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そして医師も死す



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【この小説が収録されている参考書籍】
そして医師も死す (創元推理文庫)

そして医師も死すの評価: 4.60/5点 レビュー 5件。 Cランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.60pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全5件 1~5 1/1ページ
No.5:
(5pt)

面白い!

展開もリズムも早く、一気読み!楽しめる!
そして医師も死す (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:そして医師も死す (創元推理文庫)より
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No.4:
(5pt)

半世紀前の小説とは思えないくらいすらすら読めます

50年以上前の話なのにすらすら読めることにまず驚きます。原文がいいのか、訳者が優れているのか分かりませんがまずそれが驚き。
ディヴァインの小説は創元推理文庫に収録されている8冊を読みましたが、プロットが丁寧に作ってあり、そこはかなく漂う上品さにとても好感がもてます。
地味に進んで、派手さは感じられないのですが落ち着いた面白さが感じられました。ミステリーとしては作者の他の作品に勝るものが存在するのですが、イギリスの小都市の雰囲気が感じられ、充実した読書体験ができ満足。
そして医師も死す (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:そして医師も死す (創元推理文庫)より
4488240100
No.3:
(5pt)

周囲が敵だらけの四面楚歌的な状況に耐える主人公が謎を解き真実の愛に辿り着く物語。

寡作ながらも生涯に渡って玄人好みの良質な秀作を執筆し続けた英国本格ミステリー界の巨匠ディヴァインの初期第2作の紹介です。ディヴァインの著作は何時も必ずと言って良い程にその題名に関して意味深な部分を感じさせますね。今回も読み終えてから「成る程、そういう意味だったのね」と深くうなずけましたし(でも中途でこの意味に思い至るのは中々に至難の業です。)、今回はデビュー作に縁のあった先達クリスティー女史の初期作のテクニックを思い出させる読者への油断のさせ方を感じましたね。
診療所を共同経営していた医師ヘンダーソンの死の状況には不審な部分があると、二ヵ月後になって殺人の可能性を指摘したハケット市長の考えに、主人公のターナー医師はそう言えば最初から不自然だったと改めて思い至り自分なりに調査を開始する。
夫であるヘンダーソン医師が自分を殺そうとしたと生前ターナー医師に相談していた女優の美人妻エリザベスの話は果たして信用できるのか?またヘンダーソン医師を殺す動機を持つ者は、不倫疑惑を疑われるターナー医師と妻エリザベスの二人以外には考えられないのだが?この厄介な疑問点はいくら首をひねっても一向に明確な答に行き着かないのですが、超一流の技巧派の著者はかなり思い切った大胆な発想の転換で勝負して見せるのですね。これ以上は書けませんが正攻法だけでは本書の推理を解決に導く事は不可能であるというのが最大のヒントですので推理力に自信のある方はぜひこの難解な謎解きに挑戦してみてくださいね。さて、ディヴァイン作品では推理に負けず劣らず重要な位置を占める人間ドラマですが、初期作という事もあってかお馴染みの一見不仲な男女が長い時を経て事件と向き合う内に次第に互いを理解する様になって最後にめでたくゴールインするという黄金の鉄板パターンではなくて、今回はかなり変化に富んでいますね。主人公の医師にはちゃんと愛する婚約者がいて順調その物で、美貌の未亡人に対しては困惑と迷惑を感じるだけで何ら愛情を抱いてはいないのですが・・・・。一方で未亡人と医師に悪意を抱く市長が不倫カップルによる邪魔な夫の殺害という噂をばらまいた事によって、主人公は周囲が敵だらけの四面楚歌的な状況になってしまうのですね。こういう腹が立って自棄になりそうな苦しさを耐えて何とか冷静に推理を進める主人公は誠に立派で尊敬できますし、またこういう最悪の時にも人として信頼し見捨てないでいてくれる者こそかけがえのない真実の友だと思いますよね。そしてラストの主人公が下した決断は、今までの過去をも誤解させかねない不名誉な評判につながる物ですが、でも真実の愛と幸福の前にはそんな事は一切関係なく、もはや人にどう思われようとも気にしないという彼の気持ちが伝わって来て心の底からの清々しさを感じさせてくれましたね。
本書はミステリーとしての完成度は最上級とは言えないかも知れませんが、全編を通じて終始重苦しい立場に置かれた主人公が苦難の果てに勝利し難解な謎を解いて真実の愛に辿り着く感動の人間ドラマに大満足しましたので、少し甘いかなとは思いますが私の評価を★5つとさせて頂きます。
そして医師も死す (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:そして医師も死す (創元推理文庫)より
4488240100
No.2:
(4pt)

やはり、D・M・ディヴァイン、一級品とは言えませんが、さすがに読ませます!!

D・M・ディヴァインの作品が、我が国で初めて読めるようになったのは、今は無き現代教養文庫から、
 1:兄の殺人者、2:ロイストン殺人事件、3:こわされた少年、4:五番目のコード、が立て続けに出版されてからです。
 1、4、は好評につき、後に創元推理文庫から復刊され、その後の作品も出版されましたが、
 なぜか。実質第2作目の本作は中々紹介されませんでしたが、それが、ようやく読めるようになったわけです。
 診療所の共同経営者だったヘンダーソン医師が事故死してから2か月が経過し、
 共同経営者のアラン・ターナーは、町の実力者の市長、ハケットの診療に際し、気に召さない発言をしたため、
 実は、事故死ではなく、綿密に計画された殺人の可能性があること、
 そして、アランとヘンダーソン夫人が愛人関係にあったことを示唆され、
 今の態度を改めなければ、現在の地位を失うこともあると脅しをかけられます。
 確かに、アランは事故当日、ヘンダーソン夫人から誰かに命を狙われているとの相談を受けていて、
 また、ヘンダーソン医師自体にも恨まれているような事実が多数あり、アランは、自分で真相を解明しようとしますが・・・・・・
 後書きにもありますが、本書の最大の魅力は、その語り口にあります。
 推理小説としては、鮮やかなトリックもどんでん返しもほとんどありません。
 当たり前の事実を淡々と述べるだけで、その中にすべての謎が隠されています。作者の語り口が上手いので、
 自然とミス・ディレクションさせられるだけでそれがすべてです。
 英国の小さい街の閉鎖性、保守性そして、それに流される住民、重苦しい雰囲気がよく描かれています。
 救いは最後ですか!!これで今までのもやもやとした雰囲気がすべて洗い流されます。
 やはり、D・M・ディヴァイン、一級品とは言えませんが、さすがに読ませます!!
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4488240100
No.1:
(4pt)

息詰まる人間関係のサスペンス、そして巧妙な伏線のフーダニット

原題 Doctors Also Die (原著1962年刊行)
渋い、実に渋い英国本格ミステリの本流と言うべき魅力を湛えた佳作。
ディヴァインの第二長編という最初期の作品だけあって後年の『悪魔はすぐそこに』(1966年)や『五番目のコード』(1967年)といった代表作にプロットの完成度や物語の起伏では劣るが、感情に流されがちな語り手の心理の揺れを含め登場人物の総てが猜疑心と激しいエゴを抱え、ぶつかり合う事で生まれる人間関係のサスペンス。それが醸し出す緊迫感が見事にフーダニットの絶妙な煙幕としても読者を翻弄する。
人間不信や人生への懐疑を色濃く感じさせる物語の展開は、ほろ苦く決して心地良いものではないが、ラストシーンの余韻の深さは強く胸に迫る。
そして何より著者の最大の長所である巧妙な伏線の張り方にはいつもながら感心する、地味だが英国本格ミステリ愛好家なら一読の価値はある作品だ。
そして医師も死す (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:そして医師も死す (創元推理文庫)より
4488240100

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