僧正殺人事件
評判
僧正殺人事件の評価:
4.30/5点 レビュー 33件。 B ランク
Amazonレビュー一覧
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全3件 1〜3 1/1ページ
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僧正殺人事件の評価:
4.30/5点 レビュー 33件。 B ランク
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マザーグースの歌詞と同じ内容の殺人が次々と起こるが事件自体としては荒唐無稽であり現実味が感じられない。「もっとも陰険で、もっとも奇怪で、見たところもっとも納得のいかない、確かにもっとも戦慄すべき事件」(p9)とあるが読後感はどちらかというと浅薄な印象だった。犯行の動機も一般論で片づけられており個人の内面までは明らかにされていない。「悪夢のような事件」(p215)といった記述が出て来るが全体的に深刻さに欠けており前半はあまり興味が湧かなかった。後半からは緊迫感が出て来るが解決は今一つ納得がいかなかった。
伏線はほとんどなく読者を惑わすだけのミスディレクションが多すぎる。数学や現代物理学の用語がたくさん出て来るが事件との関わりはなく「テンソルの公式」もそれほどの意味はない。ヴァンスが述べる心理学的な分析も数学者への偏見ではなかろうか。犯罪はやはり個人的な動機から生まれるものであり一般論での説明では納得がいかない。
数学や現代物理学に関する作者の博識ぶりには圧倒されたが、表面的な内容にとどまっているようにも思われる。実際の学者がこういう会話をするか疑問を感じる場面もあった。例えば「いつもポテンシャルだとか、スケラーだとか、ヴェクターだとかいってドラッカーに質問してますよ」(p183)という数学者のアーネッソンの言葉があるが、このような基本的な数学用語を素人相手に日常的な会話で使うだろうか。
実務家のヒース部長刑事と理論家の名探偵ヴァンスとの対立はこのシリーズの読み応えのあるところの一つなのであるが、本作ではヒースがヴァンスに迎合しているような場面もありやや興ざめであった。
なお、中島河太郎氏による解説が面白かった。ヴァン・ダインの人気がこれほどまでだったとは!