事件になったんだ」
「ずっと状況に振り回されていると思ってきたが、実はそうではなかった。結局のところ、自分の運命を決めているのは自分だ」

 本作も前二作同様、カミーユ側の視点と犯人側の視点で物語が構成されています。
 ただ、前二作のような、小説の構成や形態そのもので読者を驚かすというスタイルではなく、カミーユの状況を主眼に割合ストレートな構成となっています。
 もちろん構成がストレートではあっても、ルメートルらしい驚きの展開はあります。
 ただ、前作での衝撃が強ければ強いほど、なにをもってしても前作で感じた衝撃の記憶を上回ることはできません。
 それが続編のジレンマです。
 しかし「悲しみのイレーヌ」の後に執筆された「その女アレックス」は、そのジレンマを打ち破った見事な作品でしたので、第三部の本作に対する期待はいやがおうにも高まります。もっと強烈な衝撃を求めるがゆえ、続編のジレンマがここで発動されたとの印象を持ってしまいました。
 著者によるあとがきでは、本作がカミーユ・ヴェルーヴェン三部作の最終作になることが書かれています。
 そのことからも、著者は、カミーユの物語に決着をつけるため、三部作を締めくくるカミーユの物語として、本作のかたちがとられたのでしょう。
 しかし、カミーユというキャラクターの存在感は、これで終わりにするのはもったいない。
 いつかきっと、カミーユの再登場があるのではないでしょうか。
 ルメートルの作品をこれから読もうと思われるかたは、日本での翻訳順は逆になってしまいましたが、カミーユの視点から三部作を振り返ると、やはり執筆順どおり「悲しみのイレーヌ」から読んでいくのが良いと思います。
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No.6:
(5pt)

警部カミーユの物語として興味深く読んだ。前2作とは違うカミーユの姿。

カミーユ・ヴェルーヴェン警部シリーズ三部作。
妻イレーヌがなくなってから5年後、アンヌという女性と付き合い始めたカミーユにもたらされた、アンヌが強盗事件で重体になったという知らせ。カミーユは、友アルマンの葬儀に向かおうとしていた時だった。
カミーユは、部下ルイにも詳細を知らせず、捜査にとりかかる。
カミーユのとった言動には、少なからず疑問をもった。
なぜ、アンヌとのことを周りに知らせないんだろう。
秘密を持ちつつ、捜査を進めるカミーユは、周りから孤立していく。
どうするんだろう、どうするんだろうと思いつつ読み進めたいく。
不安に駆られて、前のページを読み直してみたりして案外時間がかかって読み終わった。

ネタバレになるから、後半についてのコメントは控える。
”アレックス”や、”イレーヌ”の時ほどの衝撃はなかった。
が、カミーユの心情を思うと、ひたひたと物語に引き込まれた。

ルメートルはすごい筆力を持っていると思う。
カミーユ警部シリーズはこれでお終いらしいけれど
できれば、ルイをもっと描いた作品も書いてほしいなあ。
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No.5:
(5pt)

三日目

ルメートルって面白いですね。ディーヴァーとはまた全然違うツイストのかけ方をしてくれます。三日目に入ればもう最後まで読むしかないんですよ。私は「その女アレックス」→「悲しみのイレーヌ」→「傷だらけのカミーユ」の順に読みましたが、この順番が何とも言えない絶妙な順番だったと思います。これを「イレーヌ」→「アレックス」→「カミーユ」と読んでたらまた全然違う印象になってたのでしょうか・・・。賛否あるようですが、私はこの3作は一続きの物語として読んだ方が面白く、長編の贅沢で残酷なミステリーをぞんぶんに味わえたとおもいます。
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No.4:
(4pt)

シリーズ完結作

原題は『SACRIFICE』で&#34;犠牲&#34;を意味する。
読み始めは、犠牲とはアンヌを守るために奔走し、心が傷だらけになってゆくカミーユの事を指しているかのように見えるのだが、終盤に向かうにつれて犠牲の見方が変わり、物語が別の側面を見せるから面白い。
難点は、カミーユが単独で捜査を行うという物語の性格上、前作『その女アレックス』のような魅力に富んだキャラクラーの数が欠けている点だ(もちろんカミーユひとりをとってしても多分に魅力的なキャラクラーであるが)。
シリーズのキーパーソンであるアルマンは早々にして病死しているが判明する。恐らく、アルマンが生きていれば彼がカミーユから相談を受けるはずだと考えてのことだろう。それをとってしてもカミーユに単独捜査させるための徹底ぶりがうかがえる。
邦題が『傷だらけのアンヌ』ではなく『傷だらけのカミーユ』であるのもそうした理由からだろう。あくまで主人公はカミーユでありカミーユが物語の中枢なのだ。
カミーユのトラウマ(『悲しみのイレーヌ』事件)がいささか消化不良である事は否めず、心残りはあるが、何がともあれカミーユヴェルーヴェン警部シリーズは今作で完結する。シリーズの愛読者はもちろん、はじめての読者にもおすすめしたい。
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No.3:
(4pt)

ネタばれ

とても悲しい話だった。これでも生きていけるのだろうか…カミーユ。本当に傷だらけですね。フランス人が好きそうなお話です。個人的には楽しめました。勘がいい人は展開が読めるかもしれませんね。私は全く気付きませんでした。
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No.2:
(5pt)

カミーユ警部シリーズ完結編

カミーユ・ヴェルーヴェン警部シリーズ3部作の完結編。
前半はできが今ひとつの感があるが、後半は前半の布石が効いた驚きの展開が待ち受けている。前2作の『悲しみのイレーヌ』『その女アレックス』と同様に傑作である。

パリのショッピング・アーケードで、女が宝石店に押し入ろうとする強盗に出くわし暴行を受けた。女を狙って3発の銃弾が発砲されたが、運がいいことにいずれも外れた。強盗は宝石を手に入れ、瀕死の女は病院に運ばれた。
女は、パリ警察殺人課のカミーユ警部が半年前から付き合いはじめたアンヌであった。5年前の妻の死からやっと立ち直ったカミーユにとって、アンヌは心の支えである。
シリーズの第1作『悲しみのイレーヌ』で、シリアル・キラーによって、カミーユの妻イレーヌは臨月に殺された。

カミーユはタレコミ情報をつかんでいて犯人をすぐに逮捕できると、上司に嘘をつき、強引に事件を担当した。カミーユは早期に犯人を逮捕すれば、違反行為がうやむやになるだろうと踏んだ。カミーユにとって運が悪いことに、気心が知れた部長は警視長に昇進して、厳格でキレ者のミシャール女史が新任部長になったばかりだった。
この事件の前に、1日に4件の宝石店強盗事件が起こったが、犯人は逮捕されていなかった。カミーユは、前の事件と手口が似ていたことから、今回の事件も同一犯の仕業とにらんでいた。

アンヌの話では、犯人の1人はセルビア語で話していて、もう1人は訛りのないフランス語で話したとのこと。カミーユはアフネルが主犯であると確信した。アンヌの写真識別の結果も、犯人のひとりはアフネルだった。

カミーユは、共犯のセルビア人からアフネルの居場所を聞き出そうと、署員を総動員してセルビア人の一斉捜査を敢行するが、思惑は外れた。ミシャール部長に人種差別捜査を行ったと指摘され、カミーユは署内で孤立した。

アンヌの命を狙って犯人がアンヌの病室に現れた。カミーユは病院からアンヌのを連れ出し、母親がアトリエとして使っていた家にアンヌを匿った。
カミーユがやっていることは、もはや懲戒処分ではすまされない犯罪行為である。
こうして、カミーユは犯人に追い詰められていった。
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No.1:
(4pt)

ややネタバレあり

『その女アレックス』『悲しみのイレーヌ』に続いて読んでみました。
まず序盤からびっくりです。これまでの2作に登場していたメイン登場人物の一人の葬式が行われていたので。。。
主人公カミーユの上司もいつの間にか変わっていて、前作までに愛着のあった読者は戸惑うかもしれません。

妻イレーヌの後に出来た恋人アンヌの命が狙われて、それをカミーユが必死になって救おうとするストーリーなのですが、読んでいるうちに「あれ? カミーユってこんなにダメな奴だったっけ……」などと考えてしまいました。恋人が命を狙われて必死になっている、と言ってしまえばそれまでなのかもしれませんが、それにしてもめちゃくちゃやり過ぎのような。案の定上司たちから総スカンを食らってしまいました。
メインのストーリーに関しては、途中で何となく「おかしい」と思うことがあるので、犯人や共犯者については予想がつくかもしれません。ただ、それで面白くなかったという訳ではありませんので、星4つです。
傷だらけのカミーユ (文春文庫)Amazon書評・レビュー:傷だらけのカミーユ (文春文庫)より
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