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五分後の世界
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五分後の世界の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.96pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全128件 81~100 5/7ページ
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前半の山場である戦闘場面の臨場感は圧巻である。映画「プライベートライアン」の冒頭の砂浜上陸作戦のシーンにはいまだに度肝を抜かれているが、あの胸倉つかまれて息苦しくなるような切迫感を本書でも味わえるとは思わなかった。村上龍独特の改行を用いず、おしくら饅頭的にぐいぐい畳み掛けていくリズミカルでスリリング文体がその迫力に拍車をかけている。後半にもビデオゲーム「メタルギア」シリーズを彷彿とさせる緊張感みなぎる場面が用意されていてたまらない。本作で描かれている日本は荒廃したパラレルワールド(ドラマ「ダーク・エンジェル」の舞台シアトルをちょっと思い出した)なのだが、そこに生きる一部の人々の生き様のある種の潔さが身にしみる。彼らは悲惨な状況でつらい日々を送っているのだが、ついつい知らぬ間に憧憬の念が芽生えているのだ。「半島を出よ」も良いがこっちも面白い。 | ||||
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本書の著者である村上龍は、あとがきで「今までのすべての作品の中で、最高のものになったと思っている」と述べている。作家を含めた(主観的ではあるが)一流と言われる芸術家たちは、自らの作品を簡単に「最高」と呼ぶだろうか。それほど完成された作品が、この小説である。 隅から隅まで調べつくしていくのは、村上龍のスタイルの1つとも言える。様々な作品において、大量の資料を読み込んだり、インタビューをしたり、調査したりしている。 そして、「半島を出よ」における北朝鮮の軍隊のように完璧な「アンダーグラウンド」。こういった動きは読んでて面白いし、眼に浮かんでくる。 とにかく、こんな面白い小説はないと思いました。 | ||||
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友人からぐっと引き込まれると言われ借りて読みました。 ワカマツの演奏場面や戦闘場面などに多くの頁を費やしていることについて、普通の小説家なら逃げてしまうようなことをあえてつっこんでいる、そこが村上龍らしさだということが解説に書かれていました。しかし、このことについて私は若干違和感を抱きます。作者ほどの想像力をもってして完全に作品にはまり、超集中状態で読めればそれはよしとされると思いますが、60、70%の集中力で読んでしまうと正直追い切れないと思います。 要するに読者の読者としてのレベルによってこの作品は名作にもなるし、駄作にもなるのではないかなと。 解説では村上龍の作品は近年では希少な「小説」が多いと称されています。単なる読物ではなく、小説を書き上げる評価の高い小説家なのです。限りなく透明に近いブルーはわからなくても、この作品に引き込まれないようでは、まだまだかなと…。反省もこめて。読む方、是非!集中してこの作品に向かってほしいと思います。 | ||||
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少し期待しすぎたのかもしれない。 執拗な戦闘描写、現代日本に対するメッセージ性などが賞賛されているようだが、 残念ながら自分にはそのような好意的な感想は全く持てなかった。 緻密な取材によって構成された世界観であるはずなのに、それが十分に生かしきれていない。 この作品の第二弾である「ヒュウガ・ウイルス」が、この五分後の世界で描かれた舞台をそのまま再利用して書かれている点から見ても、 その辺の消化不良は作者自信も感じていたのだろう。 何度か読み返しているうちに味が出てくる小説というのもあるとは思うが、 1度読んだ時点で2度目があるかどうかが決まってしまうのも事実である。 他の作品に期待したい。 | ||||
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無人島に一冊だけ本を持って行っても良いと言われたら。 よくある質問ですが、私は迷わずこの作品。 村上龍氏の筆力というべきなのか、書き込む力が圧倒的です。 綿密な取材に基づいて細部を本当に細かく細かく丁寧に書き込んでかつ全体観が崩れていない。 この作品が発表された当時に限らず今現在も含めて、日本の人たちが失ってしまった勇気とプライドとは何なのかを考えさせられます。 考えさせられるという表現は妥当ではなく、無理やり考えろと強制されて苦しいんだけど止められない、という感じですか。 時間が十分にないときは読み始めてはいけないと思いました。 本作の世界観はとても魅力的なので、組織の中で多少軋轢を生じながらも国民ゲリラ兵士の行動規範をビジネスの局面でも流用しようとすることが多いです。 私の所属する組織は規模が小さいのでまさに「ゲリラ」戦を挑まないといけないので。 シンプルに考える。 優先順を決める。 出来ることから手を着ける。 徹底してやる。 100%実行できるわけではないですが、少し生き方が変わりました。 | ||||
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とにかく圧倒された。 まわりの景色がわからなくなり、時間と場所の感覚が無くなっている、そんな状態がおとずれる。 作品の出来や文章の質を問わずともかくインパクト、ということならダントツで1位に挙げる。 ゆえに時間のない時片手間に、というのは絶対にいけない。 「もしも○○でなかったら」「もしも○○だったら」というのはドリフは言うに及ばずこれまでも各メディアで表現されてきた題材であるのに、このインパクトというのはいったいなぜなんだろう。 思うにこの作品は、「体感」とくに「痛覚」に訴えるように書かれている。 だいたいがしょっぱなから、雨の山中をえんえん行進、ああ、しんどい。 その後も手足がちぎれとび、目には砂が入り、とにかく痛い。 ごていねいに、アメちゃんの相手をさせられる村の女の子のピアスまで引きちぎられる。ああ、痛い。 にもかかわらず、痛みを感じなくなる幻覚剤によって死ぬまで撃ち続ける兵士、なんて人をおちょくったものまで登場させて、さらに読者の「痛覚」が刺激される。 村上龍は徹底して「この痛みを感じろ」と迫る。「頑丈なやつ」村上。 キッツい作品だ。でも、体で感じた痛みは忘れない。何かをふっきりたい時には効くかもしれない。そんな痛い小説。 | ||||
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友人に勧められて読んだ。感動した。読んで良かった。 後に、村上龍の傑作だと知った。 他人のレビューを読むことなく、一気に読んで欲しい。 読み終わった後に、 他人の目を気にせず、この本について語り合える仲間を 探してもらいたい。 もし、貴方が日本人なら…。 | ||||
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読者の神経に訴えかける小説というのは何百とあるが、強いる小説はそうそうありません。 この小説は、そんな「強いる小説」のうちの一つだと思います。 想像力を喚起させる、圧倒的な量と質の描写は神経を撫でられますし、古くは「すばらしき新世界」や「1984」などで使われた、ファンタジーの世界を通して行われる現代社会批判のメッセージには棘がありすぎます。 その辺が他人に薦める上での注意事項にあたります。 そこを了承してもらえる方には是非読んでほしいものです。 強烈な恍惚感か、不快感か。 どっちを得るにしても、ものすごく印象的な読書になることは、間違いないでしょうから。 | ||||
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ナショナリストの理想郷が描かれているパラレルワールドもの、 とジャンル決めしてしまうのは簡単だが、 身の丈に応じた国際的役割を果たせていない (もしくは果たせていないと思われている)国に 住むものの一人として、この理想郷が我が国だったらと それは極めて甘く、魅力的に映る。 「もうひとつの日本」の住人たちも 超人的扱いは勘弁して欲しいところだが キャラクターとしての魅力はなかなかのもので 氏の小説の中ではもっとも設定が巧みに 造られている作品のひとつではないだろうか。 | ||||
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数年ぶりに読み返した。村上龍の作品の中では最も刺さる作品で、今回も一気に読み終えた。「意志(自分が何をしたいのか)」と「プライド(自分が何のために行動するのか)」というテーマを強く意識させる作品だ。 描かれている五分後の世界はシンプルで理想化され過ぎていると思うが、その分テーマが強調される。無難、予定調和、責任逃れのための行動など、日常的に行っている自分の行動、目にする風景に対して「本当にそれでよいのか」と注意を向けさせる。 | ||||
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僕が本というものを読み出した初期に出会ったのが村上龍さんでした。 もう5年程前になりますが、子どもにも分かるくらいはっきりとした物言いの本が多かったのが印象的でした。 あまりにはっきりとした物言いなので、嫌悪することも多かったですが。この本に関しては特別の印象を受けました。 別世界の「日本人」が持っている、「勇気とプライド」 自分の現状が情けなくて、泣いてしまうほどの衝撃を受けました。 この本は今も部屋の本棚に置いてあり、その後に読んだ数百の本の中でも特別な位置を持っています。 この本で知ることのできた「勇気とプライド」 単純に言葉だけでなく、その背景にある膨大な意味と共に 今でも僕の生きる指針となっています。 | ||||
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幻冬舎という所から、想像がつく。売れ筋の本しか出さない。商用絶対主義の書肆である。 軽めのエンターテイメント本。RPGのノベライズそんな物しか感じられませんでした。文学=芸術と思って生きている小生にとって、苦でも楽でもない、虚無しか感じさせてくれない。そのその根拠、出発点が荒唐無稽であり、なにゆえに戦闘しているのか理由が見えない。戦闘シーンがそのそのの目的なのか。俗受けとしか思えません。失礼ながら…。 | ||||
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作者自らが最高傑作と太鼓判を押すこの作品は間違いなく傑作だ。衝撃的な戦争描写や世界観はいまあるどの小説にも無い現実味を帯びてる。地下日本のシミュレートには文化的にアメリカの奴隷となっているという表現があり、村上が今の日本の現状を痛烈に風刺している。今作の描写は後の「半島を出よ」に通じているような気がし、村上が「戦争」をどの様に捕らえているかを感じることができる作品となっている。 しかしながらその描写から読み続けるのには力が要り、一息で読めるような作品ではなく、読み終わったあとに下らない恋愛漫画でも読みたくなってしまうのは事実だ | ||||
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読み進めながらこの違和感はなんだろうと色々考えてみたが、結局この小説の文章が問題なのでははないかと思い至った。この乾いた文章は内容から必然と生まれた文体とは思えず、行間に意味がないというべきか-時折感じる「単語」の感覚的きらめきは認めるとしても-まさしく身も蓋もないと・・。読了後たまたま次に読んだ小説が島尾敏雄の「死の棘」だったのだが、(たとえが陳腐で恐縮だが)砂漠の放浪のはてにやっと見つけたオアシスに出会えた感じだった。ああこれこそが「日本語」で書かれた小説だ!ほんとうの物語だ!と、まじで涙がでてきた(この作品と「五分後〜」をくらべるのはちょっと酷だけれど。) たとえれば「五分後の世界」を読んでいるときのこの感じはカタカナの文章を読んだときの違和感と同じ・・。カタカナで書かれた小説・・、漢字がない小説、漢字も表音文字となってしまった小説・・。遠目に見ると記号が並んでいる小説。 やっと理解できました。 | ||||
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本書を読み続けている最中、ドンドンとかつての日本軍の兵隊たちの匂いが鼻先にしてくるようだった。 臨場感満点ですぐに読み切れた。 ★が5つではなのは本書こそもっと長篇でもよかったのではないだろうか、と思ったからだ。 続編っぽいものも出版されているが、本書としてもっと長モノで描いてほしかった。 そこだけだ。 つまりもっと読んでみたかったということだ。 | ||||
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もしも、戦争が終わっていなかったら? この疑問に一つの答えを出しているのが、この「5分後の世界」。 今、この日本に生きる自分にとってはあまりにも衝撃的な世界でした。 日本全土は列強の国々に占領統治されています。一つの国として成立 し得なくなってしまった日本。そこに生きる純粋な日本人。移民との 混血児。そして退化してゆく日本人。描かれる世界はあまりに 生々しく痛々しい。 「生きる」ためのエネルギー。その強さに、圧倒されてしまいました。 読み終わったあとの疲労感。異世界に置き去りにされたような感覚。 最後のページが終わっても、手足は泥にまみれ、硝煙のにおい、 血のにおいが頭に残っています。 気軽に読み始めましたが、読み進むのになかなかのパワーが必要でした。 1回目は星3つ。おそらく何度も読むうちに星の数が増える作品ではないでしょうか。 | ||||
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この作品を読んですっかり村上作品にはまって殆んどの作品を読みました。中でもこの作品のリアル(と、思える)戦闘シーン、もしかしたらこんな世の中になっていたのかも・・・と思わせる現実とはかけ離れたゲリラ戦まっさ中の世界。村上氏の作品に多く出てくるテーマ?「シンプルなシステムの世界」がこの作中にも出てきますが、きっと私のような軟弱者はすぐ死んでしまう世界です。だからこそ小説として読んで楽しいのかもしれません。そしてちゃらんぽらんに生きてきた主人公が話が進むにつれてこの五分後の世界に適応していく様が私も死ぬ気でやれば何でも出来るのでは?と思わせ、読み終えてから妙に元気が出る作品です。だから何度も読んでしまうのだと思います。是非、読んで見て下さい。 | ||||
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「村上龍は、結局これが言いたかったんだ。」 と言っても過言ではない作品かも知れない。 彼の苛立ちの殆どの要因は、曖昧で和を重んじるだけで「結果」を最優先事項とすることが馬鹿らしいくらいタブーとされている現日本の腐りきったモチベーションに対するものでもある。 私自身働いていて思うが、「会社員」として一番大事なのは、「仕事に対する誠実さ。」ではなく、「その場を、いかに上手く誤魔化すか。」である。その陳腐な構図は、今や国家レベルで日本列島を当たり前のように腐食させている。何故ならそれをやってれば、「世界のことはわからないが、とりあえず日本国内では可愛がられる。」からだ。 私は、個人的に肌身に染みて知っているが、そんなもので絶対に「長期的利益」は上がらない。いずれ今の日本は、「危機感」と「当たり前の生活」に飢えた発展途上国に簡単に追い抜かれてしまうであろうことは、確実だと思う。「飢え」と「危機感」は、生命体が何らかの進化をとげるのに、最も有効的な分子的な触媒以上の爆発力を持っているからだ。 だから私は、この作品鑑賞して見る限り、村上龍が、安易に日本批判を趣味としているとはどうしても思えない。 批判せざるを得ない要因が、世界の目から見て、明らかに日本を題材にした場合に多すぎるのは、世界の公正な目から見て、あまりにも現日本が甘すぎるからだ。 その甘さを、この作品は完璧に払拭してくれる。むしろ世界を凌駕してくれている。 フィクションというだけで絶望的かもしれないが、そこからフィジカルでストレートなモチベーションを引きずり出してくれるのは、私にとって、この作品だけかも知れない。 | ||||
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作者の伝えたいことは分からなくもないが、ストーリーが極端に過ぎて仮想の現実にしても展開に無理がありすぎる。途中からは個々のシーン、それも状況についての説明(うんちく)が無駄に多すぎる。無理やり説明を付け加えているようにも感じられた。 果たして26万人のほぼ兵隊だけの国が何十年にも渡って存在できるのだろうか?これが作者の望む日本の将来なのだろうか? この小説を読んでこの作者の書籍は全く読みたくなくなった。話しの持って行き方としてはあまりにも稚拙な感じを受ける。 | ||||
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この作品全体に、「生命」への危機感が漂っている。10年以上前に発表されたものだが、状況にとても新鮮さがある。日本国は進化していないのであろうか? | ||||
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