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致死量未満の殺人
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致死量未満の殺人の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.00pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全12件 1~12 1/1ページ
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倒叙形式で始まる序章から、昔に遡り、その人物が毒物入手し、山荘に仲間と集うも、衆人環視の中、どうやって毒物を混入したのか、明らかにならないまま、仲間たちの被害者(非現実的なヒール)に対する恨みつらみの描写が冗長との意見もわからないでもないが、その冗長さにトリックが成立しているのは見事。 そしてやはり、ラストで唐突に探偵役になる、ある登場人物には、アンフェア感は否めない。 それでもトリックの見事さで、☆4つ。 | ||||
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比較的読みやすい作品。最初に犯人が名乗るスタイルは倒叙ミステリーを思わせたが、後半の大逆転には正直驚かされた。しかし、最後の最後のコンダクターの展開には少々やり過ぎ感も。いずれにしてもアガサ・クリスティと刑事コロンボを足して3で割ったような印象。足して2ではなく、3であることに作者の、伸びしろに期待する。 | ||||
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表現が過剰に装飾されているきらいはありますが、それが静かな夜や降り積もる雪、また張り詰めている空気感を感じさせるものなので、気になる要素ではなく、逆にその静けさと張り詰めた空気でどんどん物語に引き込まれました。 そしてページを繰る手ももどかしく一気読み。 二転、三転とひっくり返る結末といい、読後かなりの満足感が得られました+.(≧∀≦)゚+.゚ | ||||
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確かに賞と取るだけのトリック、どんでん返しにはミステリーらしさが感じられるが、いかんせん登場人物の言動に現実味がないため残念な作品になってしまっています。 被害者が複数の人間から殺したいほど憎まれている割にはその悪人振りが伝わってきておらず、またそれでいながら同級生たちも当人と普段から行動を共にする心理が納得できない。 さらに明らかに脇役と思われていた人物が、終盤に入り突然名探偵に豹変する流れもどこか取って付けたように感じ、最後に開かされる黒幕の存在もいささかやり過ぎのきらいがあるように思えてしまう。(どんでん返しもやり過ぎると却ってくどさだけが残ってしまうのでは?) 個人的には、現実の15年という時の持つ重みがあまりにも軽く書かれていることに、最も違和感を感じてしまったことが残念でした。 (15年間まったく話題にもならなかったことが、昨日のことのように思い出されるものでしょうか? また何も云わずに普通に生活していけるものなのでしょうか?) 是非人間が描けている作品を期待したいと思います。 | ||||
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書名は、応募時の『コンダクターを撃て』よりも内容に合っているとは思いますが、これだと完全とは言えないかもしれませんが、トリックが分かってしまいます。 叙述には工夫がこらされていますが、弥生の“悪人”ぶりがイマイチで、犯人が類推しやすいことにも難点があります。 | ||||
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雪山の別荘で起きた事件について,自らが犯人であるという男の告白で始まる物語. 犯人だけでなく動機も語られ,回想を中心に事件を振り返る様子は倒叙形式のようで, 時効を間もなくにした雪の夜,告白の相手に対してその真相を当てるように促す流れは, その手段が焦点となり,読む側は十五年前の彼らのやり取りに目を向けることになります. そして告白が終わり,物語は期待通り(?)あの夜の『裏』へと移っていきますが, トリックと人々の思惑,二重の意味となったタイトルには巧いと思わせられたものの, 残念ながらそれ以外は蛇足の感が強く,繰り返される新事実の登場にはクドさが先に. 加えて,急に流れに割り込み,全てを知る存在として振る舞う探偵役の都合の良さや, 彼の自分に酔ったような言い回しが鼻につき,一気にしらけて興味がしぼんでいきます. 何より,重荷を抱えて立ち去る男をそのままに,裏側のさらにその『奥』へ進み続け, 探偵役の男性と告白相手の女性,二人を絡めて穏やかに畳む結末には違和感が残ります. | ||||
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雪に閉ざされた別荘に集った同じ大学のゼミ仲間のひとりが毒殺される。容疑者は4人。どうやって被害者を毒殺したのかを容疑者たちが推理するという内容。 序盤の導入から、基本的に「犯人」の告白で始まり、事件当日の過去の話を語るという形式で進みますが、終盤のどんでん返しまでは全体的にスローテンポ。他の人の指摘にも多いように、ちょっと文章が修辞的(悪く言えば自己陶酔的)な表現が多すぎて、読んでいて気恥ずかしくなると言うか、冗長気味になっているのが気になります。ああ言う表現は出しすぎると逆効果になると思います。 最後に至るまでにある何度かの「どんでん返し」の真相は、運の要素が強いものの見事にタイトルの意図を表していて秀逸。毒殺の「ハウダニット」に特化した理由が最終章で判明します。 ただ、最終的に真相を看破するあの人が、それまで基本的に事件に無関係だったのに、あそこまで聡明なキャラとして探偵役を担うところはちょっと不自然に感じました。無関係だからこそ真相を看破できたとも言えるのですが。 ミステリーとしては地味なテーマである「毒殺」に特化して作品を仕上げた作者さんの「こだわり」は大いに評価しますが、全体的に展開が地味でスローテンポである事、自己陶酔的な文章表現が多い事、被害者の「殺されても当然な人物」としての描かれ方が露骨な事、基本的に事件が終わっているため連続殺人に発展するような緊迫した展開にならない事など、プラスマイナスで個人的には★は3つといったところでした。 | ||||
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東北大学法学部卒ということで、同大学法学部中退の伊坂幸太郎さんの後輩にあたる新鋭作家のデビュー作品になります☆ 巧妙かつ緻密に仕掛けられた数々の伏線とトリック!ラスト50ページでは、衝撃の真実が明らかになり、大どんでん返しと驚きの連続でした(^o^) 随所にちりばめられた伏線が、最後には意味をなして上手に収まるところがすばらしかったです☆神がかり的な暗示が、偶然にも多数、重なるエンディングは、見事としか言いようがありませんでした。 実際には実行は難しいだろうと思われるトリックも、本格推理のパズルとしては十分に楽しませて貰いました。 ストーリーも人間ドラマとしても十分に読みごたえがありました。このようなハッピーエンディングは大好きですね☆ 気になったことですが、難解な漢字や文章表現が多く、偏頭痛がすることがたびたびありました☆同大学の文学部卒業ですが、読めなかった難読漢字が300字くらいはありました(T_T) 複数の人物の台詞だけの会話が次々と記述されることが多く、文脈から判断しても誰の発言か分かりづらい箇所があり、とてもストレスがたまりました(>_<) 326ページの長編小説なのですが、168ページでやっと事件が起きます。本格的な推理劇は200ページ過ぎから始まります。前半の話しがとても長くダルイんですね☆確かに伏線は多数、仕掛けられているのですが、もう少し読んでいておもしろいドキドキ&ハラハラなストーリーにできなかったのでしょうか?前半の170ページは、50ページくらいにおさめることができると思います。 終盤のトリックの解決編では、一覧表みたいな(人物&アリバイ&食べたもの&食べなかったものの一覧)の提示が絶対不可欠だと思いました(例 綾辻行人氏の時計館の殺人や江戸川乱歩の魔術師、二階堂黎人氏の地獄の奇術師のように・・・)すごく分かりにくく混乱しました☆ 名前もリアリティがなく、感情移入が全く出来ませんでした。これまで何万人という実在する多くの方々の名前を見てきましたが、本書に登場する名字や名前の人物は一度もお目にかかったことはありませんでした(T_T) いずれにしても次回作が楽しみな作家です☆ | ||||
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本格推理では王道である、「閉ざされた雪の山荘」といった、典型的なCC(クローズドサークル)もの ではあるのだが、かなり変形というか、一風変わった作りになっている。登場人物が少ないので、複雑 過ぎて頭が混乱するということはない。その意味ではシンプルで良いのだが。 作者は法学部卒らしいが、法学部の講義で扱われるような難解というかややこしい記述が一部にあ るのがちょっと鼻につく。その他、持って回った言い方や、不要とも思える修辞もちょっと過剰だろうか。 普通ならひらがなに開くような漢字をルビなしで使っている箇所が多々あり、リーダビリティーを下げて いる。もしかして、作者の教養レベルの高さを主張したいのだろうか? そんなものはかなぐり捨てた方 が読者のためでもあり、本人のためにもなると思う。 本格ものにつきものの「どんでん返し」は、あるにはある。いや、それが二重にも三重にもあるという念 の入れようだ。だが、それぞれが決して意表を突くようなものでもないし、インパクトもあまりない。単に 結末の部分が冗長になっているだけだと感じた。早く先を読んでみたいと思わせる推進力もあまりない。 全体を通して見ると、音楽、薬学、絵画、法律、等々、ペダンチックな知識がちりばめられているが、それ がかならずしも功を奏していない。 本格推理好きの読者の中には、「パズラー」を好む人もいるだろう(私はあまり好きではないが)。そう いう人には向いているかというと、決してそうでもない。そのあたりが「中途半端な本格推理」であり「読 後感の良くないCC」という結果に通じていると思う。 少なくとも、「お勧めするかしないか?」と問われれば、「お勧めしない」と私なら答える。 さて、この 作者、今後ヒットを放てるのだろうか? | ||||
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名門早川書房の賞でありながら、あまり知名度のないアガサクリスティー賞受賞作。 王道の雪で閉ざされた山荘での殺人ものだが、クローズドサークルものでは異色と言える、最初から犯人が分っており、殺害されるのも分っているというのが本書の特徴。殺害方法も毒殺で一人だけと、どのような方法で毒を仕込んだのかというハウダニットに拘った作品である。 この設定をとっている故に、通常のクローズドサークルものの定番である、犯人は?次の犠牲者は?殺害方法は?というサスペンスを盛り上げる要素が排除されてしまっているので、どうしても間延びした印象を与えるのは否めない。 なぜ、著者がわざわざサスペンス要素を除外してまでもこの地味なハウダニットに拘ったのかはラストで非常に理解できる作りになっているが、そこに行くまでがやや平坦なので全体の読後感としても盛り上がりに欠ける印象なのは惜しい。 ラストのどんでん返しも先行作品があり、取り分けて斬新な落ちでもないのだが、デビュー作としてはよく出来ている方ではないかと思う。 | ||||
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クリスティ賞受賞に惹かれて購入しました。 ミステリーの構成力はとても重厚で読みごたえは確かにある。 文章については賛否両論でしょう。私は重厚で仰々しすぎるものは頭が痛くなるので、歓迎しません。 小説の読みやすさは、文章の平易さの力も大きい。飾り立てたくなる気持ちも分かりますが、深すぎる考察は大事なところだけにした方が作品が光ると思う。 どうしても持って回った修飾文が書きたければ、それは詩作でお願いしたいです。 つまるところこの作品については、プロットも文章も複雑すぎ。 偶然の重なりすぎる構成、なにもかもを知りすぎている「夫」(どんな人生歩んでるんだ、一介の喫茶店の主人があり得ないだろと言いたくなる)。 紙の上の作品としてはよくできているのですが、その出来過ぎ感があまりにも現実感を薄め、登場人物の悲哀が全く胸に迫ってきません。 プロットありきの登場人物なのです。被害者しかり、犯罪者しかりです。なかでもコンダクターの描写は本当に残念。ネタバレになるので省きますが、コンダクターの道徳的過ちは人間が償いきれないほどのものだし、なによりも悪質すぎる。人をなんだと思っているのでしょうか。吐き気が来ました。 まるで誰かが悪意ある悪い遊びを仕掛けたような読後感の悪いお話でした。 プロットと人物と、両方書けての小説です。 私はお勧めしません。 | ||||
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吹雪に閉ざされた山荘でおきた毒殺事件を描く、近年では珍しいほどストレートな本格ミステリ。 「弥生を殺したのは俺だよ」という告白で始まる本書は、「龍太はいかにして弥生を毒殺したのか」というハウダニットを核にストーリーを展開していく。 ここ数年の本格ミステリの新人を見渡すと、青崎有吾がフーダニット、梓崎優がワイダニットにこだわる作品で注目を浴びるなど、独自の武器を持った作家が多いように感じる。 この点、本書の著者は、ハウダニットを武器に本格ミステリを描いているように思わせる。ただしこれは著者のミスリードであり、毒殺トリックが明かされた後に待ちうける怒涛のどんでん返しへの伏線と言えよう。 やりすぎの感もあるが、最終的に明かされる事件の構図はかなり衝撃的だ。 有栖川有栖は選評で「クリスティー風の本格ミステリ」と述べているが、トリッキーな作風と抒情性ある文体は、むしろ連城三紀彦や泡坂妻夫への傾倒を感じる。 奇しくも本書が発売されたのは、連城三紀彦が没したわずか六日後だ。かつて横溝正史の死と符号するように「占星術殺人事件」で島田荘司が登場したように、本書の著者にも持ち味を活かした活躍を期待したい。 | ||||
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