イノセント・デイズ
評判
イノセント・デイズの評価:
3.44/5点 レビュー 228件。 B ランク
Amazonレビュー一覧
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全461件 281〜300 15/24ページ
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3.44/5点 レビュー 228件。 B ランク
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誰かが、誰かひとりでもいいから、もう少し幸乃の人生に踏み込んでいたなら。
そうすれば、変わっていたのだろうか?
幸乃の人生も、彼女を取り巻く人たちの人生も。
結局は、タラレバ論になってしまうのだが。
あれこれ思い巡らせてみても、何が正しかったのか、何が悪くて 誰が正しくて 間違えで、何が本当で何が嘘で、誰が本当で誰の言っていることが正しくて、何が正義で、誰が悪人で、何がどうなって、どこでどうやって、誰がどうしてこうなったのか…
結論など出なくて。
あーだこーだと思い巡らすだけ。
せつない とか、苦しい とか、そんな言葉では足りない。
クライマックスに向かえば向かうほど、真実に近づけば近づくほどにイライラは募る。
どいつも こいつもッ!
思わず声に出してしまった。
小曽根理子も、翔も。敬介も姉も。
幸乃を取り巻く誰もが身勝手すぎる。
幸乃の人生を、真実を語りながら、結局、赦しを乞うて赦しを求め、解放されているのは彼らだったように思う。
幸乃の人生をなぞると共に、自分の人生に区切りをつけて、次に進んでゆく彼ら。みんながそれぞれに次なる一歩を踏み出し、生き続ける。
翔は慎一の名前も幸乃の誕生日も覚えていないのに、なぜ、幸乃を助けられると思ったのだろう。そして、なぜそんなにも傲慢な態度でいられるのだろう。人の気持ちに寄り添うこともできない、しない翔のような人間が弁護士だなんて、私はイヤだ。そんな翔が弁護士として生きてゆくということに 微かな嫌悪感も抱く。
もう少し、ほんの少しでいいから慎一に近づき、幸乃を思ってくれれば。何かが変わったかもしれないのに。
小曽根理子には失望しかない。
幸乃に罪をなすりつけたまま大人になり、名声も得て。講演までするような大人になって。子どもたちに「人生が変わるかもしれない」などとたいそうなことを言っておきながら心の中では
「逃げ切った」
などという思いを抱いているだなんて。
信じてはいけない。
目に映るもの、目にしたものが、本当にそのまま真実だなんて、信じてはいけないのだ。
誰かが言った言葉も、テレビも雑誌もニュースも。鵜呑みにして、信じてはいけない。
本当のことを知るには、自分で立ち向かわなければ。
失われてゆく命や人生がある一方で、生き延びてゆく人もいる。何食わぬ顔で、何も知らぬままで、あるいは嘘を抱えて、赦されたのだと勘違いしたまま、逃げ切った、と都合のよい解釈をしたまま。そうやって、生きている人もいる。
幸乃がいなくなっても、変わらず回り続ける人生が多々ある。
やるせない。
結局、人生なんてそんなものなのかと、やるせない気持ちになる。
「寝込む」ほどではなかったけれど、重くのしかかる読書ではあった。軽い風邪の引き始めのような。
まとまらない。
感想という感想もまとまらないし、書きづらい。
何度か読んで抱く自分の思いが見つかるかもしれない。
けれど、再読するにはまだまだしばらく時間を要する。
翔は、「大切な友達の誕生日」と幸乃が言ったことを知る日はあるのだろうか?
慎一は、すれ違い、間に合わなかった幸乃の人生に再び苦しみはしないだろうか。
知らないこと、気づかないこのなんと多いことか。真実かどうかもわからない人生。
それでも続いてゆく。
望んでも望まなくても。
幸乃はでも、自ら望んでその道を絶った。
そして、遺された者の人生は……