■スポンサードリンク
(アンソロジー)
江戸川乱歩に愛をこめて
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
江戸川乱歩に愛をこめての評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.67pt |
■スポンサードリンク
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全6件 1~6 1/1ページ
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
作家はみんな江戸川乱歩が好きなんだ!と納得。 特に大槻ケンジの「怪人明智文代」は快作。この一篇を読めただけでも、 このアンソロジーを買う価値はある。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
good | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
江戸川乱歩は私が推理小説に嵌る発端となった作家である。戦後間もない小学生の低学年時代に少年探偵団や怪人二十面相を楽しんでいたが、ある日、突然としてこれらの作品のトリックが気に入らなくなってしまい。一時、遠ざかっていたことがある。その後、古今東西の推理小説を読破して、定年退職を機に原点に戻り、江戸川乱歩作品と再会した。少年時代は江戸川乱歩の戦前の作品を読む機会はなかったが、初期作品を読むとやはり優れた作家だと見直すことになった。しかし、全集を読み終えて、私の乱歩感は日本推理小説の父であることに異論はないが、作家としてより、むしろ評論家、書誌家さらに新人育成に多大の貢献をされた方との思いが強い。 本作の題名に敬意を表して購入した次第である。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
アンソロジーというのは、作品の傾向やレベルをそろえたものや、テーマをそろえたものなど、さまざまである。 どちらかといえばテーマをそろえたものが多いのだが、本書は江戸川乱歩をテーマとした短編集であり、良く言えば実にバラエティに飛んだ、悪く言えばごった煮のようなものである。 しかし、このごった煮というか詰め合わせ的なものが、実に楽しい。 ミステリありファンタジーありで、読者各人の嗜好により各編に対する好きずきは異なるだろうが、ぜひ全編通して読んでほしい。 各作家の乱歩に対する愛情が、それぞれの形の愛情が、本当によく分かる。 1日一編ずつのペースで、ゆっくりと読んで欲しい。 でもそうすると、次の本を読むのが遅くなってしまうけれども。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
ミステリー文学資料館編のアンソロジーをよく読む。本作の前にはシャーロック・ホームズ関係のアンソロジーが2冊ほど出ているが、それも読んだ。アンソロジーの良いところは、普段読まない作家の作品に触れることができること、また普段読む作家でも、あまり出会わない作品を読めることだろう。私の場合、本書では、恩田陸氏や森真沙子氏が前者で、島田荘司氏や北杜夫氏は後者にあたる。だから、食わず嫌いだった作家の魅力に気づかされることも少なくない。 乱歩好きにとっては、こういった企画を好きでない人がいるかもしれないが、色々なタイプのミステリーを楽しみたいに人にとっては、便利な1冊といえる。当然だが、いずれの作品も、乱歩が描いた世界の雰囲気をそれなりに味わえるようになっている。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
江戸川乱歩の作品や登場人物、あるいは作家の人となりを描いた短編小説を集めたアンソロジー。 それぞれに味わいは異なれど、江戸川乱歩へのオマージュ、畏敬を色濃く感じる作品ばかり。さながら、幻影城の闇に遊ぶが如き趣がありましたね。ひととき、懐かしい大乱歩の面影にふれ得たような幸せを感じました。 収録作品は、次のとおり。 芦辺 拓「講談・江戸川乱歩一代記」(『迷宮パノラマ館』有楽出版社を底本に加筆訂正) 森 真沙子「無闇坂」(『東京怪奇地図』角川ホラー文庫所収) 恩田 陸「新・D坂の殺人事件」(『象と耳鳴り』祥伝社文庫所収) 有栖川有栖「屋根裏の散歩者」(『ロシア紅茶の謎』講談社文庫所収) 江戸川乱歩、小酒井不木「屍を」(『屍を 他6編』春陽文庫所収) 高橋克彦「悪魔のトリル」(『高橋克彦自選短編集1 ミステリー編』講談社文庫所収) 島田荘司「死聴率」(『展望塔の殺人』光文社文庫所収) 大槻ケンヂ「怪人明智文代」(井上雅彦監修『異形コレクション アート偏愛』光文社文庫所収) 辻 真先「東京鐡道ホテル24号室」(「問題小説」2008年12月号の読みきり短編特集「あなたの知らない東京駅」に寄稿されたもの) 北 杜夫「女王のおしゃぶり」(『怪盗ジバコ』文春文庫新装版所収) 鈴木幸夫「小説・江戸川乱歩の館」(「小説宝石」1969年8月に掲載) なかでも面白かったのは、大槻ケンヂの「怪人明智文代」。稚気にあふれた怪人二十面相が可愛くて、これ、とても気に入っちゃいました。りんごのような赤いほっぺをした小林少年が、明智文代に嫉妬するシーンも忘れられません。 面白かった二番手には、森 真沙子の「無闇坂」を持ってきます。幽明境を異にする坂の雰囲気がよく描けていて、怖かったから。乱歩へのオマージュというにとどまらず、ホラー作品としても逸品ではないかと堪能させられた次第。 ほかに、久しぶりに再読した島田荘司と北杜夫の作品が魅力的でしたね。多少あざといところもあるけれど、話としてよく出来ていて読ませる力のある「死聴率」。まろやかでコクのある遊び、この作家ならではの稚気がなんともいえない味を醸し出している「女王のおしゃぶり」。すごく懐かしかったし、面白かったです。 巻末解説は、新保博久の手になるもの。読みごたえある、充実した解説でした。 それと、文庫のカバー表紙を飾る大乱歩の写真(平井憲太郎・写真提供)が、インパクトがあって良かったですね。収録作品を読みながら、時折この写真を眺めては、「うふふ」と悦に入ってました。 | ||||
| ||||
|
■スポンサードリンク
|
|
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!