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(短編集)
ミハスの落日
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ミハスの落日の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.75pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全2件 1~2 1/1ページ
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この作者には最近出会い、全作読んでみようと思うほど気に入っているのだが、この作品はこの作者のものの中ではさほど評価できなかった。 それぞれ短編らしい味わいはあるのだが、リアリティに欠ける部分がある。 まず、『ジャカルタの黎明』では、動機があまりにも非現実的。世界最古の職業なんだからそんな殺人を犯しても犯人の目的は達せられることはないし、犯人はそれが判断できないほど愚かでもないし、ましてやそんな動機で朋輩を殺すほど酷薄な人間でもない。 それから、『ミハスの落日』だが、主人公の名前ジュアン、スペイン語圏ではフアンになるはず。jはハ行になるから。 細かいことのようだが、あえて外国を舞台にした本作品は、読者に本当にその国にいるような臨場感を抱かせることも売りの一つだろうから、こういうことがあると価値が減じられるのも仕方ないのでは。 | ||||
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5つの異国を舞台にしたクライム短編小説集。 「ミハスの落日」。アンダルシアのある大富豪に招かれた男。他界した母とこの老人の過去には未解決の殺人事件が絡んでいた。 密室犯罪と呼ぶには真相が少々強引で、作者自身も「あとがき」で、「まともに書いていたら噴飯もの」と謙虚に認めています。そのために「背景を作り込む必要が」あったといいますが、私はあまり心引かれるところがありませんでした。 「ストックホルムの埋み火」。岡惚れした女性客につきまとうビデオショップの店員。ある日彼女が他殺体で見つかる。 読者を惑乱させる騙し絵のような展開は悪くないと思いました。その仕掛けに私は途中で気づきましたが。 事件そのものよりもむしろ、最後の1行にニヤリとさせられたというのが正直なところです。こういうのが好きな読者は結構いるのではないでしょうか。 「サンフランシスコの深い闇」。過去三度の結婚相手が次々と事故死して多額の保険金を受け取った女性。彼女は果たして連続殺人犯なのか。 「あとがき」によれば別作品の姉妹編にあたるものだとか。そしてまたこの物語の後にも続きがありそうなエンディングが気になります。 「ジャカルタの黎明」。娼婦連続殺人犯は一体誰なのか。 筋書きよりも次の言葉がずっと心に残りました。 「選ぶのは勇気がいるよな。じゃぁ勇気を出す秘訣を教えてやろう。選ぶ前にひとつだけ、決めておくんだ。絶対に後悔はしないってな。どんな結果になっても、意地でも後悔はしない。後悔さえしなければ、選ぶのはもう怖くないぜ。」 「カイロの残照」。アメリカ人女性旅行客のガイドとして雇われた男が辿る末路は。 事件の真相こそさほど驚きを与えるものではありませんでしたが、この事件を生んだ過去と、事件によって生まれた未来の苦さは私の口の中に残りました。本書収録作品の中ではこれが最も印象深いものでした。 | ||||
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