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避雷針の夏
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避雷針の夏の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.55pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全5件 1~5 1/1ページ
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初めにこの著者の「死刑に至る病」を読んだので、期待して本を開きました。 主人公にしてはちょっと矮小で醜悪なんだけど、この先何かあるんだろうなと読んでいくにつれ、それが町の醜悪さと相まってどんどん進んでいって、夏祭りとともにドカンと!……夏の蒸し暑さと祭りのにぎやかさとその熱気と人々の意識にあふれている、人への憎悪や嫉妬など人間の醜い部分が一気に爆発する描写はさすがだなと思いました。でも、ここまでくるのにだいぶ紙面が割かれてしまって、収束に向かうまであっという間で、ほかの方も書いておられましたが、えっこれで終わり?という物足りなさでした。ここまで引っ張っておいてこれだけなんですかというあっけなさがありました。 登場人物の誰にも感情移入ができず、自分が上から登場人物たちを傍観している感じでした。結局何を言いたいのか私にはわかりませんでした。人間のいろいろな醜さ、巨悪ではないけれども、おぞましい思いが残りました。後味が悪いというのではないけれども、救いがない気がしました。期待していたようなものではなくてちょっと残念でした。 | ||||
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安定した筆致で徹底した暗黒世界を描けるのは櫛木の強みである。 舞台は新潟県のとある田舎町である。元殺人犯が英雄として祭り上げられている忌々しい田舎町。町民は一人残らずクズである。だがどうしても、絵空事と笑えない異様な迫力がある。 登場人物がリアルなのだ。田舎暮らしの経験ある人間ならば、ここに描かれる隣近所との付き合いから生じる息苦しさや、監視とも言える近隣の耳目、排他的な雰囲気にゾッとさせられ、自分も同じ経験があると感じる事は間違いない。ここに描かれた町の惨劇は他人事ではないと震撼する事間違いなしだ。 「優しや」や「繋がり」、「絆」といった言葉を悪用し、一人の人間を追い込んでいく住民たちの憎たらしさと言ったら。歴史に残る様な「大悪党」ではない。どいつもこいつも救い難い「小悪党」だ。 物語が進行し、一人、また一人と破滅していく姿は小気味よいテンポで進んでいく。ヒーロー不在のノワール小説、といったところだろうか。 クライマックスにはテンションの山場が用意されているが、ここでの噴火、それの破壊力がもう少し大きなものにできなかったかと不満でならない。予定調和的で、呆気にとられる驚きが小さいのだ。もう少し、ページ数を割いて登場人物たちの闇を掘り起こし、徹底的に「痛めつける」。これがないせいでラストでの「贖罪」に宿るカタルシスが小さく収まってしまっている。 昭和初期で止まったかの様な価値観、閉塞感、その中に渦巻く暴力的な憎しみ、恨みつらみ。地方の抱えている問題をこんな風にエンターテインメントとして昇華するなど、一体誰が考えただろうか。実は退屈な人々の営みの中にこそ、こういった物語が宿るのだと肩を叩かれた気分だ。 着眼点の良さ、素晴らしいアイディアにリーダービリティ、それらに感嘆しながら、小さくまとまった完成品には歯がゆさを覚えずにはいられない。 | ||||
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ある田舎の村に住む、主人公を通して閉鎖的で恐ろしいその在り方が描かれてます。 家族、過去、村八分、およそ現代の話とは思えませんが、現代が舞台です。 そこに、清々しい高校生の視点なども織り交ぜながら、苦悩する主人公を中心に、暗い重い叙述が続きます。 あっと驚くものはありませんが、人の醜い部分や、弱い部分が感じ取れる作品です。 割とスラスラと読めると思います。 | ||||
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出だしから7割か8割くらいのところまでは、大変おもしろいのです。 田舎町の腐ったような人間たち。そこに越してきた腐った主人公。 その腐り具合が、きわめて具体的に描かれていて、リアリティを感じます。 主人公と家族の心は離反していますが、なぜそうなってしまったのか、十分に納得がいくのです。 町を覆う熱波とともに、町民たちのどろどろしたエネルギーが高まっていって、さあ、クライマックス。 というところで、しかし、思いのほか、あっさりとしたクライマックスでした。 爆弾で言えば、 じりじりじり、どっかーん、 ではなくて、 じりじりじり、ぴょこん、 といったところでしょうか。 なんだか、肩透かしとくらったような気分になってしまいました。 ちょっと残念な作品です。 | ||||
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内容がもっとオドロオドロしたのを期待しましたが、さらりとした感じで多少残念です。 | ||||
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