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(短編集)
ブラウン神父の秘密
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ブラウン神父の秘密の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.31pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全13件 1~13 1/1ページ
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こんなに、小さくて、偉大な書物が、入手出来ることは、有難いです。 あらゆる対応が、素晴らしいと思います。 | ||||
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ブラウン神父ものの四冊目です。 人間心理の達人である神父の言葉を(本書から)ご紹介します。 トリックとは無関係です… 「人はよく目の前にあるものを遠方のものと勘違いして、 ごく身近なもの、多分ご当人によく似たものに気づかないことがあるものです…」 (飛び魚の歌 111ページ) 文脈とは違いますが、私は、 自分自身の心の特性を、他人の中に映し出して、そして(自分の中で、自分が)反応している… 姿を思い出しました。 もし犯人が人間心理の達人であるならば、 ブラウン神父はさらにその上をゆく人間心理の達人のようです。 日頃、人々かの懺悔を聴いている神父という職業柄もあると思いますが、 ブラウン神父の自分自身を見つめる心の目も澄み切っているのでしょう^^; どのお話か忘れたのですが、 ブラウン神父がその真相を解明する手際に驚愕した知人から、 「事件を解決する秘密(秘訣)」を明かすように迫られます。 それに答えて、神父は、「自分の心を犯人の心を全く同じにできたときにその事件の全貌がわかるのです…」 と説明し、同時に、「犯人の心情と全く一つになり切ることは(自分の)宗教的修行です」と言います。 神父は「自分がどれだけの悪人であり、どれほどの悪人になりそこなっているかがわからなければ、 もし善人ぶって何をしてもしたかがない」と不思議がる知人に説明しています。 推理小説としてのトリックに絞りますと、 流石に四冊目ですから、読者も馴染んできて、驚きはやや少なめかもと思います。 ただ、トリックを抜きにして、神父の「お説教」を読みますと、 作者、チェスタトンの名言、満載という感じです。 | ||||
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パタリロの作者が絶賛していたので、興味を引かれて手に取った。確かに、100年くらい前に書かれた代物とは思えない重厚な作品だった。なにより驚くのはキャラクター造詣の深さ。あぁ、確かにそんな人います!というような癖のある人が次から次へと登場し、その性格さ故に事件が起こる。そして何より、罪を犯した人を非難するだけの人に厳しい言葉を吐き、極悪人でも受け入れるのが我々聖職者の務めなのだと言い切る神父の覚悟に、作品の凄みを見せつけられた。古典になる作品は、古典になるだけの理由がちゃんとあった。このレベルに行きつく現代の作品はどれだけあるだろうかと唸らせる一品。 | ||||
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昨今のどんでん返しが主流の日本の推理(?)小説(ともいうべきほどでない駄文)を書かれている作家たちは、ブラウン神父シリーズを読んだことがあるのでしょうか?最後の一ページで驚かすためだけにそんなに引っ張らなくても、こんなにコンパクトな量で面白い小説はかけるんです。 キリスト教や説教くさいところが鼻に付くという方もいらっしゃるようですが、「マーン城の喪主」などは人と神の許しの違いという解釈を超えて哲学の考え方にも匹敵するものがあります。 ブラウン神父を読んでいると、「一つの事柄に真理は一つしかありえない。」といったデカルトの言葉を思い出します。 シリーズ全編においてブラウン神父のこの考え方が貫かれています。 何事においても自分の信念は曲げない、簡単なようでとても今の時代、それをやろうとするのは難しいです。 頑固とは違うので。 | ||||
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ブラウン神父の名推理が収められた短編集の第4弾です。 本書は、10編の作品から構成されていますが、 第1編の「ブラウン神父の秘密」と 第10編の「フランボウの秘密」は2つで1つの作品となっています。 第1編「ブラウン神父の秘密」で神父の推理法が語られ、 その具体例として、以下の第2編から第9編があり、 事件を語り終えたところで、 第10編「フランボウの秘密」が語られるという 形態となっています。 第4弾となっても、 奇抜な作品が読者を楽しませてくれます。 以下に、各編に対し簡単なコメントを記します。 「ブラウン神父の秘密」 神父独自の推理法とは。初公開。 「大法律家の鏡」 鏡が謎の焦点。神父の指摘する犯人とは。 「顎ひげの二つある男」 なぜ、顎ひげを二つ持っていたのか? その疑問が真相を導き出す。 「飛び魚の歌」 謎のアラビア風の人物。金魚盗難の真相とは。 「俳優とアリバイ」 神父が挑む、アリバイ崩し。 「ヴォードリーの失踪」 謎を解く鍵はたばこ屋。 意外な動機も盛り込まれています。 「世の中で一番重い罪」 一番重い罪とは。神父、城のお堀に落ちる。 「メルーの赤い月」 ルビーの盗難事件。<山岳導師>とは、何する者ぞ。 「マーン城の喪主」 決闘の意外な真相を神父が推理する。 「フランボウの秘密」 フランボウ、自らを語る。 | ||||
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ブラウン神父の名推理が収められた短編集の第4弾です。 本書は、10編の作品から構成されていますが、 第1編の「ブラウン神父の秘密」と 第10編の「フランボウの秘密」は2つで1つの作品となっています。 第1編「ブラウン神父の秘密」で神父の推理法が語られ、 その具体例として、以下の第2編から第9編があり、 事件を語り終えたところで、 第10編「フランボウの秘密」が語られるという 形態となっています。 第4弾となっても、 奇抜な作品が読者を楽しませてくれます。 以下に、各編に対し簡単なコメントを記します。 「ブラウン神父の秘密」 神父独自の推理法とは。初公開。 「大法律家の鏡」 鏡が謎の焦点。神父の指摘する犯人とは。 「顎ひげの二つある男」 なぜ、顎ひげを二つ持っていたのか? その疑問が真相を導き出す。 「飛び魚の歌」 謎のアラビア風の人物。金魚盗難の真相とは。 「俳優とアリバイ」 神父が挑む、アリバイ崩し。 「ヴォードリーの失踪」 謎を解く鍵はたばこ屋。 意外な動機も盛り込まれています。 「世の中で一番重い罪」 一番重い罪とは。神父、城のお堀に落ちる。 「メルーの赤い月」 ルビーの盗難事件。<山岳導師>とは、何する者ぞ。 「マーン城の喪主」 決闘の意外な真相を神父が推理する。 「フランボウの秘密」 フランボウ、自らを語る。 | ||||
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◆「大法律家の鏡」 長年、反逆陰謀の告発を行ってきたグィン判事が、自宅の庭で殺された。 死体の状況と玄関のホールの突き当たりにあった粉みじんの鏡とから、乱闘が はじまって手許の狂ったピストルが鏡を粉砕し、犯人に追われた被害者が庭で 射殺された、という推定が立てられ、現場にいた挙動不審な詩人が、容疑者として 拘束されるのだが……。 「詩人」特有の思考法を開陳することで、彼の容疑を晴らす神父。 そして、事件において鏡の果たした役割を説明し、意外な犯人を指摘します。 ところで、日本語の「かがみ」には、見る者の姿を映し出す「鏡」 という意味以外に、手本や模範を表す「鑑」の意味もあります。 このダブルミーニングによって本作は、日本語訳でしか 味わえない、より深い含蓄を獲得したといえます。 | ||||
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ブラウン神父の活躍する第4短編集。全十編の内最初と最後はプロローグとエピローグのようなものなので、実際の事件は八編です。もちろん最初と最後はただの付け足しではなく、それ自体にも味があります。 読んでみて感じたのは、トリックにいささか無理があると思われる作品が多いのではないかということです。また、ブラウン神父の解釈で説明がつく部分はあっても依然として不可思議な謎が残っている場合もありました。ブラウン神父の作品には筆者の力があってこそ成立している作品がいくつかありますが、それを割り引いて考えてみてもちょっといただけません。お得意の早業も万能ではないのですから。 ただ、作品内で語られる箴言にはなかなか感じ入るものがあり、チェスタトンの特色は良く出ています。 特に「マーン城の喪主」は、語られるキリスト教と人間の慈悲との違いや一連の話が興味深く、印象に残っています。 | ||||
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ブラウン神父の活躍する第4短編集。全十編の内最初と最後はプロローグとエピローグのようなものなので、実際の事件は八編です。もちろん最初と最後はただの付け足しではなく、それ自体にも味があります。 読んでみて感じたのは、トリックにいささか無理があると思われる作品が多いのではないかということです。また、ブラウン神父の解釈で説明がつく部分はあっても依然として不可思議な謎が残っている場合もありました。 ブラウン神父の作品には筆者の力があってこそ成立している作品がいくつかありますが、それを割り引いて考えてみてもちょっといただけません。お得意の早業も万能ではないのですから。 ただ、作品内で語られる箴言にはなかなか感じ入るものがあり、チェスタトンの特色は良く出ています。 特に「マーン城の喪主」は、語られるキリスト教と人間の慈悲との違いや一連の話が興味深く、印象に残っています。 | ||||
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ブラウン神父シリーズのこの作品集の中では、「俳優とアリバイ」以降の後半の作品群がとてもよかったです。なかでも感動したのが、「マーン城の喪主」! ずしんと心に響く衝撃と感動を受けました。稲妻の閃光に照らし出される冒頭からラストまで、話にぐいと掴まれたような気持ちで読んでいきました。ラストでは、ぐぁんぐぁんと鉄槌で打たれ、打ちのめされたような感動を覚えました。「俳優とアリバイ」「ヴォードリーの失踪」も印象に残ります。この二篇を続けて読んだ辺りからかな、それまでのほほんと読んでいたぐうたらな気持ちが、俄然引き締まりました。寝転んで読んでいたところが、むっくり起き上がる気持ちになったというところです。おしまいの「フランボウの秘密」も、この短編集を締め括る作品として読みごたえがありました。そして、ブラウン神父のことがちょっと恐くなりました。神の眼差し、神の慈悲のようなものを感じて、その辺にぞくぞくさせられたからです。 | ||||
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ブラウン神父シリーズのこの作品集の中では、「俳優とアリバイ」以降の後半の作品群がとてもよかったです。なかでも感動したのが、「マーン城の喪主」! ずしんと心に響く衝撃と感動を受けました。 稲妻の閃光に照らし出される冒頭からラストまで、話にぐいと掴まれたような気持ちで読んでいきました。ラストでは、ぐぁんぐぁんと鉄槌で打たれ、打ちのめされたような感動を覚えました。 「俳優とアリバイ」「ヴォードリーの失踪」も印象に残ります。この二篇を続けて読んだ辺りからかな、それまでのほほんと読んでいたぐうたらな気持ちが、俄然引き締まりました。寝転んで読んでいたところが、むっくり起き上がる気持ちになった というところです。 おしまいの「フランボウの秘密」も、この短編集を締め括る作品として読みごたえがありました。そして、ブラウン神父のことがちょっと恐くなりました。神の眼差し、神の慈悲のようなものを感じて、その辺にぞくぞくさせられたからです。 | ||||
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『秘密』というタイトルに惹かれました。なにしろほかの短篇集は『童心』『知恵』『不信』『醜聞』――と、あまりミステリらしからぬもの。『秘密』のタイトルにミステリっぽさを感じたのでした。 幸か不幸かこの作品集にはなぜか暗い雰囲気の作品が多い。ブラウン神父のすっとこどっこいぶりを鹿爪らしい文体で書かれても、いまいちそのユーモアを理解しづらいところがあるのですが、こういう文体はこういう暗い話にはぴったり合います。 中でも「大法律家の鏡」と「マーン城の喪主」の二編は象徴的・宗教的雰囲気が強くミステリとしても傑作で、最初と最後を引き締めています。ほかには、異様な動機と、単純なだけに見事な逆説とトリックの「ヴォードリーの失踪」、ユーモラスな雰囲気ただよう数少ない作品、H・M卿のモデルとなった人物も登場の「飛び魚の歌」あたりがおすすめです。「顎ひげの二つある男」は、どんな動機にも分類されない動機、という、どこか『奇商クラブ』を思わせる作品。 全十編中、一話目と十話目は、イントロと終演挨拶のような非ミステリ作品なので正味全八編。打率的にもまだまだ衰えは見られません。 | ||||
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『秘密』というタイトルに惹かれました。なにしろほかの短篇集は『童心』『知恵』『不信』『醜聞』――と、あまりミステリらしからぬもの。『秘密』のタイトルにミステリっぽさを感じたのでした。 幸か不幸かこの作品集にはなぜか暗い雰囲気の作品が多い。ブラウン神父のすっとこどっこいぶりを鹿爪らしい文体で書かれても、いまいちそのユーモアを理解しづらいところがあるのですが、こういう文体はこういう暗い話にはぴったり合います。 中でも「大法律家の鏡」と「マーン城の喪主」の二編は象徴的・宗教的雰囲気が強くミステリとしても傑作で、最初と最後を引き締めています。ほかには、異様な動機と、単純なだけに見事な逆説とトリックの「ヴォードリーの失踪」、ユーモラスな雰囲気ただよう数少ない作品、H・M卿のモデルとなった人物も登場の「飛び魚の歌」あたりがおすすめです。「顎ひげの二つある男」は、どんな動機にも分類されない動機、という、どこか『奇商クラブ』を思わせる作品。 全十編中、一話目と十話目は、イントロと終演挨拶のような非ミステリ作品なので正味全八編。打率的にもまだまだ衰えは見られません。 | ||||
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