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さよなら渓谷
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さよなら渓谷の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.58pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全51件 1~20 1/3ページ
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複雑ではなく頭に入りやすいストーリー。 長編作品に読み疲れた後でもサラッと読む事ができます。でも内容は考えさせられ、読み応えアリでオススメです。 | ||||
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母親の息子殺し、というような、ショッキング な内容で始まり、実は、集団レイプ事件、その事件の加害者、被害者が、同棲しているという、更なる、興味深い内容を、渓谷の清きょしい、背景で、面白く読ます、吉田修一、「悪人」と並ぶ、傑作中の傑作。 | ||||
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再掲 図書館本 タイトルに釣られて読んでしまった釣り人です。(笑) 吉田さんが芥川賞作家と言うのも知りませんでした。 さらに内容は釣りには全く関係のない、犯罪、男女関係、人生と言う文脈の生き様を綴っています。 ネタばれになるので内容は記載しませんが、文章は非常に上手く、物語の展開が非常に滑らからに進み引き込まれていきます。 ただ、読み終えた時に心の疲労感とでもいうような空気に包まれてました。 これも事前に吉田さんの作品を読んでいれば回避出来たのかもしれませんね。 | ||||
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軽く読める内容かなと思って手に取ったら、罪とは、赦しとはを問う凄い物語だった。それぞれの立場があると思うけど、最も真摯に考えた時、主人公の男の選択になるのかもしれない。絶対に許せない気持ちを突き詰めると、この女性のようになるのかもしれない。なかなか良かった。 | ||||
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とても難しい問題をテーマにしている。女性側からみたレイプの後遺症、加害者のその後、心理描写とその後の人生、行く末がうまく書かれているとはおもうが、読みようによっては、とくに女性からすると、こんなものありえないと思うだろう。野獣のような若い男の性欲が時と場所を間違えてしまえば性犯罪に至ってしまうのはよくあること、とするにはあまりにも男性目線がきつすぎる。親目線、女目線、いろんな目線をとりいれて確かに描写してくれてはいる。これがハッピーエンドだったり、すっきり終わったりすると、小説、というか物語としても、やはり、問題あり、とされてしまうだろうし、その不確かな、よりその方が現実的だろう、と思われる、話の方がリアルになり、読者の反作用を呼び起こすと、インパクトという意味ではその方がいい。文体が好みだったり、風景描写、体躯の動き、生理的な動態、みたいのが、あ、それあるよね、と直に入るくらい、表現がうまい。まだ、吉田修一、3冊目の一ファンに過ぎない、私ではあるが、改めて、筆力のすごさには感嘆させられる。まだまだ作品を量産しそうな勢い、これからどこに行ってくれるのか、楽しみだ。 あ、そうそう、巻末の柳町光男氏(映画監督)の解説も、必読、なんでこんな文章がうまいのと思ったら、脚本家もかねているという、世の中すごい人だらけ。まいった。 | ||||
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まだ途中ですが怖い。レイプシーンが鬼気迫ると言うかリアルに感じて恐怖と怒りと納得とで読むのを一時中断しました。そして読み終わって、感情が表現できない読後感です。性的虐待や強姦の心理については何故か凄く興味がありました。勿論怒りの感情が第一なのですが行為自体が愛の時と罪の時があるからなのか終着点が自分で見いだせません。非難を覚悟で、この状況の場合はこれが救済だったと思いました。 | ||||
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本を買ったけどなかなか読み進まなかったので映画を先に観ました。映画のおかげで 、小説の小さな伏線を広いながら読むことができました。最後の渡辺の「問い」に、これまでのすべてがあったのか、これからのすべてがあるのか。と、満足しました。 | ||||
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一気に読みました。 かなこと俊介の言い分が、両方とも理解できます。私は映画は見てませんが、テレビで真木よう子さんが、この映画は大変だったけど出演できて良かったと話していたので、興味をもち読んでみました。 ストーリーはキテレツだけど、世間は簡単に許すけど、簡単には許さない、いつもの世間です。消えたかなこを俊介は必ず探し出すでしょう。なかなか簡単に切れないで反発しながら寄り添う世間の夫婦と同じです。 | ||||
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映画を見てこちらを買いました。普通、小説を映画やテレビドラマにすると原作と全く別物になってしまう場合もありますが、今回は「映画とほとんど違わないな」という感じで、逆に驚いた位です。確かに、レイプ被害者の受けた心の傷を思うと、慶応事件や高畑事件を考えさせられる小説です。 | ||||
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まず、この著者の女性描写がうまいことに感心します。白く細いうなじに汗ではりつく黒い髪、、夏美の薄幸でいて儚く美しい女性なのが伝わってくる。その上世捨て人で生気のない妙な色気、、。 ナンパについていき、さらに男だらけの寮にまでついていって酒の勢いとはいえ、酔って脱いだ男の傷口や肌に触れる女たち、強姦は恐怖だろうけど少なくとも不細工な中年男だったら彼女たちもついて行くことはなかった。 しかも人生どん底、強姦以上の傷を既に負っている夏美。精神状態も普通じゃないのだから2人がああなってもさほど違和感はないかな。 若い男は歩く生殖器みたいなものです。それに理性とか性格とか運だとか絡み合って、機会さえあれば誰もが加害者になりうる。 反省しない男もいれば反省する男もいるでしょうそりゃ。 女性向けの漫画でも昔からあるでしょ、犯した男に惚れるパターン。当然イケメンに限る!なんだけど。 心のどこかに奪われたい願望があり、奪いたい願望がある。まぁ人間だからそれを理性でおさえるわけだけど、しょせん人間も動物だってことです。 ほんなわけで、ありがちな悲劇と悲愛を吉田修一はうまく書くよな~~と。 おもしろかった。 でも彼女の行方を追わない方が終わり方としては美しいよね。一緒になってほしいけど。 | ||||
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まず、ご都合主義な部分が目立ちます。 子殺し犯人の隣に偶然住んでて、記者の仕事仲間が偶然かつての共犯者であり、加害者と被害者が偶然映画館で会い、共犯者と被害者が偶然同じ病院で会う... 架空世界のことに現実感を持ち出すのは間違ってるのかもしれませんが、もうちょいどうにかならなかったのかな。 それでも★4なのは、事件のことをうわべだけでなくきちんと反省し、被害者の幸せを願う加害者の心がみられたから。 被害者が幸せになっていれば自分も許された気になるから=自分のためなのかもしれないけれど。 現実には、強姦事件なんて起こしたやつは若気の至りとか言って武勇伝のように語るんだろう。被害者のほうも悪いとか言って。クソです。 個人的にはラスト、俊介に「彼女を探しだす」とか言ってほしくなかった。一気に、ただの安っぽい話になった気がする。 直接は関係ないとはいえ冒頭で子供はひとり死んでるし、強姦被害者に歩ませてしまった悲惨な人生も取り戻せないのだから最後までとことん救いのない話であってほしかった。 渡辺が俊介に言った「もし強姦事件を起こさなかった人生と~」というセリフ、かなこがそれでも今の人生を選んだ場合にのみ、俊介は幸せになる=かなこを探す権利があると思う。 | ||||
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とある渓谷のそばに 奥という団地があった。 小さなこどもが渓谷で殺されていた。 その犯人は 母親 立花里美かもしれない。 その母親は派手で、めだつ化粧をしている。 テレビに写るのに モザイクされていることが、気に食わない。 その隣に住んでいる男女は 俊介とかなこと言う。 俊介は、近所の工場に勤め、少年野球のコーチをしていた。 俊介が里美とつきあっていたかもしれないと言う噂が出始める。 俊介の過去のことが 明らかになる。 俊介は、大学生の時に 野球部で集団レイプの主犯だった。 それで、退学になったが、先輩の紹介で、きちんとした会社に就職し、 通信大学を卒業していた。仕事を順調にこなし、婚約も決まっていたが、 そのまま 失踪していたのである。 ところが、かなこが 警察で、俊介は 里美とつきあっていたと証言するのだった。 記者 渡辺は、それがニュースバリューがあると思い、 俊介の大学や友人にあったって 真相を つかもうとする。 実は、かなこが レイプにあった被害者であることを知る。 かなこは、つねに レイプされたと言う噂がつきまとう。 一度受け入れて、結婚したオトコも 結局 暴力を振るうのだった。 かなこの前には 『強いオトコ』 が現れなかった。 なぜ、俊介はかなこと 住んでいるのか? なぜ、かなこは俊介と 住んでいるのか? なぜ かなこは 俊介と里美がつきあっていたというのか? 俊介は 法的な裁きは受けている。 しかし、俊介の過去は 消すことはできない。 被害者と加害者。贖罪と自虐。こころの傷は癒されない。 そのことに 向き合いながら 生活している。 『幸せにはしない』といいながら 『しあわせになりそうだから』と さよならとさっていく かなこ。 かなこを 受け入れてくれる ところはあるのか? | ||||
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本作は吉田修一氏によるミステリー? はたまたサスペンス? 的な作品。 2013年に映画化もされている。 時は現代、舞台は西東京。 山間部の渓流で男児の死体が発見される。警察は男児の母親が強く関与した事件として捜査を行い、やがて男児の母が逮捕される… と、ミステリーかなと思いながら読み進めるうちに、次第に物語の焦点が変わり、気付いたら男児の隣に住む俊介・かなこ夫婦の過去の話になっていた。 しかもその二人は予想外の過去を共有している。その過去とは!? え? 死んだ男児はどうなった? …という意外な展開を楽しみながら、謎の夫婦の想いに身を寄せる作品。 基本的に暗澹としたトーンで進むが、最後に一縷の光を見ることができる。 吉田修一ファンじゃなくてもおすすめしたい作品。 | ||||
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最初からどっさりと登場人物が出てきて、ちょっと混乱しましたが、読み進めるうちに、大体把握でき、その後はすっと読めました。 ただ、ミステリとして読みたいと思う方にはあまりお薦めはできません。叙述トリックが一応は入ってはいますが、きっとあらすじを面白いものにするためのスパイスみたいなもので、作者の方もあまりそこには無頓着というか、それありきの物語ではないという印象を受けましたので。 重要なのは、集団レイプを受けた被害者と加害者とのその後のこと。大学生活において、このようなことは表沙汰にならないだけで結構身近にあることだと思うし、自分も昔のことを思いだし、結構考えさせられました。 性的な被害者はいつも女性で、加害者の男性は比較的、社会は簡単に許してくれます。全くその通りだな、と。 作中の被害者の女性のように不幸の連鎖が断ち切れない方も当然いらっしゃるのでしょう。 よくこういう過去があるけど、今はバリバリ仕事頑張ってます!みたいな警察小説なんかがありますが、結局はそれって綺麗事なのかな、とも感じました。作品としては前向きで面白いのですが。 この作品に出てくる女性は、不幸の最先端みたいな被害者で、実際そこまで?と大袈裟にも感じましたが、小説だからこそ、そこは問題提示としてここまで追い詰められる可能性もあるんだよ、と。 性的なことをあまりにも容易に考えている男性にこそ読んでもらいたい作品です。 | ||||
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最高です、かなり楽しめました映画を見た後読みましたが、より細かくキャラの心情を理解できました。 | ||||
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最後まで読んでいって一本筋がつながった感じがしました。 人の気持ちの葛藤、過去を引きずって今を生きられない人。 同じ青春時代を歩んだはずが大人になって感じる疎外感。 そんなたくさんの人生を一本の物語に紡いだすばらしい作品だと思いました。 | ||||
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この著者は、謎を謎と明言せずに、読む者に?を作らせるのが本当にうまい。 この作品も、最初は、幼児殺害の容疑がかかった母の話かと 思えば、隣の家の男女の話になり、その男女に対する謎を散らばめていく。 男に対して?と思えば、今度は女に対して?がついたりして 読者は?に翻弄される。私は、吉田修一作品を読むときこの?に翻弄されながら 読むのが好きだ。そしてぐいぐい話に引き込まれるというのがいつものパターンだ。 さて、本作品では、男女の愛について主題が置かれている(すくなくとも宣伝やレビューで) ようだが、私の見解はちょっと違う。 なぜ、幼児殺害事件をからませたか考えてみてほしい。はっきり言って二人の愛の話だけなら 幼児殺害事件は不要だったはず。報道されるのは、幼児殺害やレイプ事件のことで、 その後の話は、報道されない。そのことに疑問を投げかけていると思う。 問題は、レイプ事件がその報道が終われば終わるのではなく 当事者はずっとその事件とともに生きていかなくてはならず、その後の被害者なり加害者の 一生背負うものも含めて犯罪(事件)なんだ、ということが一番のメッセージと思う。 | ||||
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あの夜から逃れて,自分だけが幸せになっていくことを,一生心のどこかで許せずにいる男。 あの夜を必死に隠そうとして,いつバレるかといつもビクビク暮らして,自分なりに一生懸命かんばって,それでも結局ずっと酷い目ばかり,という女。 辛かった過去を忘れ,未来に目を向けて前向きに生きろ,と言うのは簡単だが,心の奥に居続ける罪悪感。 十数年たっても自分の罪を心から許すことができず,幸せになることよりも,罰を求め続ける。 「十数年という月日は,決して途方もなく長い歳月ではない。何かを十数年思い続けることなど,人間には簡単なことなのだ」 そんな男女を追う週刊誌記者渡辺自身,妻からは軽蔑され,二人の関係は冷め切っている。 その渡辺が取材をしていく中で,ふと気づく。 「俺は男だから,女のことは分かりっこないって,最初から諦めてた」 そして自分をバカにし続ける妻については 「逃げられなくなった女なのだ」とふと思う。「俺のような男から,自分が選んでしまった生活から,一歩も出ていけなくなった女なのだ,と」 他者を完全に理解することは不可能だ。 それでも人は,相手の気持ちを理解しようとし,もがき苦しんでいる。 「許し」よりも「罰」を求め続けるほどに心が悲鳴を上げ続けている男に幸福が訪れる日が来るのか。 それでも,微かな希望を感じさせる,そんな余韻を感じている。 | ||||
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景勝地として人気の高い桂川渓谷で発見された幼児の死体。殺人事件の容疑者として逮捕されたのは、渓谷近隣の寂れた市営団地に暮らす幼児の母親 立花里美だった。里美は取り調べで、隣家に住む尾崎俊介の関与をほのめかす。母子家庭の母 里美と俊介に男女の関係があったというのだ。全く見に覚えのない俊介だったが、無実を知っているはずの妻かなこ は、二人の関係を認める発言をしてしまう。戸惑う俊介は、なぜか警察の取り調べで里美とかなこの証言が真実であると語り始めるのだった。俊介の行動に疑問を抱いた週刊誌記者 渡辺事件は、事件の背景を探るうちに、尾崎夫妻の隠された過去に気がついていく ・・・ 本作品は、殺人事件そのものをテーマとするミステリとは違う。事件は、俊介とかなこの凍りついたような不可思議な関係が、動き出すきっかけにすぎない。心を抉るような愛憎のものがたりなのだ。湿度が少ないながら、がっちりと気持ちをつかまれてしまうのが、吉田修一さんの恋愛小説。本作品も、ひとつの愛のかたちを提示する恋愛小説なのだろう。 過去の悲惨な出来事から抜け出せない俊介とかなこ。俊介とかなこがそれでも二人でいる理由、だからこそ離れられない理由は、読み手に大きくのしかかってくる。赦されたいけれど、それは別れを意味する。赦したいけれど、赦すと自分を見失ってしまう。二人の思いが交差する地点で、むねがアツくなるだろう。 哀しみや憎しみから出発する愛もある。そしてそれは真実の愛に辿り着くのかもしれない。現実的かどうかは別として、僕にとって深い感銘を残したのは確かである。 | ||||
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映画を見る前にこの原作を読んだ方がいいかな。 文章自体はそれほど難しくもなく、ストーリーもわかりやすいと思います。 | ||||
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