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冷たい太陽



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【この小説が収録されている参考書籍】
冷たい太陽 (ミステリー・リーグ)
冷たい太陽 (光文社文庫 く)

冷たい太陽の評価: 3.11/5点 レビュー 9件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.11pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全4件 1~4 1/1ページ
No.4:
(5pt)

久々に楽しんで読めました

著者の作品はデビュー作では感銘を受けましたが、
その後はエログロが前面に出過ぎて、
また思いついたネタがさらなる広がりを見せずに
思いつきだけで終わる作品が多く、
残念に感じることが続いていました。

本作は、ゴールまでの道筋を常に思い描きながら書かれてあり、
ミステリーとして見事に読み手を裏切ってくれています。
確認のため、すぐに二度めを読んでみましたが、
傷が二ヶ所ほど、またちょっとわざとらしい場面もあり、
完璧な作品ではありません。
でも、充分に楽しめました。
騙され「やられた!」ということ受け合いです。
エログロもなく、安心して読めます。
著者が今後もこのような作品を作り出してくれることを
楽しみにしています。
冷たい太陽 (光文社文庫 く)Amazon書評・レビュー:冷たい太陽 (光文社文庫 く)より
4334773028
No.3:
(4pt)

ふーむ、異能作家、鯨統一郎健在なり!

鯨統一郎といえば、かなり昔に読んだ「邪馬台国はどこですか?」であるが、その珍説・逆説に膝を叩いたのを想い出す。要するに正攻法ではなく、予想外のプロットなり、ミスリードを画策する作家という印象があり、そういった興味も手伝って、私の好きな「誘拐モノ」をどう料理するのか、大いに興味をもった。

身代金は5千万円のブルーダイヤモンド(冷たい太陽)であるが、宝石店へ5千万円を持って買う人物に盲目者を指名するのだ。登場人物にたしかに盲目の人間がいるが、この設定、かなり不自然である。そのダイヤモンドを伝書鳩で運ばすという計画も子供じみており、宝石店で5千万円を渡したまさにそこが身代金の受け渡しであると、誰でも判るはずなのに、かなり遅れて警察が動く。

ここまで読んできて、鯨統一郎も色褪せたかなと思わせるが、ここから怒涛の驚愕の展開が待っているのだ。ちょっと、ちょっと、ちょっと、それはないでしょうと云いたくもなるが、細部に亘るまで論理で捻じ伏せられてしまう。「妹が・・・」という点は、どうだと逆襲したが、これもよく読めば間違っていない。ふーむ、異能作家、鯨統一郎健在なり!
冷たい太陽 (光文社文庫 く)Amazon書評・レビュー:冷たい太陽 (光文社文庫 く)より
4334773028
No.2:
(5pt)

鯨氏が本気で書いた叙述トリック炸裂の技巧作!

鯨氏は出版社とその発行形態によってあからさまに手を抜いたり力入れたりの差が激しいが、今回は原書房の有名推理作家が力の入った作品を発表することで定評のあるミステリーリーグからの刊行だけあって、いつになく力の入ったマジモードの氏の創作姿勢がひしひしと伝わってくる本気印の作品である。
氏としては隕石誘拐以来の誘拐もので、一見読んでいるだけだと結構普通の誘拐ものっぽく進行するが、最後の最後で叙述トリック炸裂の読者を騙す見事な技巧作に仕上がっている。
一種の事件の過程が劇中作っぽい扱いで、外部からの勧誘で事実が指摘されるというちょっとメタっぽい構造になっており、同時期に出た深水黎一郎氏のこれまた叙述トリックを遊びまくったミステリーアリーナと趣向が共通している。
こういう叙述トリック系の作品に必ずある設定に無理があるという意見がこれまたあるが、叙述トリックなんだから読者に向かって騙しを仕掛けているんだから一種の全ての話の要素がリアリティがなくなってくるのは当然だろう。叙述トリックに対して設定に無理があるなんて意見ほど意味のない意見はない。
鯨氏はミステリーリーグから以前も二人のシンデレラというこれまた技巧を尽くした傑作を出しているので、そちらも是非。
当り外れの大きい作家であるのは否めないが、このミステリーリーグから出した鯨作品はどれも力作である。
冷たい太陽 (光文社文庫 く)Amazon書評・レビュー:冷たい太陽 (光文社文庫 く)より
4334773028
No.1:
(5pt)

これは凄い!

本当に久々に読んだ鯨統一郎のミステリ。
これまで読んだ作品に限れば、ミステリと全く関係のない分野でのマニア受けはあっても、ミステリとしての評価だけだと「まあそこそこ」程度の評価にとどまる作品が多かった作者だが、本作はミステリとしても一級品だろう。
これまでもトンデモエンディングで「ギャッ」という作品はあったが、本作ではまさにミステリとして「ギャッ」と叫ばざるを得ない見事なサプライズが仕掛けられているとともに、(実際にはありえない設定ではあるが)メタミステリ的な仕掛けも効いている。

その他細部にケチをつけようと思えばいくらでもつけようはあると思うが、本作は2014年度の収穫として高く評価されることだろう。必読。
冷たい太陽 (光文社文庫 く)Amazon書評・レビュー:冷たい太陽 (光文社文庫 く)より
4334773028

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