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(短編集)
さよなら神様
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さよなら神様の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.09pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全38件 21~38 2/2ページ
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「犯人は○○だよ」から始まる連作集.最初から犯人は分かっていて,どのようにして,またなぜ犯行に至ったのかが解き明かされる.そんな考えで読み始めたのですが,見事に裏切られました.小説中に幾重にも罠が仕掛けられており,それに主人公ともども絡み取られていく感じ.こんな読後感は初めてです. | ||||
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「犯人は〇〇〇だよ」いきなり犯人を名指す神様のことばで始まった。 少年探偵団たちが事件を追っていく探偵ごっこかと思ったらとんでもない!!いろいろ仕掛けがあり、びっくりだ。 こんな小生意気な子供たち。 次々事件が同じ町で・・あり得ないでしょ、犯人だらけなんて。 あまりにも現実離れしているから・・最後のページ エ エッー!!! そうきたか、衝撃の結末!! | ||||
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前作も面白かったけれど、今回の作品もかなりブラックで面白い。 特に最後の終わり方が最高です。 | ||||
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少年向けの雑誌、「ミステリーランド」で連載された「神様ゲーム」の続編で、一般の方を読者対象としているミステリ短編集です! 週刊文春ミステリーベスト2で、各種ミステリランキングにも、上位ランクインしている作品です! 一行目から犯人が分かる、いわゆる古畑任三郎や刑事コロンボ形式の作品です☆ メルカトル鮎のような悪意のある神様の鈴木君が、なぜ犯人を指摘できるのかは、謎のままで、この作品では解明されていません。 きっとトリックがあるのだと思うのですが、そのことが一番、気になりました。 「帰ってきた神様」というタイトルで、是非、続編を期待したいです!TVドラマ化すれば、高い視聴率が取れると思います! この作品を読んで、ますます麻耶さんの大ファンになってしまいました。過去の初期作品を探して、読み始めています! ストレートや変化球というより、隠し玉的なミステリだと思います。 アガサクリスティみたいな破天荒かつ常識破りの驚きのトリックが、満載の一冊です! | ||||
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これは、面白かった。クラスに神様と呼ばれる男の子がいる。盗みを働いた犯人を当て、また、ダンプカーに突っ込まれる大惨事を直前で回避したからだ。物語は、その神様コト鈴木が、犯人をズバリ当てる事から始まる短編集。それを小学生の探偵団が解いていく。犯人は捕まったり、強固な推理で解明したが捕まらなかったり。沢山の殺人事件が起き、鈴木は謎を残したまま転校。鈴木は本当に神だったのか?衝撃のラスト。読まなきゃ分からない。 | ||||
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麻耶氏の本は何作か既読です。 「神様ゲーム」も既読ながら、内容は頭からすっ飛んでおりました(汗) 読み始め、「おいおい、こんな複雑な会話する小学生いないでしょ」と 若干うなりながら読み進めておりました。 作中の鈴木に「全知全能の僕を怒らせたら怖いよ?」的な 厨ニ病的暗黒微笑っぽさも感じつつイラっとしながらも 一作一作はサクっと読めるので、結果的に一気に読んでしまいました。 伏線はややわざとらしいかな。 他のレビュアーさんもおっしゃってますが、後半からが引き込まれましたね。 殺人事件が題材なのにどこかあっさりした雰囲気 全体的に感じられる皮肉っぽさは「密室殺人ゲーム」を読んでいる時と 同じ感覚でした。 | ||||
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小学生の学園ものかと思いきや、ところどころのハッとする謎の記述に幻惑されて、先へ先へと読むのをやめられない。甘酸っぱい想いが満載かと思いきや、主人公の周りの人間関係が、次第次第にねじれてきて、息苦しくなってくる。そして、ラスト。嗚呼、ちょっと嫌だなあと思うけど、この奇妙な味わいは、なんか癖になりそう。摩耶さんの本、もっと読みたくなりました。 | ||||
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流石の読後感。引き摺らざるを得ない余韻。神様イケメン! という訳で、あの『神様ゲーム』の時点では予想だにしていなかった続編の登場です。 Q連続体の如き全知全能の存在ならば、メタモルフォーゼなんて。 神とは真理であり、故に善も悪もない、という。 後半に行くに従って、エスカレートする悪意が最高。 | ||||
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ミステリマガジン、ミステリが読みたい、そして、週刊文春の国内国外ミステリーベスト10で、共にベスト3以内にランク・インしていたのが、 本書を読む気になった理由です。 本書は、すでに出ている神様ゲームの続編のような体裁で、雑誌に掲載された6編の短編がまとめられています。 みんなが神様と信じている鈴木太郎が、久遠少年探偵団のメンバーである桑田敦に犯人を告げるところからお話はスタートします。 以下、ネタバレの部分がありますから、未読の人は注意してください。 神様が宣わくことに嘘はありません。しかも物語の冒頭から神様が犯人の名前を言っていますから、なんだこんなの面白くないや、 と思いますが、それは見事に肩透かしを食らわせられます。 仲の良かった小学高5年生の久遠少年探偵団が、神様の言葉で、その信頼関係が徐々に崩れていきます。 作者の麻耶さんは、2つの大きなわなを仕掛けています。 その一つは、話がある程度進んでくると、確信に変わりますが(これは桑田敦に関すること)、 もう一つの罠は、残念ながら最後までわかりませんでした。 実は、一つ目の罠が、二つ目の罠に大きく関係しているんです。 しかし、小学高5年生の世界って複雑なんですね!それとも私が遅れているのか??!! いやはや見事に騙されました。脱帽です!!! | ||||
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神様は全知全能である。 ゆえに、間違ったことを言わない。 ならば、探偵が導き出した結論が神様の答えと矛盾しているならば、探偵の論理に問題がある。 そんなのアリ? って思うけど、それできちんと成立させているのが流石の一言。 | ||||
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全6編の連作短編集。小学5年生が主人公で、概ね“神様”こと鈴木太郎が事件の犯人を宣い、その事件を久遠小探偵団が捜査をするという変わった舞台設定のミステリー。 正直1、2編を読み終えたあたりでは、面白いもののこの調子で最後までかとやや戸惑いましたが、それは物語の構成や登場人物たちの関係をより深く理解するものだったのかと思えるほど、4遍あたりから小説の持つ空気感が変わり、俄然のめり込んでいきました。 作者らしく捻りの効いた伏線も張られ、ちょっと予想も付かなかったラストになり、前半と後半とでは構成は概ね同じながら全然味わいの違うミステリーと感じました。 | ||||
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『わたしの心には、かつてのように神様が忍び込む余地は残っていないのだ。』(282ページ、「さよなら神様」より) 平易な言葉遣いかつ圧倒的なとんがりっぷりで純粋無垢な少年少女の心に多大なトラウマを作り出してきた『神様ゲーム』の鈴木君が、なんと装いも新たにイケメンになって戻ってきた! ……などといったら怒られそうだが、しかしこの六篇の短編連作は細かい仕掛けもさることながら、一行目より掲示される「真実」からの発展と飛躍、各々の結末が持つバリエーション、そして人心の揺らめきが圧倒的に素晴らしい。 例えば世の中には無効化できない絶対の法則がいくらかあるわけで。 重力、食欲、独占欲、エトセトラエトセトラ、それらに幾ばくかは抗うことが出来てもソレがそこに『ある』という事実は覆しようのないことであり、この絶対のルールのなかに「神の託宣」も加える必要があるというのが本作だ。 量子力学でいうところのかわいそうな猫が示すとおり、観測されない限り理屈の上では無限に近い可能性が示されるわけだけれど、知ってしまった瞬間に現実は一つに集約される――。 神が犯人を観測したからこそ、そのように人心は惑い、人々は凶器を手にし、探偵団が動くことになるのではないか――主人公同様、そんな妄念さえ覚えてしまうほど、鈴木君=神様=麻耶雄嵩の手の平で踊らされてしまう仕上がりだ。しかしイフはイフのままでさよならを告げることが出来る、ということもまた一つの成長にあたるのだろう。たぶん……。 特に四本目「バレンタイン昔語り」の結末は心が震える。後半の三連発は時間を忘れること受けあいの、抜群の魅力を秘めているので、前作を既読の方も未読の方も、是非とも手にとってほしい一冊だ。 | ||||
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もともと子供向けミステリーランドの一冊として出ながら、その不条理な展開に子供も大人にも衝撃を与えた問題作の神様ゲームの続編で短編集である。 近年の貴族探偵やメルカトルシリーズの短編でおなじみのこれまた特異な探偵の物語における役割が異色で、本作は冒頭でいきなり神様により犯人が問答無用で指摘され、これが絶対の正解となる。 その後、事件の概要が判明し、登場人物達は冒頭で指摘された犯人を犯人と判定すべく推理するという麻耶氏らしい変則探偵ものである。 冒頭で犯人が分かるが、倒叙推理ということではない。 探偵の存在意義を問い続ける麻耶氏らしい試みが活かされた作品である。 短編なので、論理的推理ミステリーとしてはやや薄味という感じはする。 | ||||
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さすがは麻耶さん、おもわず唸ってしまいます。簡潔な書き方ながら、この読後感は何なんでしょう。この小説の感じ方って、人それぞれ違うような気がします(大体の小説はそうだろうけど)。私はミステリーの枠には納まりきらないものを感じました。日本だけではもったいないので、ぜひ海外に出版されることを望みます。 | ||||
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答えは恐らくNOだろう。 事実、顔がよくて頭がそこそこ切れる男は結構いるし、つまり、頭が切れようが推理オタクのブサイクはモテる事ができない。 そういう意味で今作は作者の願望が多分に入っている作品と言える。 女の人はちゃーんと友達と恋人の線引きはしてんだよなぁ。 だから今作で出てくるシチュエーションはあり得ない。と僕は思ったが、皆さんどうだろう? ともあれ設定が面白く、ある程度語りに引き込まれたんで星四つ。 | ||||
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正直、読み始めてしばらくはイマイチかな、と思っていました。 鈴木の「犯人は〇〇だよ」から始まり、その人物が犯人である可能性を推理する、という話の作りは、論理的に正しい推理であるにしても、は2時間サスペンスと同じストーリー構造じゃないかと、思ったのです。 ごめんなさい。とんでもない、勘違いでした。 前半は、神=必ず「正しく」犯人を指摘する鈴木の存在と、彼が「嘘をつかない」というルールがどういうものかを、登場人物に理解させるための布石だったのです。登場人物に、です。読者に、ではありません。 後半の作品では主人公の身近な人物が被害者となり、犯人は、主人公が「鈴木の口から事件の犯人を告げられている」ことを前提に、主人公=探偵役を欺くための行動をとります。 この錯綜した状況を成り立たせてしまう力技には、ただ感服させられるばかりです。 | ||||
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神様探偵こと、鈴木太郎が帰ってきました。前作とは別の小学校が舞台で、時系列的に続編といっていいと思います(前作を読んでなくても問題はなく前作のネタバレもありません)。 前作同様、鈴木太郎のちょっとブラックな神様節が炸裂しています。いやむしろ前作以上かもしれません。個人的には今作のほうがミステリ的にも面白いと感じました。 麻耶雄嵩に関しては「続編が駄作」という心配は無用のようです。 | ||||
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今までにミステリを読んでいて「ここにワイヤーを擦ったような痕があるのは犯人がトリックを使ったからだ」あるいは「そう見せかけるために犯人が仕組んだんだ」という論理が展開されて、「いや、なんかの拍子にたまたま付いた痕なんじゃないの?」と思ったことはないだろうか。本作は推理の妥当性をそこまで突っ込むことでミステリという概念の脆弱性を浮き彫りしつつも、鈴木の絶対性で以ってミステリとして成り立たせた、奇蹟とも言うべきバランスの上に成り立っている。 今までのミステリのロジックを数段階一気に飛び越えた「隻眼の少女」が発表された時、私は今後麻耶雄嵩に創作活動ができるのか?と思ってしまったが、あれが究極の論理を突き詰めた作品なら、本作は推理における現実性、妥当性を突き詰めた作品なのだ。つまり意図的に穴だらけの推理を登場人物にやらせてみるという(笑)。そうなると、Aが犯人でもいいしBが犯人でもいいし、まあどっちでも可能だよね…となるわけだ。ミステリと医学は似ているというが、従来のミステリは基本二元論で、推理や証拠が正しいか間違っているかという概念しかない。本作では「この証拠は犯人がAであることを示すかもしれないが、Bでもあり得る」に留めているのだ。そして、それは非常に現実的だが、それでは犯人は捕まらない。 ちなみに医学では犯人がAでもBでもいいのだ。医師は「FNならGPCもそこそこ高い確率で起炎菌になるけど、とりあえずseptic shock起こして緊急性が高いのはGNR、そしてPseudomonasは外しちゃいけないので、とりあえずCFPMにしとくか。嫌気性もカバーするならPIPC/TAZかMEPMでもいい。ただVCMはそれらでカバーできない一部のGPCをカバーできるが、それによるメリットよりもデメリットの方が大きい。血培とって、治療開始して、それから原因探しますか」と考えるが、殺人事件であればとりあえず治療をするわけには行かず、確定診断がつかない限りは治療(逮捕)ができないという大きな違いがある。医学なら犯人がAでもBでも治ればいいが(もちろん治療しつつ原因は検索する)、ミステリでとりあえずAとB逮捕するかというわけにはいかない。そして、確定診断は非常に、非常に難しい。 そこでその正しさを鈴木に担保させることで、「現実性を極めた不完全な推理」を「本格ミステリ」として展開できる。非常に低い可能性や確率、偶然、感度や特異度という概念を持ち込まないのは、ミステリを思考ゲームとして成り立たせるための取り決めで、同時にアキレス腱なのだ。そして、麻耶が最もその信者として強固に守ってきた、ミステリ界の鉄則だったのだ。それをあっさり、本作では越えてみせた。本当に皮肉なことだが、神様という現実にはあり得ない登場人物を出すことで、この作品は今までのどんなミステリよりも現実感があるのだ(笑)。 もちろんそれはあくまでこの短篇集共通の原則論であり、一話一話の面白さはまた別だ。詳細はネタバレになるので書くことができないが、「発言は絶対に正しいが、すべてを語るわけではない、性悪の神様」という設定を最大限活かしたまさに「前衛かつ王道」のミステリが展開されており、読んでいてゾクゾクしてくる。 さて、ここからは最後の1ページのレビューになる。本作を読んでいない人にはわからないと思うので、ネタバレにはならないかと思う。 「ロジックを突き詰めた結果、予想とはまったく異なる事実が出てくる」のが普通のミステリの面白さだが、前作神様ゲームはロジックを突き詰めたはずなのにまったく異なる事実が、事実として提示され、その前のロジックがあまりに素晴らしかったからこそ、読者は衝撃に打ちのめされたのである。そして本作でもそれをラストシーンでやっていることに気づいただろうか? 初期の頃、よく麻耶雄嵩は人間を描けないと言われたが、それは一部の叙述作品や、翼ある闇の香月、夕顔が日本語を話さない(笑)などの理由によるのであって、基本的に麻耶雄嵩はミステリ作家の中でも群を抜いて「人間を描く」ことに力を入れている作家であり(ありがちなキャラクター小説というものでは決してない)、かつドラマ部分とミステリをリンクさせることに重きを置いている作家である。 そして、麻耶雄嵩は意外と恋愛小説をよく書く。それはもう悪意に満ちた恋愛小説を。初期作品の瑠璃鳥では、不可能犯罪にまったく関係なさそうな「なぜ美袋がいままで何とも思っていなかった女性と電撃的な恋に落ちたのか」という命題が非常に密接に結びついており、また夏と冬の奏鳴曲においても閉ざされた島で起きる連続殺人の中、主人公にとって絶対たるヒロインをキュビスムの絶対性に当てはめた上で極めてロジカルに絶対を相対化させた。隻眼の少女では後期クイーン問題を恋愛関係に敷衍させ、その上でなお最後に静馬がみかげのことを信じると言う、この一見ありふれた台詞の重みがわかるだろうか。恋愛の初期段階において、脈があるかもしれないという証拠を積み重ね(後期クイーン問題的に言えば、その中に偽の証拠があるかもしれない)、行動し、最終的な犯人指摘ならぬ告白を行うという点に置いて、ミステリと恋愛小説は似ているところがある。仮になんの論理やエピソードもなく、好きになる理由もないのに男女が恋に落ちる恋愛小説があれば、読者は怒り出すだろう。そこに至るまでの積み重ねがあるからこそ、恋愛小説は成り立つのである。さて、そうした視点で本作を見ると、まさに前作神様ゲームの、綿密に積み上げられた論理を圧倒的な事実でぶち壊すという手法を、なんと本作では恋愛においてやっているのた。いったい麻耶雄嵩は今までどんなに悲惨な恋愛を送ってきたのか…!凄い、の一言しか口にできない。 長々と書いたが、言いたいことは1つ。 この作品、抜群に面白い。絶対に読んだほうがいい。 | ||||
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