夕暮れ密室

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種別
長編
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1
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7
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あらすじ

2018年09月22日 夕暮れ密室 (角川文庫)

遅刻厳禁!明日、晴れるといいね―文化祭前夜、そう言い残した少女は、翌朝、密室状態のシャワールームで死んでいた。少女は、栢山高校バレー部マネージャーにして男子生徒憧れの的、森下栞。遺書が発見され自殺として処理されそうになる中、疑念を持ったバレー部員やクラスメイトの、真実を追う推理が始まる。立ちはだかる二重密室と若者ならではの痛みと殺意。横溝正史ミステリ大賞選考委員が奮い立った、傑作青春ミステリ。(「BOOK」データベースより)

評判

夕暮れ密室の評価:

7.00/10点 レビュー 1件。 C ランク

書評・レビュー点数毎のグラフです

平均点7.00pt

夕暮れ密室の総合評価:

5.13/10点 レビュー 8件。

感想一覧

サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

全1件 1〜1 1/1ページ
No.1
(7pt)

「夕暮れ密室」の感想

文化祭当日の朝、森下栞が女子シャワールームで死体となって発見されます(第二章)が、彼女の視点で、その二週間前に行われたバレー部の大会でのエピソードが語られていくところ(第一章)から物語が始まります。
第二章以降、森下栞の死体発見の様子やその後のことが、各章ごとにクラスメートたちの視点で語られて行くという構成になっています。

第一章から感じられる森下栞は、爽やかで聡明な女子高生だったので、こんな高校生だったら男女の別なく、みんなから好かれるんだろうなぁ・・・と思いながら第一章を読んでいましたが、その二週間後の第二章で、森下栞が死体で見つかるのは、ちょっとショックでした。
というのも、第一章を読む限りでは、てっきりこの少女が今回の探偵役だと、勝手に想像していたからです。

章を追って、同じ場面がいろんな生徒の目から再現されて語られていきますが、クラスメートそれぞれが、自分が探偵にでもなったように、密室の謎を考え、犯人を捜し出す作業をしているという様子は、なかなか面白く読みました。

殺人事件が起きてから、犯人が特定できるまでの二週間、警察や学校は何をしていたんだ・・・という気もしますし、密室トリックについては、いささか疑問点もないわけじゃありません。
でも、高校生たちの世界(友情や受験、恋愛など・・・)が興味深く描かれており、事件が起こった前後の人間模様も含めて、よく書けているのじゃないかと思います。

このミステリは、第23回の横溝正史大賞に応募されましたが、その23回は「受賞作なし」という年でした。
翌年、本書の作者・村崎さんは「風の歌、星の口笛」で第24回横溝正史ミステリ大賞を受賞されています。

ちなみに、過去を振り返ると、岡嶋二人氏の江戸川乱歩賞受賞作「焦茶色のパステル」より、その前年に佳作となった「明日天気になれ」の方が面白く読みましたし、第四回サントリーミステリー大賞を受賞した黒川博行氏の「キャッツアイころがった」よりも、第一回佳作になった「二度のお別れ」の方が私は好きです。
こういうところは、選出者の好みもあるので、必ずしもいい作品が大賞となることはないですね。
江戸川乱歩賞の最終候補まで行き、賞をとらなかったものでは、中井英夫氏の「虚無への供物」や島田荘司氏の「占星術殺人事件」などもあります。誰が審査員かと言うことも大きいのではないでしょうか。
ミステリ新人賞の最終候補に残った作品が、手を加えられて新たに出版されるのはうれしいです。

トラ
WFY887SY

Amazonレビュー

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

No.7
(3pt)

見所が多い

2015年に出た単行本の文庫化。
 見所の多い作品だ。とくにメンタリティの部分が出色。動機に意外性があるし、心性の描き方が印象に残る。ただ、構成に難があるし、語り口が上手くないため説得力がない。ミステリとしては、かなり不満の残る出来だ。
 今後に期待。
夕暮れ密室 Amazon書評・レビュー: 夕暮れ密室より
4041025230
No.6
(3pt)

見所が多い

2015年に出た単行本の文庫化。
 見所の多い作品だ。とくにメンタリティの部分が出色。動機に意外性があるし、心性の描き方が印象に残る。ただ、構成に難があるし、語り口が上手くないため説得力がない。ミステリとしては、かなり不満の残る出来だ。
 今後に期待。
夕暮れ密室 (角川文庫) Amazon書評・レビュー: 夕暮れ密室 (角川文庫)より
4041072018
No.5
(2pt)

本格ミステリー以前に小説として色々と粗が目に付きます

部活動の様子や文化祭の準備、高校生たちの 恋愛模様など、彼らの日常と揺れ動く心情を描いた青春ミステリー。横溝正史ミステリー大賞の最終選考まで残ったものの、落選してしまった作品を改稿して書籍化したものだそうですが、やはり落選するにはそれなりの理由があるなと思います。

個人的に気になったのは、キャラが描けていそうで描けていない点。やはり「青春ミステリー」においてはキャラが立ってないと感情移入しにくいし、事件の起こった「背景」や「動機」にも説得力が生まれません。例えば、被害者である森下栞は「男子生徒は全員好きになる」とか「とても魅力的だ」と言葉で説明はされるものの、何がどうそんなに魅力的な娘なのか何も伝わって来ない。彼女が序盤に名探偵のような推理を見せるシーンも、彼女の「キャラ立て」を狙っているのかも知れませんが、そんな役割を担う必然性が無いので逆効果。軽音楽部の秋人も学生時代にいそうな「アウトロー」キャラなのに不良というほどワルでもなく、作中で何をさせたいのか、これまた役割が見えない中途半端なキャラ。曽我部も「お調子者」キャラだけど、現場を掻き乱すような突飛な行動をするでもなく、そうした天然行動によって事件解決に何か寄与するでもなく(そういうキャラっていますよね)、やはりキャラの役付けに意味が無い。また序盤に意味ありげに出てきた元陸上部の女生徒も、結局物語には関わらずじまいで存在理由が不明。天文学部の生徒たちも「事件のアリバイ証言」のために配置されただけのキャラだし、顧問の先生や学園主任も存在理由がまったく無い。

他にも気になったのは、章ごとに登場人物の視点や時間軸が変わり、違う立場で事件を見させられる事になる点。問題はそれが同じような「状況確認の繰り返し」になっているだけで、ストーリー的にもミステリー的にも、その「繰り返し構造」にほとんど意味が見当たらない事。そのせいで全体のテンポが悪く、意外な展開などで盛り上げていくべき中盤以降もなかなか話が進まず、読んでいてイライラさせられました。特に小説は「文章を読む」という手間が大きい分、こういう展開のテンポの悪さがより大きなマイナスとして感じられます。改稿する時に編集サイドから何かしら指摘は無かったのでしょうか。

そして肝心の「シャワールームの密室の謎」についても、「密室にしなければならなかった理由」があって無いようなレベルでお粗末な真相。いかにも「こういう謎を思いついたから用意した舞台」といっただけの印象です。もう一人の被害者にしても、そもそも彼が殺されなければならない必然性がまったく見当たりません。単に被害者が一人だけだとミステリー的に地味だからもうひとり追加してみた、くらいの感覚にしか思えませんでした。

不遜な指摘で恐縮ですが、全体的に本格ミステリーとしても、小説としても色々と粗が目に付いて読みづらい作品でした。
夕暮れ密室 Amazon書評・レビュー: 夕暮れ密室より
4041025230
No.4
(2pt)

本格ミステリー以前に小説として色々と粗が目に付きます

部活動の様子や文化祭の準備、高校生たちの 恋愛模様など、彼らの日常と揺れ動く心情を描いた青春ミステリー。横溝正史ミステリー大賞の最終選考まで残ったものの、落選してしまった作品を改稿して書籍化したものだそうですが、やはり落選するにはそれなりの理由があるなと思います。

個人的に気になったのは、キャラが描けていそうで描けていない点。やはり「青春ミステリー」においてはキャラが立ってないと感情移入しにくいし、事件の起こった「背景」や「動機」にも説得力が生まれません。例えば、被害者である森下栞は「男子生徒は全員好きになる」とか「とても魅力的だ」と言葉で説明はされるものの、何がどうそんなに魅力的な娘なのか何も伝わって来ない。彼女が序盤に名探偵のような推理を見せるシーンも、彼女の「キャラ立て」を狙っているのかも知れませんが、そんな役割を担う必然性が無いので逆効果。軽音楽部の秋人も学生時代にいそうな「アウトロー」キャラなのに不良というほどワルでもなく、作中で何をさせたいのか、これまた役割が見えない中途半端なキャラ。曽我部も「お調子者」キャラだけど、現場を掻き乱すような突飛な行動をするでもなく、そうした天然行動によって事件解決に何か寄与するでもなく(そういうキャラっていますよね)、やはりキャラの役付けに意味が無い。また序盤に意味ありげに出てきた元陸上部の女生徒も、結局物語には関わらずじまいで存在理由が不明。天文学部の生徒たちも「事件のアリバイ証言」のために配置されただけのキャラだし、顧問の先生や学園主任も存在理由がまったく無い。

また他にも気になったのは、章ごとに登場人物の視点や時間軸が変わりつつ、違う立場で事件を見る事になるのですが、基本的に同じような「状況確認の繰り返し」になっているだけで、ストーリー的にもミステリー的にも、その「繰り返し構成」にほとんど必然性が無い。そのせいで全体のテンポが悪く、盛り上げていくべき中盤以降もなかなか話が盛り上がって行かず、読んでいてイライラしました。特に小説は「文章を読む」という手間が大きい分、こういうテンポの悪さがより大きなマイナス要因として感じられます。改稿する時に編集サイドから指摘は無かったのでしょうか。

そして肝心の「シャワールームの密室の謎」についても、「密室にしなければならなかった理由」があって無いようなレベル。いかにも「こういう謎を思いついたから用意した舞台」といった印象が強いです。もう一人の被害者にしても、そもそも彼が殺されなければならない動機やストーリー展開上の必然性がまったく見当たりません。単に被害者が一人だけだとミステリー的に地味だからもうひとり追加してみた、くらいの感覚にしか思えませんでした。

不遜な指摘で恐縮ですが、全体的に本格ミステリーとしても小説としても色々と粗が目に付いて読みづらい作品でした。
夕暮れ密室 (角川文庫) Amazon書評・レビュー: 夕暮れ密室 (角川文庫)より
4041072018
No.3
(2pt)

本格ミステリー以前に小説として色々と粗が目に付きます

部活動の様子や文化祭の準備、高校生たちの 恋愛模様など、彼らの日常と揺れ動く心情を描いた青春ミステリー。横溝正史ミステリー大賞の最終選考まで残ったものの、落選してしまった作品を改稿して書籍化したものだそうですが、やはり落選するにはそれなりの理由があるなと思います。

個人的に気になったのは、キャラが描けていそうで描けていない事。こと「青春ミステリー」においてはキャラが「立って」いないと感情移入しにくいし、事件の起こった「背景」や「動機」にも説得力が生まれません。例えば、被害者である森下栞は「男子生徒は全員好きになる」とか「とても魅力的だ」と説明はされるものの、何がどうそんなに魅力的な娘なのかほとんど伝わって来ない。彼女が序盤に名探偵のような推理を見せるシーンの必然性もまるで不明。軽音楽部の秋人も学生時代にいそうなアウトローキャラなのに、不良というほどワルでもなく、立ち位置が見えない中途半端なキャラ。曽我部も「お調子者キャラ」だけど、現場を掻き乱すような突飛な行動をするでもなく、天然行動によって事件解決に何か寄与するでもなく、やはりキャラ的な役割が不明瞭。また序盤に意味ありげに出てきた元陸上部の女生徒も、結局、物語には関わらずじまいで存在理由が不明。天文学部の生徒たちも事件の「アリバイ証言」のためだけに配置された駒レベルのキャラだし、顧問の先生や学園主任も存在理由がまったく無い。

また他にも気になったのは、章ごとに登場人物の視点や時間軸が変わりつつ、違う立場で事件を見る事になるのですが、基本的に同じような「状況確認の繰り返し」になっているだけ。そのせいで展開のテンポが悪く、中盤辺りからもなかなか話が盛り上がって行かず、読んでいてイライラしました。小説に限らずですが、こういうシナリオ構成上のテンポの悪さが個人的には大きなマイナス要因になります。改稿する時に編集サイドから指摘は無かったのでしょうか。

そして肝心の「シャワールームの密室の謎」についても、「密室にしなければならなかった理由」があって無いようなレベル。いかにも「こういう謎を思いついたから用意した舞台」といった印象が強いです。もう一人の被害者にしても、そもそも彼が殺されなければならない動機やストーリー展開上の必然性がまったく見当たりません。単に被害者が一人だけだとミステリー的に地味だからもうひとり追加してみた、くらいの感覚にしか思えませんでした。

不遜な指摘で恐縮ですが、全体的に本格ミステリー以前に小説として色々と粗が目に付きます。
夕暮れ密室 Amazon書評・レビュー: 夕暮れ密室より
4041025230

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