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叛鬼
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叛鬼の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.15pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全20件 1~20 1/1ページ
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始まりから終わりまで、物凄い勢いで物語が展開していき、城を獲ったり獲られたり、終わり無き戦いがひたすら続き、戦って犠牲を出した割に見合った功績も得られず、それでも鼬ごっこのような戦いを繰り返していく…。 スピード感といい、現地にいたのかと思うくらい細やかな描写といい、素晴らしい小説家で、物語への没入感が半端なかった。 同じ様に苛々し、安堵する間もなくまた戦、何も得られず、敵を倒せず…戦意喪失と絶望感。いつになったら終わりが来るんだろう…。そんなバーチャル体験を見事に味あわせてくれた。 本当、凄い小説家だと思う。 読んでるだけでもこんな気分になるような日々を、実際に何年も続けていた人達が沢山いたんだと思うと、なんとも言えない気持ちになった。 最高に面白かったので、伊東さんの他の作品も色々購入した。 自分にとって、とっておきの娯楽である。 | ||||
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この本をきっかけに、戦国時代の関東について興味をもちました。ありがとうございました。 | ||||
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著者の「歴史作家の城めぐり 」〈増補改訂版〉 (幻冬舎新書)を読んで、物質的構造としての「縄張り研究」と物語としての来歴・事績の記述のバランスが良いのが興趣に富み、筆者はとても感心しした。一方でゆうきまさみ氏の「新九郎、奔る!」 (ビッグコミックス)を読んでいて15世紀後半の関東の錯綜した状況が描かれ、筆者はとても興味を惹かれてしまった。新たに文庫化された本作品には主人公以下主要な登場人物が「新九郎、奔る!」 と被っていて思わず購入した。考えてみたら歴史ものだから登場人物が被って当然だ。 主人公はこういう人だったのかと知ることができた。読後に検索して「史実」に即した部分と虚構として飛躍した部分を知ることも楽しかった。 それにしても漫画の方でもかなりの曲者= 一人だけ「絵柄」が違っている として登場した太田道灌はこちらでも相当な人物として描かれている。両上杉家の当主の人物造形も単純ではない。このような人物像の解釈や、史実と虚構の兼ね合いなど、その異同を別々の作品で読み比べるのは一層面白く | ||||
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北条早雲登場以前の関東の歴史が面白かった! 応仁の乱以降、関東がこれほど乱れた様相を呈していたとは•••と感じました!長尾景春なる人物もこれまで深くは知りませんでしたが、全てを失った漢が何度も不屈の闘争心で立ち上がる姿には見習いたいものがある。やがて関東に静謐を持たらそうと考える西から現れたひとりの男と対面するが、それでも景春の思いは変わらない!かつての主君と生涯にわたって戦い、そこから得たものはなんだったのだろうか?さして無かったかもしれないが、彼がこの時代を生きて生きて生きぬいた〝あかし〟は証明された! | ||||
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何といっても読んでみたいと思ったのは、表紙の絵を見た瞬間でした。上杉謙信の実家の家紋である九曜巴の旗印を掲げて一人たたずむ武将の後姿にどのような権力にも屈しないという「叛鬼」の二文字!!義に生きたために主君である上杉定正に謀殺された太田道灌と私怨に生きたために最後まで生き残った長尾春景。対照的な二人の関係が描かれています。私の好きな三大戦国武将といえば・・・太田道灌、上杉謙信、立花宗茂ですが、長尾景春も入れようと思いました。 | ||||
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一昔前の作家なら、このすさまじい一生をおくった武将を 感情の変化や行動の様子、合戦の描写など空想でまさに小説として書くのでしょうが、作者は事実を優先し、淡々と軍行日誌のように書かれていて 時折、主人公の心情なりを挟むといった書き方をされています。 それが、妙なリアリティで迫り、へたな描写なしでも読者に充分空想させてくれます。 またこの主人公に目を付けた点も目新しくて、もう何べんも書きつくされた 信長秀吉家康、その他もろもろとは別の、知られざる戦国記のような感覚で読め、 時々有名武将の祖父や父親の名前が出てきて、ニヤリとさせてくれます。 誰もが知っている関東戦国の直前がわかり、私は歴史書としてためになりました。 そして、忘れてはいけないのが太田道灌でしょう。その名前は有名ですが 実際なにをしたのかよく知りませんでしたが、歴史に、また景春にどのような関わりがあるのかこれを読んで恥ずかしながら勉強になりました。 最後に、歴史の流れと主君により 図らずも叛旗とならざるを得なかった 長尾景春の人生に惹かれるのは私も私怨にまみれてるからでしょうか?w | ||||
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丁度、足利将軍の時代、室町時代の歴史書を読んでいたので、その頃の関東武士事情がよくわかりました。時代のももなかなかいいですね。 | ||||
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長尾景春の名は,太田道灌の小説を読んでいるときに初めて知った.小説の性質上,道潅側に感情移入して読み進めるわけだが,そのときの景春の印象は,まあ“叩いても叩いても,何度倒しても反逆してくる謀反人”という感じだった.しかしながら,その時にもう一つ感じたことがある.「どうして,こんな謀反人を支持する人たちがいるのか?」. 何度も何度も謀反や反乱を起こすことが出来るということは,それだけ支持者がいることを意味する.支持者のいない謀反が長続きしないことは,後世の明智光秀に見ても明らかである. 今回,初めて景春を主人公にした小説を読んだ.作者の伊藤潤氏の筆の冴えもあり,景春が支持された理由が分かった気がする.また,道潅を主役にした小説は,道潅の生涯が閉じた時点で終わるわけだが,景春の生涯は道潅のそれより遥かに長いことも知った.後半生の生き方にも惹かれた. 長尾景春を知りたい方にはお薦めの一冊です. | ||||
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面白かったが登場人物が多く似たような名前ばかりなので人物関係を紐解くのが結構つらいです。まあ、仕方ないのかも。 | ||||
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私はこの作品を読んで長尾景春よりも太田道灌に興味を持ちました。 この著作通りの強さだとしたら上杉謙信並に兵法に精通した無敵の武将だったのですね。 太田道灌が主人公の本を読んでみたいという気のさせる本です。 | ||||
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戦上手と太田道灌、北条早雲など稀代の名将たちから賞賛を受けながら、 本作の主人公・長尾景春の人生は負けに負け続けたものである。 当初は主君への恨みから背いた景春も、長く苦しい戦いの中で、 自分の人生は奢った旧権力の打破にあるのではないかと考えていく。 主君を変え、勢力を変え、時に親族とすら敵対しながら、 不退転の決意で勇躍し続けた景春は後に下克上の体現者となっていくのだが、 数十年に渡って背き続けた景春が最後に何を手に入れたのか? 本作はそれまでの主人公の苦悩と野心、背き続けることの物悲しさがうまく描かれている。 また太田道灌、上杉顕定、伊勢宗瑞(北条早雲)、長尾為景といった戦国前期の有名人を交えながら、 戦国に至るまでの関東情勢をわかりやすく描いていることにも好感が持てる。 | ||||
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長尾景春という知る人ぞ知るというキャラが主人公。室町幕府中期所謂応仁の乱の頃、関東での物語で色々と背景が入り組んでてわかりづらい部分もありましたが、何回も読み返して、読み進めていきました。伊藤潤氏の本は歴史の主役ではなく脇役に焦点をあてていくのが好きです。 | ||||
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太田道灌という人物はぎりぎり知っていたが、小説で触れるのは初めてだ。 ましてや、長尾景春ともなると、正直誰だかわからなかった。 そして舞台は、室町終盤。関東公方や関東管領が泥沼の覇権争いを演じ、 読み手としては、頭を整理するのが難しい時代だ。 これだけの条件を揃えながら、最後までぐいぐいと読ませる内容は文句なしにおもしろい。 気づけば、恩讐に捉われながらもけっしてあきらめない長尾景春の虜になり、 読み終わるころには、わかり難さを覚えた関東の事情も整理された。 まさに、話的にも教養的にも優れた本だと思いました。 | ||||
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恐ろしいくらいの執念の物語。いま激闘の生を戦うあなたが読むべき書。 | ||||
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戦国関東前半期を彩る反逆者、長尾景春の怒涛の一代記。 名将、太田道灌を向こうに回し、何度も何度も何度も負けても一人生き残り 立ち上がる姿に夢中になって一気読み。 一人の男の義憤と復讐心が、周囲の者をまきこんで 思うに任せぬ環境と時代をひっかき回す。 刻々と支配者が替わる戦場地図のスペクタクルは、同じ著者の『北天蒼星』の後半が凄かったけど 今回はもう丸ごと一冊全てそれ! 中央政権の動静とも複雑に絡み、ページをめくる度に移り変わる戦場の中 男達の野心と愚かさと不屈の闘志にお腹いっぱい胸いっぱい。 終盤には、西から来たアイツや北国の情勢など、後の関東三国志にもリンクしてくる壮大な世界観には 読んでてゾクゾクした。 | ||||
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『叛鬼』(伊東潤著、講談社)は、本当に久しぶりに歴史小説の面白さを堪能させてくれた。 この『叛鬼』は、著者の司馬遼太郎に対する「叛旗」だというのが、私見である。なぜならば、今なお人気の衰えぬ司馬遼太郎の歴史小説から、文中にしばしば顔を出す時代背景や考証の長くなりがちな説明部分を省いたのが、伊東の歴史小説だからである。このため、ストーリー展開の緊迫感が持続し、臨場感をまざまざと味わうことができる。 因みに、歴史小説と時代小説は分けて考えるべきと、私は思っている。諸説があるが、私なりの分類では、海音寺潮五郎、司馬遼太郎、永井路子、宮城谷昌光、伊東潤などの作品は歴史小説、吉川英治、藤沢周平、佐伯泰英、山本一力、宮部みゆきなどのそれは時代小説となる。歴史的事実に重きを置くか、歴史を小説の背景にとどめるかが、両者の分岐点だと思う。 『叛鬼』の主人公は、長尾景春という室町時代中期の実在の武将であるが、この時代の歴史の専門家以外で、この名を知る人は少ないだろう。景春の憧れの存在であり、景春が幾度となく挑戦しても跳ね返されてしまう文武両道の武将として、江戸城築城で有名な太田道灌が姿を現す。そして、道灌を上回るスケールの大きな人物として、小身から成り上がり、後北条氏の祖となった北条早雲が絡んでくる。道灌(景春より11歳上)と早雲(景春より13歳下)は私の好きな歴史上の人物なので、彼らが登場してきた時は、嬉しくなってしまった。 室町時代中期というのは、中央においては、足利将軍家で、幕府管領の細川氏で、そして関東では、古河公方(足利一門)と堀越公方(足利一門)で、関東管領の山内上杉氏と、その一族・扇谷(おうぎがやつ)上杉氏で、さらに、管領の家宰(家老格)の白井長尾氏と惣社長尾氏で、跡目相続の争いがあり、謀略や裏切りなど何でもありの勢力争いがありと、内訌が絶えなかった。白井長尾氏の嫡男・景春は、主君の上杉顕定に叛旗を翻したのを出発点として、生涯、「叛鬼」としての道を歩み続けたのである。 著者は、景春を「下剋上」の嚆矢と位置づけている。そして、「下剋上」の最大の大物は早雲と言えるだろう。「新たな時代は静かに胎動を初めていた」のである。一方、道灌は、武将として非常に優秀で人望もありながら、「下剋上」には距離を置き、主君・上杉定正のために大きな貢献をなし続けたのに、遂には、道灌の実力拡大を恐れ、その声望を妬んだ定正に謀殺されてしまうのだ。 上質の歴史小説って、本当に面白い。 | ||||
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著者の作品は気がつけば5冊以上は読んでいるはずだが、舞台は常に関東地方で、時代は戦国時代辺りというのが共通点だ。そして主人公は常に余り知られていない武将だ。従って主人公は華々しい武勲を上げたり、偉業を成し遂げることはまずなく、思うに任せぬ人生を歩んでいくケースが多く、本書もまさしくこの共通点にぴったり当てはまる作品だ。 主人公の長尾景春という名前は初めて耳にしたが、この一般の歴史小説に名前を見ることはまずない主人公が実は波乱に富んだ生涯を歩んでおり、それを著者はうまく描いている。胸のつかえが降りるような爽快さはないが、噛みごたえがあるスルメイカのような味のある作品だ。 | ||||
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関東は、応仁の乱以前から、戦国時代が始まっており、新たな時代の開拓者として、長尾景春を主人公とした作品だった。私は彼を”長尾景春の乱”の首謀者で、太田道灌に討滅された程度にしかとらえていなかったが、この作品により、戦国時代の時代の先駆者、そして、地に根差した真の武士のしぶとさ、目的追求の真摯さが感じられた。 今まで知られていなかった、先駆者に光をあてて作品化した、伊東潤先生の力を改めて頼もしく、今後の活躍を願わずにはいられない。 | ||||
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顕定に叛き、背中を追いかけた太田道灌とも戦い、負けても負けても諦めず、戦い続け、新しい世を作るという信念を持ち続けた、長尾景春。ページをめくると、著者お得意の合戦シーンがこれでもかこれでもかとめいいっぱい繰り広げられる。要所要所に説明が付されているので、なるほどと思いながら読むことができた。 新しく時代を生み出そうとすれば、破壊しかないのかもしれない。その破壊を一人で背負った長尾景春。彼が先鞭をつけなければ、その後の歴史もなかったかもしれない。 説明はすごくわかり易くてよかたけれど、途中少し読むスピードが遅くなった。中だるみ的な感じになったが、辛抱強く先を読み進めれば、後は一気に読み終えてしまうことだろう。 この作品を読んで、あわせて文庫の『疾き雲のごとく』を一読すれば、関東戦国史を知ることができるだろう。後北条氏が台頭するあたりまでこの2冊を読むことで理解が深まると思う。 この作品を読んで、切羽詰ったところでも諦めないで信念を貫く所がすごく共感でき、感動した。 | ||||
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室町時代の末期に守旧勢力に疑問を持ち、戦国時代という新しい幕を揚げた長尾景春の生涯をダイナミックに描いた歴史小説。 主君の関東管領山内上杉顕定に叛き、かつて兄と慕った太田道灌との激闘、さらには自分の倅との戦い等長尾景春の凄まじい戦闘シーンが著者の得意技で描かれてる。歴史背景などの説明も所々にあり、読みやすい。 | ||||
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