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太陽の塔
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太陽の塔の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.89pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全140件 101~120 6/7ページ
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「私」が、振られた彼女の水尾さんを追っかけている話だと、はじめにそう思ったのですが、どうもそればかりでもないのです。 書き出しでは、水尾さんにまつわる手記だと思わせながら、その内容のほとんどが彼の日常で埋め尽くされており、終始晴れない胸中を語り続けています。 しかし、その悶々たるや、まことに絶妙です。流行の恋愛小説家などが書けば、憂鬱に口をふさぎたくなるかもしれませんが、この作品、前向きなネガティブとでもいいましょうか、やや高尚な文体ながらギャグテイストが満載であり、笑いが止まりません。 愉快な仲間たちの紹介に明け暮れていた感もあり、ストーリー的には贅肉が多かったかもしれませんが、美味しいご馳走となりました。 これがファンタジーノベル大賞というのが素敵な選考です。 最後に回想される水尾さんとの想い出には、自分と重なるところもあり、ほろりとしました。 ありがとうございました。 | ||||
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まさに「妄想族」達の青春群像。妄想が織り交ざり、私はファンタジー小説だと感じました。青春はこうでなくてはいけません。女の子には振られる、それ以前に接点がない。もちろんお金もない。へんな自信があって、世の中に対して斜に構えている。そんなどうしようもない時代が青春時代なのであります。わかっているけど、やめられない。そんな感じが物語から香ってくる。男にとっては堪らない物語でしょう。 | ||||
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京大5回生の主人公に3回生の時に水尾さんという彼女ができるが、悲しいかな振られてしまう。 それから彼の「水尾さん研究」のレポート作りが始まり、単なる持てない妄想壁のあるストーカー男の話?そして彼の回りも女っ気無しの持てない男だらけで、正直わぁ〜きついかなと思ったのですが、馬鹿馬鹿しいながらも、笑っている内に、あれよあれよという間に、怒涛のラストで、ええじゃないか! 第15回日本ファンタジーノベル大賞受賞。ファンタジーなのかな これ? | ||||
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理系作者が書いた本書は、まさに理系チック。 日本ファンタジーノベル大賞受賞作品ですが、 ファンタジー小説に疎い私には、これがファン タジーといえるかどうかはわかりません。 題材が特に面白いとか言うこともなく、わりと 普通の日常が描かれていますが、それとは対照 的に言葉のテンポ、表現技法は、面白く楽しめ ます。 あまり読書をしない人が手に取るには、お勧め しませんが、読書好きの人には、結構楽しめる こと請合います。 かく申す小生は、他の作品も読んでみようとい う気になるくらいには気に入りました。 | ||||
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さえない大学生の失恋およびその大学生活についておもしろおかしく書かれた本。 京都で学生生活を経験したことのある人ならば一層本書を楽しむことができるだろう。 そして、とにかく文章が素晴らしい。 古風な日本文学的な言い回しで語られる文章は、読んでいてとても気持ちがよい。 声を出して笑える箇所や、独特のセンスを感じさせる表現が幾度となく現われた。 最近売れている作家の多くの本はとても読みやすく現代的なのだけれども、 何か物足りないと私は感じていた。 なんというか、最近の本は文章が透明すぎるのである。 しかし本書はそうではない。 古風で濃厚な文章を用いながらも、とても読みやすく出来上がっている。 筆者の今後に大いに期待したい。 現代文学に何か物足りなさを感じている人におすすめです。 | ||||
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名作”めぞん一刻”の主人公,五代(優柔不断)とは対極に位置する衝動的・爆走青春物語である。 | ||||
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漱石、百間への憧れが強い文体がオタッキーで、なかなか面白い。話の展開は、山本周五郎への憧れが強いかとも思う。今回、新潮文庫の夏の特集の1冊にも選ばれていて、近くの本屋さんではちょっとしたブームのようになっている。今はモテモテじゃないでしょうか。 妄想のかなた、失恋からの再生を学生時代特有のドタバタをまじえて書いているあたりは考えつきそうでなかなか考えつかないコロンブスの卵。実を言うと、もう少し「権威ある京大生」というところを完全に笑い飛ばして欲しかったような気もしないこともないが、一気に読めるので、まあ、こんなところか。 この秋、見事に大学に合格した甥には、この本と、東野圭吾の「あのころぼくらはアホでした」を薦めようと思う。そうして、勉学に恋愛に友情に妄想に思いっきり取り組んで元気に生きていって欲しいと思う。 | ||||
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古きよき、文芸盛んなりし頃の”小説家”を思わせる文体が、とっても巧い。 でも、舞台はあくまで現代。 そのギャップがとても新鮮だった。 本質的には、近代以降、変わらぬ、青春、恋愛、葛藤小説。 でも、時代にあったディテールを消費したいという文系若者層の欲望に、みごとにハマったと思う。 それにしても、この作品が、「ファンタジー大賞」!? 投稿した著者も、選者も、やるなあ、と関心してしまった! | ||||
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私の学生時代を思い出しました。なんかちょっと似てるなぁと。だから、面白く読みました。只の、くだらない読み物としてしか読まない人も多いでしょうね。下らないと言ってしまえば確かにそのとおり全く下らない。まるで作者の日常を読んでいるような錯覚に陥りますが、あくまで小説ですから、それはないでしょう。21世紀に私小説もないでしょうし。 とにかく、笑える小説です。しかもげらげらと。バスや電車で読むのはやめましょう。周りの人に変な目で見られます。どうしても読みたいときは、カバーをはずしておきましょう。そうすれば周りの人も、購入して読み始めるので、次の日からは変な目で見られなくなります。 | ||||
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自意識過剰かつ生意気な感じの文章がかなりツボにはまって、読んでるあいだは吹き出したり、ニヤニヤしたりの連続でした。なかなか面白かったです。ファンタジーノベル大賞受賞作と聞いて予想する作品とはだいぶ違うけど、現実と、京大生ならではの巨大な脳(?)から紡がれる幻想というか妄想とが混在している様と独特な古風さは、ファンタジーと言えなくもないかも。また京都っていう舞台も大きいかと。出てくる固有名詞も「叡山電車」「北白川別当交差点」「幽水荘」など妙に魅力的だし。東京じゃこうはいかないだろうな。四天王の学生たちの浮世離れした生活ぶりには少し憧れる(モテないところ以外は・・・)。ラストは若干拍子抜けしたけど。ところで解説を読んで「まなみ号」の意味がわかりました。 | ||||
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単行本が発売されて間もない頃、タイトルに惹かれて手に取りました。 まず出だしに『キャッチャーインザライ』の文章が使われているのに親しみを覚え、一辺に読み進めることに。笑いました。軽快でユニークな文章とキャラクターの濃さは印象に残り続けます。帯で庄司薫の『赤頭巾ちゃん気をつけて』を引き合いに出しているのも頷けます。『キャッチャー〜』を原型とした『赤頭巾ちゃん〜』からさらに今作が生まれたのだとすると、『キャッチャー〜』は青春文学の見本となり続けているのだなあと思うと感慨深いです。 森見氏の作品は今のところ全て読んでいますが、個人的にこの作品が最も優れているように思います。『夜は短し〜』を読まれた後は、どうぞこの子もご覧ください。 | ||||
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過剰な自意識と自尊心で防衛している、達成と承認と親和のいずれの欲求も満たしかねている男の子たち。心の肉球はぷにぷにと柔らかくて傷つきやすく、型にハマった幸せを満喫する人々を目の前にしてぷるぷると震える。 仮想京都で息づく昔の文学青年風の彼らが可愛いし、親しみも憶える。文章も事件も人物も、奇想天外に見せかけて、自分や友人と重なる。太陽電池でゆらゆら揺れる機械仕掛けの招き猫なんて、私がもらったら大笑いして大喜びするのに。 ええじゃないかと言い聞かされても、ちっともよくない。ええわけがない。失恋というものはつらいのだ。つらくてつらくてたまらんのだ。初恋でも、何度目かの恋であっても、どんなに自分に言い聞かせて、頭ではわかっていても、理性じゃどうにもならない。 著者のデビュー作とあり、素顔に一番近いのではないかと思う生々しさがあった。とても自然に読むことができる本だった。ほんと、失恋はつらい。 | ||||
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夜は短し歩けよ乙女 を読んで、面白いけどなんか濃いな・・としばらく離れていたのですが、ふとまた読んでみようかと、「もしかしてこの人全部こんな感じなんだろうか・・」と期待半分この本を読んでみました。 この言葉単語で楽しんでいる感じ。「言葉」それぞれが持つスピード感の強弱や独特な意味合いをある意味「軽々しく」使って一つの表現をしています。慣れてくると一気に読み終えれるほどの世界観が出来上がっています。 ストーリー自体は、まるきり小説というかんじではない親しみやすさがありました。 | ||||
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これだけ笑った小説は、ほんとに久しぶりでした。 土屋賢二氏の本がお好きな方には、特におススメ。 冒頭を読めば、好みかどうかの判断がつくと思うので、 気になる方は本屋で立ち読みなどされてはいかがでしょうか。 二度三度読むことで味わいが変わってくるので、気に入った方には購入をお勧めします。 単純に笑える小説が少ないなかで、貴重な一冊。 これからの期待を込めて、敢えて星よっつ。 | ||||
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現実世界とのちょっとした相違。 不可思議で魅力的な世界観が特徴的です。 特段の物語の見せ場もないのにぐいぐいと引き込まれて、 続きを読まずにはいられない。 次のページにはまた異世界が広がっているかもしれないから。 魅力ある、作家の一人です。 | ||||
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これは面白い!主人公の周りの偉大とも偏屈ともつかない溢れる才能を振りまきながら、京都の街並みを闊歩する姿が微笑ましくも頼もしい。「砂漠の俺作戦」、「心の中の太陽の塔」、「夢玉」、「招き猫」そういった小道具が日常でありながら非日常を醸し出しながら、作品の文体と相俟って青春小説独特の生生しさ、湿っぽさを埃のつくほど乾いたものにしてくれています。素晴らしく笑えます。 | ||||
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青春の煩悶のぶつかる壁は今や恋愛至上主義という一枚の大きな壁のみになってしまったのか。 丸善が巨大カラオケビルに取って代わられた時代に「ええじゃないか」というクラスター爆弾。 物語の中心に聳えたつ太陽の塔。 星4つのところを、元棲み家のあまりにも近くが主人公の棲み家だったことの驚きで星5つ。 | ||||
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いわゆる「童貞」ジャンルの映画や漫画(吉田秋生とか) そして小説(みうらじゅん、原田宗典とか)って、 実は結構たくさんあると思うんですが、 この「太陽の党」は著者の膨大な知識と知性、 そしてユーモアによって、一線を画す作品になっています! 実際のところ、主人公の「わたし」が童貞かどうかは分からないのですが、 膨れ上がる欲望を女の子にぶつけることも出来ず、 男同士でひたすら妄想を弄ぶ。 そして世の幸福な男女へひたすら悪態をつき続けるその様は、 まさに「童貞スピリット」。 痛々し過ぎて、愛しくさえなってくるんです。 男性のみならず、女性も共感できるのではないでしょうか? これといった起承転結のストーリーもないし、 ファンタジーノベル大賞受賞のわりにさしてファンタジーでも無いのですが、 その語り口の軽妙さが最後まで読み手を引っ張っていってくれるでしょう。 できれば「夜は短し歩けよ乙女」を読む前に読んでおいて頂きたいですね☆ 森見登見彦さん、今一番注目している作家の一人です。 | ||||
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いわゆる「童貞」ジャンルの映画や漫画(吉田秋生とか) そして小説(みうらじゅん、原田宗典とか)って、 実は結構たくさんあると思うんですが、 この「太陽の党」は著者の膨大な知識と知性、そしてユーモアによって、 一線を画す作品になっています! 実際のところ、主人公の「わたし」が童貞かどうかは分からないのですが、 膨れ上がる欲望を女の子にぶつけることも出来ず、 男同士でひたすら妄想を弄ぶ。 そして世の幸福な男女へひたすら悪態をつき続けるその様は、 まさに「童貞スピリット」。痛々し過ぎて、愛しくさえなってくるんです。 男性のみならず、女性も共感できるのではないでしょうか? これといった起承転結のストーリーもないし、 ファンタジーノベル大賞受賞のわりにさしてファンタジーでも無いのですが、 その語り口の軽妙さが最後まで読み手を引っ張っていってくれるでしょう。 できれば「夜は短し歩けよ乙女」を読む前に読んでおいて頂きたいですね☆ 森見登見彦さん、今一番注目している作家の一人です。 | ||||
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妄想ワールド炸裂。 どこまでが現実でどこからが妄想か。 不思議な物語。 しかし、面白い。 女の子に振られた『私』はその振った相手『水尾さん』研究に いそしむようになる。 しかし、一歩間違えれば、というか すでに間違っていると思うが、 その行為はまさしくストーカー。 理路整然と自分の行動の正当性を訴えるけれど やっぱりストーカーだよな〜。 しかし、ストーカー物とは一線を画す物語。 でも誰にも経験あるような、妄想。 妄想に生きる男の性、 分かるような分からないような・・・ いや、分かっちゃうんだよな。 でもここまでの行動は起こさないけど。 ところどころ「くすっ」とか「がはっ」とか笑えます。 人前では読めません。 登場人物がわけの分からない人たちばっかりですけど、 でも愛嬌があって、とても愛おしい。 森見登美彦はまってしまいそうな作家です。 | ||||
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