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影の地帯
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影の地帯の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.03pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全7件 1~7 1/1ページ
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高校生の時に1度読んだのですが(カッパノベルス)、面白かったけど何かスッキリしなかった印象があり、今回再読しました。清張さんが乱作されていたときに良くあるパターンですが、偶然が重なっても物語が進み、解決もほとんど根拠のない推理で特定した場所が犯人のアジトだったというなんともスッキリしないものです。飛行機の中で偶然に会った美女とその連れの怪しい男に、その後、銀座等で何度も出会います。あまりに偶然の出会いが多すぎます。また、死体の処理方法は面白いけれどそこまで手間暇かける要があるのかと思ってしまいました。運搬や遺棄の仕方にも疑問が残ります。犯人一味の中に発覚を期待する人物がいるのかと思ってしまいました。最もすごい偶然は、主人公がたまたま仕事で行った場所で死体遺棄がおこなわれるところです。死体が捨てられるのは東京から遠い山奥です。しかもその日のその時間に主人公がその場に居合わせる確率は、著者の作品のように『十万分の一の偶然』でしょう(それ以上?)。これも、犯人側が事件を追及している主人公をミスリードするための工作だったらまだ納得できたのですが……。犯人のアジトも目撃情報だけで、広い武蔵野をただブラブラ歩いて偶然見つけます。見つけるといてもなんの根拠もなく、ただ怪しそうだと思うだけです。とはいえ、今のミステリーによくあるサイコパス的な人物は出てきません、イヤミスのような展開もありません。おじさんには安心して読めました。 一度、テレビの2サスになりましたが、ストーリーをかなり変えていました。さすがに原作通りには作れなかったのでしょう。個人的には原作通りに作ってほしかったけど……。 | ||||
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販売か額からして妥当な状態の商品である。その状態とは、黄ばみがちょっときつい感じ、それ以外はまあまあの奇麗さである。 | ||||
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凡作のうちではないかと思います。 | ||||
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1961年。719ページ。新潮文庫。 カメラマンの田代。舞台は東京と信州。信州に何回も出かけていく。清張お得意の武蔵野のあたりの描写も出てくる。ストーリー自体は、主人公の田代と、それを追うグループとが、様々な偶然により接触を繰り返すが、ストーリーにはちょっと無理があるともいえる。最初の飛行機のなかでの邂逅も不自然。解説によると、このころの清張は恐ろしいぐらいの連載を抱えていたようだ。セリフに“さあ”が多い。 | ||||
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松本清張の作品にしては、テンポが早く、ハードボイルドな要素が高い。ページ数が多いのにぐいぐい読ませるリーダビリティの高い小説である。 ただ、あまりにも偶然の力に頼りすぎている。最初の125ページで、小太りの男との偶然の遭遇が4回もあり、興を著しく削ぐ。これでは昼ドラである。せめて、空き地での遭遇と、湖での遭遇は、必然の遭遇にしてもらいたかった。そのためには友人の久野の使い方をもう少し工夫するとか方法はあったろうと思う。また、闇組織自体がよくわからなかった。この組織は金のために動いているのか、信条のために動いているのか、謎のままだったのが残念であり、まるで安でのヒーローもの映画の敵組織のようなのだ。 と、いうわけで清張の作品にしては欠点の多い作品である。が、そこらへんで目をつぶれば、エンターテインメント小説としての面白みは十分味あわせてくれる作品でもある。 | ||||
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松本清張の作品にしては、テンポが早く、ハードボイルドな要素が高い。ページ数が多いのにぐいぐい読ませるリーダビリティの高い小説である。 ただ、あまりにも偶然の力に頼りすぎている。最初の125ページで、小太りの男との偶然の遭遇が4回もあり、興を著しく削ぐ。これでは昼ドラである。せめて、空き地での遭遇と、湖での遭遇は、必然の遭遇にしてもらいたかった。そのためには友人の久野の使い方をもう少し工夫するとか方法はあったろうと思う。また、闇組織自体がよくわからなかった。この組織は金のために動いているのか、信条のために動いているのか、謎のままだったのが残念であり、まるで安でのヒーローもの映画の敵組織のようなのだ。 と、いうわけで清張の作品にしては欠点の多い作品である。が、そこらへんで目をつぶれば、エンターテインメント小説としての面白みは十分味あわせてくれる作品でもある。 | ||||
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文学賞の推理小説部門に応募する際に、気をつけなければいけないのは、神様視点にならないことだ。 探偵役の人は、事件の真相や真犯人に迫る際に、読者と同じ条件で情報を得なければならない。 神様にしかわからないはずのことを知っていてはいけないし、直感でアリバイを破ったり真犯人を突き止めてはいけない。 というのは、そんなことをすると、読者が興ざめするからだ。 逆に言えば、読者が興ざめしないのなら、探偵役は神様視点でもOKだし、直感で真相を暴いてもまったく問題ないのだ。 そのお手本が、この「影の地帯」だ。 主人公田代は、飛行機でとある男女に出会う。 すると行きつけのバーでも会うわ、仕事で訪れた木崎湖でも。 すると好奇心に駆られて、出会った小太りの男をつけ、彼が受け取った荷物を調べたりするのだ。 普通そんなことはしないし、これが新人作家ならば編集者が書き直しを命ずるだろう。 そんな話では、だれも読まないから。 ところが! そんなダメダメの展開のはずなのに、松本清張の手にかかれば、筆を使えば、その不自然さが微塵にも感じられなくなる。 主人公田代と気持ちを一つにして、「あやしいヤツ! あの荷物調べてみよう!」なんて気になるのだった。 松本清張、つくづく話の進め方がうまい。 | ||||
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