■スポンサードリンク
ねじの回転
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
【この小説が収録されている参考書籍】
ねじの回転の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.08pt |
■スポンサードリンク
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全3件 1~3 1/1ページ
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
【内容に言及している部分がありますので、未読の方はご注意ください】 昭和初期の歴史や、2・26事件関連の本はよく読んでおります。作家のファンでもなく、なにげにひっかかったので、マケプレで安く入手して読んでみました。この作品はSF作品です。登場するのはタイムスリップ(というか過去にさかのぼってきた)未来の人たちと、安藤、栗原、石原莞爾が登場します。村中や礒部はまったく登場しません。これで、それほど深い話にならないだろうなと想像つくとは思いますが。タイプスリップものにありがちな、正しい歴史をトレースするために、歴史を何度か繰り返すという場面がありますが、内容的にそれほどの意味を見出せませんでした。そのあたりを削除し、ストーリーのコアな部分だけにすれば正直なところ、50~60ページの短編で十分な内容だと感じましたし、むしろ、まとまりがよくなったのではないかと。SF作品において、その特殊な設定(この話の場合は「タイムマシンによる歴史改変作業」)が物語として有効に機能していないとも。出版時期から推測するに、9・11事件が作品の動機なのだろうと思われます。(そう感じさせる部分もあります)9・11事件後、アフガン戦争から世界戦争へしそうになり世界情勢が混沌としてきた時期であり、未来への失望感、破滅への未来をリセットするため、過去のある時期が転換点だとし、そこをイジレば?って話なんんでしょう。この本を読む限り、著者の昭和前期への歴史、2・26への知識や研究があまりにも不足していると感じました。そのためなのか、未来の不治の病が過去世界に広まってしまってそれに対処するという、「歴史改変」にまったく関係のない設定が入って、さらに無駄な部分が増えて、底の浅いものとなってしまっています。作品の初めの頃、村中が宮城へ向かうシーンがあり、ちょっと恐ろしい展開キタかも?とも期待しましたけどありませんでした。近代史は資料が多く、2・26事件はクーデター事件としても特に変わっており、三島由紀夫の「道義的革命」などの評論にもあるように、日本的特殊な思想や背景が強い事件であります。226事件の指導者で有名な礒部浅一の遺書が最近、文庫で発売されています。これまでは高い古書でしか読めなかったものが簡単に手に入ります。興味のある方はご一読ください。いずれにしても、2・26事件は軍国主義日本への転換期だとは思いますが、安易にSF作品としてとりあげるのはかなり難しいと思います。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
本書を読んで自分のイマジネーションの摩滅(欠落?)を実感。 過去に遡及して歴史を書き換える。最近ビデオ観て面白かった「バタフライエフェクト」はすんなり入っていけたんですが、本書の歴史の「再生・不一致」の概念がちとわたくしには難しくて・・・・。 あと登場人物のバックグラウンドとかもうちっと「前置き」があるともっと感情移入できると思うんですが。ずいずいぐんぐんストーリーだけが猛スピードで進んでしまう印象。好きなひとにはそこがたまらないスピード感てことになるのかなあ。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
氏の作品の人物の造形や設定などを見ると、書きたいのは、ファンタジーのような、いわゆるライトノベル系統に属する内容なのではないかと思う。 それを一般オトナ読者に「イロモノ」であると引かれないようにか、あるいは単なる照れなのか、歴史や、お堅い題材で糊塗しようとしている様に感じる。今回のメインは時間モノ、それにニ・ニ六をかぶせてきた。 文章自体は常に高い水準で提供しており、読ませる力はある。今回も二・ニ六を使って上手くストーリを作ったと思う。 だからこそストーリー以前の、設定に感じる帳尻合わせやひっかかりが、気になってしまう。かなり緻密な時間モノを読んできただけに、今回は特に理論面での漠とした矛盾がひっかかり、内容に入りこむのに邪魔をした。 叙述トリックなどでありがちだが、読者を誘導するため設けられる、設定自体の整合性がきっちりしていないと、意外性が構成の破綻に転じ、そも、物語として成り立ってさえいないとまで感じられてしまうのだ。今回の場合の、時間トリックは究極のイレギュラーである。特異な設定では1点の矛盾も全てを破綻させてしまう。 かなり嗜好もはっきりしており、文章力もあり、多作。いろんなモノを詰め込むのではなく、もっとシンプルに、素直に書きたいことを絞って力を入れて欲しい感じる。 | ||||
| ||||
|
■スポンサードリンク
|
|
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!