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私の消滅
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私の消滅の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.71pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全48件 21~40 2/3ページ
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小説の読書は、読んでいる間の集中力で本の世界にぐっと入り込むトリップ感が魅力ですよね。 この本で日常からの別世界へトリップできる感じが気に入りました。 過去の実際の殺人事件に対する独自の見解にちょっと異論があるので星が減りました。 | ||||
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主人公である精神科医の、自分の人生の記憶・女性に対する感情・愛する女性を死に追いやった者への憎悪と復讐が、 記録集という形式で描かれている。その中で、引用という形で、連続幼女殺害犯人として死刑になった宮崎勤の人生と、 凶悪犯罪を犯した彼の心情(著者の推測)も描かれている。 宮崎勤は実在の人物だったし、この小説の主人公である精神科医や自殺した女性のような人物も実在すると思う。 ただし、それらは人間社会の中で例外的な存在であるとも思っている。 幼少期に親などから虐待されたり、学校でいじめを受けたりしたからといって、自殺する人は少ないし、まして 宮崎勤のような凶悪犯罪を犯す者はごく僅か(だから彼は歴史に残っている)だろう。 幼少年期に虐待やイジメを受ける→精神が崩壊する→自殺する・凶悪犯罪を犯す という因果関係は、嘘や間違いではないけど極論でしょ。 | ||||
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初めから独立し、確立された人格などは存在しない。 環境因子がいかにして「私」を作り上げているかなど考えさせられる内容で、 心理学の分野に興味のある方には魅力的な小説だと思います。 特に宮崎勤の人格・事件に対する洞察・分析には引き込まれるものがあり、 いつかもう一度読み直してみたい小説でした。 | ||||
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この作品、南海か熟読してやっとタイトル「私の消滅」の意味するところがわかったような気がします。 この作家の作品は、いままでは第三者が他人の人生をデザインし、観察し、制御することに快楽を覚える登場人物が物語の大事な役割を果たしていました。 「掏摸」「王国」「教団X」・・・・ しかし今回の作品では、さらにもう一歩、新しいアプローチで他人の人生をデザインします。 嗚呼・・・・なんと恐ろしいことを! ここのレビューに書かれてる方の中には「僕」の特定を誤ってらっしゃいます。 「私の消滅」の面白さはココです。 「中村文則」は新しいモデルを構築しました。 傑作です!! | ||||
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期待を裏切らない中村さん!!私は、いつも騙される。でも読み終わる頃にはスッキリしていて爽快です✩*॰¨̮ | ||||
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著者独自の世界が目くるめくようにして描かれていて、読後もしばら後味が悪かった。この著者の読後感はいつもそうである。 話は、心が正常でない精神医の回顧録のような形を取っていて、今登場して語っているのがその精神医なのか、或いは精神医が貶めようとしている悪者なのかの区別がつかず、時には気分が悪くなるような思いにさせるのだった。 私がこの作者の本を読むようになったのは、「掏摸」という小説を2年前に読んでからである。「掏摸」では、内容は鬱とした暗い物語ではあるが、知的な感覚に浸り、今迄に読んだことのないような新鮮さを感じたものだった。 この本を五つ星にしたのは、作品自体が面白いからというのではなく、文章のうまさと、発想の巧みさから作者の知的能力を感じるたからである。冒頭で述べた、作者の魅力、とはそのようなところにあるのかもしれない。 | ||||
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友人がこの本を読み描いた絵に惹かれ、どんな本なのか教えて貰い購入しました。変わった本だとは聞いていましたが、確かに変わった本です。 読む方のイメージによって見える景色は違ってくると思います。だからこそ面白くて変わってあるのでしょうね。 | ||||
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「このページをめくれば、あなたはこれまでの人生のすべてをうしなうかもしれない」 冒頭から不穏な空気を感じさせる。ある人物の手記から始まるのだが、その内容にぐいぐい引き込まれる。 しかし、読んでいくうちに誰がどうなっているんだという疑問がわき、その疑問が解決されると、また最初から読み始め、おさらいをしてやっと理解!! 出てくる人物のがみんな重い人生を背負っているところが、陰鬱な気分にさせてくれます。 それにしても催眠療法や電気ショックがこういったことに使われるのかと思うと恐ろしくなります。 | ||||
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人生で一冊読みきったのがこの本だった。 いつも小説とか読んでると途中で飽きてしまうのに。 2時間で読みきってしまった。中村文則の他も読みたくなった。 | ||||
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レビューを見ていて、嫌な予感がしましたが、外れでした。 私に合ったリズム、テーマでした。 さすが中村さん!! それとなくちりばめられた、純度の高いメッセージが心に響きました。 「私は変われるか?」 洗脳、薬、電気ショックと現在考えうる「脳を変える」方法で試される私。 しかし、私はそんなもので変われるのか? 脳とは本当に私なのか? 私とは私個人が所有している私だけなのか? と沢山の問いを投げて下さってありがとうです。 久しぶりにいい本に出会いました。 | ||||
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ドゥマゴ賞受賞だって…。 「超越文学ないしAI文學の新しい実験に連なるもの」だって…。 選者は、自身の書いた小説が最近三島賞候補になって、選考委員のひとりから「小説になっていない」と評された ロシア文学の偉い先生です。 幼稚―という感想を持つのは、きっとこの世に私ひとりなんでしょう。 だから私の方が間違っているのでしょう、きっと。 ああ、同志はいないのか…。 残りの人生はもうベテランのエンタメ系作家の書いた小説だけを読んで過ごしましょう。 などと独り言ちながら、 J.M.クッツェーの新刊を手にしているワタシ…。 | ||||
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ひとのこころのむずかしい問題を、複雑なやりかたで 書いている。 いろいろ衣を脱がしてみると、ひとのこころは 一たすいちは一。というかなり無謀な結論に いたり、おどろかされた。 一たすいちは一ではない解をみちびくのが 小説ではないかと思う。 宮崎を実名でだす必要性があるのかも 小説としてふしぎ。もうすこし抽象化した 存在として書いたほうが、自由なのになぜ。 もし、作者が新人なら、3年寝かしてから書けと いいたい。アイデアの羅列で、アイデアはおもしろいが、 このなかに人間がえがかれているとはまったく感じなかった。 ただのひとりも人間でなく、ただ、アイデアを実行する 役割の存在。 また、小説ならではの裏技、語り手の顔が見えない ゆえのどんでんがえしを、安易に消費してほしくなかった。 「死の接吻」なみの傑作が生まれた場合に、 本作が先行しているといわれたら、かわいそうだ。 | ||||
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「このページをめくれば、あなたはこれまでの人生の全てを失うかもしれない」 この怖さは、ここでしか体感できない。 人間の暗部、隠された強暴性、誰もが持つ攻撃性。 それらを解放しているこの作品は危険。 私が消えていくということ、誰かが私に成り替わるということ。 中村文則さんは、 またまた大変な作品を世に送り出してしまった。 必読だと思います。 | ||||
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教団Xに続く素晴らしい駄作。 得体のしれない鬱女性を童貞精神科医が 最愛の人間に奉ったあげくに、 自己本意の療法に失敗。 結果、彼女のトラウマを誘発し、 その加害者に自己満足の仕返しをする話。 そこに主人公の葛藤があるかと言えば 想像どおりの展開。 人間の陰の部分にフォーカスする作者だけに 残念。 とりあえず性描写しとけば、、、よし。 出版社もなぁなぁなんかな。 本当の人間模の葛藤を描いた作品には 遠く及ばない。 残念で仕方ない。 | ||||
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期待通り面白いです。教団Xと同じくらい衝撃的で興味深い内容でした。今から新作が楽しみです。 | ||||
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大きな活字と行間の広さに嫌な予感がしましたが、特に後半表現が平板で主人公に感情移入できませんでした。人間の感情がこんなに単純なら誰も苦労しないと思います 。人間の脳から記憶を消してしまうことは出来ても、逆は不可能です。それを可能とする架空の世界の設定が読者の納得のいく形できちんと設定出来ていないので、私には全く面白くありませんでした。 | ||||
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誰だって自分は何者なのか?と自問自答して苦しんだ時期があると思う(若しくは現在進行形で)。だが、そうした問題の答えなど何処にもなく、答えがなくても用意された日常に流されながら生きることができてしまう。 しかし、この本の主人公はそうした日常に生きてなく、過去の自分の経験にその生の意味を見出そうとしている。過去が全てという事は、その記憶を操作することで良くも悪くも出来るのだが、中村氏の小説だから徹底してドン底に陥れる。 だから小説の最後に「この世界の何らかの平穏をー。」と自分を救う行動に出てしまう。 弱い人間だ。弱い人間をありのままに美しくそしてグロテスクに書き上げる中村氏の作品は、私にとっては生きる希望になる。 | ||||
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人の深層心理がよく考えられた作品でした。 後半になるにつれ、物語の真実が見えてきたときには、 そういうことだったのかという衝撃をうけ、一気に読むことができました。 マインドコントロールや精神分析系が好きな方にはおすすめです。 | ||||
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精神科医療に対して、偏見を助長するような記述が目立つ。小説とは言え、問題である。 | ||||
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読み終えた中村文則さんの最新作、「私の消滅」。 最後まで読み終え、あとがきを読み、「この世界は時に残酷ですが、共に生きましょう」の言葉に涙が溢れた。 またひとつ、人間の内面の奥の奥に踏み込み、この人はなんとか一人でも暗闇の中から救いたいと強く想っているのではないかと、深く感じて胸が痛んだ。 全てを読み終えて表紙を見たとき、壁に掛けられたドレスがウエディングドレスに見えたのは私だけだろうか? この作品の「仕掛け」の巧みさや、ストーリーの基軸が恋人を喪失した者の復讐劇であること、人形師が作った本物の人間のような人形が出てくる点などは、近作の「去年の冬、きみと別れ」を想起させる。 しかし、あの作品はミステリーの要素が強かったが、今回の作品はより人間の真相に深く分け入ったという点ではずっと重厚になっている。 それは、現実の宮崎勤の事件をよく調べ、その内面に深く接近したことや、以前から中村文則さんがもっているテーマでもある“性の衝動”に更に鋭くメスを入れたこと(性の衝動が特に色濃く出ている作品は「最後の命」)、そして「私」という存在の認識は果たして明確なものであるのかという哲学者が問題にしてきた自己認識に対する精神分析や脳科学からのアプローチなど、様々な問題意識が深く考察されているからだろう。 しかし、この物語から私が得たシンプルな感触はこうだ。 「普通の顔をして生きている人間の悪意ほど恐ろしいものはない」。 殺人を犯すところまで追いつめられた人間には、そこに行き着くまでに多くの人間の他愛ない悪意が積み重ねられている。そういう悪意を秘めている人間の方がのうのうと暮らしていて、そんな自分に罪悪感すら抱かないのかもしれない。自分たちの悪意が生み出した結果を法で裁くことで安堵して、自分の悪意に見て見ぬふりをしているのではないか。そうやって、自分の悪を許し飼い慣らしている以上、殺人や暴力はこの世界から消えることはないのではないか。そう思わずにはいられなかった。 私は、殺人事件や暴行事件、自殺の報道やテロ、紛争や戦争などニュースに触れると、いつも心に痛みが走る。なぜ、人は自分や他人を殺してまで世界に復讐しなければならないのだろうと。どうしてこんなに生きづらい世界なんだろうと。こんなに生きづらくしてしまったのは、結局は人間そのものなのに、なぜ人間は世界を変えられないのだろうと。 でも、こうやって、戦っている人がいる。世界をなんとか変えられないだろうかと、生きづらい人々が少しでも長く、なんとか明日に向かって生きられないだろうかと模索している人がいる。 中村さんの小説を読んでいると、小説を読み終えて「あとがき」の「共に生きましょう」に出会うと、いつもそのように励まされ、私もなんとか生きなくてはと思う。 今回の小説も、また深く考えさせられ、またひとつ勇気づけられた。 この小説の最後が、絶望なのか希望なのか、それは読者一人一人に委ねられるものだが、その先に私はやはり希望を見出したいと思う。 | ||||
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