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五分後の世界
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五分後の世界の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.96pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全128件 21~40 2/7ページ
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ある日迷い込んだのはいまだ第二次大戦が終結せず米英露中に分割統治された日本で地下に潜りゲリラ戦を続ける。当地はどうやら現代より5分後のパラレルワールドらしい。まるで映画を見ているよう。 | ||||
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「愛と幻想のファシズム」では鈴原冬二というカリスマ自身がカリスマ性を語っていたのに対し、本作では五分後の世界に突然出現した小田切という何も訓練されていない一般人がストーリーテラーとなっています。その小田切の視点を通して五分ズレた日本とアンダーグラウンドの兵士達が描かれるという手法をとってあり、その手法のおかげで国民兵士達の圧倒的なカリスマ性が非常に際立っているのだと思います。特に彼らの驚異的な戦闘シーンや、世界的音楽家のワカマツが自作の作品が生まれる瞬間を語るくだりなどは、読む側の頭脳に鮮明でダイナミックな映像が浮かび、圧巻です。描かれている日本はまだ完全ではなく政府というものの存在は殆ど描かれてません。しかしヤマグチという司令官とともに地下司令部によって高度でありながらもシンプルな統制がなされていること、生き残っている日本人が誇りを持って生き延びるために必要なことを身に付けており、またそのように教育されていること、言葉の意味や存在の価値など現代では曖昧になってきている定義を潔くひっくり返されるような言葉などに爽やかな説得力を感じます。そのことで逆に現代の日本の脆弱さや魑魅魍魎さを感じずにはいられません。こう書くとまるでエリートばかりの世界のようですが、読んでいて全く疎外感を感じないのもこの小説の大きな魅力ではないでしょうか。また兵士達についてその超人的な能力だけでなく、彼らの孤独や悩み、人間らしさが描かれいる箇所も印象的で、若い彼らも完結できているように見えて様々な意味でまだ途上なのだと感じました。ちなみにこのストーリーテラーである小田切は、村上龍が中上健次へのオマージュとして書いている「音楽の海岸」の主人公ケンジの生まれ変わりと捉えても差し支えないと思います。こちらを読んでいたせいで小田切の性格がすんなりと理解できました。両方とも何度も読みたい本です。 | ||||
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設定としては面白いが、文章力が大幅に欠如しているように感じる。 目まぐるしくストーリーが進んでいくが、読者として取り残されている印象が強い。 作者は自身の最高傑作と評しているようだが、作者の熱量だけが独り歩きをしており、伝わってこない。 何にせよ何の話をしてるのかが分からず、戻り読みをすることが多い。 設定が良いだけに勿体ない。 私の読解力が低いのかも知れないが… | ||||
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lこういうパラレルワールドみたいなSFは受け付けないんだな。迫力ある描写で凄いのだけれど、設定が設定でどっかに「あーあ」というところがあるので、入れない。買った私が悪いので、作者には作者の意思がありいいのでしょう。SFは私的にはもうけっこうです。だからヒュウガ・ウイルスも同様です。 | ||||
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圧倒的な戦闘描写。設定は面白いのでもう少し その設定での世界観を戦闘以外で読みたいような… | ||||
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小説とは思えない大迫力で五分後の世界が目に浮かび、音が聞こえてきます。 五分後の世界の空気感、人の声、世界そのものが頭のなかにどんどん浮かんできます。 戦闘シーンでは爆発がすぐ側でおきてて迫り来るような感覚にとらわれます。 とにかくすごい本です | ||||
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とんがった作品の多い村上龍さんが、発表当時「自らの最高傑作」と呼んでいたという、先鋭的な長編ゲリラ小説。 1945年8月、日本人は連合国軍に降伏せず、大挙して長野県の山中から地下に潜り、トンネルを張り巡らせ、分割統治する諸国と対峙。数十年たって28万人にまで激減しても今なお、地上に散開する国連軍を挑発している、というニセの戦後日本が舞台。例によって執拗で鮮烈な描写に貫かれた、パラレルワールドそのままの「戦争ファンタジー」とも言える。 1945年の敗戦を境にした「もう一つのニセ戦後日本」をでっち上げたといえば、矢作俊彦さんの『あ・じゃぱん!』を思い出す。しかし、こちらはパロディー風味のあった『あ・じゃぱん!』とは対照的。陰惨で暴力的で、全体の3分の1ほどを戦闘シーンの繰り返しで埋め、救いがなく、しかも唐突に終わる。それでも、たまに村上龍さんの小説を読むと、連続するエグい描写を介して非日常の気配が味わえる。今回も一気読みだった。 | ||||
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私は村上龍の本をたくさん読んだわけでは無いので(半島を出よと本作しか読んだこと無い)、著者の思想などはよく分かりません。 私の読解力が足りないせいなのか、地下にこもって徹底的に合理化し徹底抗戦している日本人こそが素晴らしいというメッセージは受けませんでした。 戦争状態かつ徹底的に合理化した地下世界においては、他者を敵か味方かに二分し生存するために敵を殺す。 その「五分後の世界」迷い込み、最終的に帰属する主人公は、「五分前の世界」において母からの愛情を得られず、殺伐とした世界で他者を利用し狡猾に生き抜いてきた人間である。そういった人間が「生存するために敵を殺す」世界で、はじめて仲間を得て、そして「向現」の作用とともに(自分と仲間の)生存という原始的な使命に目覚める。 これを読み終わって思うのは「今の日本人は情けない」でも「純粋な使命のため戦い続ける美しさ」でもない(兵士たちは本当にカッコよく描かれており、ついつい憧れてしまうが)、ポツダム宣言を受けれず生存のためといい、豊かさも無く、さらに戦争を続け人口減少に陥る「五分後の世界」の矛盾と、ポツダム宣言を受け入れ敗戦から「五分前の世界」の日本を再起させてきた先人たちへの尊敬である。 | ||||
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ふと気付くと雨の中の行列に紛れ込んでいた主人公オダギリ。彼は、そこが今まで自分のいた世界とは違う場所だと知る。 そこは、太平洋戦争で日本が降伏しなかったパラレルワールドであった。日本はアメリカ、イギリス、ロシア、中国に分割統治され東京はスラム街と化していたが、一部の日本人は地下に都市を建造し、ゲリラ組織として全世界中を相手取って闘っていた。オダギリはそうした「五分後の世界」を垣間見ることになる。 主人公のオダギリはヤクザ者ではあるがごく一般的な日本人である。彼の視点を通じて、現代の日本と「五分後の日本」が対比されて描かれる。更に作中にはゲリラに加わらず国連軍に加担する「非国民」と呼ばれる日本人も登場し、惰弱で惨めな存在として描写される。 作者からのメッセージがオダギリの台詞として語られたり少々押し付けがましく感じられる点はあったが、本書を読んで改めて「日本らしさ」とは何だろうか、と考えるきっかけになった。 作中で主人公が「非国民村」を訪れるシーンがある。その村では人々は粗悪な和紙で作った服を羽織り、金属部品で補修した舞台で能が演じられていた。能面はよく分からない植物の汁で塗装されており、主人公の知る能とは全く異質の物となっていた。 伝統文化に固執する「非国民」と勇ましく戦うゲリラを対比するシーンだが、 「形の上での伝統に固執するうちに全然違うものになっていく恐ろしさ」を感じた。 巷に溢れる「日本らしいおもてなしの心」「サムライジャパン」といった繰り返されるワードと作中の変質した能がダブって感じられたのだ。 350ページ程度と長編小説としてはやや薄めであり、文体も平易なので読みやすいと思う。 ストーリーとしては大きな起伏もなく淡々と進むので飽きてしまうという人もいるかもしれないが、世界観を味わうだけでも面白いと思う。 | ||||
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164Pにて挫折 星一つも付けたくないくらいに【酷い】 無駄な表現が多く(村上春樹か?)読んでいて腹が立つ リアリティーも糞もなく作者の空想世界に付き合わされている感しか感じなかった このような作品に素晴らしい!よく出来ている!と言える人をレビュー欄で見て「嘘だろ…」と思いました、とても「つまらなかった」です | ||||
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あまりにも酷すぎるのでレビューしてしまいました… 仮想現実としては興味引かれたので読んでみましたが途中で挫折… 酷すぎる | ||||
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圧倒的な迫力がある小説です。 コインロッカー・ベイビーズにも似た疾走感とリアリティがあります。 こんなパラレルワールドから、今の日本を振り返ってみるのも面白いと思いました。 | ||||
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もう何度も繰り返し読み返している本作は、村上龍作品の最高傑作かもしれません。 「コインロッカーベイビーズ」「半島を出よ」など傑作と呼ばれる作品は少なくありませんが、本書は文庫本で300ページ足らずの分量の中にとてつもなく濃密で重量感ある情報が積み込まれている感があり、熱い言葉が溢れ、ラストの数行にカッチョイイと心もシビれ、読後感も半端なく充実します。 (村上龍は、ラスト数行がとてもクールで格好いいものが少なくありません。最近読んだ「オールドテロリスト」もナカナカのものでした。また、いろいろなもののネーミングの巧さも感じさせます。「コインロッカーベイビーズ」の「ダチュラ」しかり、「オールドテロリスト」の「オオトロ」しかり、本書では、地下栽培可能な稲の品種に「ホタル二号」と名付けています。) そして本書で描かれる「日本が生まれ変わる」という状況を疑似体験することで、自身もやり直すことができるという感を味わうことができます。 「いかなる意味の差別もない国はアンダーグランドだけである」と言わしめる旧長野県の地下数百メートルに26万人の人工を持つ日本国アンダーグランドは、次の世代に大切な情報を確実に伝えていくため、今もアメリカを相手に戦争を続けている。 何度も原爆を落とされたことで時空の歪みが生じたのか、そんな世界に飛び込んでしまった小田桐が、狂気に陥ることなく生きていけるのは、無意識のうちに、恐怖と死が自分に訪れるルートとシステムといったものを受け入れることができたからだ。 小田桐は、この世界のしくみを、小学生の社会科の教科書で知ることになる。 「なぜ、大日本帝国は消滅したのか。その原因は、戦争でもっとも大切とされる補給や情報や科学技術が無視されたこと、さらに大切である生命というものを尊重しなかったこと。そして日本人全部が無知でした」 「周りを海で守られていたため他の民族と戦うことがなかった日本は、他の民族や国を理解することがいかに大切かを学ぶことができなかった。そして生命というものはそれを積極的に尊重しなければ守れないものだということも学ぶことができませんでした。」 「もっとも重要なのは生きのびていくこと。世界中が理解できる方法と言語と表現で、われわれの勇気とプライドを示し続けること、それが次の時代を生きる皆さんの役目です」 結局、沖縄を犠牲にして無条件降伏した現実の日本は、日米地位協定のもと基地問題も解決できないアメリカの奴隷状態にあることさえ多くの国民は気づいていない。 「生きのびるぞ。オレも死なないし、こいつも死なせない。」 ラストの小田桐の決意を胸に我々も生きていかねばならない。 | ||||
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まぁ、広島長崎に原爆落とされても降伏しないで戦い続けていれば(アメリカもそう何発も落とせなかったはず)人口は激減しても今みたいな情けない日本人ばかりにはなっていなかったと思う。 こんな腐った拝金主義の、外国人に生殺与奪の権限を握られた家畜のような、剥き出しの性器のように商業原発を沖縄以外に無防備に建てまくりの、人間だったら白痴としか言えないような国にはなっていなかっただろうな! いじめはできても戦うことはできない欠陥人間ばかりのこんな国にはな! | ||||
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買ったからには読まなきゃという思いだけで無理して最後まで読みした。五分後の世界って何なのですか。私には想像すらできなく意味不明です。分かる方が居たら教えてください。 作品が悪いと言っているわけではありませんが、私にはこの評価以外に考えられません。 | ||||
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この小説は彼の後の作品に比べれば……起点からの展開、並びに物事の集約といういわゆる「物語としての責任」という観点から述べるとすれば……下の下もいいところだと思う。 しかし、この時点での村上龍の瞬間の描写の美しさ、並びに躍動感を捉える能力はピークだと思う。 最初の戦場での高揚感と薄皮一枚越しの死が訪れ、ギリギリのところで躱していくひりつく様な緊張感、現代的なポリリズムのバレエの美しさ、ワカマツによる音楽の演奏がもたらす熱狂、目を奪われ本当に時間を忘れるように読み進めてしまった。 もちろん、この作品全体から立ち上ってくる思想や彼自身のエゴイスティックな価値観に対し嫌悪感を抱くのは自由だ。だが、ストーリテラーとしてはさておき、この時点での村上龍の綴る文章の熱量と質量は圧倒的だ。それだけでも一読の価値はある作品だと思う。 | ||||
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想定が面白いが、筆力がありすぎるのか、それとも足らないのか、グロに走りすぎ。 内容を深くした方が読者の満足感が得られる。 | ||||
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後世まで評価され生き延びる作品とか作家は多くないが、村上龍は現代を代表する作家として後世でも読み続けられると思う。作風に好き嫌いが出やすいと思われるが、「5分後の世界」は傑作である。 まったく架空の世界を文章で書き、読み手に風景を感じさせ、まるで映像を見ているように物語が進んで行く文筆は、私小説とは比べ物にならない技術を要する。話のテーマを単純に要約すると、現代日本人の代表としてオダギリが、一つの日本人の理想としてのアンダーグラウンドと言う別次元の日本に紛れ込む。自堕落な生活をしていたオダギリは、生まれつき腐った人間では無かったので、アンダーグラウンドの経験の中でアンダーグラウンドに同化していくと言うものである。 外国で生活した人なら解ると思うが、自国と自国人がカッコよく、尊敬されていると言うことは、とてつもなく良い事である。日本とは、日本人とはと考えて憂鬱になった時、これを読むと力が湧いてくる作品である。 本小説の評価のバラツキを見ると、日本に思想管理委員会とか言うような物が存在するのではないかと思う。従順で、物を考えない、決められた事だけをすることが正しいと思い込みたい人間を作る委員会である。「五分後の世界」は、日本人の良いところとせこくて醜い部分を鋭く切りだしていると思うのだが、思想管理委員会のメンバーには、醜い部分が下腹のたるんだ自分の姿を鏡で見るようで耐えられないので嫌いなのではないかと思う。「ごんぎつね」「舞姫」「山月記」「こころ」を読むより、「五分後の世界」を読むほうが、現代社会に合っていると思うのだが。星一つの評価を与えたい人は、私はこんな小説が趣味とか一筆入っていると参考になる。 | ||||
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読み終えるのが苦痛でした。登場人物に個性がなく、場面説明も理解に苦しみました。何度、読むのを止めようとおもったことか・・・・。 小説は好きなので、色々なジャンル、さほど著名でもない作家も読むようにしていますが、この作品にはがっかりしました。 | ||||
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日本人よサバイブせよっていうリューのメッセージwをどう受け取るか。 時空の狂った「5分後」は太平洋戦争が続いています。地下に潜って抵抗する日本兵がいて、占領に来ている国連軍のスパイになってる村があり、疫病が流行ったり、アフリカのどこかの最貧国みたいに滅茶苦茶にされています。占領にきたアメリカ軍がやさしくなかったら、このくらい悲惨な目にあっていてもおかしくなかった、世界はそんなに甘くないんですよ、みたいなメッセージがあまり文学的工夫などなしにゴロっと投げ出されているというか。 一歩間違うと「硫黄島戦線で勝っていたら」みたいなバブル期に大量にあった?三文の戦争IFものですが、コレは負けているので方向が180度違います。でも何となく図書館とかに置いてある戦記もの漫画とかにまじっておいてあってもバレなそうなノリ?ベクシルとかとかけあわせたらカリスマアニメが出来そうです。CGとか使って映画化とかされたらかなり笑います。 村上龍のサバイバルはちょっとたわごとというか、女流作家の「恋」みたいな感じで、サバイバルで未来が変えられると思うなら、直球で架空戦記を描けばいいのにと思いました。だいたい侵略されて精鋭が育つなら、アフガンとかベトナムとかアフリカとか精鋭兵だらけですが。 それでも村上龍は戦闘シーンとか文章がすごくうまいし、戦記物の専門家でもないのにこれだけリアルに描写するのはすごい。しかし豪華なキャストでカッコよく撮るほど笑えるというものもあります。これは実験作なんだろうと思います。大好きという人もいるけど、ないよwという人もいそうです。 | ||||
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