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ラッシュライフ
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ラッシュライフの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.96pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全276件 161~180 9/14ページ
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多彩な作風を持つ伊坂氏が今回は視点が複数の並行進行型のストーリーに挑む。舞台は伊坂氏馴染みの仙台で、折りしも連続バラバラ殺人事件が起こっている。 登場人物は「重力ピエロ」の黒澤(本作では空き巣役)、失業者の豊田、不倫相手の妻の殺害を企む驕慢な精神科医の京子、高橋と言う教祖的存在を中心とする新興宗教風組織に染まった河原崎、傲慢な画商の戸田と新進画家の志奈子。彼等の繋がりは、京子が用意した拳銃を豊田が偶然拾うくらいで良く見えない。日本人からアンケートを取る白人女性が訳ありそうに描かれるが、どう関係するかは不明。老犬、異国の宝クジ、赤い帽子等の鎖の断片も示される。しかし、黒澤が入った家で出会った佐々岡が、黒澤の元同窓生かつ志奈子の元恋人と言うのは流石に偶然過ぎるだろう。黒澤のお得意先の一軒が豊田をリストラした舟木と言うのも偶然過ぎる。そして、豊田と拳銃の関係は哀愁から復讐へと移って行く...。この小説は何処に向かって行くのか ? 五里霧中な展開の中、京子の不倫相手の青山が人を轢き、その死体がトランク中で瞬時にバラバラになり、一方、河原崎が「神」である高橋の解体作業に係る辺りから物語に求心性が出て来る。更に、トランク中のバラバラ死体が繋がってトランクから抜け出す描写の場面では、新手のミステリかと思わせるが、如何せん結末はすぐそこ...。 新しいタイプの小説である。本作の趣向は「そんな偶然性の高い人間関係はないだろう」と言う非難を覚悟の上で、伊坂流"騙し絵"を描いたものと言える。個人的には、黒澤以外は河原崎と豊田に的を絞った方が上質の作品になったと思うが。「ラッシュライフ」の意味を作者は結末で「豊潤な人生」としているが、「駆け巡る人生」の方がふさわしいと思った。 | ||||
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おなじ時代、おなじ地球のおなじ国のおなじ季節に 生きる不思議さを感じます。 ひとりの作家の本が縁であつまる不思議な人に感謝します。幸運をお互いにつかみましょう。 | ||||
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独特のキャラと予想のつかない展開が持ち味の作者の第2作は、前作にも増して内容が練られ、その不思議な魅力が一層凝縮されました。 従来の小説とは異なり、作者の作品は何かが起こり、展開し、そして解決する一連の過程を語ることを目的としていないようで、そこが最大の魅力と感じています。本作でも、独自の設定に基くシーンが次々と積み重なって行く様を心ゆくまで堪能しました。 尚、技巧が好きな人は「騙し絵」の仕掛けを絶賛するでしょうが、そういったテクニックに走らずとも十分に魅力的なオリジナリティーに溢れた世界を確立していますので、そちらの方にこそ集中して欲しいと思います。 | ||||
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なんで?なんで?え?で、どうなるの?って感じで、ページをめくるのがとても楽しかったです。 | ||||
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この著者の作品は本当に会話のテンポがよくすらすら読める。この作品も例外ではなく、全然違う状況を描いているにも関わらず、その状況にあったテンポで会話が進んでいて心地よい。たとえば、好きな日本語を書いてくださいとお願いする外国人女性に対して、各物語の主人公がとる態度は様々だが、どの主人公もきちんと自分の状況を考えた日本語を表現している。僕がお気に入りの人物は泥棒の黒澤で、泥棒という相手に迷惑をかける立場にも関わらず、いくら盗んだとか他のものはとっていないというようなメモを残していくようなところ、老婦人に拳銃で脅されても軽口をたたいてやり過ごすところが人生を超越している感じがして心地よかった。 | ||||
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初めて読んだ著者の作品。5(8)人の視点から語られる物語が、時系列もバラバラに描かれて(しかもそれは終盤までわからない)いるのだが、それがラスト近くになるにつれ見事なまでに一本の太い糸となり物語として完結している。細部に渡るまで考え抜かれた見事な構成だ。端正な文体も好印象。こういう小説を読むと小説家という職業は才能が必要なんだなぁと感じてしまう。 登場人物個々に強烈な魅力は感じられないのだが、この作品は群像劇であり突出したキャラクターの存在が逆に作品の魅力を減じてしまうような気もするので、これはこれでいいような気もした。 小説を読む醍醐味を感じさせてくれた一冊だった。 | ||||
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文章の天才、伊坂幸太郎の一つの最高峰かな?この作品に全てを求めるのはナンセンスだし、全てを求めれば、凡庸な三文小説に成り下がりますよ。そもそも小説とはそんなものではないでしょうか、個性(偏り)があるから面白いんだと思います。きっと完璧な小説なんて面白くないですよ(皆さん教科書的な展開や結末をお求めのようですが、この作品のように作者と読者のイマジネーションの融合が楽しめる作品も珍しい。ということは、読者のイマジネーションも求められる。)。この作品は、伊坂幸太郎の構成力が一番楽しめるのではないでしょうか?だってこんな話、伊坂幸太郎以外には書けないでしょう。誤解のないように付け加えると、物語はいい。皆さん無い物ねだりは良くないですよ。読者に委ねられた役割を楽しみませんか? | ||||
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「重力ピエロ」のあとに読んでしまいましたが・・・ 先に読んでいればよかったかもしれません☆ 非常に構成が巧妙で、 最初は何だかわからなかったのが、最後のほうは どことどこが繋がるのかわくわくして読めました。 時間軸のずれが明らかになってからは 予測立てて読むこともできましたね。 全員が何らかの答えを出して終わりとなればもっと よかったと思います。 残念ながら女性陣は踊らされていたような気がします。 一番救われたのは一番無残と思われた無職の男性でしょうか。 ミステリーというよりはエンターテインメント。 誰でも楽しめる作品だと思いました。 | ||||
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何の関係もないと思っていたものが結びついたとき、 人はおもしろいと感じる。 本書はその連続だった。 5つの物語がつながっていることにだんだん気づき はじめ、予想もできない関連性に思わず感嘆の声を あげたくなる。 セリフや細かい出来事まで細部にわたり網の目のよ うに絡み合っていく。一度読んだだけではその細部 にわたる技巧まで気づけないかもしれない。 本書は一気に読むことをオススメする。細かい関連 性を味わうためには、一晩おいては、おもしろさが 半減してしまうのだ。 個々でバラバラに存在していた点が一つの線として つながったときの爽快感をぜひ味わってほしい。 きっと、人生もこんなものだろう。 人と人はどこかでつながっていて、関連しあいなが ら生きている。 | ||||
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まさに駆け抜けるストーリー 様々な糸がほぐれて・・・ほどけて こんな展開があるなんてとおもわせる・・・ うまいですね 伊坂幸太郎 これからも目が離せないですね・・・ | ||||
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5つの場面を絶妙なタイミングで混ぜ合わせてひとつの作品に仕上げてある。 一つ一つの話だけを切り取っても楽しいがそれが絡み合って更なる真実が浮かび上がってくる喜びと楽しさというのは面白い。 私は個人的な趣味で違う小説を5冊くらい同時に読んでその5冊を一つの物語世界にして読み進めていくという読書の仕方を好んでするのですが、本作の場合その興奮を一冊で味わえる。 しかも彼の著書はそれぞれの作品同士で出来事や登場人物を大袈裟にならない程度にリンクさせていくのが巧みなので本書を読みながらでも違う作品の出来事が頭に浮かぶこともよくある。 「あらゆることが同時に起きている」と小説の中で実感できる面白さを味あわせてくれる。 小説版パルプフィックションといったところか・・・が、文章という媒体ならではの面白さが突出している。 ところどころ登場人物の説明口調がうっとおしく感じ「もっと読者の想像力を信じてくれよ」と言いたくなる場面もありますが、この面白さの前では取るに足らないことですね。 誰もが主役のようで誰もが端役という世の中を俯瞰したような全体像が私は好きです。 目的や意味というものを押し付けずただ淡々とストーリーが進み「感じられる奴だけ感じろや」というブン投げ具合がたまりません。 一年くらいして再読しても楽しめる作品だと思います。 | ||||
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泥棒・黒澤と画廊経営に失敗した佐々岡が バッタリ「旧友との再会」を演じてしまう あたりが私は好きです。 黒澤と佐々岡の会話が興味深い。 黒澤の分析によれば(P276) 真面目ではあるが人を信頼して裏切られ 地面の上に立っているかどうかも疑わしい 男=佐々岡よりも、金や地位を重んじ 履いている靴がどこのブランドであるかを 気にする、現実的な佐々岡の妻の方がよほど頑丈だ・・・ ということらしいが・・・・ ラストでは、ちょっと異なる展開となる。 この女=京子、そして金に物言わせる画商・戸田だけが この小説の中で、「着地」していないように思える。 この二人が、その後どうなったのかが知りたい。 ** 本屋大賞受賞おめでとうございます! | ||||
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登場人物が、泥棒であったり、失業者、宗教にはまっている青年などなど、、、変わってはいるのかもしれないが、誰一人として、魅力的で引き込まれるというキャラクターの持ち主ではない。話は特に山もなく谷もなくたんたんと進行する感じがする。泥棒が空き巣に入った家が、失業者を首にした上司の家であったり、青年が殺人をしてしまう部屋が、泥棒が住む隣であったり、失業者の拾った野良老犬の首輪は青年が、買って着けてやった物であったりと、細かな沢山のトリックでそれぞれ違う人生を歩む登場人物が、関わり合うと言うか通りすがると言うか...。ばらばらの話を全部関わり合わせる書き手のテクニックは凄いが、何と言うか、話に厚み、深みが足らないようで、ドカーンと衝撃がない。 | ||||
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面白いことは面白いんですけど…正直そんなに絶賛するほどかなぁ評価高かったんで期待しすぎちゃったからかもしれません確かにそれぞれの物語が繋がっていくのは見事ですけど、いまちいインパクトがないというか…ラストにドーンと度肝を抜かれるような なにかがあるのを期待してたんですがあっけなく終わっちゃってえ これで終わり?って感じでしたいろんな物語がいろんなところで繋がっていくのは あ〜なるほど〜ってなるけど それだけで、それ以上に感じるものはなかったです | ||||
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本作品は、群像劇と呼ばれる手法を使った作品であり、五つの物語から構成されている。この五つの物語は、始めは、それぞれが独立して進んでいるように見える。しかし、話が進んでいくうちに、五つの物語が、色々な場面で繋がっていたことがわかる。読み進めていくうちに、「これはこうやって繋がっていたのか〜」と思わず納得である。 こういった作品は、一歩間違えば、話が分かり難くなり、読者を混乱させそうなものである。しかし、本作品は、話の内容も分かりやすく、その心配には及ばない。こういった作品を仕上げるところを見ると、伊坂氏というのは、かなりの筆力を持った作家なのだと実感する。 というように著者の筆力を感じる一冊ではある。しかし、個人的には、あまり楽しむことができなかった。なぜならば、物語の目的というかゴールというか…そういうものが不明瞭だからである。例えば、ミステリー作品ならば、ある事件があり、その真相に迫るという形をとる。したがって、事件の真相を解明するのが、作品の目的ということになる。では、本作品の目的はなんなのだろうか?何のために、話が進んでいるのだろうか?この辺が最後まで不明瞭である。 本作品を一本の木に例えて評価すれば…枝と幹は立派だが、根っこがいまいち…といった感じである。というわけで、星三つ。 | ||||
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エッシャーの騙し絵を この話の主軸に置き 五人の主要人物それぞれの視点から 物語が始まり 結末へと繋がっていくのが この話の大まかな流れです。 しかし伊坂光太郎のすごいところは この人物たちを 単に複雑に交錯させるのではなく "エッシャーの騙し絵"を見事に組み込ませ また"ラッシュ"の四つの意味を それぞれの心象の描写に入れてきた点が 他の小説家と一線を画していると 私は感じます。 また時間の系列がバラバラで それが最後まで読むと 以前の話の時系列がわかり 各話が実は密接にリンクしていることに 気付くと思います。 おそらく映画の「21g」を見たことのある人は このような構成を思い出すと思います。 私は個人的に 黒澤が好きでした! | ||||
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伊坂ワールド満開のこのストーリーに脱帽。ところどころでちょっと無理があるかなという展開が気になったので星は4つ。でも、ジグソーパズルが出来上がっていくような、アメーバがじわじわとくっついて一つになっていくようなストーリーは、読み始めると止まりません。それと、随所に「オーデュポンの祈り」「陽気なギャング〜」など伊坂幸太郎の他の本のエピソードがおしゃれにちりばめられているのも、伊坂ファンとしては楽しめました。 | ||||
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意外なところでそれぞれの人物がつながっていて、そうだったのかと驚くことの連続でした。人物もそれぞれに魅力的だし、個人的には黒澤が好き、共感できるところもできないところも何かと考えさせられる部分が多かった。ただ時間経過を把握するのに苦労しちゃいました。あと、ハマる人はハマると思うけど、純粋なミステリーが好きって人には向かないかも?! | ||||
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いくつか伊坂作品は読んでいるのですが、これもとても面白かったです。さまざまな人物がさまざまな時間軸で繰り広げているドラマが、クライマックスに向けて急速に絞られていく感覚が気持ち良かったです。ああこれも、あれも、それも伏線だったんだ!としてやられた感じが心地よいです。好き嫌いはあると思いますが、わたしは伊坂先生の台詞や言い回しが大好きです。さまざまな作品から引用しているところや、伊坂作品自体がリンクしているところも素晴らしいと思います。この作品では、無職の中年男性に共感しました。自分が就活中で惨敗し続けているからでしょうか。だからこそ、彼がイッツ・オールライトと言えるようになった瞬間が清々しくて、元気をもらった気がします。単行本には文庫本収録の際に修正された箇所もあるそうで…気になります。 | ||||
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金と脅しで人を動かせると思っている画商、新興宗教に身を委ねている若者、不倫をしているサッカー選手と精神科医、リストラされたデザイナー、空き巣等の1日が、仙台を舞台に別々に描かれ、物語りの終盤で絡み合う。いわゆる伊坂ワールド的な展開に思わず引き寄せられる。伊坂ワールドを楽しみたい方向けの本である。 | ||||
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