カナリヤ殺人事件

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評判

カナリヤ殺人事件の評価:

4.05/5点 レビュー 41件。 B ランク

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平均点4.05pt

Amazonレビュー一覧

Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全75件 41〜60 3/4ページ
No.35
(5pt)

機械的トリック

ブロード・ウェイの名花「カナリア」が密室で殺害される。映画「カナリア殺人事件」に出演したジーン・アーサーは
「スミス都へ行く」「平原児」などでも活躍、演技派のいい女優さんですね。
事件は機械的トリックで密室を構成しようと企てた犯人に対し、ヴァンスはポーカーで犯人を心理的に追い詰めようと
挑む展開となるが、果たしてその結末は?
前作と比較して完成度は上がっている。
カナリヤ殺人事件 (創元推理文庫 103-2) Amazon書評・レビュー: カナリヤ殺人事件 (創元推理文庫 103-2)より
4488103022
No.34
(5pt)

運命的な出会い

ヴァン・ダイン、懐かしい名前です。40年ぶりに目にする内容は、当時にタイムスリップしたような感覚で、
〜殺人事件と12作品全部が統一されたタイトルに惹かれて読んだのが、この「ベンスン殺人事件」でした。
驚いた事に、この探偵、最初は何を言っているのか理解できず、やたら目につく(注)の部分を読むのに忙しく、
ストーリーが混乱して来るのをこらえて読んでいくうち、これは面白いと感じ始め。あとは夢中になりました。
解説において、聞き慣れない「ペダンチックな探偵」とあり、調べた結果、衒学的な、学者ぶったの意で、
むやみに難解な表現や生半可な知識を振り回し、自分の学識をひけらかす態度を言う。
なるほど、その通りと思いつつも、この皮肉たっぷりな探偵が気にいり始めていた。
心理分析の妙、これが事件解決に導いた。
カナリヤ殺人事件 (1959年) (創元推理文庫) Amazon書評・レビュー: カナリヤ殺人事件 (1959年) (創元推理文庫)より
B000JASQLQ
No.33
(5pt)

運命的な出会い

ヴァン・ダイン、懐かしい名前です。40年ぶりに目にする内容は、当時にタイムスリップしたような感覚で、
〜殺人事件と12作品全部が統一されたタイトルに惹かれて読んだのが、この「ベンスン殺人事件」でした。
驚いた事に、この探偵、最初は何を言っているのか理解できず、やたら目につく(注)の部分を読むのに忙しく、
ストーリーが混乱して来るのをこらえて読んでいくうち、これは面白いと感じ始め。あとは夢中になりました。
解説において、聞き慣れない「ペダンチックな探偵」とあり、調べた結果、衒学的な、学者ぶったの意で、
むやみに難解な表現や生半可な知識を振り回し、自分の学識をひけらかす態度を言う。
なるほど、その通りと思いつつも、この皮肉たっぷりな探偵が気にいり始めていた。
心理分析の妙、これが事件解決に導いた。
カナリヤ殺人事件 (1957年) (世界推理小説全集〈第32巻〉) Amazon書評・レビュー: カナリヤ殺人事件 (1957年) (世界推理小説全集〈第32巻〉)より
B000JAXVX4
No.32
(5pt)

面白かった

ヴァン・ダインのファンとして昔読んだ本ですが、最近は入手困難でKindleで読めてよかった。いろいろな評判はありますが、今でも面白い作品だと思いました。
カナリヤ殺人事件 (1950年) (ぶらつく選書〈第9〉) Amazon書評・レビュー: カナリヤ殺人事件 (1950年) (ぶらつく選書〈第9〉)より
B000JBHB20
No.31
(5pt)

面白かった

ヴァン・ダインのファンとして昔読んだ本ですが、最近は入手困難でKindleで読めてよかった。いろいろな評判はありますが、今でも面白い作品だと思いました。
カナリヤ殺人事件 (1954年) (世界探偵小説全集) Amazon書評・レビュー: カナリヤ殺人事件 (1954年) (世界探偵小説全集)より
B000JB5L9K
No.30
(5pt)

面白かった

ヴァン・ダインのファンとして昔読んだ本ですが、最近は入手困難でKindleで読めてよかった。いろいろな評判はありますが、今でも面白い作品だと思いました。
カナリヤ殺人事件 (1961年) (角川文庫) Amazon書評・レビュー: カナリヤ殺人事件 (1961年) (角川文庫)より
B000JAN8S2
No.29
(5pt)

面白いんです!

こんなに面白い小説なのに、五つ星の評価が無いなんて悲しいです!
私は我ながら変な読者で、一連のヴァン・ダイン作品をミステリーだと思っていません。私はこれらを、「1930年頃のアメリカという暗い森の中を、ヴァンスとマーカムの二人が駆け抜ける冒険物語」だと思っています(ヒース部長も入れると三人ですが)。はっきり言えば、トリックの部分はどうでも良いです。もちろん、読んで行く目的のひとつではありますが、それ以外のところが面白過ぎるのです。昔からペダンチックと言われていますが、そのペダントリーも含めて、小説としてこれほど面白い読み物は滅多にあるものではありません。
その魅力はなんといっても、ユーモアとペーソス。社会批判精神。アメリカ社会をとことん軽蔑しながらも、その具現のようなマーカム検事を心から愛している、ヴァンスの人間臭さ。そんなヴァン・ダインの愛すべき作風に、私は若い頃夢中になりました。何か面白いものがないかと探していた若い私を、第二次大戦前の、なにかしら社会の空気が澱んでいるような時代のアメリカという別世界へ、手を引いて連れて行ってくれた小説、それがヴァン・ダインでした。
ヴァンスはひねくれ者で、毒舌だけれど、その言葉は胸のすくようなものばかり。性格は、実はちょっとシャイで、たまにマーカムに真心のこもったことを言われたりすると、すごく照れる。夢枕貘さんの『陰陽師』の、安倍晴明と源博雅の関係に少し似ているので、『陰陽師』ファンの方は楽しめるかも知れませんね。
私は評価の低い後半の作品まで全部好きですが、一番はやはりこの『ベンスン』で、次が『ケンネル』と『ガーデン』です(どなたからも賛同は得られないラインナップですね。笑)。
『ベンスン』は第一作なので、やはり作者の気合いの入り方が違います。まだの方は『グリーン』や『僧正』から読まないで、是非ともこちらから。面白いですよ!
(ちなみに、新訳が刊行され始めましたが、やはり私は井上勇先生の翻訳が好きです。)
カナリヤ殺人事件 (1959年) (創元推理文庫) Amazon書評・レビュー: カナリヤ殺人事件 (1959年) (創元推理文庫)より
B000JASQLQ
No.28
(5pt)

面白いんです!

こんなに面白い小説なのに、五つ星の評価が無いなんて悲しいです!
私は我ながら変な読者で、一連のヴァン・ダイン作品をミステリーだと思っていません。私はこれらを、「1930年頃のアメリカという暗い森の中を、ヴァンスとマーカムの二人が駆け抜ける冒険物語」だと思っています(ヒース部長も入れると三人ですが)。はっきり言えば、トリックの部分はどうでも良いです。もちろん、読んで行く目的のひとつではありますが、それ以外のところが面白過ぎるのです。昔からペダンチックと言われていますが、そのペダントリーも含めて、小説としてこれほど面白い読み物は滅多にあるものではありません。
その魅力はなんといっても、ユーモアとペーソス。社会批判精神。アメリカ社会をとことん軽蔑しながらも、その具現のようなマーカム検事を心から愛している、ヴァンスの人間臭さ。そんなヴァン・ダインの愛すべき作風に、私は若い頃夢中になりました。何か面白いものがないかと探していた若い私を、第二次大戦前の、なにかしら社会の空気が澱んでいるような時代のアメリカという別世界へ、手を引いて連れて行ってくれた小説、それがヴァン・ダインでした。
ヴァンスはひねくれ者で、毒舌だけれど、その言葉は胸のすくようなものばかり。性格は、実はちょっとシャイで、たまにマーカムに真心のこもったことを言われたりすると、すごく照れる。夢枕貘さんの『陰陽師』の、安倍晴明と源博雅の関係に少し似ているので、『陰陽師』ファンの方は楽しめるかも知れませんね。
私は評価の低い後半の作品まで全部好きですが、一番はやはりこの『ベンスン』で、次が『ケンネル』と『ガーデン』です(どなたからも賛同は得られないラインナップですね。笑)。
『ベンスン』は第一作なので、やはり作者の気合いの入り方が違います。まだの方は『グリーン』や『僧正』から読まないで、是非ともこちらから。面白いですよ!
(ちなみに、新訳が刊行され始めましたが、やはり私は井上勇先生の翻訳が好きです。)
カナリヤ殺人事件 (1957年) (世界推理小説全集〈第32巻〉) Amazon書評・レビュー: カナリヤ殺人事件 (1957年) (世界推理小説全集〈第32巻〉)より
B000JAXVX4
No.27
(4pt)

好きだ!

ヴァン・ダインのミステリィには、魅力的な犯人が多い。
本作では、欲望の虜となって破滅した自分を嘆く姿が印象的だ。
思わず同情してしまう。
そんな所にすごく惹かれる。
カナリヤ殺人事件 (1959年) (創元推理文庫) Amazon書評・レビュー: カナリヤ殺人事件 (1959年) (創元推理文庫)より
B000JASQLQ
No.26
(4pt)

好きだ!

ヴァン・ダインのミステリィには、魅力的な犯人が多い。
本作では、欲望の虜となって破滅した自分を嘆く姿が印象的だ。
思わず同情してしまう。
そんな所にすごく惹かれる。
カナリヤ殺人事件 (1957年) (世界推理小説全集〈第32巻〉) Amazon書評・レビュー: カナリヤ殺人事件 (1957年) (世界推理小説全集〈第32巻〉)より
B000JAXVX4
No.25
(4pt)

好きだ!

ヴァン・ダインのミステリィには、魅力的な犯人が多い。本作では、欲望の虜となって破滅した自分を嘆く姿が印象的だ。思わず同情してしまう。そんな所にすごく惹かれる。
カナリヤ殺人事件 (創元推理文庫 103-2) Amazon書評・レビュー: カナリヤ殺人事件 (創元推理文庫 103-2)より
4488103022
No.24
(4pt)

好きだ!

ヴァン・ダインのミステリィには、魅力的な犯人が多い。
本作では、欲望の虜となって破滅した自分を嘆く姿が印象的だ。
思わず同情してしまう。
だから好きだ!
カナリヤ殺人事件 (創元推理文庫 103-2) Amazon書評・レビュー: カナリヤ殺人事件 (創元推理文庫 103-2)より
4488103022
No.23
(4pt)

今読んでの読みどころ

探偵のウンチクがわずらわしいと思えるときもありますが、刊行から半世紀以上経過した
今になって読んでも、それなりに楽しめます。
物語の終盤に探偵はそれぞれの容疑者の不利な点を次々に明らかにする一方、犯人が
見つかったと喜ぶ警察を尻目にその片端から犯人であることを否定していきます。
ここで作者が示したかったことは、物的、状況証拠から提示される犯人がいかに
曖昧であるかという点と、翻弄される警察陣の対比としての神のごとき名探偵の姿かと
思います。
作者が意図したかは分かりませんが、これはテクスト(=証拠)の解釈について、
ミステリーが前提とする一義性を否定するもので、ミステリーについての根源的な
問いにつながるのではないでしょうか?
一方、訳文の漢字/ひらがなの使い方が、私の慣れた文章と大分異なるようで、読み
にくかったため星は一つマイナスとしました。
カナリヤ殺人事件 (1959年) (創元推理文庫) Amazon書評・レビュー: カナリヤ殺人事件 (1959年) (創元推理文庫)より
B000JASQLQ
No.22
(4pt)

今読んでの読みどころ

探偵のウンチクがわずらわしいと思えるときもありますが、刊行から半世紀以上経過した
今になって読んでも、それなりに楽しめます。
物語の終盤に探偵はそれぞれの容疑者の不利な点を次々に明らかにする一方、犯人が
見つかったと喜ぶ警察を尻目にその片端から犯人であることを否定していきます。
ここで作者が示したかったことは、物的、状況証拠から提示される犯人がいかに
曖昧であるかという点と、翻弄される警察陣の対比としての神のごとき名探偵の姿かと
思います。
作者が意図したかは分かりませんが、これはテクスト(=証拠)の解釈について、
ミステリーが前提とする一義性を否定するもので、ミステリーについての根源的な
問いにつながるのではないでしょうか?
一方、訳文の漢字/ひらがなの使い方が、私の慣れた文章と大分異なるようで、読み
にくかったため星は一つマイナスとしました。
カナリヤ殺人事件 (1957年) (世界推理小説全集〈第32巻〉) Amazon書評・レビュー: カナリヤ殺人事件 (1957年) (世界推理小説全集〈第32巻〉)より
B000JAXVX4
No.21
(4pt)

唯一無比の ヴァンダイン?

ポーカーの件などで、賛否両論があるみたいですが、僕的にはこれはまったく問題ないと思っています。 私立…というより、趣味の名探偵ですから、犯人がわかればそれでよい。動かぬ証拠などは、その後の検事などの仕事ですから。 そういう意味では、レコードの証拠は蛇足。
 グリーン家や僧正は、高く評価されすぎて類似品?…(横溝やクイーン)が多発しているのに比べ、大戦後のバブリーなアメリカが伝わってくる「カナリア」や、前作の「ベンスン」の方が、僕としてはヴァンダインの「アク」が出ていて楽しめる。 キザでイヤミで"そんなばかな!"的名探偵という意味でも、この作品を持ってヴァンダインの代表作としたい。
カナリヤ殺人事件 (1959年) (創元推理文庫) Amazon書評・レビュー: カナリヤ殺人事件 (1959年) (創元推理文庫)より
B000JASQLQ
No.20
(4pt)

唯一無比の ヴァンダイン?

ポーカーの件などで、賛否両論があるみたいですが、僕的にはこれはまったく問題ないと思っています。 私立…というより、趣味の名探偵ですから、犯人がわかればそれでよい。動かぬ証拠などは、その後の検事などの仕事ですから。 そういう意味では、レコードの証拠は蛇足。
 グリーン家や僧正は、高く評価されすぎて類似品?…(横溝やクイーン)が多発しているのに比べ、大戦後のバブリーなアメリカが伝わってくる「カナリア」や、前作の「ベンスン」の方が、僕としてはヴァンダインの「アク」が出ていて楽しめる。 キザでイヤミで"そんなばかな!"的名探偵という意味でも、この作品を持ってヴァンダインの代表作としたい。
カナリヤ殺人事件 (1957年) (世界推理小説全集〈第32巻〉) Amazon書評・レビュー: カナリヤ殺人事件 (1957年) (世界推理小説全集〈第32巻〉)より
B000JAXVX4
No.19
(4pt)

唯一無比の ヴァンダイン?

 ポーカーの件などで、賛否両論があるみたいですが、僕的にはこれはまったく問題ないと思っています。 私立…というより、趣味の名探偵ですから、犯人がわかればそれでよい。動かぬ証拠などは、その後の検事などの仕事ですから。 そういう意味では、レコードの証拠は蛇足。
 グリーン家や僧正は、高く評価されすぎて類似品?…(横溝やクイーン)が多発しているのに比べ、大戦後のバブリーなアメリカが伝わってくる「カナリア」や、前作の「ベンスン」の方が、僕としてはヴァンダインの「アク」が出ていて楽しめる。 キザでイヤミで"そんなばかな!"的名探偵という意味でも、この作品を持ってヴァンダインの代表作としたい。
カナリヤ殺人事件 (創元推理文庫 103-2) Amazon書評・レビュー: カナリヤ殺人事件 (創元推理文庫 103-2)より
4488103022
No.18
(4pt)

現代長編ミステリの幕開け

ヴァン・ダインの記念すべき処女作。本作以前にも長編ミステリは存在したが、現代風の骨格を持った長編ミステリとしては嚆矢と言える。それまでのミステリでは当然のごとく"物的証拠"を重視していたが、本作と次作の「カナリア」では"心理的証拠"を前面に押し出しているのが特徴。

作中で、「ウサギが走っているのを見た10人の大人が白いと言い、1人の子供が黒いと言ったら、どちらを信じる」と聞かれたヴァンスが「僕は10人の眼の悪い大人も、眼の良い子供も信じない。信じるのは心理的証拠だけだ」と答えるのが真骨頂。

また、結末近くで、容疑者の所を次々と廻り、一見犯行不可能な人物が実際には物理的には犯行が可能だったことを示す。しかし、皆、"心理的"には犯人ではないと切って捨てる。そして、最後に訪れた人物(検事マーカムの友人でもある)に対しても、そのアリバイを崩し、"心理的"にも犯人である事を告げる。ヴァン・ダインから国外ミステリに入った読者には痺れる展開である。

心理的証拠を前面に出し、現代ミステリの骨格を創った記念碑的作品。
カナリヤ殺人事件 (1959年) (創元推理文庫) Amazon書評・レビュー: カナリヤ殺人事件 (1959年) (創元推理文庫)より
B000JASQLQ
No.17
(4pt)

現代長編ミステリの幕開け

ヴァン・ダインの記念すべき処女作。本作以前にも長編ミステリは存在したが、現代風の骨格を持った長編ミステリとしては嚆矢と言える。それまでのミステリでは当然のごとく"物的証拠"を重視していたが、本作と次作の「カナリア」では"心理的証拠"を前面に押し出しているのが特徴。

作中で、「ウサギが走っているのを見た10人の大人が白いと言い、1人の子供が黒いと言ったら、どちらを信じる」と聞かれたヴァンスが「僕は10人の眼の悪い大人も、眼の良い子供も信じない。信じるのは心理的証拠だけだ」と答えるのが真骨頂。

また、結末近くで、容疑者の所を次々と廻り、一見犯行不可能な人物が実際には物理的には犯行が可能だったことを示す。しかし、皆、"心理的"には犯人ではないと切って捨てる。そして、最後に訪れた人物(検事マーカムの友人でもある)に対しても、そのアリバイを崩し、"心理的"にも犯人である事を告げる。ヴァン・ダインから国外ミステリに入った読者には痺れる展開である。

心理的証拠を前面に出し、現代ミステリの骨格を創った記念碑的作品。
カナリヤ殺人事件 (1957年) (世界推理小説全集〈第32巻〉) Amazon書評・レビュー: カナリヤ殺人事件 (1957年) (世界推理小説全集〈第32巻〉)より
B000JAXVX4
No.16
(4pt)

機械的密室を扱った最初の長編ミステリ

シリーズの第2作。デビュー作に続いて「心理的証拠」を前面に押し出している。このため、容疑者を集めてカード・ゲームをするのだが、それがポーカーなのだ。ヴァンス程の知識人ならより論理的なブリッジ(コントラクト・ブリッジのこと、セブン・ブリッジではない)を選びそうなのだが、そうではなく賭博性の高いポーカーを選ぶところが興味深い。そこから得られる結論は強引過ぎる気がするが。このせいか、3作目以降は「心理的証拠」は影を潜めた。

そして、本作の特徴は長編ミステリとして(私の知る限り)初めて機械的密室を扱っている点だ。現在でこそ、機械的密室は嫌われる傾向にあるが、当時は「黄色い部屋」、「ビッグ・ボウ」等の心理的トリック、「モルグ街」、「まだらの紐」等のある物にしか通用しないトリック等が主流で、本作のように外から機械的に密室を構成し、もう一つの仕掛けを使って、犯人のアリバイを築く手法は当時は斬新だったろう。

また、上記の「もう一つの仕掛け」が暴かれるキッカケがヴァンスのハイブロウな趣味だという点も皮肉が効いていて面白い。ヴァンスの衒学志向が活きる時もあるのだ。全体的に洗練されたストーリー展開で、デビュー作と本作とで長編ミステリの基礎を築いた記念碑的作品。
カナリヤ殺人事件 (創元推理文庫 103-2) Amazon書評・レビュー: カナリヤ殺人事件 (創元推理文庫 103-2)より
4488103022