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(短編集)
ミハスの落日
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ミハスの落日の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.75pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全8件 1~8 1/1ページ
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ミハスとはスペインに実在する村の一つで,ほかにもストックホルムやカイロなど, 各国の都市を舞台に,そしてタイトルに冠した五篇を収録した短篇集となっています. ただ,『ミステリ』との謳い文句が踊り,確かに事件や犯人捜しなどはあるものの, ミステリ好きであればピンと来る部分が多く,そちらはどうしても弱めなのは否めず, どちらかと言えば,それに関わった人々に焦点を当てた人間模様の物語という印象です. また,どの編もきの結末が用意されているものの,こちらもミステリというよりは, ハッピエンドに結びつかない,ずしりと重たいものを打ち込まれる真相や解決となり, 苦々しさが後を引きながら,異国の風がその余韻とともにぬるりと体を撫でていくよう. なお,執筆にあたり著者は各国を回られたそうで,各編の扉の写真は氏によるもの. さらには『あとがき』も取材旅行記のようになっており,こちらも楽しみどころです. その反面,『解説』については力が入りすぎとでもいうのか,少しばかり暑苦しさも…. | ||||
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とてもきれいな本だったので嬉しいです。ありがとうございました。 | ||||
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貫井氏が雑誌に発表した日本以外の国の登場人物と舞台設定で描いた短編ミステリーを集めた作品。 各編とも密室ものなど貫井氏としては珍しいストレートなミステリーが多い。 あとがきでも書かれているように特に1話目などトリック自体はとてもまともなミステリーに使えるようなものではないが、トリック自体というより設定や人物設定やその土地の文化背景がうまく取り入れられており、そういったトリックのイマイチさはあまり気にならず、氏ならではの高い描写力によりいずれもレベルの高い短編になっている。 読後も氏の作品としては軽めである。 気軽に読める短編集。 | ||||
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この作者には最近出会い、全作読んでみようと思うほど気に入っているのだが、この作品はこの作者のものの中ではさほど評価できなかった。 それぞれ短編らしい味わいはあるのだが、リアリティに欠ける部分がある。 まず、『ジャカルタの黎明』では、動機があまりにも非現実的。世界最古の職業なんだからそんな殺人を犯しても犯人の目的は達せられることはないし、犯人はそれが判断できないほど愚かでもないし、ましてやそんな動機で朋輩を殺すほど酷薄な人間でもない。 それから、『ミハスの落日』だが、主人公の名前ジュアン、スペイン語圏ではフアンになるはず。jはハ行になるから。 細かいことのようだが、あえて外国を舞台にした本作品は、読者に本当にその国にいるような臨場感を抱かせることも売りの一つだろうから、こういうことがあると価値が減じられるのも仕方ないのでは。 | ||||
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「崩れる」などの短編集でも感じたが、御本人がおっしゃっているよりも短編は上手いと思う。 確かにトリックなどは少々「?」の部分もあるけれど、行ったことのない場所の風景がありありと思い浮かび、こういう風景描写もしっかり描ける方なのだなとわかったのは、もうけものであった。 普段とは違った、それでいて確かな貫井ワールドが広がっている。 またこういうものも書いてほしいと思う。 | ||||
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短編集の宿命というのでしょうか、もう少しページ数があれば もう少しひねった内容でさらに面白くなったのではないかな〜と思いました。 表題作は、これって真相って言うの?って感じで神様に縁のない私は あまりしっくり来ませんでした。 日本人作家が書いたのに、海外翻訳小説みたいなので そちらが好きな人には合うかも知れません。 | ||||
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5つの異国を舞台にしたクライム短編小説集。 「ミハスの落日」。アンダルシアのある大富豪に招かれた男。他界した母とこの老人の過去には未解決の殺人事件が絡んでいた。 密室犯罪と呼ぶには真相が少々強引で、作者自身も「あとがき」で、「まともに書いていたら噴飯もの」と謙虚に認めています。そのために「背景を作り込む必要が」あったといいますが、私はあまり心引かれるところがありませんでした。 「ストックホルムの埋み火」。岡惚れした女性客につきまとうビデオショップの店員。ある日彼女が他殺体で見つかる。 読者を惑乱させる騙し絵のような展開は悪くないと思いました。その仕掛けに私は途中で気づきましたが。 事件そのものよりもむしろ、最後の1行にニヤリとさせられたというのが正直なところです。こういうのが好きな読者は結構いるのではないでしょうか。 「サンフランシスコの深い闇」。過去三度の結婚相手が次々と事故死して多額の保険金を受け取った女性。彼女は果たして連続殺人犯なのか。 「あとがき」によれば別作品の姉妹編にあたるものだとか。そしてまたこの物語の後にも続きがありそうなエンディングが気になります。 「ジャカルタの黎明」。娼婦連続殺人犯は一体誰なのか。 筋書きよりも次の言葉がずっと心に残りました。 「選ぶのは勇気がいるよな。じゃぁ勇気を出す秘訣を教えてやろう。選ぶ前にひとつだけ、決めておくんだ。絶対に後悔はしないってな。どんな結果になっても、意地でも後悔はしない。後悔さえしなければ、選ぶのはもう怖くないぜ。」 「カイロの残照」。アメリカ人女性旅行客のガイドとして雇われた男が辿る末路は。 事件の真相こそさほど驚きを与えるものではありませんでしたが、この事件を生んだ過去と、事件によって生まれた未来の苦さは私の口の中に残りました。本書収録作品の中ではこれが最も印象深いものでした。 | ||||
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短編集の割にどれもよく練られたストーリーになっていて、読みごたえがありました。 5つの短編すべてに共通するのはラストでの衝撃。 そこに仕掛けられたトリックなどは、それぞれ違いますが、どれも驚かされました。 ただ、そのトリックは目新しいわけではありません。 それでも『ストックホルムの埋み火』はキレイに錯覚を起こしましたし、 『ジャカルタの黎明』や『カイロの残照』はラストの着地点が秀逸です。 こんなにもミステリ小説の面白さをたっぷり詰め込んだ短編集はあまりないかも。 | ||||
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