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(短編集)
悟浄出立
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悟浄出立の評価:
| 書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.12pt | ||||||||
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全49件 41~49 3/3ページ
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| 悟浄出立といい、父司馬遷といい、作者の中島敦への想い。 筆致は違うのだが、どちらも中島氏の作品を感じることが出来る。 悟浄出立は、前にもブルータスか何かで読んでとても気に入っていた。 TV版(西田敏行ブタ版)の西遊記の台詞回しがとても親しみ易い。 でも、意外にお気に入りは、「父司馬遷」。 中島敦 李陵での司馬遷から家族を想起させる文脈はない。 このような人間的な側面を描くことで、李陵の物語の伏線として、 新しい想いに耽ることができる。 キャンプにでも持っていって、焚き火の前で読みたい。 柳 広司氏の「虎と月」も好きです。 | ||||
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| 第2編が出色だった、読者の過半は女性登場編を逍遥するはずで、勿論、それで構わない。 国王の近習にあり、兵を総攬する指揮官である主人公が、50歳を過ぎて故郷の老母を追慕する。 ただそれだけの話だが、作者が本当に書きたかったこの数編の短編連作で、大きな受賞もなく、 100年後誰も思い出さない軽薄な作品を(要求されて)書き続けなくては口に糊できない自分を 三国志の戦士に仮託している、彼の進軍先は、さらに故郷を遠くすること…自らに映している。 | ||||
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| 迅速に品物を送っていただきました。内容もどれも面白く、さすが万城目さんですね! | ||||
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| 沙悟浄の話とは!これはおもしろそうだ、と思って読んでみましたが、なんと短編。 また、題材が有名な古典なので、まあおおよその話は知っている… 万城目作品の魅力は読者を驚かせるダイナミックなストーリー展開だと思っているので、 ちょっと物足りなさを感じてしましました。(いや、おもしろいんですけどね。) スピンオフ的なものとして楽しめました。 やっぱり長編の方がいいなあ。 | ||||
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| 中島敦へのオマージュ「悟浄出立」に始まり、『三国志』の英雄の憂い「趙雲西航」、四面楚歌の窮境での寵姫の闘いを描いた「虞姫寂静」、刺秦に身を投じた荊軻と同音の名を持つ男「法家孤憤」、娘から見た「父司馬遷」(中島敦『李陵』につながる)で終わる短編集。 五つの短編に共通するのは、他者との関わりの中に自己を見出してゆく人間の生き方だ。 「悟浄出立」では八戒と悟空を通して「趙雲西航」では張飛と諸葛亮を通して、「虞姫寂静」では項羽と范増と伏せられた秘密を通して、「法家孤憤」では奇縁で結ばれた荊軻を通して、「父司馬遷」では父と兄を通して、脇役ならぬ主人公たちが自分の生き方を見出してゆく。 端正かつ冷静な筆致で描かれた「悟浄出立」、存在意義と尊厳をかけた虞美人の奮闘が胸に迫る「虞姫寂静」が特に素晴らしい。 古典に枠組みを借りながら、他者を通して自己を見出す人間の生き様を描き出す、万城目学の深化を感じさせる換骨奪胎の意欲作! | ||||
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| この『悟浄出立』は、法律学の論文として提出しても受理されるんじゃないか?と思えるほどのアカデミックな文章で書かれています。 そういうアカデミックな文章になったのは、5つの話が“戦争に関係する共通のテーマ”を持っている!ためではないか?と思いました。ただ、ボクの能力では、その共通のテーマが何なのか?についてはこれを解明することができませんでした。 ですので、もし解明された方がいたならば、ご教授をお願いします! なお、5つの話の中では、3番目の「虞姫寂静」が泣けました! | ||||
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| この書は、全部で5編から成っていますが、その1編2編は、「とっぴんぱらりの風太郎」の模様の下書きのような印象を受けた。3編は「風太郎」の最後の方で、馬にまたがって、10万人の兵たちの中を突っ切って、あの女の元へとたどり着く様子に似ていました。忍者の女は死んでいった?だったかで、あとには小さな花が咲きます。 4編と5編は微妙にお話しが繋がっている。4編においては、世界制覇を目指す国家とそれを拒む反逆者がいるのですが、反逆者はいとも簡単に殺されていきます。しかし、5編において、馬が現れます。この馬は草原を自由に走っていたのですが、どこかの地点で、馬は腹を見せて横たわる。一瞬、死んだかのように見えたのですが、馬は首を持ち上げて再び立ち上がる。最後には復活するのです。この夏から秋にかけて、ぜひ、読んでおきたい一書だと思います。また、合わせて「とっぴんぱらりの風太郎」も読まれると、物語の深い味わいが得られると思う。 | ||||
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| 稀にみる傑作短編集。脇役達から語られる古典が、生き生きと蘇ってくる。そこから人生が、尊厳が、自立が、愛がほとばしる。最終話「父司馬遷」は号泣せずには読めないだろう。夏休みに読んで絶対損なし。 | ||||
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| 西遊記や三国志など,中国の有名な古典作品を題材に,主役ではない側を描く五篇. 著者の作品に多く見られる,奇想天外な話運びやコミカルな要素は完全に鳴りを潜め, ひたすら静かに,そして淡々と語られる様子は,明らかにこれまでとは違う雰囲気です. また,焦点は確かに脇役に向きながらも,相手に主役たちが置かれていることが多く, 交わされる多くのやり取りや姿など,あちらを通じてこちら側を見せる演出が印象的で, さらにこれが,ややもすれば地味になりかねない流れに,ほどよい起伏をも与えています. その反面,原典への理解度によっては,やはり入っていけない部分があるのは否めず, 西遊記以外は名前程度,中には全く…という自分には,魅力的な物語には映ったものの, 伝わる思いは正しい解釈なのか,いささか戸惑いが残り,楽しみきれないのが残念でした. | ||||
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