■スポンサードリンク


びっくり館の殺人



新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!

びっくり館の殺人の評価: 3.11/5点 レビュー 61件。 Dランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.11pt


■スポンサードリンク


Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全61件 21~40 2/4ページ
No.41:
(2pt)

ちょっと待った

子供は
どんなに大人が汚いもの醜いものから隠そうとしても、
いずれ知ることになります。

だからといって、本書を
『子供用』として積極的に背中を押していいのか。

お茶の間には、
殺人脅迫不正強盗強姦いじめ…のニュースは普通に流れています。

今更そんなことから耳をふさいでも仕方ないですし、
むしろそれらを知らせ、
「気をつけなさいよ」と注意喚起をした方が
今の世は子供を守るためになると思います。

けれど本書が子供を読者の対象と謳っているのには憤慨します。

これどういうこと?と聞かれたら、
どういう風に大人は返事をすればいいのでしょうか。
綾辻作品は大好きで、暗黒館は真骨頂だと思っていますが、
子供に暗黒館とともに、びっくり館を読みなさいとは
とても言えない。
(小学生以下を子供と考えています。)

これを『子供向き』とした姿勢にびっくりです。
びっくり館の殺人 (講談社ノベルス)Amazon書評・レビュー:びっくり館の殺人 (講談社ノベルス)より
4061826239
No.40:
(3pt)

児童書なのでどうしても物足りない

"かつて子どもだったあなたと少年少女のための"ミステリーランドシリーズ第9回の配本作品。
綾辻行人さんのデビュー作「十角館の殺人」から続く館シリーズの一つになります。

ミステリーランドシリーズの一作ということもあり、言葉の選び方が平易なものになっていたり、ルビがきちんと振ってあったり小中学生に優しい造りになっています。
自身が読書していた小中学生時代にこのシリーズがあったら嬉しかっただろうな。

館シリーズの一作としてはラストがミステリという感じではなく、どちらかというと子ども向けのホラーのような感じなので、ちょっと物足りない感じではありますが、これを読んで館シリーズをまた読んでみたいなと思わせられました。
びっくり館の殺人 (講談社ノベルス)Amazon書評・レビュー:びっくり館の殺人 (講談社ノベルス)より
4061826239
No.39:
(3pt)

子供向けゆえ

雰囲気作りは悪くないのだが、他の館シリーズレベルの期待は禁物
トリックは悪くは無いが、良くも悪くも短編レベル
館シリーズということ以外にはそこまで魅力がある作品ではない
シリーズファン向け程度の内容だろう
びっくり館の殺人 (講談社ノベルス)Amazon書評・レビュー:びっくり館の殺人 (講談社ノベルス)より
4061826239
No.38:
(2pt)

中途半端であり、アンフェアさを感じる

全体の印象としては、中途半端にミステリーとオカルトを混ぜてしまったと感じる。

○ この作品の場合、一番の問題は視点が一人称な事だ思う。何故なら叙述トリックで一人称を使う場合、大変に気を配らないと、非常にアンフェアになりやすいからだ。

主人公が催眠術にかけられたなどという場合は知らないが、通常は一人称の場合、読者は主人公の見聞きしたもの、感じたものからしか情報を得る事ができない。セリフはもちろん、地の文も主人公の主観という事になる。そうなると主人公の情報感知能力を含め、読者は主人公を信用せざるを得なくなってしまう。

よって主人公がショッキングな経験をし、明らかに異常でおかしく感じ、心の中が荒れ狂うであろう事実を、一人称なのに意図的に一部分を欠落させて書くのは、アンフェアだと感じる。

何故なら一人称なのに主人公が見たり感じたりする事を書かなければ、それは「存在しない事」と同義になると思うからだ。

それを破ると主人公自身が意図的に読者を騙すという、おかしな事になってしまう。そこが色々な角度から情報を収集でき、意図的な欠落を考える余地のある第三者or神の視点で描かれる場合と大きく違う所ではないか。

結果的に核心部分となるあの場面で、普通ならセリフや心の声として当然書かれるであろう単語が全く無い。これが第三者or神の視点で書かれたものならば、まだわかるのだが、一人称の視点で書かれているので大変アンフェアに感じる。

○ この作品について、ネット上の感想などでは、再読すると真意が見えてくるといったような評も多い。しかし私個人としては、再読を前提としたような書き方には同意しかねる。

人は色々な状況や条件で本を読む。じっくり読める人もいれば、時間のない人もいる。本が自分の所有物である場合もそうでない場合もある。

再読して堪能したい人は、そうすればよい。しかしそうする義務はないし、そうしたくても出来ない事もある。また再読して明らかに意味が増すのを知ってから読み始めるものでもない。

もし作者が再読を前提に書いているのならば「再読して、このセリフや描写の真意がわかったでしょ。オレはそういう事を狙って書いていたんだよ」となってしまい、そういうやり方は、傲慢だと感じる。

全ての読者が再読をする時間や気力があるわけではない。どうしても再読をさせたいのならば、事前に帯や裏表紙に「二度目に読んだ時、本当の真相がわかる」等、記すべきだと思う。ただ、それがわかっていたのなら、私はこの本を読まなかったであろう。

○ オカルト部分の掘り下げが中途半端。書き方として、事件の深層(真相ではない)にオカルト風味を持ってきているのに、何故そういう事が発生しうるのかの裏打ちが乏しい。勿論、たとえば「〜の呪い」のような陳腐なものはどうかと思うが、何故、悪魔の子と思われる状況があるのかの突っ込みが欲しい。

原因としては老人と養女の気持ちの問題を殆ど描かなかった事にあると感じる。もっともそこを掘り下げると、子供向けとしは不適切なものとなるのかもしれないが、そもそも根本的な原因と思われる部分自体が、子供向けとしてはどうなのかと思うので、この話を子供向けにした時点で誤りがあったと考えざるを得ない。

そこら辺が足りないので、じんわりとくる恐怖感に乏しく、幻想的というよりも悪い意味で「非現実」感のほうが強い。

○ この話の中には阪神淡路大震災が描かれているのだが、何か色々な事が、それによってウヤムヤにされている気がする。びっくり館の存在やラストのオカルトムードは非現実的なものなのに、震災という正に現代を生きる者ほとんど全員において、現実そのものの事象を絡めるのは大変違和感をおぼえる。

もしこれがかなり昔の話で震災も関東大震災であったなら、読者の多くは現実味のない事象として捉えるであろうから、ある意味しっくり来るのだが。

○ 暗黒館と奇面館は未読であるが、それ以外の館シリーズとフリークスは読んだ。これにて綾辻作品卒業としたい。
びっくり館の殺人 (講談社ノベルス)Amazon書評・レビュー:びっくり館の殺人 (講談社ノベルス)より
4061826239
No.37:
(3pt)

何じゃ、こりゃぁ! 

結末に至って感じたのがレビュータイトル。最初から、絶対に叙述トリックが仕掛けられてると思って読んでいたが、よもやまさかこんなだとは、さすがに思いもしなかったよ。

私がどういう意味で「何じゃ、こりゃぁ!」と思ったのか、それが良い方の驚きか、あるいは呆れ返っただけなのかは、それぞれ読んでみて感じてください。まず、たいていの人が「何じゃ、こりゃぁ!」と思うはず。

ちなみに、論理的に犯人を推理するのは不可能。真相に至るにはヒラメキが必要で、その分、いろいろと「邪推」が楽しめた作品ではある。例えば密室トリックにつながる「先にドアを閉めてから、びっくり箱を元に戻すと自動的にロックがかかる。そうなると隣の部屋からドアは開けられない」との説明に叙述トリックがあるのではないかとか、思わせぶりに語られている俊生の父親の正体とか。
びっくり館の殺人 (講談社ノベルス)Amazon書評・レビュー:びっくり館の殺人 (講談社ノベルス)より
4061826239
No.36:
(5pt)

「館」に「囁き」のテイスティング

童話のようなストーリー運びは、綾辻氏の館シリーズとは趣が違うし、確かにミステリとしての醍醐味は、他の作品に比べると弱いとの事で、評価が分かれていますね。ただ、自分が肉親から虐待を受けて育った人がこれを読んだ場合、余りにも悲しいのでは、と…。救われない感は囁きシリーズの味です。でも、読んでいて感じる小さな違和感が、なるほどな、と解けて行く過程は結構楽しめました。綺麗なお話でした。
びっくり館の殺人 (講談社ノベルス)Amazon書評・レビュー:びっくり館の殺人 (講談社ノベルス)より
4061826239
No.35:
(1pt)

「びっくり館」ではなく「がっかり感」

中村青司の館である必然性が皆無な上に、
推理要素がほぼ皆無なのでミステリとしては不成立、
さらにその上にホラーとして完結させた割には普通すぎて、
駄作なのを児童向けだと言い訳したようにしか見えません。

児童向け文学にも大人が読める良作が多い事を考えれば、
児童文学と呼ぶのも児童文学に失礼な気がするほどです。

誰が読んで得をするのか全くもって謎な本です。
薄い本なのに読後には重厚ながっかり感だけが残ります。
びっくり館の殺人 (講談社ノベルス)Amazon書評・レビュー:びっくり館の殺人 (講談社ノベルス)より
4061826239
No.34:
(2pt)

児童小説なら「アリ」ですが・・・

「江戸川乱歩」「名探偵ホームズ」「怪盗ルパン」シリーズに心躍らせた○十年前なら十分、楽しめたはずだが敢えて「館」シリーズの中に小学生向け(?)を挿入した意味が不明。

「館」の建築的なトリックがほぼ皆無であり、はっきり言ってしまえば推理小説としてのトリックも「?」。ホラー小説としても中途半端だし、あくまで「外伝」であり「サイドストーリー」の評価しかしようがない。悪い意味で騙された。
びっくり館の殺人 (講談社ノベルス)Amazon書評・レビュー:びっくり館の殺人 (講談社ノベルス)より
4061826239
No.33:
(4pt)

館シリーズ外伝

少年少女向けなので短めで文も簡単です。
かと言って内容が浅いという事もありません。素直に面白く読めました。
一応「館シリーズ」ですけど、表面的にチラッと設定にふれるだけですので、初めてシリーズ作にふれる方も大丈夫です。

少年少女向きにしては終わり方の後味が悪いのが気になりますね。
びっくり館の殺人 (講談社ノベルス)Amazon書評・レビュー:びっくり館の殺人 (講談社ノベルス)より
4061826239
No.32:
(4pt)

「ミステリーランド」にして館シリーズ

もともとは「ミステリーランド」の一冊として刊行され、しかも、館シリーズの第八弾でもあるトリック自体はシンプルで、子供でもわかりやすいものだったが、かなりの変形パターンで、稀有なものであった館の禍々しさもさることながら、その住人も陰鬱だったジュブナイル作品としては、かなり暗い雰囲気の作品だったしかし、表層のストーリーとトリック自体はシンプルで子供にもわかりやすいものであったそして、深読みしようと思えば、かなり深い作品でもある一筋縄ではいかない、傑作であった
びっくり館の殺人 (講談社ノベルス)Amazon書評・レビュー:びっくり館の殺人 (講談社ノベルス)より
4061826239
No.31:
(5pt)

館シリーズとしてみれば異色だが、好きな作品。

少年少女向けのミステリー作品だということで、あまり期待していませんでしたが、結構おもしろかったですね。けして、本格推理小説ではありませんが、一つの物語として楽しめました。それに加えて、七戸優さんの装画と挿絵が物語にぴったりですし、綺麗ですね。作品全体にただよう異様な世界が不気味です。古屋敷という「びっくり館」の老主人も怪しげな雰囲気で、亡くなった養女に見立てた人形で腹話術をする姿は、本当に恐いですね。「びっくり館の誕生会」に招かれ、あんな光景を見せられてしまったら、登場人物達と同じで言葉を失うと思います。そして、第三部で明かされた真実が衝撃的でした。まさかそんなことになっていたとは・・・恐ろしいです。子供向けミステリーとされているこの作品。確かに、漢字をあまり使わず、難しい文章で書かれてはいませんが、子供にとって、内容が衝撃的すぎるのではないかと思います。 
びっくり館の殺人 (講談社ノベルス)Amazon書評・レビュー:びっくり館の殺人 (講談社ノベルス)より
4061826239
No.30:
(3pt)

《館》シリーズの第八作

■〈あらすじ〉
  学生街にある古本屋で、たまたま手に取った推理小説――鹿谷門実『迷路館の殺人』
  カバーの裏に刷りこまれていた著者近影の写真を見た“ぼく”は、著者と昔会ったこと
  があるように感じる。さらに、その本を購入し、帰宅して読んだぼくは、作中に出てくる
  “中村青司”という建築家の名前にも記憶が刺激され、十年半前の1994年12月25日、
  クリスマスの夜に、〈お屋敷町のびっくり館〉で起きた殺人事件のことを思い出す……。
  ――小学六年生の夏休みの終わり、ぼくは〈びっくり館〉に住む同い年の少年・俊生
  と知り合う。俊生は祖父と一緒に暮らしていたのだが、館には俊生の死んだ姉の名前
  が付けられた“リリカ”という風変わりな人形もあった。
  そしてクリスマスの夜、館に招かれたぼくと友人たちは、壁に七色の
  びっくり箱がある〈リリカの部屋〉で不可解な密室殺人に直面し……。
■〈感想〉
  ジュブナイルとはいえ、《館》シリーズでは定番の××トリックは本作でも健在
  (●●で用いられたものと同じ趣向)。ノベルス版では、著者自ら〈“勝負”の
  ポイント〉として、「びっくり館縁起」の章をあげているので、注意深く読んで、
  著者がどのような手法でアンフェアを回避しつつ、トリックを成立させたのか、
  見極めてみてください。
  
  事件に超自然的存在が関わっていたことを暗示する幕切れは、好みの分かれるところで、
  必ずしも成功しているようには思えませんが、事件の構図を、がらりと反転させようとする
  著者の意欲は買います。
  著者のホラー好きが如実に反映された、シリーズ中の異色作といえるでしょう。
  
  
びっくり館の殺人 (講談社ノベルス)Amazon書評・レビュー:びっくり館の殺人 (講談社ノベルス)より
4061826239
No.29:
(2pt)

いまいち

館シリーズは全部読んでいますが、この作品はおもしろくなかった。
他の作品とは別人が書いたような印象をうけました。
びっくり館の殺人 (講談社ノベルス)Amazon書評・レビュー:びっくり館の殺人 (講談社ノベルス)より
4061826239
No.28:
(3pt)

館シリーズ「番外編」

著者があとがきで正統派の館シリーズであると語ってはいるが、ミステリーランド用の書き下ろし作品である本作はいわば番外編とみるのが妥当だろう。綾辻ファンの中では評価が頗る低いのが残念だが、あくまでも「かつて子どもだったあなたと少年少女のための」というミステリーランドのコンセプトを踏まえた上で読むのが好ましいと思う。 鹿谷門実や中村青司といったおなじみの名前も登場するのだが、あくまでも謎解きをするのは語り部である三知也であり、びっくり館も、とりあえず「館」だから申し訳程度に、といった案配だ。龍平のサイケデリックな性癖、充満したノスタルジーと、綾辻作品特有の情緒はしかし、健在である。「人形館」の狂気と「黒猫館」の騙しを融合させたようなオチは大いに楽しめた。 だが、敢えて「館」にしなければならない必然性が今一つ感じられなかった。別物として書かれていれば魅力が倍増していたこと請け合いだと思うのだが。また、館シリーズファンとしては、公園のシーンだけという鹿谷の見せ場はいかにも物寂しい。敢えて「館」にするのなら、端役でもいいからもっとコミットさせてもらいたかった。
びっくり館の殺人 (ミステリーランド)Amazon書評・レビュー:びっくり館の殺人 (ミステリーランド)より
4062705796
No.27:
(4pt)

衛星のような作品

この作品は「館シリーズ」としてとらえてしまうと?ということになります。しかし、だからといって内容がおそまつだとか子供向けに書かれたものでは決してありません。氏は短編作品も出していますが、そちらに近いものがあるかもしれません。子供向け?という点ではかつて赤川次郎氏が集英社の「コバルト文庫」に「吸血鬼」シリーズを出してそれなりに成功したように綾辻氏もそれを意識したものでもないでしょうが、新しいジャンルを試したと受け取れなくもありません。この作品の特徴はストーリーの奇抜さや斬新さ、トリックの種明かしよりは登場人物の描写に主眼を置いた点にあると思います。一人一人の登場人物が生き生きと描かれており、読み進むにつれてファンというか応援したくなる人物が出てきます。ストーリーは淡々と進み、途中での「意外感」はありません。ところが、それまで1本の線できたものが最後になってまるで打ち上げ花火が開くごとく複線的な結果を生み出します。ストーリーの種明かしという「読みどころ」は氏も紹介されているように「びっくり館縁起」の項目ですが、事件が収束した10年後の「びっくり館再訪」が本当の意味での真実であり、ストーリー的にも「結末」というにはあまりにも「余韻」を含んだ印象的なエンディングです。これはよくホラー映画なんかで見せる手法ですね。映画なら続編を予感させるラストです。さしづめ「びっくり館の殺人ー青春編」ってところでしょうか。ストーリー構成、展開とも申し分なく、謎解きに主眼を置いた本格的「館」ファンには変化球と写るかもしれませんが、これはこれで立派な「綾辻ワールド」だと思います。あたかも惑星を守る「衛星」のように・・。マイナス1点の理由も特にないのですが、肩透かしを食らったという本格的「館」ファンの心情に同情して評価4とします。
びっくり館の殺人 (講談社ノベルス)Amazon書評・レビュー:びっくり館の殺人 (講談社ノベルス)より
4061826239
No.26:
(4pt)

衛星のような作品

この作品は「館シリーズ」としてとらえてしまうと?ということになります。しかし、だからといって内容がおそまつだとか子供向けに書かれたものでは決してありません。氏は短編作品も出していますが、そちらに近いものがあるかもしれません。子供向け?という点ではかつて赤川次郎氏が集英社の「コバルト文庫」に「吸血鬼」シリーズを出してそれなりに成功したように綾辻氏もそれを意識したものでもないでしょうが、新しいジャンルを試したと受け取れなくもありません。この作品の特徴はストーリーの奇抜さや斬新さ、トリックの種明かしよりは登場人物の描写に主眼を置いた点にあると思います。一人一人の登場人物が生き生きと描かれており、読み進むにつれてファンというか応援したくなる人物が出てきます。ストーリーは淡々と進み、途中での「意外感」はありません。ところが、それまで1本の線できたものが最後になってまるで打ち上げ花火が開くごとく複線的な結果を生み出します。ストーリーの種明かしという「読みどころ」は氏も紹介されているように「びっくり館縁起」の項目ですが、事件が収束した10年後の「びっくり館再訪」が本当の意味での真実であり、ストーリー的にも「結末」というにはあまりにも「余韻」を含んだ印象的なエンディングです。これはよくホラー映画なんかで見せる手法ですね。映画なら続編を予感させるラストです。さしづめ「びっくり館の殺人ー青春編」ってところでしょうか。ストーリー構成、展開とも申し分なく、謎解きに主眼を置いた本格的「館」ファンには変化球と写るかもしれませんが、これはこれで立派な「綾辻ワールド」だと思います。あたかも惑星を守る「衛星」のように・・。マイナス1点の理由も特にないのですが、肩透かしを食らったという本格的「館」ファンの心情に同情して評価4とします。
びっくり館の殺人 (ミステリーランド)Amazon書評・レビュー:びっくり館の殺人 (ミステリーランド)より
4062705796
No.25:
(5pt)

がっかりした人はもう一回読むといいよ!

mixiの綾辻コミュニティに詳しく書いたんですが、この物語には語られなかった真相が背後にでんと控えてる。でも、作者は最後までそれについてはひとことも触れない。
だって、語り手はひとりだから。彼が知らなかったことは、起こらなかったことと同じ。
だから、ミステリファンが眉をしかめたとってつけたような幻想シーンが最後にあるんですね。
そこで、おや、と思った人は、表面的に明らかにされた「真相」に疑問をもってもう一回読み返すかもしれない。
けっ、と思った人はもう二度とこの本を開かないかもしれない。
どっちの態度が正しいってわけじゃないけど、作者は少なくとも二度は楽しめる物語としてこれを書いたんじゃないだろうか。
『虚無への供物』へのオマージュとして書かれたというのは、ガジェットをちょちょいと拝借しましたよってだけじゃなくて、『虚無』がもつ構造的な部分(殺人はあったのか、なかったのか?正統派ミステリとしてなんの破綻もない『虚無』がなぜアンチ・ミステリと称されるのか?)にチャレンジしたって意味じゃないのかな。
傑作じゃないかもしれない。でも、こんな意地悪なメルヘンはそうそうない。
『びっくり館』にはセクシャルな暗喩やサタニズム的な符合が、目立たないように、そこかしこに散らばっている。
そう、ヘンリー・ジェイムズの『ねじの回転』みたいに。
びっくり館の殺人 (講談社ノベルス)Amazon書評・レビュー:びっくり館の殺人 (講談社ノベルス)より
4061826239
No.24:
(2pt)

また中途半端な・・・

ミステリとホラーの融合を目指すのは別に構わないんですけど、
ミステリならもう少し遊び要素と言うか、選択肢が欲しいですね。
予想通りの展開に正直、がっかり。
ミステリというジャンルは自分で自分の首を絞めるようなジャンルなので
仕方ないですが。
好きな人は好きかも知れないし、今まで綾辻作品を読み倒していなければ
楽しめるかも。
いっそ、『十角館の殺人』位、ぶっ飛んでいれば、そういう話として楽しめますが、
これは登場人物が中途半端に普通なので、設定の不自然さが際立って辛いかも。
びっくり館の殺人 (講談社ノベルス)Amazon書評・レビュー:びっくり館の殺人 (講談社ノベルス)より
4061826239
No.23:
(3pt)

館シリーズ第8弾...だけど

作者も言うとおり、厚ーい「暗黒館」の後は、薄ーい「びっくり館」。
館シリーズ第8弾はホラー寄り。シリーズの中ではあれやあれ同様「変化球」の部類に入りそう。
文章はジュブナイル的で読みやすいが、ミステリ読みをくすぐる仕掛けが何箇所かある。袋とじの綾辻行人vs.道尾秀介の対談では、そのあたりにも触れていて楽しく読める。
書くほどにより高いレベルを要求されるプレッシャーの中で、兎にも角にも館シリーズ8冊目まで漕ぎ着けた事を素直に賞賛したい。
予定ではもう2冊...楽しみにしています!
びっくり館の殺人 (講談社ノベルス)Amazon書評・レビュー:びっくり館の殺人 (講談社ノベルス)より
4061826239
No.22:
(1pt)

びっくり!するのは間違いない

「ミステリーランド」(Uさん)の為に書いた作品だそうです。
袋とじで作者曰く、「シリーズものは読者の期待や要求に『応える』『裏切る』の繰り返し」だそうです。これはそういうセリフが出る作品だと思って買ってください。
20年で8作しか書いてないのに裏切りモノを複数出せる神経の図太さに☆一つ。
スクリーンセーバーが欲しい人、ノベルズで館シリーズを揃えてる人のための一冊。
びっくり館の殺人 (講談社ノベルス)Amazon書評・レビュー:びっくり館の殺人 (講談社ノベルス)より
4061826239

スポンサードリンク

  



新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!