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黄昏の彼女たち
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黄昏の彼女たちの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.11pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全9件 1~9 1/1ページ
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第一次大戦後のロンドン近郊の町が舞台です。大戦で多くが失われ、主人公のフランシスなどは上流階級のお嬢様でありながら経済的に困窮し、歳を取った母親と二人で希望を見出せない生活を送っています。 フランシスは生活の糧を得るために下宿人(夫婦)を受け入れることにしますが、なんと奥さん(リリアン)と恋に落ちてしまいます。二人が恋に落ちるまでは自然な流れで書かれていました。 女性達の愛はきらめくようで、二人がスケートに行く場面は純愛爆発です。フランシスがリリアンに髪を切ってもらう場面も良かったですね。心の動きが非常に細やかに描写されていました。 対照的に旦那さんはこれでもかと醜悪に描かれています。下巻で急転直下の大事件が起きます。 | ||||
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上巻とは打って変わって、ひたすらヒヤヒヤドキドキする展開です。 破滅への恐れ、心から信じていた恋人への暗い疑念と怒り。神経が擦り減り、耐え難い緊張が続きます。 読む方も疲れるのですが、早く苦しみから逃れたくてページを繰る手が止まらなくなります。 当初はフランシスがリリアンを守っているように見えたのに、二人の関係が変わっていきます。結局、弱々しくて可愛い女なんていないんですね。 | ||||
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身勝手で浅はかな二人の女の言動にライラします。 それに耐えられる方は読めばそれなりに面白いと思います。 | ||||
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前半のメロドラマ調の展開にどうなんだろうと懐疑的に読み進めましたが後半は怒涛の展開。ページをめくる手が止まりません。物哀しい未来を予感させるラストも見事です。事件が起きるシーンは詳しく書けませんがリアル過ぎて怖くなりますね。 | ||||
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サラ・ウォーターズの本は最初の「半身」が翻訳されて以来、熱心なファンで翻訳される都度、読んできました。 一番おもしろかったのが「荊の城」で、波乱万丈の物語で、もう夢中になって読みました。 翻訳が良いのかもしれませんが、どにかく文章力の優れた作家です。 「夜愁」「エアーズ家の没落」とだんだん純文学の傾向が強くなり、ミステリー・サスペンスを期待している人には、ちょっとがっかりでしたが、それでもじっくり書かれていて、ディテールがすごいです。 最新作である本作を読んで、上巻の第1部は、ちょっと読み通すのがしんどかったですが、第2部から、物語が動き始めてラストに向かって、もう一瀉千里という感じで、白熱化してきます。 舞台はたぶんロンドン郊外の住宅地で、フランシスという娘さんと母の二人暮らし、時代は第一次大戦の後の時代、でもあまり時代を感じさせるような風俗は書かれておらず、現代と思っても不思議ではない、そんな感じです。 母の夫とか、兄弟は戦争で死んだらしく、残された家で食べて行くために下宿人を募集し、バーバー夫妻、レナードとリリアンという人が入居し、一つ家に4人が暮らす生活が始まります。 最初は仲の良い夫婦のように見えて、交際が始まりますが、だんだんそうでもないような空気が立ち込めてきて、そして事件が起きます。 これから先は言えませんが、女性同士のエロイ場面が出てきて、私など唾をのみました。 その辺の描写は素晴らしいです。 でも、これをミステリーと言えるかとなると、ちょっと疑問でした。 謎解きも一切ありません。 普通の物語です。 よくありそうな話です。 途中から「ああ、そういう話ネ」と思いました。 それにしても、上下2巻で800頁は長すぎる、もうちょっと何とかならないか、と思いました。 特に前半の背景説明と、プロローグは長すぎる。 何度も、放り投げようと思いました。 | ||||
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Kindle版でも何故か上下2冊に分かれているわけですが、とりあえず上巻のみの感想を。 作者をご存知の方は、どのように物語が進むのか、大方予想がつくのではと思います。大きな展開があったりで、ハラハラする場面も多く、結構面白いと思います。 | ||||
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100%サラ・ウォーターズです。掛け値なしにおもしろいです。 「上巻と下巻とでガラッと変わる」みたいなあとがきがついてますが、そんなもんではありません。 純愛ストーリーから官能小説へ、こまやかな筆致に翻弄されるうちに気づいたら心理サスペンスからホラーへと突き進み、もう誰にも止められない展開です。 エロあり、グロあり、ホームドラマあり、『Low & Order』あり、ジェンダーやLGBTまで考えさせて、容赦がありません。 とくに「事件」の場面の臨場感はハンパなく、緊迫シーンながらもなぜか何度も大笑い。 実はコメディだったのか(爆)?! すべてをつらぬくのは秀逸な文章。 翻訳もすばらしい。 堪能しました。 | ||||
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この作家の作品を初めて読んだ。一気に上下巻読了。既刊本も読みたくなって『エアーズ家の没落』『夜愁』『荊の城』『半身』の順で読破。 ※以下、完全ネタバレではないですが、内容に触れます。 上巻では、上流階級の令嬢フランシスと人妻リリアンの出会いと二人が激しい恋愛関係に陥るまでを。下巻では殺人事件が発生。二人はどんどん窮地に追い込まれていく。 極限状態のフランシスは自分はリリアンに利用されていたのではないか?と疑心暗鬼に陥り、リリアンとの愛さえ信じられなくなっていく。この辺の追い詰められていく心理描写が圧巻。 事件の捜査はとんでもない方向に進展し、法廷での裁きの場へ。 二人の瞬間を切り取った静止画像のようなラストシーンが非常に印象的。 読了した五作全て読み応えがあった。『エアーズ家の没落』が一番好みだが、小説として一番と思ったのは『夜愁』。WW2当時のロンドンの描写、小説全体の構成が素晴らしかった。倒叙形式で小説が進んでいくのだが、作中人物の現在を知っている読者からしたら、残酷で切ないエンディングだった。 この作家の次回作が待ち遠しい。 | ||||
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『半身』であまりにも有名なサラ・ウォーターズの最新翻訳。 帯には、もちろん、そのへんが強調してあるが (無理もないが) 『半身』とはかなり、傾向というか、タイプの違う本です。 ただし、女性が主人公で、女性を愛するキャラであることについては同じです。 舞台は、第一次大戦と第二次大戦の間の英国。 主人公は、大きなお屋敷に暮らす上流階級のお嬢さん、フランシス。 まだ二十代後半なんですが、気分はほとんど、くたびれ果てた未亡人。 兄も弟も父親も、戦争や病気で死んでしまった。 頼れる家族の男性が三人もいなくなった上、 横暴な父のトンチンカンな投資のせいで、 家の財産がすっからかんになっていることに気付きます。 大屋敷の奥さまとして生きてきた母親は、 時代や境遇の変わりめにあまりうまく適応できず、 なにかというと、古い価値観でブツブツ愚痴ってしまいます。 すべての苦境がフランシスの背中にのしかかります。 しかたがないので、家計のたしに、夫婦の下宿人をおくことにしたのですが 「難しい時代」はいまにかぎったことではないのですね。 100年近くも前の異国の女性なのに、 フランシスの心の揺れ動きが、とても親近感がもてて、 いろいろな点で、なんだかとても身につまされました。 母親たち、旧世代のレディに対する愛情と反発。 自分より若いひとたちの自由闊達さへの嫉妬や、劣等感。 大切なひとたちを喪失し、孤独であること。 このままじゃいけないと思いながら、自分を甘やかさずにいられないこと。 先々のことを考えると、絶望的になって、もうどうにでもなれ! 的になってしまうこと。 ひとりもいなくなったメイドのかわりに、 お屋敷の床や階段を、ゴシゴシきれいにするフランシス! 彼女が、どうなるか。 お話がいったいどこに行くのか。 最初は、まったく予測がつかないと思います。 しかも、上下巻の上と下で、かなりガラッとお話のトーンがかわります。 「ええっ、そういう話になっていくの!」と思うかもしれません。 なにしろミステリなので、ネタバレ的なことはいえませんが、 このひとはあいかわらず、小説がめちゃくちゃうまい。 作り話なのはわかっているのに、まるで、ノンフィクションみたい。 すごい臨場感で、すごい入り込めます。 さあ、あなたも、約100年前の英国にタイムスリップ! | ||||
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