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(短編集)
悟浄出立
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悟浄出立の評価:
| 書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.12pt | ||||||||
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全49件 21~40 2/3ページ
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| と言いたいところだが、これを直木賞候補なんて気の毒だな。 そもそも新潮社のyomyomに連載されたもの。‘気楽に短編小説を読んでみましょう’がyomyomのコンセプト。新潮社が決めたわけじゃなく、オレのイメージなんだが。 当の万城目本人もこれで直木賞候補に祭りあげられたのは不本意ではないかな? ちょっと肩の力を抜いて書きました。皆さんもお気楽に、というのが著者の気持ちだと思うぜ。 | ||||
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| 読者諸兄がすでにお気づきのとおり、本作は中島敦「悟浄歎異」をベースとした万城目学の「わが西遊記」です。中島敦は「述べて作らず」という作風を頂点まで極めた作家ですが、それにもかかわらず中島敦は「悟浄歎異」の中で悟浄に「俺みたいな者は、いつどこの世に生まれても、結局は、調節者、忠告者、観測者にとどまるのだろうか。けっして行動者にはなれないのだろうか?」と言わせています。一方万城目学も「悟浄出立」の中で悟浄に「悟空はいとも簡単に、観察者・傍観者としての俺の弱点の中心を突いてきた。」と言わせています。ふたりの作者にとって悟浄は、作者本人もしくは作者の文体そのものを指しているのではないかと思います。 しかし、万城目は「悟浄出立」の最後で、師父、悟空、八戒の後に従っていた悟浄を一行の先頭に立たせ、「未踏の世界が俺の正面に広がっていた。」と言わせ、作者自身の中で変化が起こりつつあることを示唆しつつ物語を結びます。 万城目学や森見登美彦(「新釈 走れメロス」中の「山月記」参照)や伊坂幸太郎(「フィッシュストーリー」中の「現在」参照)や柳広司(「虎と月」参照)のような今の時代を描き続ける作家たちが、中島敦に思いをはせていることを知り、大変うれしく感じています。 | ||||
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| 第1話が西遊記の沙悟浄のモノローグ。 西遊記のお話か?と思ったら、次々と中国の有名な逸話について 著者独特の視点で描かれてます。 猪八戒が実はものすごく優秀な「将」であったのに なぜ、ブタの姿になってしまったのか? 「戦とは結局、相手の将の気をいかにくじくか・・・・につきる」 思わず、我が国の首相は将たる器であるか?と思い暗澹たる気持ちになりました。 中国の逸話のリライトの中に、現代の日本が見えるところが面白かったです。 政治をする人間こそ人類の歴史をきちんと知ってほしいと思いました。 | ||||
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| 四面楚歌を虞姫の視点から切り取った「虞姫寂静」が印象的でした。 どうしても項羽の影に隠れがちな虞姫ですが、ここでは、女の矜持みたいなものが感じられて、 作品に引き込まれました。 | ||||
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| 図書館で本を物色していて、たまたま目に付いたので借りて読みました。 京劇を見てたりだとか、史記、三国志を読んでいたので、多少は知識があります。 この作者さんの本は初めてだったので、今迄の著作傾向がわからないまま読みました。 読んでみると、脇役達の細かな心情を掬い上げて丁寧に記述していると感じました。 私が良かったのは「虞姫寂静」です。 京劇の虞美人とも少し違う意志の強さが描かれています。この描写が実に良いです。 あと「父司馬遷」も好みです。 ただ、中国の歴史の本を読んだ事がない方は読んでもちょっとピンと来ない部分があると思います。 その点で、☆4です。 | ||||
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| この作品は中島敦の「悟浄出世」「李陵」あたりを読んでないと 一連の万城目作品群の流れからすると、なぜ突然中国古典の題材?しかも短編?と 肩すかしをくらったような心持ちになるかもしれない。 しかし、中島敦への敬意を感じたし、新しくスポットを当てた各主人公の真摯な描き方に非常に好感を覚える。 もちろん中島敦を読んでなかったとしても十分に楽しめるし、泣ける作品だが 万城目氏が果敢に置いたマイルストーンの一つ、と位置づけられるのではないかと勝手に思っている。 | ||||
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| 沙悟浄を扱った作品に「悟浄歎異」中島敦がありますがそれに比べるとかるいですね!「悟浄歎異」は青空文庫ですからね。 | ||||
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| 文庫本を待っていたのですが、待ちきれずにkindle本で ダウンロードしてしまいました。 面白いですよ。本当に。 TVなどのレポーター達が食レポで「美味しい」って 言っているのを聞くと、もっと伝わるようにレポート してほしいのにって思っていました。 ところが、本当に美味しいものは「美味しい」って 言葉になってしまうんですよね。 うまいものに出会うと、思わず笑顔が出てしまう。 この本も「面白い!!」って言葉以外思いつかない。 読み始めてから「ニヤニヤ」最後まで「ニヤニヤ」読ませて もらいました。 作者はあたかも見てきたかのような、臨場感あふれる「美味しい」 本でした。 ごちそうさまでした。 | ||||
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| 面白く、そして楽しく読める作品ですが、これが直木賞候補に選ばれた理由が分かりません。 ハッキリ言いますが、直木賞の水準にある作品ではないです。 万城目さんの作品は今まで5作直木賞候補に選ばれてますが、 そのうちのほとんどが直木賞の水準に満たした作品ではありません。 (※鹿男は選ばれてもギリギリ納得できる作品でした) なんというか、直木賞(および出版社etc)が賞の注目を集めるために、 著者の作品を客寄せパンダ的に候補にしてるようで大変違和感があります。 まあ、選ばれれば、メディアミックスしたとき、宣伝効果になるからwinwinなんでしょうけど。 悪い作品ではないです。読むと結構面白い作品です。 でもこれが直木賞候補に挙がったのは間違いだった思います。 (実際、選考委員にボロクソ言われてますし・・・) | ||||
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| 短編集それぞれが、今までにないような内容で興味深く、楽しい内容で引き込まれました。 | ||||
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| 読んでいて、万城目作品である事を忘れました。 鹿男やホルモーのような楽しさはない、全然。 でも、読んでいて、なんだか胸がずっとチリチリとうずきました。 作品の主人公それぞれの、腹をくくった瞬間を綴った作品。 どれも好きだったけど、父司馬遷が好きだったかなぁ。 これだけ、続けて2度読みしました。 万城目氏の新しい世界が見えたような。 でもでも、楽しい万城目ワールドも時々はよろしく。 あっちも大好きです。 | ||||
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| これまでの著作とは一風変わった、中国の古典を題材にした連作集です。 「脇役」から見た語り口が、なかなか興味深い。 脇役がいるからこそ、主役が輝けると思える一冊です。 | ||||
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| 古典を読み、そこから想像力を駆使して新しい世界を構築するのが小説家の仕事ですから、「この解釈はおかしい」という不満は的外れで邪道です。と、お断りした上で個人の不満を書かせていただきます。 沙悟浄は架空の存在ですから、どんなキャラクターでも許されるでしょう。しかし、高校時代の教科書から史記の原典を多少なりとも親しんできた者にとっては、各話の登場人物はことごとくガッカリさせられました。特に司馬遷には大変違和感を感じます。 重ねて言います、解釈は自由です。でも史記の原典の漢文の間からほとばしり出てくる熱い熱い「もの」をスルーしてしまっているのが不思議でたまりません。 | ||||
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| 著者がよく親しんでいると思われる中国の古典のいくつかを、主人公ではない人物を主人公に据えて、傍らから語らせるという手法でリライトしたものである。 華やかさは少ない。だが、英雄ではないからこそ、身近にせまり、自分と重なりあうようななにかが描き出されているのではないか。 振り返ってみれば、どれもこれもが凛としたたたずまいを持ち、硬い決意のような芯を感じさせる。 虞美人の物語りもよかった。非常によかった。 更に、司馬遷の章が圧巻だった。 書き手としての、書くという営みへの思いが叩き込まれている。 たとえ今、読み手がいなくとも、文字は300年後のその先の人々に物語を届けるかもしれない。 物語を書く使命感のようなものを感じた。 | ||||
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| 今までの文才と発想力が、純文学にも通用するという傑作。特に最後がよかった。もちろん表題の悟浄出立も、虞美人の話も「文章がうまくて構成力があって、きちんとまとめられる」本当の実力派になってきたと思う。ぜひ直木賞をとってください。 | ||||
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| 万城目氏、ほんとうはこういうのが書きたかったのか? 短編集で、1作目はご存知西遊記のサゴジョウが主役 すべての作品で、「事件」は起きるのだけども、それを認識する主人公たちはあくまでも「静」 でも心のうちは、激情がうずまいている。。。 「悟浄出立」に関しても派手な立ち回りなどありません。あってもそこは重要ではない。 「はい、オチ」というものがないけども、しみじみ・・・?違うなじっくり楽しめました。 | ||||
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| 大変面白いでしたが、やはり長編がまちどうしいです。表題が一番面白いでした | ||||
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| 西遊記、三国志といった冒険譚・戦記の登場人物を扱いながら、彼らの内面を描いて静かに終わる「悟浄出立」、「趙雲西航」で書き出される、非常に巧みな短編集です。読む側に原典の知識がないと少し厳しいかもしれませんが、あえてそれでもトライした作者に拍手を送りたいと思います。 中国の古典の登場人物を借りていますが、最終的に描き出したのは人間のドラマですね。 ぜひ長編で読みたくなりました。 | ||||
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| 万城目氏にとって実験でしょうか、それても新境地?これまでと違う香り高い名文を味わいました。 今までの少年の独白ぽい文章が大好きだったので、驚きと同時にちょっと不安にもなっています。 | ||||
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| 平成21年yomyom3月号の悟浄出立を読んで西遊記の新たな切り口を見、新鮮な驚きを感じました。 まさに傑作といえます。 万城目 学といえば「ホルモー」とか「とっぴんぱらり」とか「しゅららぼん」とかのイメージが強かったのですが、悟浄出立はそのイメージを変える転機となる作品ではないでしょうか。 多くの人に読んでほしい作品です。 | ||||
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