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(アンソロジー)

(編集)

世界推理短編傑作集5



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世界推理短編傑作集5の評価: 4.44/5点 レビュー 9件。 Cランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.44pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全9件 1~9 1/1ページ
No.9:
(5pt)

かけがえのない傑作にてあった気分

小説の最後までワクワクが止まりません。
世界推理短編傑作集5【新版】 (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:世界推理短編傑作集5【新版】 (創元推理文庫)より
4488100112
No.8:
(3pt)

表紙が違う商品が来たが、対応は丁寧

表記に違いがあったことをご連絡ただいたことはありがたかった。そこだけの違いかと尋ねたら、そうだとおっしゃっていた。けれど、到着した商品は表紙の違うものだった。本体の画像がトップと違うなら、それも表記してほしかった。でも対応は丁寧だったので星三つで。
世界短編傑作集 5 (創元推理文庫 100-5)Amazon書評・レビュー:世界短編傑作集 5 (創元推理文庫 100-5)より
4488100058
No.7:
(4pt)

画龍点睛を欠く

この名アンソロジーが新しくなったのは喜ばしいが、J・D・カーの「見知らぬ部屋の犯罪」がディクスン名義の「妖魔の森の家」にかわったのは残念。後者はすでに同社で既刊。不可能犯罪捜査課で前者を戻してくれるならよいのだが…。
江戸川乱歩氏の意を汲んでのことなら、一つでも多く作品を紹介すべきでは?
世界推理短編傑作集5【新版】 (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:世界推理短編傑作集5【新版】 (創元推理文庫)より
4488100112
No.6:
(5pt)

後世への指針となるアンソロジー・シリーズの完結

収録作品
「ボーダーライン事件」マージェリー・アリンガム
「好打」E・C・ベントリー
「いかさま賭博」レスリー・チャーテリス 
「クリスマスに帰る」ジョン・コリアー 
「爪」ウィリアム・アイリッシュ
「ある殺人者の肖像」Q・パトリック
「十五人の殺人者たち」ベン・ヘクト
「危険な連中」フレドリック・ブラウン
「証拠のかわりに」レックス・スタウト
「妖魔の森の家」カーター・ディクスン
「悪夢」デイビッド・C・クック
「黄金の二十」エラリー・クイーン

乱歩編集名義の旧版に敬意を払いつつ、最新の書誌データを元に発表年代順に変更した編集、新たに追加された短編の選定など、後世への指針となりうる今回の新版の内容に東京創元社の翻訳ミステリ出版の老舗としての気概を感じる。
リアリティと驚きが共存する解決が見事な不可能犯罪物「ボーダーライン事件」、大胆な凶器トリックの「好打」、痛快極まりないチャーテリスのセイント冒険譚、短編ミステリの見本のようなコリアーとアイリッシュのマスターピース、犯罪小説の心理描写に新たな地平を開いたパトリックの傑作、感動的な結末を迎えるベン・ヘクト作品、ブラウン一流の話芸が堪能できる「危険な連中」、錯綜したプロットの興趣とウルフ&アーチーの掛け合いが愉しい「証拠のかわりに」、サスペンスの佳品「悪夢」、さらに今回晴れて収録されたディクスン(カー)の華麗な短編代表作、そしてクイーンによる名作リストと、このアンソロジー・シリーズの掉尾を飾るに相応しい充実のラインアップだ。
世界推理短編傑作集5【新版】 (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:世界推理短編傑作集5【新版】 (創元推理文庫)より
4488100112
No.5:
(5pt)

軽妙さと重厚さの比重が程好いバランスで配されたフィナーレを飾る最良の第5巻です。

今から約70年前の1940年代のミステリー作品を中心に編まれた世界短編傑作集のフィナーレを飾る最良の第5巻です。本書を読むと約70年前の作品群ではありますが内容的にも質的にも現代ミステリーとほぼ変わらない段階に達している事を強く感じますね。奇想天外なパズル性といった物は段々と薄れて来てはいますが、リアリティーや小説としての完成度は確実に高くなっていて全く違和感なく安心して読めるお奨めのベストな一冊と言えるだろうと思いますね。
『黄色いなめくじ』H・C・ベイリー著:窃盗癖のある問題児の少年が今度は妹を溺死させようと謀り更に別の女性の死についても関与の疑惑を持たれる。医者探偵フォーチュン氏の厳しさと優しさを併せ持つ人柄が誠に興味深く魅力的ですね。本編は読者に単純な犯罪だと思わせる著者の騙しのテクニックが秀逸です。『見知らぬ部屋の犯罪』カーター・ディクスン著:密室と不可能犯罪の巨匠カーの別名義作です。泥酔して帰って来た男が見知らぬ部屋で不意に知らない男の死体と遭遇する怪事件。警視庁特別捜査課のマーチ課長はフェル博士やH・M卿よりもまともですが推理力はさすがに天下一品ですね。トリックは案外平凡ですが、意外な犯人の趣向と手掛かりの巧妙さに唸らされます。『クリスマスに帰る』ジョン・コリア著:アメリカに旅立つ送別パーティーが終わると医師の夫は妻を手際よく厄介払いするのだが・・・・。完全犯罪が首尾よく成功かと思わせて最後の最後で逆転する悪人に訪れた皮肉な運命ですね。『爪』ウィリアム・アイリッシュ著:元警部が語る未解決窃盗事件の謎が長い時を経て事件の起きたレストランで偶然にも解決する。食事しながら読んでいる方はどうか胸やけにご注意下さいね。『ある殺人者の肖像』Q・パトリック著:一人息子を愛しすぎて強く束縛した為にある父子に起きた痛ましい悲劇。情容赦ない狡猾なトリックに子供の持つ残虐性を見せられ暗澹とした気持ちになりましたね。『十五人の殺人者たち』ベン・ヘクト著:医者が自らの医療ミスにより患者を死なせた殺人行為を告白するXクラブの会合に若き新入りの医師が初めて出席し体験を語り始める。悪趣味で開き直った様な反省の心が全く感じられない告白を連続で読まされてほとほと嫌気がさして来ますが、最後に思わぬ‘どんでん返し’があって人間を再び信じる気持ちが甦る感動作です。『危険な連中』フレドリック・ブラウン著:ある小さな駅の待合室で偶々出会った二人の男が疑心暗鬼に駆られ互いに相手を精神病院から脱走した犯罪者だと思い込む。今にも早合点による無意味な悲劇が起きようとする時に著者は飛び切りの逆転劇を用意して見事なオチで苦笑いさせてくれます。『証拠のかわりに』レックス・スタウト著:私立探偵ニーロ(ネロ)・ウルフの所へ近々自分が殺されると妻と共に相談にやって来た男が、その夜すぐに葉巻に仕掛けられた爆弾で死亡する。助手のアーチイや探偵のソールは推理能力のない手足に過ぎず、ウルフはデータから真相を導き出す偉大な頭脳であるなとつくづく感じますが、でもこの分業制は中々に上手く機能しているなあと思いますね。本書の中では単純ながらも効果的な最も素晴らしい欺瞞トリックに心底から感嘆させられた真に探偵小説らしい一編ですね。『悪夢』ディビッド・C・クック著:一人きりの家で遅い夫の帰りを待ちわびる妻に突然襲い掛かる何者かの魔手。徐々に不安感が高まって行き緊迫したサスペンスに心を鷲掴みにされる恐怖ドラマの佳作ですね。『黄金の二十』エラリー・クイーン著:本集二度目の登場ですが、今回は名アンソロジストとしての立場での推理評論です。全部は無理ですが大半は持っていますので、ここに選ばれた短編集と長編の10冊ずつの名作をもう一度新たな想いで読み返して見たいと思いますね。
世界短編傑作集〈第5〉 (1961年) (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:世界短編傑作集〈第5〉 (1961年) (創元推理文庫)より
B000JB4E2A
No.4:
(4pt)

カー作品が読めて満足です

1935年から1950年までに発表された
9短編&1論文を収録した推理作品集で、
各作品の冒頭には、編者の解説付き。

私にとって本書の注目は、
【見知らぬ部屋の犯罪】(カーター・ディクスン)で、
本作は本書に収録されているため、
同文庫の「カー短編全集」から除かれてしまっているもの。
「アパートの一室が、発見された死体ごと消失する」という
印象的な謎の本作は、
解決の糸口となる事象が現在ではありきたりとなっていましたが、
カーの魅力を堪能できる作品です。

最後の収録作品、【黄金の二十】(エラリー・クイーン)は、
今では古典といえる短編10、長編10を紹介した論文ですが、
1941年発表とあって、
これ自体が「推理小説の歴史」そのものといった趣があります。

それ以外の作品の感想は。

【黄色いなめくじ】(H・C・ベイリー)
子どもの異常心理をじっくり描写する、
印象深い作品でした。
題名の意味も面白い。
【クリスマスに帰る】(ジョン・コリアー)
ショート・ショートらしく、
題名の意味が明らかになる、
ひねりのきいたラストは、見事。
【爪】(ウィリアム・アイリッシュ)
冒頭解説で、
オチに気づいてしまう方もいらっしゃるのでは。
この作者の長編とは異なる作風だと感じました。
【ある殺人者の肖像】(Q・パトリック)
少年の犯罪心理の恐怖が感じられる作品。
被害者の心理も興味深い。
【十五人の殺人者たち】(ベン・ヘクト)
医師たちの秘密の会合で話し合われていたこととは?
結末はとても好印象。
【危険な連中】(フレドリック・ブラウン)
登場人物二人の緊迫した心理的葛藤。
この作者らしいストーリー展開でした。
【証拠のかわりに】(レックス・スタウト)
ネロ・ウルフものを初めて読みました。
探偵の人物造型は、やはり強烈。
事件そのものより印象深い。
【悪夢】(ディビッド・C・クック)
短編のスリラー映画を観ているような味わい。
世界短編傑作集 5 (創元推理文庫 100-5)Amazon書評・レビュー:世界短編傑作集 5 (創元推理文庫 100-5)より
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No.3:
(5pt)

「傑作集」の中の代表作

「世界短編傑作集」シリーズの第五弾。現在に一番近い作品集なので、感覚的に現代人に一番合うのではないか。

ベイリー「黄色いなめくじ」の粘着質な嫌らしさ。こういう作品は、旧来のミステリには無かったのではないか。そして、カーお得意の不可能状況を描いた「見知らぬ部屋の犯罪」。パトリック「ある殺人者の肖像」、ヘクト「十五人の殺人者たち」も水準以上だが、何と言ってもアイリッシュ「爪」が際立っている。この作品は、良く味わって下さい、としか言えない。

ミステリの原点とも言える「短編」の傑作を集めると言う本企画は、ミステリの歴史を辿ると言う意味で成功していると思うし、その中で本作は傑作を集めた代表作だと思う。
世界短編傑作集 5 (創元推理文庫 100-5)Amazon書評・レビュー:世界短編傑作集 5 (創元推理文庫 100-5)より
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No.2:
(5pt)

1935年から1950年までの短編傑作集

◆「爪」(ウィリアム・アイリッシュ)

  骨董商ウェイリン・ハミルトンの店で、強盗殺人が起きた。
  現場には、現金の入った箱を開ける際に剥がれたとおぼしき犯人の爪が発見される。

  この物証により、犯人の割り出しは容易だと思われたが

  追い詰められた犯人の決死の決断に、しばし呆然。

  乱歩も書いてますが、今後レストランでシチューを食べる度に、
  この小説が頭をよぎりそうで、ちょっと怖いです(w

◆「見知らぬ部屋の犯罪」(カーター・ディクスン)

  ほろ酔い気分で、アパートの自分の部屋に帰ってきたデナム。

  しかし、室内の調度や装飾品が異なっていることから部屋を間違えたと思った
  彼は、急いでその部屋から出ようとするが、そこで死体を発見してしまい

  類似した二つの部屋を犯罪に利用する作例は多くありますが、これもその一つ。

  本作では、ミステリにおいてよく扱われる、ある身体的障害がポイントとなります。
  それが出てくる時は、細かい描写も、いい加減に読み飛ばせません。

◆「十五人の殺人者たち」(ベン・ヘクト)

  一流の医者たちが三ヶ月ごとに集まり、その間に犯した、
  医学上の殺人罪を告白する会合を舞台にした話。

  新入会員の懺悔に、ある企みがあり、結末では、
  思いがけず、爽やかな読後感を味わえます。
世界短編傑作集 5 (創元推理文庫 100-5)Amazon書評・レビュー:世界短編傑作集 5 (創元推理文庫 100-5)より
4488100058
No.1:
(4pt)

短編の醍醐味

掲載作品:ベイリー「黄色いなめくじ」、ディクスン「見知らぬ部屋の犯罪」、コリアー「クリスマスに帰る」、アイリッシュ「爪」、パトリック「ある殺人者の肖像」、ヘクト「十五人の殺人者たち」、ブラウン「危険な連中」、スタウト「証拠のかわりに」、クック「悪夢」の9編。
前に読んだ「4」には失望したが、この「5」は格段におもしろかった。なぜだろう?「4」は1930年前後、「5」は1940年代の作品を主に集めたものだが、時代の古さ新しさはさほど感じなかった。むしろ、短編小説の性格が時代によって変化したのかもしれない。つまり、単に長編を短くしたものではなく、ひねりを効かせた独特の小説としての短編のスタイルが、1940年代頃に確立されていったのではなかろうか。
実際「5」には短編の!醍醐味を満喫できる作品が多かった。「クリスマスに帰る」は10ページ強のショート・ショートで、最後の数行での逆転が実に鮮やか。「危険な連中」も約20ページのショート・ショート。緊迫した内容ながら、読んでいて思わず笑ってしまう楽しい作品。「十五人の殺人者」は、患者を誤診で死なせて平然としている医者たちを"殺人者"にたとえた、皮肉たっぷりの話だが、一転してさわやかなオチが印象的。その他、どの話も水準以上で、楽しめた。
世界短編傑作集 5 (創元推理文庫 100-5)Amazon書評・レビュー:世界短編傑作集 5 (創元推理文庫 100-5)より
4488100058

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