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マチネの終わりに
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マチネの終わりにの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.84pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全256件 141~160 8/13ページ
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今まで読んだ恋愛小説で一番でした。 まるで映像を観ているかと思うほどグイグイ引き込まれ、あっという間に読んでしまいました。 | ||||
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曲芸の痛みを知る人たちにとって救いとなる作品。音楽と才能を、40代の恋の揺らぎを、今ある世界を文で表すとは、こういうことなのだと快く読むことができた。儘ならないことも、時が経てば、不幸せではない。 | ||||
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今から30年以上前、ミラン・クンデラは、『存在の耐えられない軽さ』の中で、政治(プラハの春)と運命と恋愛について書いた。主人公の一人、外科医のトマーシュは、「運命的な」出会いをしたテレザと添い遂げようとするものの、運命って本当にあるのか、それが運命の出会いなのか、疑いを最後まで捨てきれない。彼は「人生はこうであるべき」という信念を持つが(ベートーベンの歌詞から来ている)、「テレザと過ごす運命だ」ではなくて「テレザと過ごす義務がある」という感覚が反復的にトマーシュに訪れる。彼は、人生のこの二通りの解釈をめぐり思い悩む。別に、相手のことが好きならそれでいいではないか、というようにも思えるが、そうではない。トマーシュの人生は、そういう意味で政治的であり、倫理的である。愛人を作りまくって、一見軽薄な人生を送る外科医の人生が倫理的であるというのはちょっとおかしいのだが、恋愛感情だけに流されず「こうすべきだ」という感覚を持っているという意味で倫理的である。ついでに言うと、トマーシュは、政治的信条をつらぬき、気に入らない書類への署名を拒み、名誉ある大病院の外科医の職を失って、職業的には破滅する。 トマーシュには何人も愛人がいる。その中で、特別な愛人の一人であったサビナは数々の男と関係するが、彼女の場合は、簡単にいうと「悪い」女で、裏切りを重ねることが人生の楽しみだった。 <人生のドラマというものはいつも重さというメタファーで表現できる。われわれはある人生が重荷を負わされたという。その人間はその重荷に耐えられるか、それとも耐えられずにその下敷きになるか、それと争い、敗けるか勝つかする。しかしいったい何がサビナに起こったのであろうか? 何も。一人の男と別れたかったから捨てた。それでつけまわされた? 復讐された? いや。彼女のドラマは重さのドラマではなく、軽さのであった。サビナに落ちてきたのは重荷ではなく、存在の耐えられない軽さであった。> (p. 157) ややかたちは違うが、ここで書かれている「重さ」というのは、トマーシュの人生における「運命」と似ている。この作品において、人生に意味をもたらすのは、裏切りではなくコミットであり、偶然ではなく運命なのであるが、サビナは、男に運命とかそんなものを感じることなく、重荷を背負わない人生を送る。そんなものに振り回されたくないと。しかし、一方で、ここに書かれている通り、そんな軽い人生には耐えられそうにない。 この小説の登場人物たちは、「重い」「運命的な」人生の方が意味があるのだろうなという価値観を持っているようだが、同時に、「軽い」人生、「義務感」で突き動かされる人生を過ごしているのでではないかと悩んでいるようでもある。現代の読者にも共感できる部分はあるが、こういう作品は、当時の社会の空気、イデオロギー色の濃い時代によりよくフィットしたのだろう。 平野啓一郎の『マチネの終わりに』は『存在の耐えられない軽さ』への平野の返答のように思える。どちらの小説も国際的な展開を見せ、主要人物の多くは英語・フランス語・自国語を喋るインテリか芸術家で、運命的な男女の出会いの場面で小説が始まる。謎の紹介されない語り手が物語を進めるところも同じ。音楽が小説の主要な小道具となっているところも似ている。 『軽さ』の登場人物が、自分の人生の軽さや、運命について悩む一方、『マチネ』の登場人物は、どちらかというともっとイノセントである。主人公の一人蒔野は、30歳後半まで独身貴族を貫いている音楽家であるが、別に気難しくて結婚できないとかそういうことではなく、鬱屈したところがなく、冗談を好む好男子である。一方で、実務に弱く、大事なところで携帯電話をなくしたりするだらしない男でもある(音楽家としては一流であるが)。トマーシュがベートーベンのテーゼを巡って哲学的に悩むのとは対照的に、蒔野はより純粋素朴に音楽に向き合い、日々の人生を楽しもうとしている。 もう一人の主人公、蒔野と運命的な出会いを果たす洋子は、イラクで取材をするジャーナリストであったが、ある日自分が泊まっているホテルでテロが起きて、その後、「なぜ自分が生き残ったのか」悩む。イラクに戻ることに心理的抵抗を感じる一方、「戻らないとならない、戻って取材を続けないとならない」という気持ちを持つ。この感覚は、『軽さ』の登場人物の感覚に似ているのだが、結局、洋子はイラクには戻らず、別の人生を選択する。例えば『軽さ』のフランツが、気が進まないにもかかわらず「参加しないとならない」という政治的コミットから、カンボジアでの抗議行動に参加するのと対照的である。(ちなみに、そこでフランツは傷を負い、障害を負う)。洋子が最終的に選ぶのは、イラクへの政治的なコミットではなく、自分の生活、自分本位の人生である。別に、「運命だから」ということではなく、「そうしたいから」選択をする。洋子のその選択の結果、彼女のフィアンセが傷つくことになり、そしてまた、洋子も自分の選択の結果、無傷だったとはいえないのだが、洋子が自分で取った選択と失敗、そしてその後の回復というのが、この小説の持つもっとも力強いメッセージで、読者の胸を打つ。 この小説は、現代の日本人に対し、偶然とか運命とか、政治とか個人とか、仕事のしがらみとか、そういうややこしいことは考えず、純粋に恋愛に向き合うことの美しさを伝えてくれる。好きならいいじゃないかと。平野啓一郎がこういうのを書くというのは意外だった。仕事とか政治とか、いろいろなしがらみに疲れている人に、『マチネ』おすすめです。 | ||||
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今の状況に「なぜ?」と思ってしまう、受け入れがたいことは間々ある。後悔することも沢山ある。でも、過去は変えられる。静寂の中で鳴るギターの音色を思い浮かべつつ、少し気持ちが楽になったようです。 | ||||
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切なくて泣けるのは久しぶりでした。このあと何冊か恋愛小説を読みましたが、マチネの終わりに が良すぎて どれもいまいちに感じてしまっています | ||||
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崇拝する平野啓一郎氏の繊細なヒトの感情のゆらぎの描写に震えます | ||||
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友人に勧められて購入。 せつなく、愛おしい、大人の世界観。 久しぶりに心に残る恋愛小説の余韻に浸りました。 | ||||
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9.11 3.11 次々起こる悲劇... これからの世界を、1度きりの人生を、愛する人と。 自分の人生で掛け替えのない一冊となりました。 平野さんありがとう。 | ||||
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運命のいたずら、すれ違い。ても、縁ある人とはどこかで人生が交わる。世界を駆け巡りながら交錯する二人の人生がとても美しい作品でした。 | ||||
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真ん中あたりから一気に読んでしまった。 恋愛小説など普段読まないのですが、最後は鼻水を流し、泣きながら読みました。 | ||||
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驚きます. 初めての平野作品でした. 文の一文一文を想像すると情景が浮かんでくるようでした. また別の平野作品に挑戦しようと思います | ||||
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たんたんと物語が進んで行く感じがしましたが、とても満足しています。 | ||||
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慣れるまで読みづらかった… 恥ずかしながら常用しない表現が多く、その度に辞書で調べてしまいなかなか進まなかった。 そ、そんな崇高な表現でなくても…と思ったが、慣れてしまうとこの美しい表現、大げさな表現(ごめんなさい)もこの物語をより気高いものにしているようでよかった。 主人公の二人とあまりに環境が違うため(年齢的にも職業や立場的にも)共感することはなかったものの、成熟した大人の恋愛小説でここまで先が気になる展開というのは読んだことがなかった。 この先も心に大切にしまっておきたい言葉がいくつかあって、それだけでもこの本を読む価値があったと思っている。 | ||||
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今まで読んだどんな本よりも心に響くうっとりとした気持ちになりました。いい意味で人生考えさせられました。 | ||||
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恋愛とは何か、才能とは何か、運命とは何か、淫らとは何か、そんなひとつひとつのことについて考え抜かれたひとつの回答が、美しい言葉で表現されていて、読み応えのある作品でした。(この作品を読むと、平野さんが辞書好きというのもうなずけます。) 5回ほど、読み、その度に共感できるキャラクターが増えていくのも楽しい体験でした。 | ||||
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最初の5分の1位を読んだところで、お高く止まった感じの筆者の独特の書き味に嫌気がさして、半年ほど積ん読したままにしていたのですが、最近本の整理をするのに改めて読み直したところ、1日半で一気に読了しました。結果、倦厭せずに読み進めてみて良かったと思いました。 以下、特に共感したところ。 「話が通じ合う喜びということの純粋な喜びが、胸の奥底に恍惚感となって広がっていった」 (29P) 「彼と向かい合っていると、何も特別なことのない単なる日常会話が、人生の無常の喜びと感じられるような一瞬がしばしば訪れた」 (219P) 「この世界は、自分で直接体験するよりも、一旦彼に経験され、彼の言葉を通じて齎された方が、一層精彩さを放つように感じられた」 (219P) 上記の引用の様に感じられる相手に、人生で何度出会えるのでしょうか。個人的にも、年齢や社会的な責任やら、恋愛に関して、自分ではどうしようもできない壁に阻まれて沼の様に沈んでいた時だったので、余計に感情移入してしまいました。感情移入しすぎて苦しかったけれど、ラストまで読んで、幸せな気持ちになれました。 | ||||
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初、平野啓一郎。ラストからの二人がどうなるのかドキドキします。終わりは始まり、偶然は必然。意味深な序章は読後に読み返すと味わいがあります。CDも欲しくなりますね。 | ||||
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そう思いつつ最終盤を読み進むのは久しぶりでした。 二人の行き違いが大きすぎて、もどかしい話の流れではありますが、 そもそも恋はそういうものだったかもしれません。 これまで読んだ恋愛小説のベストの一つだと思いました。 | ||||
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何度も読み返し、その度に、 心が強く揺さぶられる稀有な本。 この本に出会えて、本当に幸せです。 ありがとうございました。 | ||||
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久しぶりに本を読みましたが、心に残る作品となりました。 途中までは言葉が難しくて読むのに時間がかかりましたが、途中からは、どうして??そうじゃないのに…と感情移入してしまい、逆に一気には読めませんでした。 胸が締め付けられるような物語だったけど、この先どうなったのかと気になります。 | ||||
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