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モダンタイムス
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【この小説が収録されている参考書籍】
モダンタイムスの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.74pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全203件 81~100 5/11ページ
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検索から、監視が始まる。というキャッチは普通に事実だしけっこう刺さる。んで作中の通りに「播磨崎中学校 安藤商会 個別カウンセリング」で検索するとマジで問題の出会い系サイトがヒットする!みたいに、実際はそういう偽装をされた講談社特設サイトがヒットするように環境周辺も作り込まれてる、といった芸の細かいところもポイント高いですね | ||||
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物語の先が予想できないように意識して作られている。 意外性が面白いな。 | ||||
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非現実的な内容ながら、現実に自分が知らないだけでおこっている、またはおこりうる、戦慄する内容に感動しました。 | ||||
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上巻に続いて、現代の闇を暗喩しながら展開するストーリーがすばらしいです。 | ||||
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伊坂幸太郎作品の最高傑作だと思う。 「そういう風になっている」というフレーズが出てくる。実体の無い完全なシステムが支配している構造に対して、自覚的にも無自覚的にも使われる言葉だ。 最近、自分が働く職場でも同じ想いを抱いたことがあった。所謂「つかえない人」は誰かが「彼はいらない」などと言い始めて消えていくものではない。その場に居るみんなが何となく、心の小さな秤にある重りを彼とは反対側に置いていく程度のことの積み重ねが彼の居場所を奪っていく。そういうことが何度もあり、「つかえない人」は職場から姿を消していった。秤に重りが積み重なっても消えない人は、無慈悲な仕事の積み重ねが行われ退場を余儀なくされる。僕は自覚的なつもりだったけど、「つかえない人」が残り続けても結局不幸なので「そういう風になっている」と割り切っていた。ただ、心に苦しさは感じていた。反面、この強烈な自浄作用とでも呼ぶべき機能はなんなんだ、とも感じていた。 この小説が表現したことはこういった比較的ミクロな空気というシステムから国家、社会システムといったスケールまで幅広く触れていると思う。 そのどうしようも無さ、実体の無いものと折り合いをつけていく難しさを表してくれた。だから、読後の納得感は大きい。 結末について、2手に分かれたという評があるが、私から見ると、全員同じで、ただ目の前のことに向き合っていくという選択をしただけのように思える。五反田は目の前の壁を崩したいというだけであろうし、渡辺は目の前の妻を大切にしたいという思いだけに感じた。選択の余地がなかったように見える大石についても、目の前の先輩からの自立という問題に向き合っていくしかない。 だから、私も、前述のような強烈な自浄作用を当然のものとして、誰かを責めて甚振るような道具にはしないようにと思う。それでも正さなくてはいけないなら覚悟を以て。いや勇気を持って。 | ||||
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主人公と友人の著者本人をはじめ、その他の登場人物すべての性格が「楽観的」 思わず引き込まれます・・。 | ||||
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主人公の渡辺拓海は浮気を疑われて、妻が雇った男に拷問されそうになる。 会社に行けば、失踪した先輩の尻拭いで派遣先に飛ばされ、クライアントともコンタクトが取れない仕事をする羽目になる。 踏んだり蹴ったりな人生で、よっぽど運がないのかと思いきや、ひとつだけ強力な武器を持っている。それは、後輩に頼まれて入会したサイトの占いメール。 「着メロを変えたほうがいいですよ、絶対」 「大事な人に海外旅行をすすめるべきですよ、絶対」 「今日は傘を持っていくべきですよ、絶対」 「漫画週刊誌を持っていくべきですよ、絶対」 占いとしての体裁をなしてない日本語に首をかしげながらも、メールの通りに行動することで、彼は窮地を救われる。どんな仕組みになっているのか、あるいは彼に何か特殊な能力があるのか? 失踪した先輩の後を辿って、彼は自分に課せられた仕事の謎解きを始める。一見、出会い系サイトの修正に過ぎないプログラムには、暗号化された箇所があり、解読して出てきた文字列を検索した人に、次々と災厄が降りかかる。 周囲の人々を盛大に巻き込みながら、彼は少しずつ核心に近づいていく。 読み終えてわかったのは、人間というのは全く本質を見ていない、ということ。 真実だと思ったいたものが、そうでなかった、なんてことは世の中に往々にしてある。 最初は恐いとしか思えなかった奥さんも○○○だったし、百発的中の占いは△△△だったし(ネタバレ自粛)。 作中人物として登場する井坂好太郎だけは、最後まで印象変わらずでした。 | ||||
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とても面白い作品でした。 多くの方が書いていらっしゃるように、伊坂氏ならではの軽快なキャラの語り口が 余計になってしまっているシーンもあります(元々が、モーニングでの連載ということを考えれば納得できますが)。 奥さんの正体や永嶋丈の向かう先、五反田先輩の対決の仕方などは明かされません。 しかし、この話の主題を崩す要素になっているとは思いませんでした。 生身の人間が構成しているはずの"仕組み"が、いつの間にか人間の手に負えなくなる、やりきれなさ。 システムをつくるシステムエンジニアがそれに翻弄され、権力者である国会議員でさえ把握していない。 最後まで煮え切らない"もやもや感"は、身近でありながら壮大なこのテーマにふさわしい気すらしています。 個人的には、魔王、砂漠を読んでいてよかったと思いました。 あのとき主人公だった安藤兄弟の強い気持ちも、本作では、些末な出来事のようになっている。 それが、"仕組み"のやりきれなさに一役買っているように思ったので。 それと、永嶋丈の語る国家観が面白かったです。意外と"仕組み"に対して諦めてない姿勢も良かった。 どの登場人物も、諦めてないです。(どうやったって逃れられないと知っているからですけど) 手に負えないと理解することと、諦めることは別ですよね。 人によるでしょうが、私は読後感悪くないと思いました。 | ||||
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「魔王」での腹話術が再登場します。 作中に著者と同姓同名の人物も登場します。 謎が謎を呼ぶ序盤・中盤の展開はさすがですが、 終盤にさしかかるころには 雑誌連載の都合上、話を引き延ばしたのかと思われる展開が続きます。 小説中のネタを別の小説や短篇にするなどして 400ページ程度で完結してくれるとよかったです。 | ||||
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またしても再読しました、伊坂さんの作品。『モダンタイムス』です。ぼくが最初に読んだのは単行本ヴァージョンでしたが、こんかいは文庫版です。そういえば伊坂さんは文庫本を出すとき、いつも加筆修正をなさるそうで、いろいろな意味で二度たのしめたかな、とおもいます。 さて。 さて、題名の「モダンタイムス」の意味ですが、やはりこれはチャールズ・チャップリンの映画『モダン・タイムス』からの借用なのですね。上巻のp277に書いてあります。「訊ねる私の脳裏には、昔、祖父の家で見たとてもつもなく古いサイレント映画、確か、『モダン・タイムス』というタイトルだったと思うが、その場面が映し出された。産業革命により、工場が機械化され、人間が翻弄される話だった」とあります。 ここで、キーワードとなるのが、同じページにある、「機械化」と「怪物的なもの」です。「怪物的なもの」とは、ナチスのホロコーストにおいてユダヤ人を工場で商品をつくるように殺した、ということで、それは世の中が機械化されているからである、ということみたいです。 この作品は近未来な作品だなぁ、とおもい読み進めていたのですが、直接何年なのか書かれているところはなく、上巻のp108に探検家の「シャクルトン」というかたのはなしが出てくるのですが、それが「1914年」でそのことを「百五十年前のこと」と書いていますからおそらく「2060年」付近、つまり「22世紀半ば」ということでしょうか。解説を書いていらっしゃる書評家の酒井貞道さんも「22世紀半ばの話」と結論づけています。 未来の話ですので、げんざいとはちがったいろいろな状況、制度・機械等が出てきます。例をあげますと、「徴兵制」、「パスポートにGPS」、「机に埋め込まれたモニター」、「中華人民共和国ではない中国」、「医療カプセル」、「視覚障害者のかたでも運転出来る車」などなどです。 さてさて。この作品の核となるのは、なぞの企業「ゴッシュ」でしょうが、下巻のp156に「ゴッシュとは「ゴッド」のスラングで、つまり「神」のこと」というむねの文章があります。ということは、「ゴッシュ」=「神」で、主人公=渡辺拓海は「神」と戦っている、ということでしょうか。あるいは、なんども言及される「システム」と。「ゴッシュ」=「神」=「システム」。 というわけで、以下はほかに気づいた点を挙げます。 ・「さよならだけが人生だ」という歌人・寺山修司さんの詩がセリフとしてもちいられています。「さよならだけが/人生ならば/また来る春は何だろう/はるかなはるかな地の果てに/咲いてる野の百合何だろう(後略)」。 ・初期作品とちがって、なにかこう、すいすいと書いている感じがします。とくに下巻にそのような雰囲気をかんじます。ただの勘、です。たぶん、講談社文庫さんがつかっている字体や字の大きさのためのような気もします。 ・やっぱりやっぱり伊坂さんの小説の主人公はなぜかモテるみたいです。ふしぎですね。 ・伊坂さんはやはり相対主義者なのでせうか。下巻p121、「善悪なんて、見る角度次第、語り方次第。そして、もっと言えば、何が真実かどうかなんて分からないってこと」とあります。 以上です。 | ||||
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ゴールデンスランバーに増して、伊坂の政治的、社会的意見や思想をエンタメ小説という枠組みの中で最大限に発信し表現してやろうという意と欲が感じられる作品。であるからに、作中の会話がストーリーの進行でなく、読者に氏の意見思想を理解を深めさせることが目的になっていることが多い。ということでどうしても不自然になってしまうが許してくれ、という氏の読者へのエクスキューズのとしての存在が"伊坂好太郎"である。伊坂好太郎の新作は、文庫本(上)P.322より 彼が今までの作風を捨て、不慣れな人物描写、情景描写を続け、さらには地味なトーンの物語にしている理由についてだ。 もしかすると伊坂好太郎は、今までと同じ小説の書き方では駄目だ、と悟ったのかもしれない。 いつもと同じ喋り方をしていては、いつもと変わらぬものとしてしか受け止めてもらえない可能性がある。真剣に物事を伝える為には、なりふり構わず、主義主張を捨て、普段とは異なる声で喋る必要がある。彼はそう考えたのではないだろうか。 と主人公に理解される。 読者へのエクスキューズとしての存在であるとともに、主人公を導いていく「高い水準」の志やイデオロギーを持った人物像である点から、伊坂好太郎は、伊坂幸太郎を巧妙にデフォルメした、伊坂の分身であり代弁者なのだろうと類推されるのである。氏はこの小説で「俺の」意見思想を世の中に発信したいという強い野心があったため、重要な登場人物の名前を"伊坂好太郎"と自身の名に似たものにしたのではなかろうか。 私はこの"伊坂好太郎"という名に託すという試みをマイナスと評価した。"伊坂好太郎"にこだわらなければもっとスマートなストーリー展開が出来たと考えるからである。また、このタイプの意見思想は森達也などの作家が論理明快に分かり易く発信していることであり、それをエンタメ小説という制限の多い枠組みの中で表現した結果が、「なんだか陳腐に見える」という点でもマイナスである。肝心のストーリーが主張とぶつかってはいけない。ゴールデンスランバーでぎりぎりのラインだったのかもしれない。 | ||||
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国家にとって都合の悪い真実を隠ぺいするために ネットを監視して検索した人間に危害を加えるシステムと それに気付いて抵抗を試みるエンジニア. このように書くと,何やら巨悪に立ち向かう正義のヒーローという感じがするが, 描かれるテーマは,どうすることもできない無力感と, 高度に分業化された社会のシステムのつかみどころのなさである. 「ゴールデンスランバー」では一糸乱れぬ組織として描かれていた国家のシステムが, 今回は分業されて完成した監視・管理システムとして描かれている. 関わる者が誰もその意味や目的を考えないまま, ただ目先の「仕事」を進めることで全体としてのシステムが動き, 最終的に不穏分子が始末される. そんな無機質な不気味さがむしろあっけらんと明かされ, 主人公たちのささやかな抵抗も徒労に終わる. 闘う相手すら判然としないこの無力感の描き方と, エピローグでのそれぞれの人生の選び方が印象的てある. ただ,明らかになっていない謎もたくさんあるし, 何より,ネットが監視の方法として使われる,というところにややリアリティがないと感じた. とくにジャスミン革命でインターネットコミュニケーションが人民解放のツールとして 使われた今ではこの設定はちょっと苦しいと思う. | ||||
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次々と事件が起こり、敵も中々見えてこないので、続きが気になり一気に読んでしまいました。 キャラクターもそれぞれ個性的で、テーマも面白かったです。 奥さんや浮気相手など確かに謎の部分もありますが、想像で補っておきます( ' ▽ ` )ノ | ||||
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いろいろな疑問や伏線が最後には1本にまとまり、そういうことだったのかと「うまくやられてしまった」というのが、これまで著者の本を読んだあとの読後感でしたが、この本では下巻の2/3程度で不完全に収束したまま話が停滞して終わってしまいます。また拷問シーンの繰り返しも気持ちがいいものではなく、それでいてワンパターンです。奥さんのキャラクターが上巻と下巻とでは違ってきているように思えますし、愛人の行方不明も宙に浮いたままでした。 そういったこと理由が、あとがきで判明しました。週刊誌に56回にわたって連載したものを本にしたためで、過去の記述を書き直せないままストーリーが進行しエンディングとなったのでしょう。 テーマとしては蟻とコロニーの話が象徴的でした。が、無理に50年先に設定しなくても扱えるものだと思います。 いずれにしても著者の本としては、完成度が低いと感じました(私の期待度が高かったのでしょう)。 | ||||
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連載ものなだけに、毎回次が気になる終わりかた。 ストーリー性は普通だが、作者のメッセージのよ うなものは解りやすいので、そこで好き嫌いがわ かれるかも・・・ 初めての伊坂さんの作品だったので、違う作品も 読んでみたくなりました。 | ||||
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娯楽小説として純粋に面白かったです。久々に寝食を忘れて読書に没頭しました。社会の”仕組み”という壮大なテーマに挑んでいるところは素直に讃えたいですし、なるほどと思わされる点も多かったです。特に、アリは賢くないがコロニーは賢いという例えは非常に秀逸でした。個人的には村上龍の『愛と幻想のファシズム』を読んだときの興奮が甦ってきました。その一方で、今から約50年後の近未来を舞台にしたのは正直”逃げ”に思えました。徴兵制の導入など政治や社会の体制が大きく変わっているものもあれば、インターネットの検索などテクノロジーは今と変わっておらず、不自然に感じた点も。どうせなら現代で勝負してほしかったところです。 | ||||
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伊坂幸太郎のファンです。 この小説は、雑誌モーニングに連載が始まったときに、初めて 読みましたが、その際は、面白さが全くわかりませんでした。 伊坂幸太郎の作品を5〜6冊読んでからこれを読むと、 ふむふむ、と思えるのですが、この本単体では、 あまりにも、奇をてらっているように思いました。 本人も確信犯だと思います。その証拠に本人が扮した キャラクター?「井坂幸太郎(伊と井の違い)」が いけすかないキャラクターで出演していますし、 自分が文章を書くスタイルが変わったようなことを 語っています。 この本と並行して「マリアビートル」が書かれました。 こちらのストーリーの出来に比べると、このモダンタイムスは、 あまりにも乱雑なストーリーのように思います。 それでも、私は楽しめました。 一気に読んでしまいました。 伊坂幸太郎を初めて読む方にはお勧めしませんし、 まして、この本だけを読んで彼の本を読むのを 辞めてしまう方がいたら、あまりにももったいない。 伊坂ファンは、この評を見ても、「読まずにいられない」 と思いますし、そういう評判を聞いた上で読んだら、 予想以上に面白いかもしれません。 | ||||
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なんか漫画みたいな小説だと思ったら、本当に漫画誌に連載されていた。アイアムアヒーローの作者が挿絵を描いていたみたいだ。 文章も今時の頭の悪い芸人の漫才みたく、どうでもいいツッコミ(バカでも思いつく客観的発見)をやりあうようなチマチマしたこざかしい感じ。とにかく、人物同士のつまらない「ツッコミ合い」は、読んでいて下らない。 キャラクター描写も稚拙だし、特に主人公の本当に漫画みたいな「恐妻」が、浮気を疑って夫に尾行をつけたり、プロに依頼して拷問にかけたりといったところは、キーキーとうるさい声優のアニメキャラみたくてすごく馬鹿馬鹿しい。 自分が唯一好感を持ち、また重要だと思った部分は、この作品がテーマとして「システムに対してどう向き合うか」を描いているところだ。そして、この作品の世界観を、昨今の事情から安易に導き出せるような、「とにかくすべてがネットありき」として必ずしも提示していないこと。「そこがキモなんだよ!」と言われそうだが、だからといって、すごく高度で複雑な世界観や価値観を提示しているとは思えない。 作中、数々の危険に合いながら問題の奇妙な出会い系サイトの解析を行う、SEの主人公らは、何かの障害に突き当たるたびに、その解決方法や次へのヒントを、「ふとしたうろ覚え」や、「他人の曖昧なほのめかし」、「どうでもいい記憶」、「思いつき」、「時代錯誤なアナログ的手段」といった、あらゆる「曖昧さ」から手に入れる。そして、最終的に「敵」にたどり着いた主人公らが、その果てしなく強大な「システム」に対してどう向き合うのかについて、各々、迫られる。 こうした、あらゆる「曖昧さ」の重要性を考慮し、それが物語の中枢をドライブさせている点に関しては、「システム」というテーマを考える上で、とても好感が持てたのだが、如何せん、「その答え」も、ネットか否か、ONかOFFかのごとくの、稚拙なものだった。もう少し扱いようによっては、やわらかいディテールによる高度な哲学話、という風な興味湧く作品になるところだったかもしれない。 しかし、テーマの中枢である「システム」について、「一個人じゃままならぬ、あらゆる力の象徴」、ととらえずに、単純に「ネット」としてしまう単純頭の人には、身も蓋もない思考から離れる良いきっかけかもしれない。あ、そうだ。本当に嫌味じゃなくて、実際、良い漫画になったのかもしれない。漫画化すべきだよこれは。 | ||||
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本屋に行く時間がなくネット上のランキングとレビューだけで初めて購入した本です。大体読み終わりかけていますが勢いがつきません。一応最後まで読んでみたいとは思います。だってベストセラーですもの。きっと楽しいはず。 | ||||
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世の中は、システムでできあがっている。 何をやっても同じってことになる。 行きつく先は虚無。 大きな目的の前には個人の力なんて役には立たない。 「そういう事になっている」 本当に面白いです! 登場人物みんなよかったし、 一度使われたセリフをもう一度使うタイミングが抜群でした。 下巻の真相に近づいて行く流れは、サクサク読めた! 結局本当のところがよくわからないところが、逆にいい。 悪がいて、ただそれを倒すだけの話ばかりじゃなくて いいと思うからこんな話も好きでした。 | ||||
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