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致死量未満の殺人
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致死量未満の殺人の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.00pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全5件 1~5 1/1ページ
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確かに賞と取るだけのトリック、どんでん返しにはミステリーらしさが感じられるが、いかんせん登場人物の言動に現実味がないため残念な作品になってしまっています。 被害者が複数の人間から殺したいほど憎まれている割にはその悪人振りが伝わってきておらず、またそれでいながら同級生たちも当人と普段から行動を共にする心理が納得できない。 さらに明らかに脇役と思われていた人物が、終盤に入り突然名探偵に豹変する流れもどこか取って付けたように感じ、最後に開かされる黒幕の存在もいささかやり過ぎのきらいがあるように思えてしまう。(どんでん返しもやり過ぎると却ってくどさだけが残ってしまうのでは?) 個人的には、現実の15年という時の持つ重みがあまりにも軽く書かれていることに、最も違和感を感じてしまったことが残念でした。 (15年間まったく話題にもならなかったことが、昨日のことのように思い出されるものでしょうか? また何も云わずに普通に生活していけるものなのでしょうか?) 是非人間が描けている作品を期待したいと思います。 | ||||
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書名は、応募時の『コンダクターを撃て』よりも内容に合っているとは思いますが、これだと完全とは言えないかもしれませんが、トリックが分かってしまいます。 叙述には工夫がこらされていますが、弥生の“悪人”ぶりがイマイチで、犯人が類推しやすいことにも難点があります。 | ||||
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雪山の別荘で起きた事件について,自らが犯人であるという男の告白で始まる物語. 犯人だけでなく動機も語られ,回想を中心に事件を振り返る様子は倒叙形式のようで, 時効を間もなくにした雪の夜,告白の相手に対してその真相を当てるように促す流れは, その手段が焦点となり,読む側は十五年前の彼らのやり取りに目を向けることになります. そして告白が終わり,物語は期待通り(?)あの夜の『裏』へと移っていきますが, トリックと人々の思惑,二重の意味となったタイトルには巧いと思わせられたものの, 残念ながらそれ以外は蛇足の感が強く,繰り返される新事実の登場にはクドさが先に. 加えて,急に流れに割り込み,全てを知る存在として振る舞う探偵役の都合の良さや, 彼の自分に酔ったような言い回しが鼻につき,一気にしらけて興味がしぼんでいきます. 何より,重荷を抱えて立ち去る男をそのままに,裏側のさらにその『奥』へ進み続け, 探偵役の男性と告白相手の女性,二人を絡めて穏やかに畳む結末には違和感が残ります. | ||||
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本格推理では王道である、「閉ざされた雪の山荘」といった、典型的なCC(クローズドサークル)もの ではあるのだが、かなり変形というか、一風変わった作りになっている。登場人物が少ないので、複雑 過ぎて頭が混乱するということはない。その意味ではシンプルで良いのだが。 作者は法学部卒らしいが、法学部の講義で扱われるような難解というかややこしい記述が一部にあ るのがちょっと鼻につく。その他、持って回った言い方や、不要とも思える修辞もちょっと過剰だろうか。 普通ならひらがなに開くような漢字をルビなしで使っている箇所が多々あり、リーダビリティーを下げて いる。もしかして、作者の教養レベルの高さを主張したいのだろうか? そんなものはかなぐり捨てた方 が読者のためでもあり、本人のためにもなると思う。 本格ものにつきものの「どんでん返し」は、あるにはある。いや、それが二重にも三重にもあるという念 の入れようだ。だが、それぞれが決して意表を突くようなものでもないし、インパクトもあまりない。単に 結末の部分が冗長になっているだけだと感じた。早く先を読んでみたいと思わせる推進力もあまりない。 全体を通して見ると、音楽、薬学、絵画、法律、等々、ペダンチックな知識がちりばめられているが、それ がかならずしも功を奏していない。 本格推理好きの読者の中には、「パズラー」を好む人もいるだろう(私はあまり好きではないが)。そう いう人には向いているかというと、決してそうでもない。そのあたりが「中途半端な本格推理」であり「読 後感の良くないCC」という結果に通じていると思う。 少なくとも、「お勧めするかしないか?」と問われれば、「お勧めしない」と私なら答える。 さて、この 作者、今後ヒットを放てるのだろうか? | ||||
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クリスティ賞受賞に惹かれて購入しました。 ミステリーの構成力はとても重厚で読みごたえは確かにある。 文章については賛否両論でしょう。私は重厚で仰々しすぎるものは頭が痛くなるので、歓迎しません。 小説の読みやすさは、文章の平易さの力も大きい。飾り立てたくなる気持ちも分かりますが、深すぎる考察は大事なところだけにした方が作品が光ると思う。 どうしても持って回った修飾文が書きたければ、それは詩作でお願いしたいです。 つまるところこの作品については、プロットも文章も複雑すぎ。 偶然の重なりすぎる構成、なにもかもを知りすぎている「夫」(どんな人生歩んでるんだ、一介の喫茶店の主人があり得ないだろと言いたくなる)。 紙の上の作品としてはよくできているのですが、その出来過ぎ感があまりにも現実感を薄め、登場人物の悲哀が全く胸に迫ってきません。 プロットありきの登場人物なのです。被害者しかり、犯罪者しかりです。なかでもコンダクターの描写は本当に残念。ネタバレになるので省きますが、コンダクターの道徳的過ちは人間が償いきれないほどのものだし、なによりも悪質すぎる。人をなんだと思っているのでしょうか。吐き気が来ました。 まるで誰かが悪意ある悪い遊びを仕掛けたような読後感の悪いお話でした。 プロットと人物と、両方書けての小説です。 私はお勧めしません。 | ||||
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