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砂の器
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【この小説が収録されている参考書籍】
砂の器の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.05pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全131件 81~100 5/7ページ
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推理小説は、数々あれど、これこそが、本当のベスト1、いや日本文学小説のナンバー1とよべる。再読でもページをめくる手が止まらない。 | ||||
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前半から中盤にかけて、「カメダ」を手がかりに捜査陣が東北に行かせられたり、映画館で三流映画を見させられるなど翻弄させられる情景は見事としか言いようがない。 以下の点で星一つ下げました。 ・超低周波の音波で堕胎という荒唐無稽な現象・手段 ・社会的名声を得たものが公表できない自らの出自を隠すために殺人というプロットは「ゼロの焦点」で再使用 | ||||
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砂の器と言えば映画版がかなり有名だが、そのイメージからすると原作である本書とはかなりイメージが異なっていたので意外であった。 映画版で大きく取り上げられていた犯人の過去は原作では1.2行であっさりと流されてしまい、犯人の過去よりは自然死に見せかけた連続殺人の機械的なトリック暴きと刑事の捜査での奮闘ぶりの方が全面に押し出されている。実際読むと、それほど重くない内容で点と線などと同じテイストである。犯人の過去を全面に押し出して悲劇性を強調した映画版とはまるでテイストが違うが、ストーリーとしての面白さは清張作品中突出しており、今読んでも代表作の名に恥じない傑作社会派推理の名作である。 | ||||
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東野圭吾「幻夜」のあとがきにて紹介されていたのが読むきっかけ。 松本清張の作品はあらかた読んだが唯一と思える超名著。 ※同じ内容の東野圭吾「白夜行」には適いませんが。 恐らく東野圭吾さんも本作品は読まれており(エッセイに松本氏の著作を読みあさったことが書いてあるから) 砂の器から白夜行への進化をさせたのでありましょう。 砂の器は非常に悲しい、というのが読後感。戸籍謄本の部分はやはりドキッとさせられます。 和賀はどのようにして音楽の才能を磨いたのか? 方言が飛び地になっている場所での老人の何気ない一言に違和感を感じたが、やはりそれだったか、というのが面白い。 ちなみに書籍には、ともに聴くと印象が強まる音楽があります。 この本の場合「月下の棋士サウンドトラック」でした。 | ||||
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版数の記載がされていて、今回はそれがポイントだったので助かりました。 納得です。 | ||||
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紹介文に版数が記載されていて、今回はそれがポイントだったので、バッチリでした。 | ||||
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若者の虚栄が強く印象に残る。 警視庁ってかっこいい、昭和の男を感じる。 | ||||
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これ程、戦後の混乱期を上手に描いた社会派ミステリーが、他にあるのだろうか。云われ無き差別、悲しいハンセン病に対する偏見等々を見事なまでに描き根いています。苦労の苦労を重ねた末に作家になられた清張先生ならではの,独壇場がここにあります。兎に角一人でも多くの人に読んでほしい本です。推理に少しだけ、頷けない処も有りますが、全体で観れば日本が生んだ最高傑作といっても過言ではないでしょう。 | ||||
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この作品はドラマや映画にもなっていますが、やはり原作が一番面白いです。 2011年にドラマになった時に予習のつもりで読みましたが 読んでよかったです。読んでいるうちに物語にどんどん引き込まれました。 犯人のミスリードにもひっかかりました。 松本清張作品の中では一番好きです。 でもドラマでは物語の設定や殺害方法がかなり違っています。 特に原作では自然死を装った殺害方法がドラマでは難しかったのか 青酸カリによる殺害に変わっていたことが残念でした。 | ||||
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昔読んだ作品をもう一度読めてよかった。若い時に読んだのとは感想がちがいました。安価で助かりました。 | ||||
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「点と線」「ゼロの焦点」と同様に、情景描写はやはり秀逸。 また犯人を導き出すまでの道程に方言の特殊性を選んだ点など、 時代を考えればやはり凄い着眼点だなと思い知らされます。 ただこの作品は著者本人も認めているように、 加藤剛の映画版のほうが見ている人を虜にするでしょう。 それは本作の中に出てくるトリックの片手落ちな部分を、 映画版では完全に削除し、 代わりに犯人の人物描写を鮮明に描いているからです。 もちろん原作あっての映画なのは間違いありませんし、 この作品自体も名作であることに代わりは無いので、 順番としてはまず原作を読んで映画を観るのが良いと思います。 逆だと映画の良さから少しがっかりする人もいるかもしれません。 | ||||
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簡単に解決できそうな殺人事件。しかし、一向に犯人の手がかりは掴めない。完全犯罪を目論む犯人と、それを追う刑事の執念が描かれる。 登場人物が十数人登場するが、一人一人性格や行動がハッキリ区別されている為、戸惑うことなく読み進めることが出来た。中盤辺りの物語が一気に加速しだしたり、副次的に描かれる新進集団の奇妙な行動は一読の価値がある。 しかし、終盤になっても事件の顛末を明かすことが無く、冗長に感じる。そして、最後の最後になってようやく、たったの2頁で顛末が明かされ、物語は終わる。この辺は趣向が分かれるだろう。私としては、執念で追いつめた刑事と、犯人のやりとりが欲しかった。 | ||||
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映画は何度も観て感激し、TVドラマも数回みました。 そこで、いつか、原作を読んでみたいものだ、と思ってきましたが、 この度、TBSのドラマを観て、原作を読む機会を得ました。 特に、映画の出来栄えのよさで、この作品にひとかたならない魅力を感じていた ものです。そこで、読んだ上巻は・・・。 原作を読むほどに、橋本忍、山田洋次のみごとな脚本を賞賛せざるを得ません。 原作は、まさに、今西警部補を主人公にした、犯人探し、謎解きに主眼が置かれ、 しかも、かなり、会話が多い。そして、証拠や話の展開が結構強引なところも 多い気がします。 それに対して、成功を手に取る音楽家の栄光と挫折に焦点をあて、その暗い 過去を、見事な映像美で描いた映画のほうの出来栄えの素晴らしさがかえって くっきりと際立つ格好になりました(私の中で、ですが)。 原作と映画は分けて見たほうがいいですね。 つまり、プロットや動機は同じでも、作品やメッセージは別であるいう捉え方で。 それはひとまず、上巻では、蒲田、カメダ、東北弁、そして、奇妙な集団の周辺 で起こる連続殺人の余兆が展開されて、推理小説としての導入としては、面白く できていると思います。 | ||||
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細かい話しになるが、ノベルス版は全1冊で900円台であるが、文庫版は上下2巻で1,100円台なので、ノベルス版のほうがお得である。 さて本作品は、74年の映画化後、3度テレビ化されている。1度目は80年前後(犯人:田村正和 刑事:仲代達也)で、2度目は90年初め(犯人:佐藤浩市 刑事:田中邦衛)であると思うが間違っていればご免なさい。3度目は04年で(犯人:仲居正弘 刑事:渡辺謙)が演じている。 本のほうは3回は確実に読んでいる(各々中学・高校・大学時代に1回ずつ)。そしてテレビ化の度に、読んできたと思うので、最低6回以上は読んでいる計算になる。 80年前後のテレビ化の時、犯人役はまだしも、刑事役の仲代はイメージ的に適わず、脚本も陳腐だった。三木謙一が伊勢の映画館で犯人の姿を発見するくだりが、当時の映画ニュースの中で見つけるのは無理(約20年の時間差がある)があり、原作とも違う。 90年初めのテレビ化はその点、原作にも忠実で犯人・刑事役共好演していたと思う。04年ものは時代設定そのものに無理がある。但し、ラストは見応えあり。 80年、90年のテレビ化の内容はよく憶えていないが、04年ものはハンセン病のハの字もでてこない。犯人の父は傷害・殺人事件を起こした人物の設定になっている。根底にハンセン病という、重い課題を持ったテレビ化は無理なのだろうか。 となると、ビジュアル的にはやはり74年の映画化に軍配が上がることになる。ハンセン病を正面に据え、松本清張をして、映画のほうが上だと言わしめたからである。74年作であるが、脚本は60年台半ば頃には出来ていた。山田洋次の脚本集を高校時代に図書館で見つけ、映画化の前に読んだ記憶がある。スッキリとしていて(関川と和賀、恵美子とリエ子を合体させている)良い印象を受けた。しかしこの映画の成功は何といってもラスト30分にわたる父子の巡礼シーンになるだろう。 本はここにおいて、映画に一歩も二歩も譲った感があるが、本当にそうだろうか? その辺のところを再読して確認をしようと思ったのだ。 知能明晰な探偵が快刀乱麻に解決をするわけではなく、読者と同じ視点に立っているから、本はゆったりとしている。歯がゆさはあるものの、心地良さもある。しかし、考えてみたら、「亀嵩」も「紙吹雪の女」も本の半ば前に既に書かれているのだ。いかにその後の展開が錯綜しているのかが判る。 勿論安易な偶然もないではないが、許容範囲といえよう。また50年も前の時代設定なので、古めかしさは否めないが、これも許容範囲といえよう。 今回読んで、改めて思ったことは犯人の冷酷さである。映画やテレビでは内面の苦悩を、ほぼ全面に押し出しているが、本にはそれが一切ない。 従って、犯人に感情移入することもない。むしろ、苦労に苦労を重ねて、最後に犯人逮捕に向かう刑事に拍手喝采を浴びせたいほどだ。昔懐かしいながら、それでも、再読、再々読……に耐える推理小説の傑作であることに間違いはない。 | ||||
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野村版映画は傑作だった。あのラスト30分で涙しないものはいない。故丹波哲郎の熱演もみごとだった。本原作は、どうしてもその映画版と比較される運命にある。だから、映画版の出来がすばらしかった分、原作の評価が低くなることがしばしばだ。 しかし、本作は、映画とは別物である。文庫で上下巻、全集では一巻まるまるが本作だったほど、長い作品だ。その中身は、映画ではカットされて描写されなかったエピソードや、微妙な心理描写などで詰まっている。連載作品の常で、途中だれるところがあるし、冗長な記述がしばしば見られるなど、不満な点をあげればそれなりにある。結構緊張感が続かないところなど、最たるものである。 だが、本作の内包するテーマはとても大きい。差別意識というものは現代でもなくならない。いや、むしろ今のほうが、仲間意識が強く、他者を排除しようとするエントロピーは強いのではないだろうか。そういう意味では、普遍的なテーマを持つ作品といえるだろう。 清張作品、特に長編は、竜頭蛇尾だとよく指摘される。本作も確かにその傾向はある。しかし、こんなに大きなテーマをこれだけ徹底したエンタティメントにする能力には脱帽だ。そしてこのテーマには、まさにこの長さが必要だったのである。二組の親子関係の崩壊、という、ある意味エディプス・コンプレックスともいえる裏テーマ。清張ははたして意識していたのだろうか? | ||||
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殺人事件。必死の捜査も空しく捜査本部は解散するが、老練刑事の今西は他の事件の合間をぬって執拗に事件を追う。 重要参考人が浮上するも、その人物が次々に自然死してゆく。 調査すればするほど、逆に謎が深まっていく。 この今西が事件を追う様子が克明に描かれている。 このリアルを感じさせる調査の過程は、一見の価値があるでしょう。 謎が謎を呼ぶ展開はとても引き込まれる。 だが、解決編はいただけない。 全体に偶然に頼りすぎているし、ところどころであらが見えるように感じた。 それはないだろうと突っ込みたくなる箇所が多い。 調査が丁寧に描がかれているため、解決編のあらが余計に目立ってしまっている。 社会的なテーマも含め、深みが出る要素が多い。 だが、いろいろと盛り込みすぎて、収拾がつかなくなっている感じがしました。 | ||||
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今頃なぜ古い松本清張のDVDが・・・と思ったものの興味本位から第1巻を購入。 途中から、刑事役である丹波哲郎が過去を振り返るシーン「ただ想像するしかありません・・・」から始まる過去のシーンが涙を誘う。 なぜ、日本の美しい風景をバックに過去が進行する。そして殺害事件が次第に解明されていく。その殺害にあった背景とは・・・。 | ||||
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松本清張が原作。映画化されたこの作は、原作を越えている! 野村芳太郎が監督、脚本は橋本忍、山田洋次。登場する俳優は当時を実際に体験し、怒りきっている。彼らの姿そのものなのだ。 なぜ、「砂の器」なのか、この映像化された動きをみよう。映像で納得。 緒形健はなぜ殺されたのか。 役者丹波哲朗の最高作でもある。森田健作。笠知衆も登場。森田健作、そして、天才ミュジッシャン加藤剛。愛人は島田陽子、さらに婚約者等、渥美清も出ている。戦争、敗戦、戦後が見事に描かれている。ハンセンシ病への差別。 なぜ、この事件が起きたのか。背後を知る。 いや、若き人に知って欲しい。 敗戦後の日本。加藤剛は生き、苦しきも堂々と第二の道を歩まんとしている。 しかし、丹波哲朗が朗々と語るあの時代。涙。今こそ、何回も観ないといけない。 解説本は見事。いい作品を小学館は残してくれた。 必見。この作品を観ることなくして死ぬことあい無かれ。 | ||||
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一般的には推理小説として読まれている本作ですが、推理小説としての出来は「もうちょっと」と言わざるを得ない。なぜなら手がかりが偶然過ぎるほど偶然に刑事に提示されるからです。そんなことはあり得ない、というぐらい都合良く証拠がそこら辺に転がっているのです。 そこの部分は興ざめしてしまいますが、物語の完成度が高いからでしょう、物語の世界に引き込まれました。我々読者はまるで今西刑事と同化して事件を追うのです。秋田に行ったり、出雲に行ったり、伊勢にいくのです。そして今西刑事と同じように聞き込みを行うのです。犯人の手がかりを追うのです。緊張感溢れる読書体験です。推理小説がエンターテイメントなのは、この同化を楽しむことができるからなのでしょう。その点では最高の部類の作品です。そして本作が読み継がれるのは、誰もが故郷を持っているからです。その故郷はいい思い出も恥ずかしい思い出も憎しみもあるでしょう。そんな故郷を思い出させる「共通体験」ができるからなのでしょう。その感覚は時代を超えるのです。 | ||||
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『砂の器』はもう何度観たか数え切れない。評者のなかでは「これぞオールタイム・ベスト」というべき作品だ。勿論原作の小説も読んでいるが、物語としての密度、構成の妙では圧倒的に映画版の方が上なのは衆目の一致するところだろう。クライマックスで流れる『宿命』も実に素晴らしい。 反面、常々物足りなく思ってきたのは、松竹から出るVHSビデオやDVDに解説書の類いが全くないことだった。ひと昔前は、メイキング映像を用意するなど考えられなかったし、ソフト化されて繰り返し観られるだけで御の字だったわけだから、致し方ないことなのだが……。この作品が作られてから35年経ち、関係者にも亡くなられた方が多いことを今回の解説本から改めて知った。インタビューが載っている撮影監督の川又昂氏も既に83歳。まさにぎりぎり間に合った感じだ。とは云え4頁ではあまりに少ない。どうせならもっとたっぷり制作秘話を聞きたかったのに。 また、川本三郎氏の作品解説もちょっと淡白な印象を拭えない。評者が思うに、本作のテーマである親と子の宿命、その哀しさが最も表れているのは今西警部補が事件の犯人・和賀英良=本浦秀夫ではないかと本浦千代吉に質したのに対し、千代吉が悲痛な呻きを漏らしつつこれを否定したシーンだ。立派に成長していた最愛の息子。でもここで親子の名乗りをあげてしまえば、折角輝かしい人生を歩みつつある息子に迷惑を掛けてしまう……。いまだに涙なくして観れない。川本氏の解説はこの部分を全くスルーしてしまっており、大変残念だ。 | ||||
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