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夕暮れ密室
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夕暮れ密室の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点2.43pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全7件 1~7 1/1ページ
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2015年に出た単行本の文庫化。 見所の多い作品だ。とくにメンタリティの部分が出色。動機に意外性があるし、心性の描き方が印象に残る。ただ、構成に難があるし、語り口が上手くないため説得力がない。ミステリとしては、かなり不満の残る出来だ。 今後に期待。 | ||||
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部活動の様子や文化祭の準備、高校生たちの 恋愛模様など、彼らの日常と揺れ動く心情を描いた青春ミステリー。横溝正史ミステリー大賞の最終選考まで残ったものの、落選してしまった作品を改稿して書籍化したものだそうですが、やはり落選するにはそれなりの理由があるなと思います。 個人的に気になったのは、キャラが描けていそうで描けていない点。やはり「青春ミステリー」においてはキャラが立ってないと感情移入しにくいし、事件の起こった「背景」や「動機」にも説得力が生まれません。例えば、被害者である森下栞は「男子生徒は全員好きになる」とか「とても魅力的だ」と言葉で説明はされるものの、何がどうそんなに魅力的な娘なのか何も伝わって来ない。彼女が序盤に名探偵のような推理を見せるシーンも、彼女の「キャラ立て」を狙っているのかも知れませんが、そんな役割を担う必然性が無いので逆効果。軽音楽部の秋人も学生時代にいそうな「アウトロー」キャラなのに不良というほどワルでもなく、作中で何をさせたいのか、これまた役割が見えない中途半端なキャラ。曽我部も「お調子者」キャラだけど、現場を掻き乱すような突飛な行動をするでもなく、そうした天然行動によって事件解決に何か寄与するでもなく(そういうキャラっていますよね)、やはりキャラの役付けに意味が無い。また序盤に意味ありげに出てきた元陸上部の女生徒も、結局物語には関わらずじまいで存在理由が不明。天文学部の生徒たちも「事件のアリバイ証言」のために配置されただけのキャラだし、顧問の先生や学園主任も存在理由がまったく無い。 他にも気になったのは、章ごとに登場人物の視点や時間軸が変わり、違う立場で事件を見させられる事になる点。問題はそれが同じような「状況確認の繰り返し」になっているだけで、ストーリー的にもミステリー的にも、その「繰り返し構造」にほとんど意味が見当たらない事。そのせいで全体のテンポが悪く、意外な展開などで盛り上げていくべき中盤以降もなかなか話が進まず、読んでいてイライラさせられました。特に小説は「文章を読む」という手間が大きい分、こういう展開のテンポの悪さがより大きなマイナスとして感じられます。改稿する時に編集サイドから何かしら指摘は無かったのでしょうか。 そして肝心の「シャワールームの密室の謎」についても、「密室にしなければならなかった理由」があって無いようなレベルでお粗末な真相。いかにも「こういう謎を思いついたから用意した舞台」といっただけの印象です。もう一人の被害者にしても、そもそも彼が殺されなければならない必然性がまったく見当たりません。単に被害者が一人だけだとミステリー的に地味だからもうひとり追加してみた、くらいの感覚にしか思えませんでした。 不遜な指摘で恐縮ですが、全体的に本格ミステリーとしても、小説としても色々と粗が目に付いて読みづらい作品でした。 | ||||
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※ 少し真相に触れています。長文失礼 ※ 部活動の様子や文化祭の準備、高校生たちの恋愛模様など、彼らの日常と揺れ動く心情を描いた青春ミステリー。横溝正史ミステリー大賞の最終選考まで残ったものの、落選してしまった作品を改稿して書籍化したものだそうだけど、やはり落選するにはそれなりの理由があるのだなと再確認。 個人的に一番気になったのは、キャラが描けていそうで描けていない事。本格ミステリーに人間描写は必要ないとは思うが、こと青春ミステリーにおいてはキャラが描けていないとやはり感情移入しにくい。人物の名前は個性的なのに、読んでいて彼らの「顔」がさっぱり浮かんでこない。特に四人の男子バレー部員の区別が付かず、何度も冒頭のキャラ紹介ページを確認しなければらならなかった。 被害者である森下栞の人物像も「男子生徒は全員好きになる」とか「とても魅力的だ」と言葉で説明はされるが、何がどうそんなに魅力的なのか伝わってこないし、彼女が序盤に名探偵のような非凡な推理を見せるシーンの必要性も不明。 軽音楽部の秋人は学生時代にありがちなアウトローキャラだが、「不良」というほどでもなく中途半端。同じく曽我部はお調子者キャラだが、やはり中途半端な立ち位置で、ふたりとも物語の中でそのキャラが生かされていない。 序盤に意味ありげに出てきた元陸上部の女生徒の存在も意味なし。 天文学部の生徒たちは事件のアリバイ証言のために用意されただけで、やはり物語に絡むことがない。 顧問の先生や学園主任にいったては存在理由がほぼ皆無。 また、章ごとに各人物の視点や時間軸が変わることで、違う立場で事件を見れるのだが、そのせいで中盤辺りから中だるみしてしまっている上に、それが「状況の再確認」程度にしかなっていないので、キャラの人物描写やシナリオの謎を深める役に立っていない。 肝心の「シャワールームの密室の謎」については、「密室にしなければならなかった理由」があって無いようなレベル。もう一人の被害者の状況(明かりひとつ無い暗闇のプールサイドで懐中電灯だけで作業していたとか)にもかなり無理があるし、そもそもストーリー展開的にも動機的にも彼が殺されなければならない必然性が見当たらなかった。舞台が変に田舎なのも、アリバイの問題で携帯を通じなくさせたりとか、死体移動時に人目につかないからという都合が良い状況設定のためだけの理由で、あえて田舎が舞台である必然性が弱い。 | ||||
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※ 少しだけ真相に触れています ※ 部活動の様子や文化祭の準備、高校生たちの恋愛模様など、彼らの日常と揺れ動く心情を描いた青春ミステリー。横溝正史ミステリー大賞の最終選考まで残ったものの、落選してしまった作品を改稿して書籍化したもの。 個人的に一番気になったのは、キャラが描けていない事。個性的な名前ばかりなのに読んでいて彼らの「顔」が浮かんでこない。メインの男子バレー部員たちにいたってはセリフの前後に名前が無いとキャラの区別が付かないレベル。被害者である森下栞も周囲が「男子生徒は全員好きになる」とか「魅力的だ」と言葉で説明されるだけで、作中からその魅力が伝わってこない(彼女が序盤に名探偵のような鋭い推理を見せるシーンの必要性も分からない)。本格ミステリーに人間描写は必要ないとは思うが、こと青春ミステリーにおいてはキャラが描けていないとやはり感情移入しにい。 また、章ごとに各人物の視点や時間軸が変わり、違う立場で事件を見れるのだが、そのせいで中盤辺りからテンポが落ちて中だるみしてしまっている。 謎解きも微妙。特にメインである「シャワールームの密室の謎」については、「密室にしなければならなかった理由」がほぼ皆無。密室にしたトリックもどこかで見た覚えが。動機にも無理があり、それまで彼らの恋愛事情がほとんど描かれていないので余計にそう感じてしまう。もう一人の被害者の状況設定(明かりひとつ無い暗闇のプールサイドで懐中電灯だけで作業していたとか)にもかなり無理があるし、そもそもあえて出す必要を感じなかった。単に被害者が一人だとインパクトが無いから出したという印象で、ストーリー的に彼が殺されなければならない理由が見当たらない。またあえて舞台が田舎なのも、アリバイ関係で携帯を通じなくしたり、死体移動時に人目につかないという都合が良い状況設定のためだけといった印象。 青春ミステリーは好きなので期待しましたが、不遜を承知で評価させてもらうと、人物描写、トリック、構成力、表現力など、どれも平均点行くか行かないかといった感じ。文章は読みやすいですが、★的には2.5点といったところ。 | ||||
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正統派学園ミステリー。探偵役と思われた女子高生が早々に姿を消し、それぞれに立場を異にするクラスメイトの視点から物語が語られ、推理合戦が繰り広げられる。 登場人物もほぼ生徒たちに限定され、高校生らしい悩みや楽しさ、そして切なさ等が上手く表現されており、青春ものとして楽しめます。但し、学園ミステリーとしては良いかもしれませんが、密室のトリックは別として、警察捜査の前ではそんなに犯人の思惑通りにはならないかな、と若干の不自然さも感じます。 ミステリー好きの方は物語の構成から、真相にはもうひと捻りを期待しますが、それでも程よく伏線も張られ、事件の背景も登場人物たちの心情を十分取り込んでいます。 | ||||
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好きな作家さんが帯で誉めていたので読んでみましたが、正直なところ「いつ面白くなるんだろう…」と思っているうちに結末まで行ってしまいました。 最初に日常の謎的な推理を見せて、探偵役かと思っていた子があっさり殺されてしまうのは、何か構造的仕掛けがあるのかな?と思ったけど、そうでもなさそうだし。 登場する高校生たちが、いちおうの属性は与えられているものの(天文オタクだとか遅刻魔だとか)、台詞や行動でキャラが立ってこない。そのくせ人数が多いので、読んでいるうちにごっちゃになります。 メインの謎解きはまあ面白いし、台詞やエピソードに光るものはあるのですが。次作以降に期待ですね。 | ||||
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バレー部のマネージャーを務めていた少女の死を中心に、揺れ動く高校生達の心情を描いた群像劇。 将来への不安と希望を胸に秘めた青臭い日常がリアル。 犯行動機や密室の成立方法にも光るものがあったが、総合的にはなるほど落選作といった印象。 読者の共感を呼ぶ青春風景を描写しておきながら、犯人や一部の登場人物のメンタリティがぶっ飛んでる。 さらに、ドラマより謎解きを優先してしまったため、終盤があまりに淡泊と感じた。 一つの殺人事件を多視点から眺め、それぞれの感慨や答えを導き出すコンセプトかと思ったが、どうも違うらしい。 群像劇である必要性は何? と問い掛けたくなる読後感であった。 | ||||
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