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五分後の世界
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五分後の世界の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.96pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全90件 41~60 3/5ページ
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現代日本に憂いを感じている人達には扇動的な作品だと思います。 事実「弱腰の日本」「太平楽で個人主義の国民」に少なからず落胆や憤りを感 じている私には、煽られる部分が結構ありました。戦闘描写は、戦闘そのもの よりも戦闘に携わる者の「在り方」「心の持ちよう」の方が重要だと思います ね。ことさら残酷なのは、心理学的には「雑念を払拭し空白を作る事に寄与」 しているのでしょう。これは個人的な見立てですし、覚束ない点も多いのです が……。 それと描写。正直うんざりするほど長いです。 長いのですが、ある種の人間には「恍惚感」があるのではないでしょうか? 当然ながら「そんなんねーよ」「チープだろ」って人も少なからずいるようで す。しかしそれは、分かりやすいテーマに立脚しつつ「戦闘」や「音楽」など 単純化されたシンプルな行為だけで伝えるために必要な事だと思います。 事実、これだけ明快であるにも関わらず「これが理想郷?」といったとんでも ない勘違いが数点あります。その点、チープとも取れ、さらに分かりやす過ぎ る著者の主張は、ある意味プロパガンダとして成功しているように思えます。 勘違いや捉え違いが少ない点を勘案すれば十分でしょう。 つまりレビュー自体に批判的内容が少ない事もその証になります。 いずれにせよ偏った作品です。それにも関らず好意的なレビューが多い時点で、 著者の手法は正解ではなくとも、大きく間違ってはいない、と評価できます。 多くのレビュアに高評価を付けさせるだけの「力ある作品」であることは、間 違いない事実であり、目を背けるべきものではありません。 | ||||
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この小説の醍醐味はどこにあるのかと言えば、読むときに感じる疾走感である。太平洋戦争の周辺を改竄し、新しいもう一つの逼迫した世界を作り出し、その世界に迷い込んだ男が戦闘する本能と快楽に目覚めていく作品だと言える。原子爆弾を落とされても日本は降伏しなかった。玉音放送の流れなかった日本の姿が、生々しく躍動的な現実描写と荒廃した世界が展開する。その反照が私たちの意識に何をもたらすのだろうか。降伏して、GHQに一時占領されて、アメリカ文化に呑まれそうになっても、こんな日本でよかったと思うだろうか。それとも、読書中ふつふつと湧き上がる闘志に戸惑うのか。日本人に問いかける。また、戦争したいかい?答えは否であってほしい。そこに男の幸せがあったとしても。小説というもう一つの世界を呑みこんで、今日を闘いながら生きていく現代人の想像力と伴走する、生きた作品。 | ||||
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幻冬舎社長が村上龍の最高傑作だとテレビで言ってたのを聞いて、奥から引っ張り出した。 そう、それが『5分後の世界』。 句読点が少なく読むづらいのはいつものことながら、暴力描写にはキレがあるものの、 状況説明や視覚的な描写が少なく、映画で例えるならばB級アクション映画を見ているよう。 この程度で高揚して「あとがき」に興奮を抑えられない様を露呈。 そこで実感。 「この作家書けない・・」。 幻冬舎の『ピアッシング』も駄作だった。エッセイで自己満足ぶりを読ませてもらうぐらいが丁度よさそう。 最高傑作と言うならば『愛と幻想のファシズム』かな。 | ||||
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村上龍氏というと限りなく透明に近いブルーやコインロッカーベイビーのようなちょっと壊れた人を 何か思いいれ一杯に、共感を滲ませながら描くというのが真骨頂ですが、私は実は戦闘物を書かせたら 当代随一なのではと思わされたのがこの作品です。 主人公がひょんな事から5分後の世界、戦後降伏することなくゲリラ戦を続けながら地下で生存を続ける 別の歴史を歩む日本に迷い込み、そこで戦闘に巻き込まれ理屈も納得感も何もないままとにかく必死で生き延び ようとするというのが話の格子です。つまりSFなのですが、SFとしての作りは設定や歴史認識の面からそれほど立派な 物とは言えないようい思います。 雰囲気的には戦国自衛隊とかバトルロワイヤルに通じるものがあるのですが、この本が秀逸であり私を引き込んだのは その戦闘シーンの描写でした。 その臨場感と爆発力は凄まじく、オリバーストーンもたじろくのではと思うほどの無残さと生々しさです。 火薬と血の匂いがするような、という形容がありますが文章でここまで表現するのは、村上氏が本来内面に 持つのはこうした肉食の残忍さなのではと思わせる内容でした。 経済物やハローワークもいいですが、たまには自分の本質(?)に立ち戻ってこうした作品を書いて欲しいな と思わせる一冊です。 | ||||
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文学はジャンルを超越する たしかそのようなお言葉あったはずです 高校生の時に読み、ひじょうに感銘を受けました ありがとうございました。 | ||||
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愛と幻想のファシズムに「なぜ日本は本土決戦をせず無条件降伏してしまったのか?なぜ国民は竹やりもって突撃しなかったのか?俺はこんな国にプライドは持てない」という会話が出てくるが、まさにそれを主題にした小説だと思う。 史実では行なわれなかった本土決戦を日本が経験し、8000万の命が奪われ、本土は分割統治され、生き残った26万の日本人が地下で未だに戦いを続けている。世界で日本人は伝説的に英雄視され、信頼され、尊敬されている。 こう書くと荒唐無稽な架空戦記で、ありえない設定にカッコイイ日本人を登場させ満足するような自慰的な小説に思われるかもしれない。が、まったく逆である。 僕が感じたのは現実の日本人に対する失望感だ。それは戦後日本人の堕落とかそんなレベルではなく、日本人という民族そのもに対する失望感である。 民族的な危機も、日本人という理由だけで目の前の親兄弟が次々殺される経験もしたことがない、どうしようもない甘さ、ヌルさ。 相手を知らず戦争を始め、自国の兵士を粗末に扱い、その癖早々に降伏して、日本の未来をアメリカに委ねてしまった日本人の無責任さ。 この小説の兵士が、現実の日本の状況を半世紀前の帝国軍のようだと称する場面が出てくるが、つまり現代と半世紀前の帝国軍とが繋っているのが現実の世界の日本人だとすると、繋がっていない、現代の日本人と半世紀前の帝国軍が変わっているのが5分後の世界の日本人なのだ。 この5分後の世界の日本人は、敵以上に敵を知り、生き残る事を最優先に考え、そして自分自身で未来を決断する。 勇気とプライドを持っているのだ。 それはバンザイ突撃や切腹のような無責任で実態のない勇気やプライドではなく、最善のことを認識しそれに向かっていく勇気とプライドだ。 村上龍は日本人にそれを学ばせる舞台として、8000万の同胞の死と他民族による日本本土の分割占領、入植という悲劇を用意したのだと思う。 それらを経験し、勇気とプライドを手にした日本人と、それを持っていない現実の日本人との対比を書きたかったのだと思う。 もちろん現実には8月15日に戦争は終わり、7年の占領の後に日本は独立し、現在1億2000万人の日本人が住み60年以上戦争を経験していない。 しかし「沖縄を犠牲にしただけで無知のまま生命を尊重できず何も学べなかったのかもしれない」日本人としてこの小説を読む時、架空の日本の鏡に写る現実の日本の姿が見えてくるのだと思う。 | ||||
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大胆な設定による、もうひとつの未来を描いた作品だ。 世界情勢の設定が大胆である。本書の中で紹介される日本史の教科書に、その設定が詳しく解説されているが、「もし本土決戦を行わず、沖縄を犠牲にしただけで、大日本帝国が降伏していたら、日本人は「無知」なままで、生命を尊重できないまま、何も学べなかったかも知れません。」このフレーズがすべての始まりであり、物語の原動力であることは誰も否定しないだろう。 列強による分割統治、国内で続くゲリラ戦、地下に儲けられたゲリラの国家、先端の科学技術・・・、これらのモチーフは近未来史テーマの作品で扱われているかも知れないが、本書はその世界に突然放り込まれた主人公がいかに自分の立場を受け入れて、覚醒していくかを描いていている点が大きく異なるだろう。この点では「裏・戦国自衛隊」と言えるのではないだろうか。 軍人の行動や兵器の扱い、そして戦闘や死傷者の描写は非常に克明で、映像化は難しいなと思わせるが、これを細かく書き込むことで、主人公の置かれた状況が非常にリアルになっている。 | ||||
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その時は単純に、このストーリーの中の日本人がとてもカッコイイなって思った。 今また読み直して気がついたことがたくさんあった。 第二次世界大戦を降伏しなかった日本は、現在生き残ってる国民は26万人らしい。 その26万人の国民達は驚くほど優秀に描かれている。 今の日本の人口から計算すると、約2%位の人口の計算になる。 単純に今の人口から見て、2%の人間はかなり優秀な人達であることが分かる。 今成功している経営者、実業家などのような賢さと同じものを、このストーリーの日本人がいとも簡単にやっているから、たぶんそういう人たちが生き残った国民のモデルになってるだろうと、簡単に想像できる。 100人に1人が1億円以上の金融資産を持っているといわれる今、それを持っている人たちの集団って思えば、どれ位優秀なのかが分かる。 このストーリーの中で日本人は国民、純国民、非国民と振り分けられ、今起こっている格差社会を上手く表現していているなぁと思った。 混血児が多く出て来るが、それは近い将来もっと増えるであろう外国人労働者のように思える。 読んだあとは、もっと強く賢く生きないといけない!って言う思いになる。 間違いなく、自分はこの話の中で言う、非国民にあたる人種だから、無駄をなくし、もっとシンプルに考えて行動しないと!という気分にさせられる、やる気が出る本だと思う。 たぶん、この本を読んで批判的なことを言える人は、2%にあたる人たちだと思った。 | ||||
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村上龍の作品を読んでいるといつも、「俺」を感じる。 自分はどうあるべきなのかを自問させてくるし、その答えを常に与えてくるのが村上龍の小説だと思う。それが答えなのかは分からない。 ただただ、強く生きたいと思う。全滅の危機があれば、足でまといであれば、何の躊躇もなく殺してくれるような信頼できる仲間と。 腹が熱くなる | ||||
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「もしも日本が戦争のときにこうだったら・・」 最近だとかわぐちかいじの「ジパング」が有名だが、 「ここまで日本が降伏しなかったら」という話に惹かれてこの本をハードカバーで買った。 そして、今また読み直した。日本について真剣に考えるようになったからだと思う。 海外戦線で情報の大切さを学んだ兵士を中心とした人々が文字通り「地下に潜った」 人口26万人の「日本」 その国の教科書に書かれていること、そこに著作時の日本に対する気持ちが表われている。 【「沖縄を犠牲にしただけで、大日本帝国が降伏していたら、日本人は『無知』のままで、 生命を尊重できないまま、何も学べなかったのかもしれません」】 この本が出て十数年経つ今でも 日本はまだ学んでいない。 国よりも子々孫々の未来よりも決算期の数字が大事な日本人。 「矜持」どころか「正直な商売」すらできない日本人 責任の所在を明らかにしないことを連綿と続けている国家 このままいけば、「拉致」どころか 本当に「被爆」しても、「割譲」されても 目が覚めないのかもしれない。 それにしても、取材に基づいたリアルな描写に引き込まれていく | ||||
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前半の山場である戦闘場面の臨場感は圧巻である。映画「プライベートライアン」の冒頭の砂浜上陸作戦のシーンにはいまだに度肝を抜かれているが、あの胸倉つかまれて息苦しくなるような切迫感を本書でも味わえるとは思わなかった。村上龍独特の改行を用いず、おしくら饅頭的にぐいぐい畳み掛けていくリズミカルでスリリング文体がその迫力に拍車をかけている。後半にもビデオゲーム「メタルギア」シリーズを彷彿とさせる緊張感みなぎる場面が用意されていてたまらない。本作で描かれている日本は荒廃したパラレルワールド(ドラマ「ダーク・エンジェル」の舞台シアトルをちょっと思い出した)なのだが、そこに生きる一部の人々の生き様のある種の潔さが身にしみる。彼らは悲惨な状況でつらい日々を送っているのだが、ついつい知らぬ間に憧憬の念が芽生えているのだ。「半島を出よ」も良いがこっちも面白い。 | ||||
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本書の著者である村上龍は、あとがきで「今までのすべての作品の中で、最高のものになったと思っている」と述べている。作家を含めた(主観的ではあるが)一流と言われる芸術家たちは、自らの作品を簡単に「最高」と呼ぶだろうか。それほど完成された作品が、この小説である。 隅から隅まで調べつくしていくのは、村上龍のスタイルの1つとも言える。様々な作品において、大量の資料を読み込んだり、インタビューをしたり、調査したりしている。 そして、「半島を出よ」における北朝鮮の軍隊のように完璧な「アンダーグラウンド」。こういった動きは読んでて面白いし、眼に浮かんでくる。 とにかく、こんな面白い小説はないと思いました。 | ||||
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友人からぐっと引き込まれると言われ借りて読みました。 ワカマツの演奏場面や戦闘場面などに多くの頁を費やしていることについて、普通の小説家なら逃げてしまうようなことをあえてつっこんでいる、そこが村上龍らしさだということが解説に書かれていました。しかし、このことについて私は若干違和感を抱きます。作者ほどの想像力をもってして完全に作品にはまり、超集中状態で読めればそれはよしとされると思いますが、60、70%の集中力で読んでしまうと正直追い切れないと思います。 要するに読者の読者としてのレベルによってこの作品は名作にもなるし、駄作にもなるのではないかなと。 解説では村上龍の作品は近年では希少な「小説」が多いと称されています。単なる読物ではなく、小説を書き上げる評価の高い小説家なのです。限りなく透明に近いブルーはわからなくても、この作品に引き込まれないようでは、まだまだかなと…。反省もこめて。読む方、是非!集中してこの作品に向かってほしいと思います。 | ||||
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無人島に一冊だけ本を持って行っても良いと言われたら。 よくある質問ですが、私は迷わずこの作品。 村上龍氏の筆力というべきなのか、書き込む力が圧倒的です。 綿密な取材に基づいて細部を本当に細かく細かく丁寧に書き込んでかつ全体観が崩れていない。 この作品が発表された当時に限らず今現在も含めて、日本の人たちが失ってしまった勇気とプライドとは何なのかを考えさせられます。 考えさせられるという表現は妥当ではなく、無理やり考えろと強制されて苦しいんだけど止められない、という感じですか。 時間が十分にないときは読み始めてはいけないと思いました。 本作の世界観はとても魅力的なので、組織の中で多少軋轢を生じながらも国民ゲリラ兵士の行動規範をビジネスの局面でも流用しようとすることが多いです。 私の所属する組織は規模が小さいのでまさに「ゲリラ」戦を挑まないといけないので。 シンプルに考える。 優先順を決める。 出来ることから手を着ける。 徹底してやる。 100%実行できるわけではないですが、少し生き方が変わりました。 | ||||
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とにかく圧倒された。 まわりの景色がわからなくなり、時間と場所の感覚が無くなっている、そんな状態がおとずれる。 作品の出来や文章の質を問わずともかくインパクト、ということならダントツで1位に挙げる。 ゆえに時間のない時片手間に、というのは絶対にいけない。 「もしも○○でなかったら」「もしも○○だったら」というのはドリフは言うに及ばずこれまでも各メディアで表現されてきた題材であるのに、このインパクトというのはいったいなぜなんだろう。 思うにこの作品は、「体感」とくに「痛覚」に訴えるように書かれている。 だいたいがしょっぱなから、雨の山中をえんえん行進、ああ、しんどい。 その後も手足がちぎれとび、目には砂が入り、とにかく痛い。 ごていねいに、アメちゃんの相手をさせられる村の女の子のピアスまで引きちぎられる。ああ、痛い。 にもかかわらず、痛みを感じなくなる幻覚剤によって死ぬまで撃ち続ける兵士、なんて人をおちょくったものまで登場させて、さらに読者の「痛覚」が刺激される。 村上龍は徹底して「この痛みを感じろ」と迫る。「頑丈なやつ」村上。 キッツい作品だ。でも、体で感じた痛みは忘れない。何かをふっきりたい時には効くかもしれない。そんな痛い小説。 | ||||
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友人に勧められて読んだ。感動した。読んで良かった。 後に、村上龍の傑作だと知った。 他人のレビューを読むことなく、一気に読んで欲しい。 読み終わった後に、 他人の目を気にせず、この本について語り合える仲間を 探してもらいたい。 もし、貴方が日本人なら…。 | ||||
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読者の神経に訴えかける小説というのは何百とあるが、強いる小説はそうそうありません。 この小説は、そんな「強いる小説」のうちの一つだと思います。 想像力を喚起させる、圧倒的な量と質の描写は神経を撫でられますし、古くは「すばらしき新世界」や「1984」などで使われた、ファンタジーの世界を通して行われる現代社会批判のメッセージには棘がありすぎます。 その辺が他人に薦める上での注意事項にあたります。 そこを了承してもらえる方には是非読んでほしいものです。 強烈な恍惚感か、不快感か。 どっちを得るにしても、ものすごく印象的な読書になることは、間違いないでしょうから。 | ||||
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ナショナリストの理想郷が描かれているパラレルワールドもの、 とジャンル決めしてしまうのは簡単だが、 身の丈に応じた国際的役割を果たせていない (もしくは果たせていないと思われている)国に 住むものの一人として、この理想郷が我が国だったらと それは極めて甘く、魅力的に映る。 「もうひとつの日本」の住人たちも 超人的扱いは勘弁して欲しいところだが キャラクターとしての魅力はなかなかのもので 氏の小説の中ではもっとも設定が巧みに 造られている作品のひとつではないだろうか。 | ||||
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数年ぶりに読み返した。村上龍の作品の中では最も刺さる作品で、今回も一気に読み終えた。「意志(自分が何をしたいのか)」と「プライド(自分が何のために行動するのか)」というテーマを強く意識させる作品だ。 描かれている五分後の世界はシンプルで理想化され過ぎていると思うが、その分テーマが強調される。無難、予定調和、責任逃れのための行動など、日常的に行っている自分の行動、目にする風景に対して「本当にそれでよいのか」と注意を向けさせる。 | ||||
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僕が本というものを読み出した初期に出会ったのが村上龍さんでした。 もう5年程前になりますが、子どもにも分かるくらいはっきりとした物言いの本が多かったのが印象的でした。 あまりにはっきりとした物言いなので、嫌悪することも多かったですが。この本に関しては特別の印象を受けました。 別世界の「日本人」が持っている、「勇気とプライド」 自分の現状が情けなくて、泣いてしまうほどの衝撃を受けました。 この本は今も部屋の本棚に置いてあり、その後に読んだ数百の本の中でも特別な位置を持っています。 この本で知ることのできた「勇気とプライド」 単純に言葉だけでなく、その背景にある膨大な意味と共に 今でも僕の生きる指針となっています。 | ||||
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