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ディアスポラ
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ディアスポラの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.02pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全52件 21~40 2/3ページ
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こんなわくわくする旅でした。 もう一回旅に行くのが楽しみです。 さて、私は 何処へ行ったのでしょうか? | ||||
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マイ・ベスト・オブ・イーガンでした。これまで私が読んできたイーガン作品は、ネタがやや計算機科学と数学に偏重しているきらいがあったのですが、本作品では本格的に物理学と宇宙論を取り込んでいます。私のような素人には黙って受け入れるしかないほど緻密に設定された空想上の理論体系などの設定はハードSFとして見事なまでの作り込みです。 物語は、21世紀以降の人類の次世代の形態の一つとして誕生する主人公ヤチマの視点を主として展開します。この時代、人類(?)は旧来的な生物としての存在の他に、機械化されかつ実世界との物理的インタラクションの中で生きる「グレイズナー」と、ヤチマのような計算機環境内での生活を主とする純粋なソフトウェア人間の3つに分かれています。3種族の微妙な緊張関係など、面白い設定です。 で、地球にちょっとした災厄が起こり、その原因や今後の対策を求めて宇宙に旅立ち、やがて謎の種族「トランスミューター」を追跡することでとてつもないスケールの旅を繰り広げる、というお話です。 SFとしては、ソフトウェア人間(特に冒頭の誕生のシーン)、コズチ理論、ワームホール、多層構造の宇宙、自然発生コンピュータとその中のソフトウェア生物などなど楽しい小道具がいっぱいです。いずれも適当な思いつきアイデアの類ではなく、それなりにもっともらしく理論体系を述べた上での存在で、しっかりハードSFしています。物語と関係なく楽しめます。 ただ、物語全体としてのまとまり感というか、基底をなすような一貫したストーリーというか、その辺がやや物足りないとは思いました。最後はなんだか無理やり話を終わらせた感もありました。情緒的な意味での盛り上がりも個人的には今ひとつ。 あと、かなりハードなSFなので、そっち方面の知識に明るくない方が読んだら楽しめないんじゃないかという心配をされている方には、個人的には、…はっきり言ってそのとおりだと思います。やっぱり本作品の一番の楽しさは数学・物理学・情報工学あたりに奥深く絡んだ部分に集中していると思うので、決して専門家レベルである必要はありませんが、「そういうのが好きな素人」程度ではある必要があると思います。 | ||||
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数学を美しいと感じる方ならきならマスト!理系にアレルギーなければ是非トライして!冒頭の10ページくらいが越えられたら、あとはめくるめく拡張現実の世界ですよー | ||||
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中身は良いのかもしれないが、序盤の直訳調が読んでいて極めて苦痛。 内容が難しいとかの以前にもう少し表現がどうにかならなかったのだろうか。 | ||||
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話の主軸は「人間が不死を手に入れたときに、何をするか」というテーマであるが、著者イーガンの書きたかったものは究極的な「人間賛歌」であると思う。通常の(生物学的な意味での)人類はあまり登場せず、そうした人類は話の中盤で滅んでしまう世界の中で、現世人類とは情報的にも断絶して生まれてきた主人公ヤチマの冒険を通して、より純粋に人間とは何か?何を為す者なのか?という問いに力強く答えている。 人間の究極的な冒険がイーガン流の理論武装によって進められていく様は、読者の知的欲求を大いに満たしてくれる。間違いなく、これまでに私の読んだ最高のSFであり、今後もこれを越えるものは現れないのではと考えている。 | ||||
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の日本語で読めるものはすべて読んでいます。 読み易さでは「万物理論」が一番です。 分かりやすいストーリーがありますw ヴァーチャル環境については「順列都市」のヴィジョンは凄まじいです。 宇宙SFの傑作はこれです。 | ||||
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数学・科学用語が難解ながら、織り込まれた物語の多様性に息を呑みます。 ソフトウェアとして子供が生まれる描写、生物学的に実現されたオートマトンの中で生きる生物、意外な宇宙の広がり、途方も無い加速器。 数学や科学の最先端の知識をさらに発展させたアイディアにいつもながら脱帽です。。 前半、特に最初の「孤児」が生まれる描写から難解で、読むのにだいぶ時間がかかりました。 本の最後に用語集があるので、それを参照しながら読むと難易度が下がると思います。 ディアスポラという言葉が積極的な意味に使われているのが印象的な本でした。 | ||||
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ウィリアムギブスンのニューロマンサーを読んだときの疲労感にも似た気持ちになった。 のっけから造語と専門用語の記述のオンパレードで、とにかくわけがわからないのだ。 おそらくSF読者のなかでも拒否反応を示す方もいるはず。 と好き勝手に感想を言ってみたが、もちろんSF小説の歴史的な文脈で言えば重要な作品であることには違いないだろうし、とばしながら読んでもディアスポラのエネルギーの片鱗に触れることはできると思う。 イーガン初心者には短編集か「宇宙消失」から読むことをおすすめする。 | ||||
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短編集「プランク・ダイヴ (ハヤカワ文庫SF)」を先に読んで、その中で「ワンの絨毯」と「伝播」が一番好きな物語だったこと、そして、ポリスの中で、肉体から転写された第一世代の後の世代は、どのように創られて性格づけがなされて行ったのか、その場合の家族関係はどうなのか、この情報という形でのヒトを存在せしめているコンピュータ(だと思うが)の故障対策や保守はどうしているのかなど、ぜひ詳しく知りたいと思い、また、情報としてのヒトが、どのように人格含めて元のように保たれるのか、十分なバックアップをしても消滅の危険はあるが、そのあたりはこの時代にはどのように解決されているのかなど、興味は尽きないことから、この「ディアスポラ」を購入した。 短編を読んだ後にこの作品を読んで良かったと思った。先に読んでいたら、少し混乱したかもしれない。 また、私が知りたいと思ったことがいろいろと書かれていた。一番最初は、「コニシポリス」で創られる新しい存在の描写。この過程が詳しく書かれていた。しかも、普通の市民ではなく、時折創られる特殊な存在としての新しい存在。それが自我を獲得するまでの過程は、やや長い描写ではあるが、とても理解しやすくリアルに感じられるものだった。 それから、他のポリスでは存在はまた違った創られ方をされるということも示唆されている。ポリスはいくつも存在し、それぞれのポリシーに従ってみんな違った形態であること。また、ポリスとは別に、機械の身体に心を移し替えて宇宙に伝播していた存在もいること、地球にはまだ肉体を持った人々も暮らしているが、人工的に改変が加えられて、もう意思疎通も不可能なほどに分化してしまっていること。 「コニシポリス」で創られた「ヤチマ」が、短編「ワンの絨毯」に出てきた「カーター - ツィマーマンポリス」に移って、様々な人との交流、そして宇宙へと旅立っていく姿がこの物語の主軸だが、主役は決して一人ではなく、それぞれがそれぞれの人生を歩み、それぞれの目的を持ち、そして生き方を決めていく。「カーター - ツィマーマンポリス」の存在たちが、千体のクローンを作って伝播していく中で、時に生命体の痕跡を見つけ、時に何も見つけられず、時に事故で消えていく。それぞれのクローンは、すでに別々な意志を持った別々な個体となっているという描写は、なるほど、とうなづけた。 最後まで旅していくのはヤチマとパオロ。その時間的・空間的に果てしない旅は驚異に満ちている。そして、その後戻りできない旅の終わりには…。切ないような、これしかないのだろうなというような結末が待ちかまえていた。 本の最後に、著者による用語解説と、参考文献の説明があるのもありがたい。 | ||||
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訳者に敬礼! これだけの作品をこんなに読みやすく日本語に移植してくださって本当にありがとうございます。イーガンの『祈りの海』でも思いましたが適任だったと思います。 数字に、というか数学に最高の美を見出している著者渾身の大傑作です。筋を追うごとにどきどきはらはら、いったん読み始めたら読了まではひと呼吸。ものすごい勢いで読み終えてしまいました。 スワヒリ語で「孤児」を意味するヤチマを中心に魅力的な人物たちが数千年の単位でいれかわりたちかわり意識をめぐる冒険をします。 イノシロウのあまりにも意外な選択や、ブランカのかっこよすぎる決めセリフなど魅力満載。 イーガンがおそらくは生涯のテーマとしている「意識とは」「私を意識する私とは何者なのか」のひとつの答えがここにあります。 読むことで、自分を制限する何もかもを振り切って、限りなく自由にさせてくれる爽快感を、イーガンは与えてくれます。 孤独も孤立も、苦悩も苦痛も、「それでも」先に進もうという「意志」までは奪うことができなかった。機械の中の幽霊ならぬ、機械の中の人生を、私はとても愛します。 詩情あふれる素晴らしい傑作だと思います。イーガン、大好き! | ||||
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同じ作者で以前読んだ「順列都市」が途轍もない構成の素晴らしい本だったので、期待して読みました。 本当に面白い小説には、必ず感動があると自分は思っています。けれど、普通その感動は、小説が感情を扱った故での感動です。 しかし順列都市での感動は、異質なものでした。 そして期待を裏切らず、ディアスポラも知的興奮、新たな世界を見せてくれる、鳥肌の立つ様な感動を与えてくれました。 もっとも、物語の半ば以上を過ぎなければ、この先どんな展開になるか全く想像がつかない点も、前作同様でしたが。 ついでに理論に関する細かい内容が難し過ぎで私には理解できませんが、その辺はフィクションですし、また、構成が巧みなため、理解していなくとも物語は楽しめるようになっています。 ただ、人間がソフトウェア化されている世界観故、身体感覚に基づく感情や感覚を扱っていないので、そういう物語でなければ楽しめない方には向きません。 本の面白さには、色んな種類があります。少しとっつき難いですが、たまにはこんな本を読むと、新たな面白さの地平が開けること、うけあいです。 | ||||
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この小説を読んでから八年過ぎましたが、 今でも読み返して変わらない感動を味わっています。 これを超えるスケールの冒険活劇を、 何らかの説得力やリアリティを伴わせて 書き上げる事は困難を極めると思います。 僕の残りの生涯では、この物語に互するものに 再び出会えないのではないかと感じています。 その説得力とリアリティを支えるために、 非常に理解しづらい(作者の創作を含めた) 数学的、物理的、化学的な記述があります。 これらを何一つ理解する必要はありません。 魔法のような展開が「本当に起きる可能性がある!」 と心の底から感じさせるための、作者が 血道を注いで作り上げたガジェットとして、 なんか分かった、というふりで読むべきだと思います。 というか、そうするしかありません。 あまりに難解な記述が多いため、その点が 悪目立ちしてしまいますが、 この小説は巻末の解説にもある通り 純然たる冒険活劇です。 難解さにつまずく人は真面目な人なのだと思いますが、 一度まじめさを脇に置き、 分からないなら流し読むというやりかたで 読了されることを強くお薦めします。 | ||||
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スケール、内容ともにハードSFの最高の帰結点。 ここまでいきついてなお人類としてのアイデンティティが保たれているのが不思議なほど。 アイデアそのものは現代科学の延長線上にあり、実際の未来をリアルに想像できるのも良い。 多元宇宙の果てへと向かうスケール感の大きさ。 量子スピンに隠されたメッセージという、理解より直感をくすぐるアイデア。クラクラと読者を快く幻惑させてくれる、まさにSF小説。 | ||||
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現代ハードSFの極北と評価される長編。 SF好きならば,好む好まざるにかかわらず,読んで損はしないでしょう。賞賛するにせよ,批判の材料とするにせよ。 物理学の素養のない私にはほとんど記号のような議論がちりばめられていますが(専門の方がどう読むのかむしろ興味深い…),イーガンの小説に一貫して流れる,自己同一性の問題は本作でも太い幹となっています。端的には,「自分のすべてがソフトウェア化されたとして,それはなお自分か?」,さらに「ソフトウェア化された自分がコピーされたとして,自分とコピーの関係は?」といったことです。SF的な道具立てはともかく,このような自己同一性の問題に対するひとつの解答は,文系的思考の人間にも十分に楽しめるものです。 さらに,本作で描かれる,人類の行く末→宇宙の行く末は,私のような素養のない者にとっても,圧倒的なものでした。ヒトの想像力の限りなさを示した一作といえるでしょう。 なお,難しい議論については,巻末に用語集もついています。 | ||||
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ソフト化された人類が深宇宙に旅立ち銀河の謎を探求する様が、強固な物理的理論武装で肉付けされ描かれる。確かに難解であるが、筋立てはストレートな冒険SFなので、混乱する事は無い。 解説では小松左京の「果てしなき流れの果てに」が引き合いに出されていたが、僕は手塚治虫の火の鳥を想起した。宇宙が入れ子状に重層的に重なっている、てなところとか。やはり偉大だ、手塚先生は。 ともあれ、久々に脳みそを振り絞って活字を追った。今度は軽めの本にしてみるか。 | ||||
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「序盤が大変」とのことですが、そういう方にはとにかく「科学的な解説は読み飛ばせ」と申し上げておきます。と書くと、本書を通じて数学への愛を語っている著者には失礼にあたるのですが、本書の主要な登場人物はすべて「知性も意識もある電子情報」としてのみ存在していること、「ポリス」と言っても実際にはコンピュータそのものであること、の2点だけ承知して読み出せばよろしいのではないでしょうか。 このように通常の実体を持たない不老不死の主人公たちではありますが、「架橋者オーランド」の決心、トランスミューター(神?)を追って高次元宇宙にたどり着いた主要登場人物二人が最後に選択した行動に涙できるようなったら、イーガンのファンとしては十分ではないでしょうか。少なくとも私はこの本を読んだことで、イーガンの他の著作も読もうと決意いたしました。 | ||||
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すみません、序盤で挫折しました。出だしからいきなり数学やプログラミングの論文のようで、目で字面を追ってはいても、私には何が何やら・・・こちらの書評で「序盤を突破すれば〜」と書かれていたので、必死に食らいつこうと頑張ったのですが、比喩ではなく頭がすごく痛くなってしまったので、読み進めるのを断念しました。イーガンの小説は一通り読んできたのですが、本作は飛び抜けて難解でした。 序盤しか読んでいないので、評価はどっちつかずの星3つということで。 | ||||
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なんか読み合わせが悪かったのか、カウフマンとすんごくかぶってしょうがなかった。ま、途中から全然ハードSFしちゃっててもどってこなかったけど。以下、ポイントを列挙。 ・「進化には大量の突然変異と絶滅が必要」 ・「カウフマンネットワーク」という言葉がそもそもでてくる。 =>わたしはタイル並べのルールにはじまって、あらゆるレベルにカウフマン・ネットワークを確認した。全システムが、静的状態とカオス的ふるまいのあいだの超適応状態の縁で安定している。 ・予想できない事態が必ずおこるというべき乗的なイベントの発生。 ・「自触媒効果」(=自己触媒反応)が重要なアイデアになっている。 ・意識の起源について =>イカは自分自身が考えていることについても、やはり考えているのだ。私はそれを、意識と呼びたいのだが、どうだろう? ・ちとカウフマンからはずれるけど、登場人物が自分の思考を三次元ネットワークとして検討するシーンがあったりする。 ・非線型的だなというか、集中するべきものには思いっきりリンクなどが集中するということは、量子力学の解釈や、宇宙構造に関する部分でも応用されているアイデアであるように感じる。 やっぱり、小説のはじまりのシーンは「適応度地形」だと思った。 | ||||
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共感と深い感動を得ました。「人類の叡智の一端を担うものとして、いったい何をすべきなのか」という命題を、肉体人でないけれど人類が本来持つ探究心を含めてソフトウェア化された主人公に、一途に取り組まさせています。敢えて、ソフトウェア化された者を主人公にするところも、人類の本来持つ限界を否定するのではなく、それに対して著者が深い敬愛の念を持っていることの現われではないでしょうか。 | ||||
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「ディアスポラ」というタイトルがここまで内容に即したものだとは、読み始めたときは予想だにしなかった。 アイディアの奇抜さを楽しむイーガン作品において、これ以上語るのは憚られるが、一つだけ言いたいのは、この作品は文系人間には人気が無いのは当然かもしれない、ということ。一般的な小説に展開されるようなドラマが、何よりディアスポラ(離散)によって失われているからである。 何にせよ、これから読む人は巻末の用語集に付箋を貼っておくと便利かと思われます。 | ||||
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