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ねじの回転
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【この小説が収録されている参考書籍】
ねじの回転の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.08pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全51件 41~51 3/3ページ
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タイム・パラドックスものって、好きだなあ。 時間を遡り、過去の一点に手を加える。ほんのわずかな改変が、次から次へと思いもよらぬ結果を招き、未来を大きく変えてしまったりして。 とくにそれが、有名な人物や事件にかかわることだと、自分の知っている歴史をどこまでなぞって行くのか、そしてどう外れてしまうのか、興味津々。 パズルをはめ込んでいるような緊張感と、読後にはそれが完成したような爽快感を味わうことができる。 だから、映画『バックトゥーザフューチャー』三部作の中でも、二作目が一番好き。見ているこちらの記憶の中にある一作目の展開を巧みに利用して、複雑な入れ子式の作品にしちゃうんだもの。 で、この『ねじの回転』。 舞台は二・二六事件。昭和日本史の転換点となった、陸軍青年将校によるクーデタ未遂です。時間遡行の技術を手にした近未来の国連が、第二次世界大戦の惨禍を避けるため、歴史改変を試みる。ところがそれが、未来の人類を破滅に追い込む結果をもたらしてしまい、こんどは「改変以前の歴史をそのままやりなお」さなければならなくなってしまう。しかし、そうは問屋が卸さないんだな。 ミステリ的な面白さ満載なので、内容の紹介はここまで。 「歴史の授業で習った知識」と「小説中の二・二六事件」、そして作品中にはさまれる、「いつのことかあきらかでない場面」、これらがうまく絡み合い、読み手の興味を最後まで引っ張ります。 展開がわからない人はハラハラドキドキ、うっすらわかっちゃう人もパズルの快感を味わえる。おすすめです。 | ||||
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解説にもありますが、そんじょそこらのSFもどきがしっぽを巻いて逃げ出すくらいの本格SF。しかも、きちんと罠も(ものすごくフェアプレイで)仕掛けられているので、ある意味ミステリ。文庫版で上下巻に分冊されたのも一種の親切だと思って読了後の確認等に活用しましょう。 | ||||
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正しい歴史に直そうとする未来人。それをするには、その時代の人物に協力してもらわなければならない。歴史改善という設定はよくあるパターンであるが、歴史人物に事情を話して協力してもらうという点は少し珍しい。私はファンタジー要素の強いものは苦手な方だけど、これはけっこう好きな話でした。「月の裏側」でちょっと、彼女の作品はついてけないなーと思っていましたが。歴史改善に奮闘する四日間、その中で人間特有のある性質がうまく表現されている作品だと思います。恩田さん特有?の続きを読みたくなる謎めいた文章で、一気に読んでしまいました!後味も別に悪くありません。恩田さんのファンタジーな作品が好きな方には、いいと思いますよ。ファンタジー嫌いな方にとっては意見が分かれそうですけど。 | ||||
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宮部みゆきが高水準の作品をコンスタントに生み出すことができる 完成された作家だとすれば 恩田陸は成長し変化し続ける作家である。 この作品は2.26事件をキーとした時間遡行という 「タイムパラドックス系」好きにはたまらない舞台設定であり また着地の難しいタイムパラドックスものにもかかわらず絶妙の着地。 お勧めです。 | ||||
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氏の作品の人物の造形や設定などを見ると、書きたいのは、ファンタジーのような、いわゆるライトノベル系統に属する内容なのではないかと思う。 それを一般オトナ読者に「イロモノ」であると引かれないようにか、あるいは単なる照れなのか、歴史や、お堅い題材で糊塗しようとしている様に感じる。今回のメインは時間モノ、それにニ・ニ六をかぶせてきた。 文章自体は常に高い水準で提供しており、読ませる力はある。今回も二・ニ六を使って上手くストーリを作ったと思う。 だからこそストーリー以前の、設定に感じる帳尻合わせやひっかかりが、気になってしまう。かなり緻密な時間モノを読んできただけに、今回は特に理論面での漠とした矛盾がひっかかり、内容に入りこむのに邪魔をした。 叙述トリックなどでありがちだが、読者を誘導するため設けられる、設定自体の整合性がきっちりしていないと、意外性が構成の破綻に転じ、そも、物語として成り立ってさえいないとまで感じられてしまうのだ。今回の場合の、時間トリックは究極のイレギュラーである。特異な設定では1点の矛盾も全てを破綻させてしまう。 かなり嗜好もはっきりしており、文章力もあり、多作。いろんなモノを詰め込むのではなく、もっとシンプルに、素直に書きたいことを絞って力を入れて欲しい感じる。 | ||||
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歴史をやり直すことは、果たして可能なのだろうか?時間遡航装置が開発された未来、人類は時間遡航によってもたらされた奇病に冒され、未曾有の危機にあった。人類の未来のために、やり直す過去として選ばれたのは2.26事件。未来人によって選ばれた軍人3人は、自らを待ち受ける死の運命を知りながら、歴史を正しく再生させようとするのだが、謎の妨害が起こり…。 世を正しくしようと願いながら、むなしく処刑されることになる陸軍の人々。彼らの心情に胸打たれる。とくに、歴史のキーマンとして選ばれた3人が、三者三様に日本の未来を考え、歴史を再生しつつも最前の道を模索する様子が感動的。最後まで彼らにスポットが当てられていればもっと好みだったのだが。私には、最初の興奮が最後まで持続しなかった。ラストに向けて、物語が急に収束してしまうのが残念である。 | ||||
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歴史を作り変えたらどうなるのか?そんな疑問を恩田陸が描いています。 正直のめり込めませんでした。なんだか、少しでもこの本のメインストーリーになっている二二六事件について調べていないとメインになっている登場人物がわかりかねます。 しかし、文章使いや結末へのストーリー構成はいつも以上に冴えてるように思えました。限られに限られた範囲で進められていたのにもかかわらず自由奔放な筆遣いと言った感じです。 そういうのを含めると、のめり込めない分を差しひいても☆4個の価値はあります。 | ||||
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二・二六事件をモチーフにした、時間旅行系物語。こう言ってしまうと陳腐に聞こえるが、モチーフの活かし方が秀逸。中盤まで読んだところで、松本清張の大著『二・二六事件』(全三巻・文藝春秋社)を購入してしまった。 最終盤までは、本当にただただ面白く、ケン・グリムウッドの『リプレイ』を上回る作品かとも感じるほど。ただ、あまりにも素晴らしい展開力から「この本の結論は相当に難しいな」とも感じさせた。そしてやはり、終章直前までの迫力からは、やや劣る結末を迎えてしまった。 ただ。本書においては「結末がコケている」と感じさせるほどではない。こういうテーマの本には、結末ですべてをダメにしてしまう本も数多い。しかし恩田陸氏のモチーフの活かし方は、たとえ結論がなくとも充分楽しめるもの。 読んで損のない作品だと思う。 | ||||
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例えば、過去に遡る方法が発見され、誰かがそれを悪用し過去の歴史的事件を改竄してしまったがために、未来の現状が大幅に悪い方向へと狂ってしまう。これを修復するために本来あるべき「正史」に戻そうと、過去と未来の人間たちが一致協力、努力する、というのなら解る。が、本書は「2.26事件」をもう一度「同じように繰り返せ」というストーリー。なぜ同じことをせねばならないのかがまず解らない。そして、どこまでの逸脱が「正史」と認められるのか、何が不一致になるのか、そのボーダーラインに、それぞれ複雑な心境でこの計画に臨んだ登場人物たち同様、読者はひどく戸惑う。 「正史」とは、いったい何なのだ? 誰が決めたのだ? そんな疑問が頭の中を経巡る。 | ||||
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