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パインズ -美しい地獄-
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パインズ -美しい地獄-の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.57pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全21件 21~21 2/2ページ
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行方不明の同僚の捜索のため、ウェイワード・パインズという街に潜入したシークレットサービス特別捜査官のイーサン・パークは、街に入って早々にひどい交通事故に逢い、記憶が混乱したまま、街に滞留することになった。しかしニコニコしながら何も教えてくれない看護師、怪しげな医者、横柄な保安官、そして何よりもこの街には外部の情報が全くない。それどころか、この街から出る手段自体が存在しなかった。同じような境遇の女性と出会ったものの、かえって記憶は混乱するばかり。街の裏側にある狂気を垣間見たパークは、決死の脱出を試みるが・・・ 小説としては面白い。序盤は謎が深まっていく過程をじっくり描き、200ページ超えてからはタガが外れたように怒涛の展開です。一日で読み終えた。娯楽小説を一気読みしたい方にはオススメです。 ストーリーそのものは新規性はなく、プリズナーNO.6みたいな感じで、人の描き方は作者も述べている通りツイン・ピークス的な異常性/狂気。終盤の展開も擦れた読者にとってはそれほど予想外というわけではない。意外ではあるけど。てゆーか、あそこまで風呂敷広げたらあそこまで大きく畳むしかないかな。夢オチとかでなく、きっちり合理的ではあるので、オチ自体に不満はないです。ただ、ラストは思ったよりあっさりしていて、作者はそれほどこの主人公に思い入れがないのかな、と考えてしまいました。 根本の不満は2点ほど。とにかく描写が浅い。発信機とかコオロギとか電話とか一つ一つのアイデアは面白いのに、衝撃として読み手に伝わってこない。読んでて「なんかもっとさあ~」という感じ。私が擦れすぎているのは間違いないですが。 もう1点は「どっかで観た」感。どっかで読んだ感じではなく、まさに映画やテレビで「観た」感じ。ハイライト的なシーンはすべてそう。第7章の病院でのやり取り、第11章のベヴァリーのチェイスの下り。293ページの少年のセリフなどは定番すぎて失笑。そのあとはネタバレになるので書きませんが、どれもこれも(すでにある)映像的。 つまり、よくあるアイデア、よくあるシーンをダイジェスト的に組み合わせて、一つの物語に仕上げたという印象です。それは意図的なものであり、かつ成功しているとは思いますが(構成はとてもまとまっている)、もっとすごいものを期待してはダメです。 個人的には、ストーリーのアイデアよりも各登場人物の抱えている「狂気」の描写をもっと全面的に押し出したほうが好みの小説になりました。ただ、それだとこんなに(本国では)売れないんだろうなあ。 | ||||
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