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(短編集)
都市伝説セピア
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都市伝説セピアの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.41pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全32件 21~32 2/2ページ
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「フクロウ男」は本当に存在するのか?噂は噂を呼び、得体の知れないものが 都市伝説となり動き出す。自らの手でそれを作り上げていく男。それは狂気 以外の何ものでもない。フクロウ男として行動することに快感を覚え始めた 彼の心は、しだいに「フクロウ男」に乗っ取られていく。その過程はやはり 怖かった。 人の運命は決して変えることはできないという切なさを描いた「昨日公園」や、 人の心の弱さがさらけ出されるような「月の石」も、とても興味深かった。 作者は人の心をさまざまな角度からとらえ、描いている。単に怖いだけでは ない、深みや奥行きのある作品だった。ホラーは苦手・・・という人にも 読んでもらいたい。 | ||||
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今まで色々なホラー小説を読んできましたが、こんなにも怖くて、不思議で、それでいて切ないホラーは初めてです。今作では、幽霊の類のような話は少なく、「フクロウ男」や「死者恋」のような、人の醜さや欲望を描いている作品が多いと思います。怖いのだけれど、決して嫌な怖さではない。ホラー小説が苦手な人も、是非一度読んでもらいたいです。 | ||||
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「わくらば日記」で朱川さんのファンになり、文庫版になったので購入してみたのですが、 わくらば日記の切ないけれどやさしい雰囲気と違い、 この本に載っている作品はどれも、切なくて苦しくてやるせない、そんな思いにさせられます。 見せ物小屋や、口裂け女等の都市伝説や、昭和中期の雰囲気をよく生かした、ノスタルジックな時代設定がとてもうまかったです! 怖いだけじゃなく、切ない気持ちが強く残る、幻想的なホラーでした。 | ||||
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短編5編からなる、「都市伝説セピア」はとても面白い。すべてに、今30代、40代の人なら「もしかしたら、あの事件?」と思わせる本当の事件をモチーフにしたような題材がちりばめられ、ちょこっと、テレビッ子だった人やオタク予備軍(経済的に許されれば、きっと私も引きこもって優雅なオタク生活)だった人は、なんだか懐かしいなあといろいろな事を思いだすでしょう。「昨日公園」を読んだ時はなんだなんだこの感触と思ったのですが、あとがきで石田衣良さんが「ウルトラQ」という言葉をだしてきたので、ああそうそう、あれはこんな感じだったと昭和30年、40年代子供であったということはとても幸せなことだったのだなあと実感。グリコのキャルメルみたいに2度美味しい小説です。 | ||||
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第133回直木賞を受賞した著者のデビュー作である。都市伝説というと、古くは口裂け女、人面犬からトイレの花子さんまで、手に余るほどある。ホラー好きとしては、このタイトルには惹かれるものがあった。実際読んでみると、都市伝説と言えそうな物語はひとつだけだった。『フクロウ男』という作品だ。都市伝説の恐怖を語るのではなく、自らが都市伝説になろうという者の話である。ネット上にフクロウ男の噂を流し、定着しつつあるころに自らがフクロウ男と化し伝説を現実のものとする。フクロウ男を見た者はそれを誰かに話し、伝説は真に迫ってゆく。伝説を完璧なものにするため、この人物が最後に行おうとしたことは?というところである。視点が普通の逆を向いている点が斬新で、実際の都市伝説もこんな風に発生していたりしたら面白いだろうな。『昨日公園』という作品は、今まで何度も描かれたことのある設定だ。主人公が少し前の時空。ここでは昨日に何度もタイムスリップすることを繰り返すというあれである。そこで事故に遭う親友を救えないかと何度もトライする主人公。果たして結果は。そして、本当の結末とは?落ちが途中で読めてしまうきらいもあるが、マンネリを脱するための著者の努力が窺える。他の作品は都市伝説というよりも、ミステリ風であるので、タイトルからは少々逸脱した感がある。読後感は「こんなものだったか」だった。決して貶している訳ではない。 | ||||
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朱川さんは、ノスタルジーをからめたホラーの名手です。 『花まんま』もそうですが、作者と同世代の、30〜40代の読者は、思わず、そういう時があった、とうなづきながら、読み進めます。かくいう私も同世代です。 逆に、万博、仮面ライダー、口裂け女など、同時代体験がない読者だと、その雰囲気が今一つぴんと来ないかもしれませんが。 5つの作品に順位をつけると、 1 昨日公園(ほのぼのホラー系) 2 月の石(ほのぼのホラー系) 3 フクロウ男(スプラッタホラー系) 4 死者恋(純ホラー系) 5 アイスマン(純ホラー系) | ||||
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リリカル・ホラーと呼びたいような、個性的なホラー短編集。昭和中期の高度経済成長期を色濃く背景ににじませる。それだけで、なにか胸を締め付けられるような切ない感じがする。もう行ってしまった美しい過去。今は中年と呼ばれる私達が、貧しかったけど生命に満ち溢れてすごした少年少女時代…。 そんな懐古的な世界に、怪人たちが跳梁する。不思議譚の「昨日公園」、オカルトっぽい「死者恋」、救いのある「月の石」と、それぞれ味わいが違う。そんななかで、「フクロウ男」と「アイスマン」の都市伝説っぽさが光る。「フクロウ男」は、あざやかなミステリー作品として完成度が高い。 が私は、作品としては整合性を少し欠く「アイスマン」に、強く魅かれた。登場する少女が、どこまでも哀れで切ない。その切なさが氷詰めにされて、永遠に終わりが無いようで、しびれるような余韻を感じる。 | ||||
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とにかく文章力に独特の雰囲気あります。ミステリアスな内容を現代に融合させ、その見事な語り口に、とても新人とは思えない自己世界を確立しているのは見事。日本で数少ない本物のホラー小説でしょう。 なかでもお勧めなのは「昨日公園」最後のシーンでは不覚にも涙腺が熱くなりました。怖いと悲しいが融合されると傑作になるという事を知っている数少ない作家ではないでしょうか。 5つの短編は確かにどこかで聞いたことのあるような物語ですが、それゆえタイトルの「都市伝説」ということで、なるほどとうならせられました。誰でも聞いたような話を朱川流で脚色した、都市伝説。お勧めです。 | ||||
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都市伝説にまつわる短編集。どれもこれも非常にうまい。情感たっぷりに仕上げてあるものもあれば、クールに仕上げているものもあって、さまざまな書き方をしてあって楽しめる。恐い話も感動する話も感心する話もある。ここまで出来のいい短編集はめったにないと思う。話の順番も、最後が後味悪いものを持ってこずに爽やかに終わっていていい。 人によっては「どこかで読んだことある話」と思うかもしれない。 でも、この人の上手さは只者ではない。うまさで全てをカバーしている。いくら突飛なことを書いていても解らないのでは意味がない。しかしこの人は非常に安心して読めるところが最大の美点だと思う。 とにかく、1回読んでみて欲しいです。 | ||||
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ホラーを淡く切なく…という感じで、まさにセピア!私的には「昨日公園」と「フクロウ男」が好きです。特に代表作、「フクロウ男」には、読後、とても切なくさせられました。どうにもならないこの想いを現実を、どうにかしたかった…そう感じました。 何かに思いをはせたくなる一冊です。 | ||||
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期待の新人作家あらわる!? オール読物推理小説新人賞受賞作品を含む、短編5編収録。短編という短さながら、独特の世界を創り上げ描写しきっている。新人とは思えない。物語の語り口調も絶妙で秀逸。書き下ろし作もいい。目の付け所が独特で、江戸川乱歩の再来かと思わせるカラーの作品も。異色の新人として独自の世界を築いてゆくのではないか。 | ||||
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短編5編。オール読物推理小説新人賞首相作品も収録。朱川湊人の素晴らしいデビュー単行本。ミステリとホラーの両方の雰囲気を楽しめます。短編の中に、短編とは思えないほどの独特な世界を創り上げていて、その手腕は秀逸。書き下ろし作もいい。語り口調や人間への視点、描写力など、江戸川乱歩の再来をにおわせる作品もあります。異色作家というべきか、独創的な世界を持っているというべきか、、。巧みな物語の語り部です。 | ||||
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