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日本の黒い霧
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日本の黒い霧の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.45pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全123件 61~80 4/7ページ
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ノンフィクションに、清張が脚色をつけて、なかなか面白いと思うのだが、自分は、物語の中に入りこめず、下巻の、半分で挫折。 | ||||
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解説でも触れているように、松本清張は本作を本業である推理小説仕立てのフィクションではなく、あえてノンフィクションの形式で本質に迫っている。上下巻を通奏低音のように貫いているのは、アメリカの、いやアメリカではなく自分の党派に、あるいは自分自身の利益のために祖国・日本を好き勝手に改変しようとする傲慢でご都合主義なGHQと、それに便乗して理を貪る日本人への静かな、しかし激しい怒りに他ならない。GHQは自身を善玉、日本の古い体制を悪玉と単純化する一方で、自分に都合の悪いことは、アメリカ国内では絶対にできないような横暴なやり方で封印した。そのため、これらの事件を証明する証拠の多くはすでに隠滅され、司法を通じた究明はまず不可能だが、松本清張は小説の形でかなりの程度まで本質に迫っている。執筆当時は、まだGHQによって利益を得た輩がエスタブリッシュメントに多く残っていた時代だから、彼への圧力は大変なものがあったはずだが、それに屈せず最後まで筆を進めたその功績は見事である。 もちろん、伊藤律に関する考察や、朝鮮戦争に関する論述は、時代を経て公開された証拠が松本説を突き崩しており、その意味では大岡昇平による批判が正しかった面もある。しかし、それもこれも、GHQとそれに連なる勢力が、証拠を封印し続けたことが原因であり、こうした内容の誤謬があるからといって、作品自体の価値を貶める事はない。 戦前・戦中に関する歴史は国内外の学者やジャーナリスト、あるいは政治家によってずいぶん解明が進み、大いに議論を呼んでいる。しかし、ことGHQの絡む戦後史に関しては、未だに封印されたままで、ある意味タブーと化していると言ってもいい。戦後のGHQの政策が日本に何をもたらしたのかを公にしなければ、真の意味での日本の独立はないのではないか。本書を読んで、その思いを強くした。 | ||||
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そこそこおもしろく読んだけど、この人が本作でいろいろと憶測でGHQによる他殺だと言ってること、朝日新聞の矢田記者がそれに追隋してGHQによる他殺だと言ってることで、下山事件は真実がわからなくなってしまったのではないかと感じます。 このお二方は証拠も裏付けもなしに憶測の憶測の憶測・・・みたいな感じなので、なんだかなぁ、って思いましたし、共産党の言い分をなぞっているだけだと感じました。 下山本は色々読みましたが、推論に推論を重ねている感じの方が多く、真実ではなく妄想要素が占める割合が多すぎると感じます。 なので他殺論の本を読めば読むほど、下山総裁は自殺だったような気がしてしまうのです。 | ||||
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松本清張作はいずれの本も凄さが感じられます 世の中は霧だらけ・・・・・。 | ||||
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下山事件の本と共にこの本の内容も凄いです 松本清朝の本には世の中を鋭い目でみています。 | ||||
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小説と言う建前ですが、事件簿として読んでもいいのではないでしょうか? ここに書かれた全ての不可解な事件がGHQへと集約されていくわけですが……。 これを出しても殺されないのは「言論の自由が確立された」と言うより、「既に過去の事として片づけられているから」ですよね。 被害者も冤罪被害者もいらっしゃるのに、うやむやで、救済も名誉回復もされていませんね。 霧が晴れることはないのでしょうか? | ||||
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わかってはいるが下山事件と、木星号事件は何度読んでもワクワクします。 | ||||
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団塊の少し下の世代として戦後日本の大きな事件、事故の 数々。上下合わせて読んでおきたい一冊です。 | ||||
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『日本の黒い霧(全)』の最終章【「もく星」号事件の補筆】は、次のような不可解な一文で締めくくられている。 「スチュワード機長は死の寸前、雲中に瞬間的に現われた何か虹のような物体でも見て、眼がくらんだのか。」 さあー、陰謀論=謀略史観の人々には何とでも料理できるエサですなぁ。まあ、最も一般的な「真相」は、次のようなものでしょうか? 「1947年のロズウェル事件から5年が経過している。日本の人気作家・松本清張に何らかの示唆を与えて筆を執らせ、異星人が既に地球に来ていることを、それとなく大衆に告知したのだ。云々」 さあー、陰謀論=謀略史観の人々よ。そうじゃないですよね。「もく星」号事件の真相は。さあー、聞かせて下さい。私だけに。日本であなただけが、いや世界であなただけが知っている真相を。さあー、どうぞ。おひとつ。是非!おひとつ! というように、陰謀論=謀略史観なんて無邪気で無責任で無節操なもの。相手にするだけ時間の無駄。ところがだ、お立ち会い、清張の「日本の黒い霧」自体がそうだとしたら、お主、何とする? (追記) 「1947年のロズウェル事件から5年が経過している。日本の人気作家・松本清張に何らかの示唆を与えて筆を執らせ、異星人が既に地球に来ていることを、それとなく大衆に告知したのだ。云々」 この根拠は清張さんが多用する言い回しを借りれば、「既に異星人が地球に来ていないとは言い切れまい。」すごいですね、この理屈!Aでないとは言い切れまい=Aである、になるんだから。例えば、「従軍慰安婦」は強制連行された「性奴隷」ではなかったとは言い切れまい=「従軍慰安婦」は強制連行された「性奴隷」であった、になるんですよ。便利ですなぁ。ほとんどどんな主張も可能だ。素晴らしい。 | ||||
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不可解事は何でも「陰謀だ!謀略だ!」と決めてしまうセンチメント。これほど楽なものはない。不都合なこと、不愉快なことは全て他者のせいにする。何が起こっても自分の責任など考えもしない。自分に返ってくるものを全く考えない。全て人のせい。自分(たち)は被害者。「戦後民主主義」とやらが、このセンチメントの背景に濃厚にあるのは言うまでもない。陰謀論(謀略史観)は明治の昔からあるが、戦後の日本では左翼進歩史観と戦後民主主義教育、そして朝日・NHKをはじめとするマスコミのサポートにより、アメリカ批判の道具として活用されてきた。 戦後日本で起こった不可解な事件は全てアメリカまたは米軍の謀略とする「日本の黒い霧」の松本清張など、このチャンピオン。その影響力は今も絶大だ。「もう、それは間違いだと証明されていますよ」といくら言っても、清張流の陰謀論にはまっている人は聞く耳を持たない。例えば、以下に書いてみますよ。私が結局言いたいのはケですが。 ア・朝鮮戦争の先攻論争はソ連崩壊後の文書発掘で北の周到な戦争準備の下に始まったことは決着済。戦争開始の張本人(金日成)の後見人(スターリン)が白状しているんですよ。分が悪くなった陰謀論者の中では最近の先攻論争では「どっちもどっち論」が主流になっているが、狡いですね。卑怯ですね。潔くないですね。「アメリカ陰謀論」は幻だったんですか?あなたたちが言いふらしていたことですよ。お忘れですか? イ・下山事件も同様。「古畑鑑定」の誤りが科学的に実証されているにもかかわらず、驚くべきことに65年前の「古畑鑑定」を絶対視する人が今も多数いる。鑑定の誤り=自殺、という結論が困るんでしょうが。事実とイデオロギーを混同して恥じない方が圧倒的に多い。本当にすごいですね。 ウ・松川事件は真相不明。複雑な背景もあるようだ。しかし、現場付近の線路上で深夜目撃されたという「背の高い男たち」という真偽不明のネタで米軍犯行説を匂わす手口が今も横行している。 エ・帝銀事件。なぜこれが謀略事件なのか。よく分からない。旧731部隊関係者の犯行というイメージを植え付けたい松本さんの筆致だが、実証はゼロ。左翼の宣伝文書をいくら並べてもダメですよ。 オ・追放とレッドパージ。なぜこれが謀略なのか?アメリカの路線変更ってことでしょう。敵の第五列が攪乱・破壊工作を行うのを座視できるオメデタイ国はないですよ。ソ連や中国、北朝鮮は敵の内通者をどう処理するんですか?放置するんですか?ニコニコ遊ばせておくんですか? カ・鹿地亘事件。革命を売る男・伊藤律。ラストヴォロフ事件。国際政治は複雑。コミンテルン、コミンフォルムなど国際共産主義とアメリカをはじめとする西側情報機関との暗闘は目に見えないところで繰り広げられてきた。それが、何かのきっかけでひょっと表面に現れた。まあ、それだけのことでしょう。アメリカの活動は「謀略」。東側の活動は無視、ないしは黙認。フェアーじゃないですよ。「進歩陣営」の方々。 キ・もく星号事件。アメリカの管制ミス?それを隠そうとするのが謀略?謀略ってこんなことも含むんですか?松本さん。それじゃ、マスコミが自社の不祥事を隠蔽しようとするのも謀略ですね。左翼マスコミなら左翼謀略だ。 ク・征服者とダイヤモンド。戦時中の隠退蔵物資の話なんでしょう。自由党結成の資金になった。アメリカの軍人がネコババした。まあ、よく聞く話ですが。何か実証があるかと言えば、何もない。二大疑獄事件もそうですが、結局松本さんは保守党とアメリカがお嫌いなんですね。中国が共産党支配になった今も、幹部が賄賂・汚職のやりたい放題(信じがたい蓄財額!!!天文学的だ!!!)というあの国の伝統を継承していますが、これは黙認もしくは知らないことにする。日本の政治家やアメリカ人の不正はどんなものでも見逃さないぞ、というダブルスタンダード。お笑いですね。 ケ・白鳥事件。この事件が冤罪であろうがなかろうが、どんな理屈をつけても日本共産党が暴力革命路線の下で武装闘争を行っていたのは紛れもない事実。火炎ビン闘争は新左翼の発明じゃないんですよ。山村工作隊は何をしていたんですか?松本さんは「事件が起こると、権力側は共産党の仕業だと宣伝して、共産主義への恐怖を煽った」いう記述を多用しているが、共産主義者は実際に暴力で自由主義の日本国家を破壊しようとしていたんですよ。あれは幻だったんですか?「共産主義は危険」というのはイメージの問題ではなく、事実そうだったんですよ。違いますか?ありもしない幻だったんですか?共産主義者はその手段において平和主義なんて完全に否定していた時代だったんですよ。 以上いろいろ書きましたが、謀略論=陰謀史観は難病。人によっては不治の病かもしれない。ムダな作文でしたな。 (付記・私もかつてはこの本を愛読し、内容を120%信じていた左翼少年でした。ああ、無常!でも、右翼青少年が成長して左翼になったというお話を一度も聞いたことがありませんな。左翼ってそもそも無理があるモノなんでしょうなぁ!) | ||||
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戦後の不可解な事件に関して良く理解できていなかったので 本書を読んで参考になりました。 | ||||
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これも再版出版で10年経過はしていないが、所々に薄汚れがある、出版会社にもよるが文藝春秋社の文庫本の紙質は悪く、新潮社文庫の紙質の方が良い(紙質は薄いが)、だが読むのに支障は無い。 | ||||
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再版文庫本として10年経過していないが、所々に汚れはあるが読むのに支障は無く、良い。 | ||||
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下巻あとがきより、「私はこのシリーズを書くのに、最初から反米的な意識で試みたのでは少しもない。また、当初から、『占領軍の謀略』というコンパスを用いて、すべての事件を分割したのでもない。そういう印象になったのは、それぞれの事件を追求してみて、帰納的にそういう結果になったにすぎないのである。」。 先入観や偏見を持って見て捉えた訳では無く、主流メディアとは離れて独自に数多く細かく取材し、情報収集して詳細に分析し、客観的に捉えた上での結論として、戦後の不可解な事件の数々が「アメリカ占領軍の謀略」によるものと言う事に繋がったと言っています。そして決して「小説」では無く、あくまでも「ノンフィクション」、「実録」が本書に在ります。 最近はインターネットが発達して、一般のメディア・マスコミが報じない情報も、一般市民が簡単に入手する事が出来る様になっています。かつては権力が情報隠蔽しタブー化する事によって、その権力の保持や保身、欲望に繋げていました。また戦後68年(2013年現在)も経過している事、米国の疲弊もあって、その様な謀略の数々が安易に暴露される様にもなっています。しかし、著者がこの「実録」を社会に発表したのは、戦後1952年のサンフランシスコ講和条約発行後8年と間も無い頃であり、相当な勇気や決断が必要であったものと思います。当時はまだインターネットも勿論無く、現在に比較してメディアが発達していなかったせいもあり、特に一般市民においてこの「実録」は半信半疑であったものと思います。しかし現在において本書を読む事により、その「実録」の真実性を容易に理解出来るのではないかと思います。よって、今こそ本書を読む価値がある様に思います。 また現在、世界各地で行われている陰謀・謀略についても、本書を通して見えてくるものと思います。 数々の不可解な事件の内、国鉄の下山・三鷹・松川事件(下山事件:上巻、松川事件:下巻各収録)は、間近に迫った朝鮮戦争における鉄道輸送の重要性から、占領軍がその国鉄を掌握する為に起こされたもので、その後の国鉄職員の大量解雇にも繋がりました。その事に反対する国鉄労組と構成する共産党員・共産分子が事件を起こした様に見せかける工作を行ない、その後の反共政策やレッドパージにも繋がりました。しかし、それらの事件をはじめとして、GHQの「自作自演」であり、共産主義者が行った様に見せかけて、共産主義・共産主義者に悪のレッテルを貼って来た訳です。そしてそのレッテルを貼られた共産思考を持つ者達は職場から追放され、再就職する事も出来ず、貧困と困窮の中、思考やイデオロギーを失わされてしまいました。 帝銀事件(下巻収録)においては、警視庁も戦時の731細菌部隊の陸軍関係者に絞って捜索していたのですが、突然、北海道の一画家に「冤罪」が被せられて、事実が隠蔽されてしまいました。戦後、A級戦犯等とされていた多くの者達が、CIA等の諜報員として働く事を条件に釈放されました。その諜報員や元軍関係者らをGHQやCIAが使って、数々の陰謀・謀略を行なって来ました。 他にも著者自身が間違いに気付いて3回の改訂をし遺作となった、占領軍による「一九五二年日航機『撃墜』事件」(本書上巻「『もく星』号遭難事件」と下巻「征服者とダイアモンド」に同様内容収録)もあります。 GHQは様々な部局によって一つの機構として構成され、それら部局がそれぞれの専門分野において、日本の戦後改革を行ないました。 その内、CIE(民間情報教育局)は戦後の教育改革を担当し、連合国軍最高司令官総司令部(SCAP)の指令により結成された日教組にも深く関わりました。そしてその教育改革により、日本人の愛国心を骨抜きにしてしまいました。また、当時の先端メディアであったラジオを通してのキャンペーンやプロパガンダを流す為に、NHKの「真相箱」等を直接管理しました。そしてNHKが当時から現在に至るまで、「自主規制」も含めて、自主性を無くしてしまっている現実が在ります。この事は、新聞やテレビ等のマスコミ全体を通して言える事です。 本書には、多くのGHQ部局の略語が登場しています。以下に、本書や本書下巻解説、「ウィキペディア」より、GHQ各部局(の一部)を記します。 ・GHQ(General Headquarters:連合国軍最高司令官総司令部) ・SCAP(the Supreme Commander for the Allied Powers:連合国軍最高司令官総司令部) 1)参謀部 ・G1(参謀第1部)…人事担当。 ・G2(参謀第2部)…情報担当。作戦部。プレスコードの実施を担当。特に諜報・保安・検閲を任務とし、大きな発言権。占領中の数々の事件は、G2とその下の多くの特務機関(キャノン機関等)が関与。国家警察を支配下。 ・G3(参謀第3部)…作戦担当。 ・G4(参謀第4部)…後方担当。 2)幕僚部(GHQ/SCAP幕僚部) ・GS(Government Section:民政局)…政治行政。特に「非軍事化・民主化」政策の主導権。ルーズベルト政権下でニューディール政策に携わっていた者が多数配属。日本の機構改造の為に活動。検察庁と地方警察を支配下。 ・ESS(ESS:Economic & Scientific Section:経済科学局)…財閥解体、労働改革等。 ・CIE(Civil Information & Educational Section:民間情報教育局)…教育改革、思想改革、マスコミ対策等。 ・NRS(Natural Resources Section:天然資源局)…農業・農地改革等。 ・PHW(公衆衛生福祉局) ・CIS(民間諜報局)…公職追放、政治犯釈放等。 ・SRS(統計資料局) ・CCS(民間通信局) 3)その他 CIC(G2の防諜部)、JCS(統合参謀本部)、PSD(CIEの世論・社会調査課)、OSS(戦略情報局)、OWI(戦時情報局)、LS(リーガル・セクション:法務局)、CTS(民間輸送部)、RTO(輸送司令部)、PHW(公衆衛生課)、CID(陸軍犯罪捜査局)等。 「GSとG2が日本の運営を巡って対立。GSが片山・芦田両内閣を、G2が吉田内閣を支えており、政権交代や昭和電工事件(上巻「二大疑獄事件、昭電・造船汚職の真相」に収録)の要因にはGSとG2の闘争があった。」(「ウィキペディア」より。) | ||||
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大量の資料に基づいて事実関係が記述されている点だけでも、十分に読む価値はあった、と思いました。 自分としては、この時代についての知識はあまり無かったので、基本的な知識を(楽しみながら)仕入れることができました。 朝鮮戦争の記述について批判が多い理由はわかりますが、昭和35年の段階としては、かなり誠実に書かれたのではないか、と思います。李大統領の性格からしても、韓国側に先制攻撃の意図が無かったわけではないのも事実でしょう。あの戦争は、「どちらが先」かだけが問題なわけではないだろうと… また、北側の兵士に妙に肩入れしているかのようにも受け取れる表現が多いように感じましたが、あの当時に両軍を公平に見た自然な結果なのかもしれない、と思います。 日本の保守政権に不正な資金が流れ込んでいたのではないか、という記述についても、それは多くの人が感じていたであろうことで、もっともな意見だと思います。そういう批判を松本氏が繰り返したからこそ、今がある、とも言えるでしょう。 | ||||
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30年前に読み、改めて読み直しました。 今読んでも新鮮、今も昔も真実が報道されないのは一緒です。 | ||||
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発表当時は事件の記憶も生々しく、GHQ謀略説にも肌感覚としての興味深さがあったのだろうが、今読むといささかかび臭いという印象を持たざるを得ない。「小説帝銀事件」はいちおう小説としての体裁で、ストーリーで読み進められるのだが。 | ||||
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もはや古めかしくなったという意味で「歴史的名著」。 下山事件は自殺ということで実質的に決着済だし、朝鮮戦争の先攻論争もソ連崩壊後の文書発掘で決着済。 ごく普通の左翼少年であった高校生の頃、むさぼるように読んだ本書(文春の単行本)だが、今読むと、引用資料も大変な偏りがあるのが分る。「事実」より「イデオロギー」を優先する左翼の評論家・研究者のものが多いのだ。(ストーン某とか大野某とか) ただし、現在の多量の情報による視点から1960年に書かれた著作の瑕疵を指摘するのは、アンフェアだ。左翼の人間の常套手段である、現在の価値観で自国の過去を断罪し政治宣伝に奉仕するという、人間として日本人として最も下劣で汚いことを、私はやらない。 要するに私が言いたいことは、このような本は当時の時代の空気を想像して、その中に身を置いているとした上で、批判的に読めということ。 アメリカを憎め、自民党政権を憎め、安保と自衛隊を憎め、と常に学校とマスコミ(本書もこの一環)に暗示をかけられていた時代が、かつて長く続いていた。その時代の空気をつかむためにも最高の「歴史的名著」だと思う(もちろん皮肉ですが)。 | ||||
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この本で取り扱われている話は、戦後に起きた重大な事件に題材を取った物です。帝銀事件等は、犯人とされた画家の平沢貞通がシロであると明確に推理し、国鉄を巡る三事件、下山、三鷹、松川事件についても大胆な推理が成されています。しかし、私はこの推理について、余り支持出来ない。と言うのも、これらの事件は非常に謎の多い物ではあるのですが、氏の推理には、若干強引な部分があり、確たる証拠、根拠に乏しい。まあ、だからこそ、こういう推理小説も成り立つのですがね。私等、子供の時分に、この本を父親等が読んで紹介してくれたせいで、帝銀事件の真犯人は、別に居ると、かなり信じ込んでいました。この当時、平沢死刑囚が、まだ存命だった事や、歴代法相が死刑執行のサインを嫌がった事実等も、そういう印象に拍車をかけました。月日が経って、考え直してみると五分五分かなあという感じです。また、国鉄を巡る三事件についても、三鷹、松川両事件は、確かに謎が多く、ミステリアスな事件ですが、下山事件等は、国鉄総裁の単なる自殺と見る方が正しいかなとも思います。昨今、米側が公表した事件資料や、当時国鉄の大規模リストラを任された下山氏の精神的重圧等考えると、断言は出来ないが、自殺の可能性が高いと感じます。まあ、どちらにせよ事件の真相を断定する証拠に乏しく、戦後の混乱期で、何が起きてもおかしくない様な時期に起こった事件であり、多くの謎を孕んでいる事に間違いはないと思います。ただ単に推理小説として、愉しむ題材としては余りにも極上な物です。 | ||||
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現実の事件を、その構成要素や状況から読み解く。 その手法は物語の仕掛け人こそ熟練しているものだと 改めて実感させられた。 時代は経たが、新たなパラダイム転換の際に参考に なる1冊かと。 | ||||
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