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(短編集)
天使たちの探偵
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天使たちの探偵の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.41pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全20件 1~20 1/1ページ
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古さを感じさせない、年齢にせいもあるけど、携帯電話のないころのストーリー、人間の考え方がきちんと描かれている。 | ||||
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受け取っています。ありがとうございました。 | ||||
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著者唯一の短篇集。6編のタイトルには、いずれも「少年の見た男」「歩道橋の男」など、「~男」として統一してある。いずれの短篇の一行目にも「梅雨」「残暑」「春先」「五月中旬」「冬」「四月」と必ず季語のような符牒が打たれている。いや、符牒はそれだけにとどまらない。主人公はいずれも沢崎という私立探偵。探偵は依頼される側なので、いつも受動態であるにもかかわらず、沢崎はいつも依頼の範囲を超えたところまで踏み込んでしまう。ハードボイルドを貫けないというよりも、ハードボイルド気質が、彼をそこまで導いてしまうようだ。それは、彼にとって探偵というものが、職業の域を超えて彼の生き方そのものになってしまっていることと関係があるだろう。 <十八年生きても、芸大で絵を学んでも、二百万円ゆすり取っても、恋人をバー勤めに出しても、それだけでは大人になれない。自分の恐怖を自分ひとりで始末できなければ、いくつ年を重ねても大人とは言えなかった。>というような警句めいた言辞はハードボイルドものの常套であるかもしれないが、所を得て放たれると、けっこう後を引くものだ。また、長篇、短篇関係なく、最後の最後まで息をもつけない―サスペンスというのとも違う、作者自身を納得させるため、とでもいうしかない―終わりそうで終らない落としどころを決めかねているようなエンディングも符牒と言っていいかもしれない。いずれにせよ、原尞という“頑固な趣味人”と言うだけでは足りない、繊細とも大胆とも判別し難い、名手ともアマチュアともにわかには決めかねない男の紡ぎだす、少なくとも巧緻や完成された定型からはほど遠い、破れ目から見え隠れしている何かまではあえて説明しない、不親切で往生際のわるい、そのくせその後姿をずーっと見ていたくなるような独特の文体が奏でる作品たちから眼をそらすのは至難の業だ。 | ||||
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チャンドラーのフィリップ・マーロウシリーズを模した文体で書かれた、一人称のハードボイルドです。 著者は割と子どもを登場させるのが好きな人のようで、本書の短編も全て子ども(未成年者)が登場します。 ただ、個人的に子ども相手にハードボイルド探偵が偉そうな態度をとるのが、なんとなくダサいな感じでしまいます。 ワイズクラック(減らず口)の相手は、ヤクザと警察に限定した方がベターかなと思いました。 | ||||
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60年ほど生きてきて、いまだに「・・・したまえ」「・・・なのだ」という生の声を聞いたことがない。沢崎は作中で41歳だが、たばこをくわえて斜に構えて「帰りたまえ」なんて言われたら、吹き出す自信がある。そんなことを思いながら、ずっと沢崎ものを読んでいる。これは全体としてひとつのパロディーなのだ。・・・許し給え。 | ||||
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雰囲気も好きですが、活字の文面から読み手のこちらが浮かべる人物像がかっこいい。時間の流れというか物語のリズムというか進行がタイミングよく感じられて、まるで良質の音楽を聴いているような感覚。読み終えて気付いたら本の中でしゃべっていた登場人物のほとんど全員が好きになっていた。 | ||||
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原尞が短編を書くとは!長編と同様に読みごたえありだ。沢崎は依頼に対して誠実に、しかも効果的に活動する。勘所を決して外さない。事態を見抜く鋭い力を作者から与えられている。どれもどちらかというとやるせない結末が待っているが、下手に隠すようなこともしないし、規定以外の報酬も決して受け取らない。探偵の矜持というより性分というものだろう。そこがかっこいいね。皮肉っぽい文章は相変わらずで、それもかっこいい。 | ||||
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久方ぶりに原尞の作品を読む。彼にとって初めての短編集らしい。この短編の多くは1990年前に書かれている。30年弱 前の作品だが、明らかに今とは異なる雰囲気の街や人を背景に、原得意のハードボイルドの探偵である沢崎の事件を追う姿 を描いている。沢崎のセリフが気障には思えぬぎりぎりのところでやたらと格好がいいし、それぞれの作品のストーリーもさす がに手馴れて読者に先を読ませない。私にとってはやや肩透かしの結末の作品(「歩道橋の男」)もあったが、軒並み 上質の作品集である。私にとって、原尞の作品との出会いは当時非常に高い評価を受けた「私が殺した少女」だが、 頑固なまでにその後もそのスタイルを維持しているところがいい。読んでいていつも安心出来るし、何か裏切られない感じ がいつもする。このスタイルを是非今後も維持してほしい。 | ||||
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ハードボイルドな探偵物語。いつものシリーズ。 今回は短編集だが、いつも通りのクオリティー。短い方がサクッと読めるので、個人的にはこっちの方が好き。 相変わらずたばこ吸いまくり。いつ廃車になってもおかしくないブルーバード。携帯なんてないから公衆電話を使う等々、1980年代後半の雰囲気が伝わってくる渋い小説。 面白かった。 | ||||
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導入部分から やはりいい ペーパーから 電子版にしてみましたが 神の劣化を気にせず 読ませていただきます | ||||
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わたしは若い頃から文学を愛好してきたが、最近の日本の作家にはほとんど興味を失ってしまっている。話題になった作品を手にとって読んでみても、こちらの感覚にフィットしないことがほとんどだからだ。それでも、わたしが次回作を待望する日本人作家が今ひとりだけいる。それが原尞である。1988年『そして夜は甦る』で鮮烈なデビューを飾り、日本のハードボイルド探偵小説界に颯爽と登場した彼は、以後1989年『私が殺した少女』、1990年『天使たちの探偵』、1995年『さらば長き眠り』、2004年『愚か者死すべし』と発表してきた。ここ十数年は新作の発表はなく、次は一体いつ出るのか、ひょっとしてもう出ないのかと彼の愛読者はさまざまな思いをめぐらしてきた。アメリカの作家レイモンド・チャンドラーの影響を強く受けた彼が造形した私立探偵沢崎は、西新宿の片隅に古ぼけた事務所を構え、誰かから仕事を依頼されると、ポンコツのブルーバードに乗り、両切りのピースを吸って、フィリップ・マーロウばりのウィットをきかせたセリフを発しながら、人々と渡り合い、謎めいた事件を解明していく。わたしが原尞の小説に心惹かれるのは、沢崎の矜持と含羞を帯びた言動に、現代日本において生きる中年男にとっての人生の規範が窺えるからである。そこには作者自身の自画像がひょっとして投影されているのかもしれない。あれはいつだったか、確か第2作を出版した直後に新宿の書店で開催された作者のサイン会に、わたしはたまたま出くわしたことがある。遠目から作家を眺めるだけだったが、そのたたずまいに「男はタフでなければ生きていけない。やさしくなければ生きる資格がない」というマーロウのあの有名なセリフを思い出したものであった。 | ||||
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和製チャンドラー原遼の沢崎シリーズ第三作にて初の短編集 切れ味鋭いストーリラインと 飽きさせないテンポは短編では特にスピードがアップ。 | ||||
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対応がとても迅速で気持ちの良いお取り引きができました。 商品も許容範囲内でよかったです。 | ||||
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和製ハードボイルド、探偵小説の王道のような作品です。 この作品は短編なので、入っていきやすいです。 キャラクターのタフガイ度は違いますが、 なんとなく文体や憧憬の描写の仕方がスペンサーシリーズの翻訳文体に似ている気が しました。 でも割り切って読んでいるので別にマイナスとは思いません。 けっしてスーパーマン的主人公でもなく、解決の過程を通して、 依頼人と主人公の心のやりとりのようなものが楽しめれば、 お勧めの作品です。 | ||||
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■18年前 氏のデビュー作『そして夜は甦る』を、手にして以来の大ファンです! 原氏は、(レイモンド・チャンドラーの崇拝者)とのことで、作品のほとんどが、 ハードボイルドな探偵小説です。無口で冷静な探偵は、群れることを好まず、 そして、「けして引かない」タフさで、次々と問題に立ち向かっていきます。 ストーリーの展開も実にテンポよく、気付かぬうちにのめり込んでいます。 ジャズピアニストでもある原氏の「めったに書かない」(笑)作品(全5作)も 是非読んでみてください。自信持ってお奨めします! | ||||
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原りょう「天使たちの探偵」を読了。沢崎シリーズの短編集です。短編といっても中身の濃い物語たちです。本作はどちらかというと、内容重視で全ての物語が短編なのに、緻密に構成されています。読了の感想が清清しいですね。いい作品集ですので、沢崎ファンはもとより、入門編にでも最適でしょう。でもやはり長編を薦めたいですね。眠れない夜を本書が救ってくれました。感謝。 | ||||
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沢崎シリーズでおなじみの原りょうによる、短編集。 短編集と言ってもそこは原りょう。 物語の内容が薄くなっている訳ではない。 そうであれば、原りょう初心者に最適か? と聞かれれば、さにあらず。 なぜなら、「そして夜は甦る」、「私が殺した少女」を読んでいれば2倍とは言わず、1.5倍は楽しめるからだ。 もちろん、初めて読んでも十分楽しめるが、前作を読んでいると重複する登場人物がいるために、ニヤリとしながら読み進めることができる。 おそらく一連の素晴らしい短編は、少し内容を膨らませればすべて長編として発表出来る作品だ。 そんな物語を濃縮して楽しむことができるのだから、原りょうファンにはたまらない。 この人は本当にストーリーが上手い。 それもただの小説ではなく、ハードボイルド・ミステリーにおいて。 堪らなく大好きだ。 沢崎。 | ||||
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西新宿の探偵事務所に詰めている沢崎が活躍する短篇集。一匹狼として、組織に縛られずに行動する姿、時折口にする洒落た台詞など、沢崎には、フィリップ・マーロウを彷彿させる私立探偵の匂いがしますね。この短篇集には、十代の少年と少女が事件に深く関わる話が、六つ、収められています。 著者のデビュー作『そして夜は甦る』のあとに書かれた「少年の見た男」「子供を失った男」「二四〇号室の男」、第二長篇『私が殺した少女』執筆中に書かれた「イニシアル<M>の男」、そのあとに書かれた「歩道橋の男」「選ばれる男」の六篇。これに、本文庫のための書き下ろしとして、掌篇「探偵志願の男」が、ボーナス・トラック的に掲載されています。 最も印象に深く残ったのは、静謐で凛としたたたずまいを感じさせる文章の趣でしたね。雨が降る中からしみ出してくるような、孤愁に満ちたハードボイルドの雰囲気。それが身にしみて、ぐっときました。酔わされました。 収録作品の中では、「子供を失った男」「二四〇号室の男」「歩道橋の男」「探偵志願の男」が、読みごたえあったなあ。どれも、銘酒を酌むような素晴らしい味わい。なかでひとつだけ選ぶとしたら、「歩道橋の男」でしょうか。スピーディーで、変化に富んだ展開。鍵となる人物が、表立って登場しないところ。後を引く余韻。珠玉の名品です。 | ||||
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沢崎シリーズが好きで、ドラクエのごとく順当にここまで読み進めました(笑)。 ちなみにこれはシリーズ3作目の短編集。 第一作長編「そして夜は甦る」では鼻につきすぎて気になった”ええかっこしい節”も、 ここまでくるとだいぶ薄まっていて、 どんな人でも読みやすいと思います。 (まあ、あの”沢崎節”が、 このシリーズの魅力のひとつでもあるんですけど) ちなみに、短編のひとつひとつの完成度はとても高い。 まるでシーンが目の前に浮かぶかのような緻密な情景描写、 間延びせず飽きさせない場面転換…まったくムダがなく、本当に見事。 沢崎シリーズを知らなかったとしても問題なし! 最後まで一気に楽しめます。 | ||||
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沢崎を主人公に据えた連作は、長編が3作とこの短編集が1作で3部作+1の沢崎シリーズとなる。この短編集各話の構成は中篇または中長編の長さで、精緻な文体と構成が魅力の著者にあって、中篇でもその味わいを発揮するものの、やはり長編よりは劣る。本書はいわば箸休め的な内容で、沢崎シリーズの特徴である、実時間とリンクし発生する謎のために、初読者の方は、第1作である「そして夜は甦る」から読み進まれることを強くお勧めする。もちろん沢崎ファンなら、必携である。作中時間の流れは、短編1「少年の見た男」1986年から短編6「選ばれる男」1989年まで、そしてこの文庫版のみの収録である「あとがきに代えて」1997年となる。私はもちろん沢崎ファンなので、この文庫版にのみ収録されている「あとがきに代えて」のためだけに購入した。 | ||||
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