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闇からの贈り物
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闇からの贈り物の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.20pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全2件 1~2 1/1ページ
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シアトル市警・殺人課に配属されたばかりの女性刑事、アリス・マディソンを主人公とするサスペンスです。伏線の張り方、展開の持って行き方が大変見事だったと思います。 事件の関係者の描き方が非常に巧みでした。誰が良く、誰が悪いのか? この人物は、事件への関わりは浅いのか、深いのか? そして、誰がマトモで、誰が異常なのかというサイコな要素(帯書や解説にあるとおり、このサイコな要素は大変魅力的でした) 過去から現在までに至る間の、それぞれの人物の一筋縄では行かない関わりが緊迫感を高めていたと思います。 警察捜査について、科学捜査と法的手続きの両面に至って、網羅的で、仔細に描かれ、臨場感があって良かったです。 証拠の解析や、令状手続きが事実究明のポイントとして巧みに置かれており、ストーリーの展開について、説得力を高めていたと思います。 作中で発生する事件の現実離れした凄惨さと、事件捜査のリアリティが巧く対称をなしていたと思います。 主人公のマディソン刑事が事件の捜査を通じて成長していく姿も大きな見どころだっと思います。彼女の成長に比例するかのように、どんどんと大きな危険が迫ってきます。王道パタンとも言えますが、読み飽きることなく、読後は高い満足感を覚えることができました。 | ||||
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本書「解説」では<警察小説、リーガルサスペンス、サイコロジカルスリラーが一つの作品に盛り込まれている>という。 本書で小説家デビューとなるV・M・ジャンバンコは元映画の編集助手である。多くの映画、脚本に接してきたであろう作者は、このデビュー作にミステリのあらゆる要素を詰め込んでいる。 警察小説、リーガル、サイコだけではない。暗号あり、シリアルキラーあり、誘拐ありでFBIのプロファイラーまで登場する。そのためか既読感はあるものの良質で長大なミステリ大作となった。 さらに映画の脚本ではなく、フィルム編集のテクニックからかカット割りの多さに驚かされる。描写を転換していくスピードが速いのだ。これがスピード感あふれる文体をうみだし、女性刑事アリス・エレノア・マディスンを魅力的なヒロインとして誕生させた。 マディスンはシアトル市警殺人課に配属されて四週間の新米だが、彼女もまた他の主人公にありがちな灰色の影を引きずっているようだ。 しかしマディソンは<警官用のスミス&ウェッソンM19を片手で握る握力テストで四十キロの結果を出す力をもち、酒はほとんど飲まず、タバコは吸わず、独身で灰色の過去がありながら閑静で裕福な地域に住んでいる>のだ。 そのシアトルの住宅街で「弁護士一家惨殺事件」がおきる。 殺されたのはジェイムズ・シンクレア、その妻、二人の子供たちの四人だった。 事件のヒントは殺人現場状況にある。 <ステージング(演出)は手を加えて、ほかのものに見せかけること。計画殺人を強盗の仕業にみせかける。><ポージングは被害者をオブジェのように扱うこと。何かを主張しメッセージを残すために特別な姿勢をとらせること。> そして現場に残された「十三日」の文字。 大量殺人鬼ジョン・キャメロンが容疑者として浮上する。 マディスン刑事たちは行方の分からないキャメロンを追うために、彼の弁護士ネイスン・クインを追求していくと彼らの過去が明らかになってくる。 そして二十五年前の少年失踪事件にたどりついた時、事件の様相は一変する。 <真の動機は別のところにあるに違いない。> 事件の核心は、闇の中に潜む邪悪なものが行ってきた一つ一つの事件は、彼らを破滅させるという大きな計画の一部だったのだ。 英国ではアリス・マディスン刑事シリーズは三作目まで刊行されているという。 日本でもシリーズ刊行を望む。 | ||||
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