■スポンサードリンク
私の消滅
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
私の消滅の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.71pt |
■スポンサードリンク
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全48件 41~48 3/3ページ
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
中村文則氏の最新作。 あまりの面白さに一気に読了してしまいました。 ストーリーは重度のうつ病の女性を病的に愛した、ある精神科医の復讐の物語。 濃度の濃い純文学にミステリーの要素を入れ込み、圧巻のクオリティーの作品に仕上がっています。 全166ページと短いながらも、人間の悪意、神や世界への抵抗、マインドコントロール、犯罪者心理、自己の喪失等、これまでの集大成のような濃密なテーマが盛り込まれ、どれも興味深く、かつ非常に濃い読み応えでした。 主人公の神を無能であるとし、抗おうとする場面では非常に考えさせられるものがありました。 また、「たとえ倫理的に間違っていようともやらずにはいられない」、そんな切実さを感じるような描写が多く、こうした人間の複雑な内面を描いた部分に、毎度心を惹きつけられます。 「去年の冬、きみと別れ」にも見られた、物語が進むにつれて大きく視点の変わるだまし絵のような構成も見事で、何が起きるのかとドキドキしっぱなしでした。 切ないながらも、わずかに希望を残すようなラストも秀逸。 著者のファン、純文学やミステリーのファンにもぜひおすすめしたい1冊。 とても面白かった、未読の方ぜひ。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
序盤から中盤にかけては宮崎勤の心理分析などが非常に面白く夢中になったものの、終盤にかけてのストーリーは今一つだった。 著者の作品はまだ数点しか読んでいないため、その良さが実感できないが、作品を量産し売れ続けている作家でもあるため、他の作品を読んでみたい。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
この作者の作品は、「あなたが消えた夜に」に次いで、2作目だが、2作に共通して言えることは「竜頭蛇尾」。ラスト直前までの、リーダビリティーは完璧。下手なミステリよりはるかに(ミステリ的にも)面白い。本作は、特に冒頭の強烈な「つかみ」。スゲエ! 何だ、これは! そして、畳みかけるような謎。ミステリ顔負けの謎の連発。「あなたが~」は、ストレートに、「~は、なぜだろう?」と謎が出てきたが、本作は、叙述トリック風の書き方の中で、この「僕」は誰なんだろう? 「私」は誰なんだろう? この後、どうなるんだろう? (未来への謎)と、ワクワク、ドキドキ。この辺りの謎の出し方は、ミステリ作家も見習うべき。しかし、「あなたが~」と同じ、脱力系のラスト。叙述トリックもなければ(ミステリではないので、仕方ないか)、ひねりも、ドンデンも何もない。ここまで、謎ふうにストーリー展開させたなら、途中で見えて来たたラストの通りに終われば、それは裏切り。叙述トリック風の凝った構成だけが、むやみに立派に見えてしまう。竜の作り物のように。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
主人公がコロコロ入れ替わるので、内容理解に付いていくのに結構疲れる。この作者の本はずーっと読み続けているが、これまでで一番難解だった。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
このページをめくればあなたはこれまでの人生の全てをうしなうかもしれない。 帯のインパクトで、 作者の名前で、 購入。 装丁もこの小説にふさわしい。 己というものについて改めて考えさせられる作品だった。 中村文則という作家の奥深さにはまる。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
宮崎勉事件の解釈のような部分がありとても興味深く読みました。作者の解釈とはいえなかなかリアリティーがありました。単なる終わってしまった事件ではなくまた、だれにでもあるこころの闇という共通項があるのであれば、変態だのきちがいだのと切り捨てるのではなく正面から向き合ってみることも必要かと考えさせられます。ただ本当にその気持ちが分かったときに自分もきちがいになっているかもしれないと思うと怖いですがそういうものと戦いながら生きていくのが人生かもしれません。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
…なんて偉そうに書く資格もないのですが。 「教団X」は、もちろん、ものすごく面白かった。 でも、それでも大満足とまでいかなかった人がいたら、 ぜひ手に取ってほしいです。 読み終わって率直に思いました。 ―「教団X」でのモヤモヤが、ここで全て解消された!と。 宗教の話でもないし、エグイ性描写もありません。 ストーリーも、少し書くとネタバレになってしまうくらい短い話で。 ざっくりした紹介だと復讐の話、ということになるのでしょうか。 それも「今まで見たこともないような復讐」。 読了し、腹の底から不安が這い上がってくるようでした。 でも、文句なく面白いです。 とにかく、とにかく読んでほしい!! | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
「このページをめくれば、 あなたはこれまでの人生の全てを失うかもしれない」 帯にもそう書かれた本作。 大袈裟なのでは、本当にそこまでのものが描かれているのか、と ほんの少し訝りながら読み始めましたが。。。。。。 納得しました。 そういうことか、と。 重度の鬱病の女性を愛した精神科医の物語。 彼はどうにか彼女を救おうとするが。。。というのがあらすじ。 こう書くとすごくありがちに思えるかもしれませんが、 人間心理がこれでもかと細かく描かれていて、 「著者の中村氏、ここまで物事を細かく見れて人間の本質を見抜けちゃうなら 生きづらいだろうなあ。。。」 とまで思った。 純文学作家さんだけど元々がミステリの要素を取り入れた物語を書くひとで 最近は特にミステリづいて来ているので、 純文ファンもミステリファンもどちらでも読める。 出だしから何が始まるのかとドキドキさせられ、 宮崎勤などの著者の考察も興味深く、 ラストシーンでは切なくてやるせなくて胸が締め付けられるようだった。 あっという間に物語は終わった。 ほんのわずかな希望だけ残して。 初期の中村作品が私は特に好きなのですが、 中村氏が公私共に充実している(いや、実際は知りませんが)せいか 最近は孤独が描かれず妙に明るくなってしまったなとちょっと残念に 思っていたのですが、中村節は健在だった、 いやむしろパワーアップしていると非常に喜ばしく思った。 非常におすすめです。 中村氏の抱える闇にやっぱり私は惹かれてならない。 | ||||
| ||||
|
■スポンサードリンク
|
|
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!