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楽園(ラック・ヴィエン)
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楽園(ラック・ヴィエン)の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.31pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全13件 1~13 1/1ページ
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元芸能人の何とかガールズの成れの果ての女がベトナムに旅して白いホテルの部屋の前で出会ったホーチミンの男は運命の人だった。本書の2/3以上が男女の性行為の描写に費やされ延々と繰り返されておりまして、合間に夢か現か幻かという感じの亡霊を垣間見るヒロインの感覚描写が続いて行きます。イライラせずにゆったりとした時の流れに身を任せ日常を遠く離れた異国情緒と白昼夢の世界をひたすら味わって深く考えずに読んでいたら最後に2つのショックが貴方に訪れますよ。 | ||||
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…確かに、ホラー小説としては凡庸だろう。でも、そんな事はどうでもいい。著者は、とにかく性描写が上手い。『チャイ・コイ』の時にも感じたが、これだけ延々セックスシーンが続くのに、飽きさせず、下品にならない手腕は見事。女性の性欲をストレートに認め、表現も赤裸々なのに、決して卑猥にならず、むしろ上品さすら感じさせるーあの山田詠美氏に通じるものがある。 だからこそ、今度は日本が舞台の、日本人同士の恋愛物で、このような官能小説を書いて欲しい。舞台が日本のものは、性描写がイマイチだと思うので。 | ||||
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舞台はベトナム まさに岩井志麻子さんらしいある意味腐臭漂う作品 ただ、やはり岩井志麻子さんの作品は岡山を舞台に岡山弁をしゃべる主人公が出てきてほしいところ 現代を舞台にした作品だと出版社は違いますが邪悪な花鳥風月の方が私としては好きです | ||||
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まさに文学のために生まれてきた魔女だ。とにかく書く文書が魔物じみてい、気が付けばいっきに最後まで読んでいた。………日常ではない異常な設定にしなければ人間の成長が描けないものは筆力の衰えを呈す作品であって、自己弁護におわる作風が増えているのは現在の病理的な完結性の狭小加減を表しているのだとすれば唯ただ悲しいと、どこかの文学賞の評で読んだことがあるが、彼女の文体はそんな評を蹴り飛ばす。書いてあるものは異常でもなんでもない。魔の日常であり、成長するのは読み手の埋没加減で決まる。 善くも悪くも文学の神聖なる栄養と毒をあたえる。これを読めば岩井志麻子から抜けられなくなる。 | ||||
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歴史のあるアジアの庭園。 風もなく静かな晴れた日の午後、ただただむせ返るような魅力的な花の香りに体がすくんでしまう。 そんな小説でしょう。 人の道に外れたもう若くない女が、外国で愛欲におぼれる。 まあ、よくある話です。 よくある話なんですが、徹底的に無駄を省き、ベッドの中より風景描写の密度を濃くして、清冽さすら感じさせる研ぎ澄まされた美しい文章と描写に、気がついたら引き込まれてしまいます。 まさに、こういう官能小説を読みたかったんです。 好みは分かれるかもしれませんが、これはある意味岩井氏の新境地だと思います。 「チャイコイ」は、正直読んでるうちにぐったりしてしまって私には無理だったのですが、これは格段洗練された感じで、完成度が高くなっているように思います。 あまりこちらが好みではない方は、「チャイコイ」を読むといいのかもしれませんね。 小説としてはストーリーが一般的ですが、ずっと読みたかった作品はこういうものなんだろうな、ということで評価を高くしています。 他の方があうかどうかは、どうでしょうね? | ||||
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「ぼっけえ、きょうてえ」「岡山女」を読んで「岩井志麻子は面白い!」と思ったので手にとってみたら・・・・ 正直、イマイチでした。 現代を舞台にした作品はどこか迫力に欠けます。 | ||||
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生きる方向を見失い、ベトナムへ旅立つ女性。 死の臭いさえも、まとう彼女が、ベトナムで出会う謎の男。 常夏のベトナムで愛欲に狂う二人。そこは楽園なのか地獄。この男は何者なのか?そして彼女は?地獄の美しさが描かれてます。かなり官能的な描写が多いです。 こんな地獄なら落ちてみたい・・。描写を楽しむ本でしょう。ストーリー等は、ま、平凡なもんでした。 | ||||
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一人でベトナム旅行に行った女性が、瞬時に恋をした美しいベトナム人男性と、ひたすら愛し合う場面が延々と続きます。セックス場面の具体的な描写が主な内容であると言う点で、これは間違いなくポルノ小説です。 そして詩的で猥褻で美しい、上質な文学作品だと思います。 設定や結末のほとんど投げやりとも言えるような安易さは、この濃密で詩的な部分を引き立てると同時に、この小説を芸術臭くしない効果をあげているのではないでしょうか。特に結末は、「私は恋愛について思索していたのではなく、読書という娯楽を楽しんでいたのだ」と気づかせてくれて、なんと上等な娯楽だったことかと思い、これでたったの数百円かと思うと読後感が非常に良くなります。 ポルノではないはずの小説で、「不自然に長く」「不必要に事細かい」だけのセックス場面を書いている男性作家の方々にぜひ読んでいただきたい作品です。 | ||||
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描写は丁寧で自分もベトナムを旅してるかのよう、しかし物語の展開が読める上に、何が書きたいのか今ひとつ解らない。文章力がある好きな作家さんだけに残念。 でも、この話はどこに行くのかなぁ・・・ってゆるい感じが暑い日の午後に読むにはいいのかも。 | ||||
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B級深夜タレントのヒロインが、もう若くはないけど私はまだこんなものじゃない!という不満を抱いて、ベトナムへ旅行。しかも、渡航費用は妻子ある愛人からの金!何で自分のお金で行かないのですかっ?ヒロインの旅の理由がこれまたよくわからない。日本で行き詰まったから、新天地で自分探し?もってまわった耽美な文章、さえない現状に不幸だとひたり、自己憐憫に酔いきったモノローグで書かれる物語はちょっと辟易。 南の国でアバンチュール…というと山田詠美「熱帯安楽椅子」を思い出すが、異国で男漁りというシチュエーションは似ているものの、本作のヒロインはあちらほど素直ではなく、あまり興味を持てない内容の自分語りも多く、理屈をくどくこねまわし、読者の共感を拒む存在となっていく。要するに、ヒロインの性格が可愛くないってことなのかなぁ…。暗鬱な面ばかり強調したベトナムの描かれ方も疑問。 のちに、旅の理由も、色狂いのわけも明かされるがカタルシスは皆無、やや予想さえつく展開で面白みを感じないのであった。ヒロインがつのらせる日常への嫌悪は同情する余地があるが、彼女のベトナムで尽くす愚行と主体性の無さ、思考の怠慢にはあきれ果てるばかりであった。 | ||||
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元タレントの女が、ぶらりと一人ベトナムに旅発ち、着いたその日に出会った男との肉欲に狂う。彼は一体誰で、その先に何が待っているのか?性愛描写にかなりのスペースが割かれていて、最後の最後になってやっとホラーらしくなる作品である。読み進めていくうちに、結末を予想できるような書き方をしているが、短い作品なので、どんでん返しのような仕掛けを施して欲しかった。 | ||||
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30歳の元アイドルが東京で男の愛人として生きているが現実を生きている思いがしない。ベトナムへ吸い寄せられるように行き、彼女をずっと待っていた彼と、こうなることを待っていた彼女は、性愛の虜となる。「床惚れ」こんな言葉があるらしく、この世の地獄で天国らしい。読んでいるうちに、なんで?と思うことは、読み進むにつれて解っていくが、そんなところではなく、岩井志麻子の土着性のある薄気味悪さを感じて欲しい。 | ||||
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舞台はベトナム。女は30過ぎの日本人、東京でオヤジに囲われる元アイドル。男は若いベトナム人、ホーチミンにいる。「官能的」というキャッチフレーズや、デュラス『愛人』のパロディを想わせる宣伝文句にそそられた。確かに、良かった。言葉の通じない若い男性の性的な魅力が余すところなく伝わってくる。清潔感あふれ、涼しげなまなざしを持ち、端正な口元でほほえむ「彼」が片言の言葉をかわしながら主人公とセックスする様子の、なんとみだらで魅惑的なことか。同時に、家庭や生産へと向かわないことを当初から運命づけられた性愛の、ある究極のあり方とその醍醐味が、見事に描かれてもいる。 話の展開の早さに、「おい、これは簡単すぎない?」とつっこみを入れながら読んだが、最後まで読ん!だ!!ときに、その考えが浅はかだったことに気づいた。さほど込み入った仕掛けのある筋ではない(むしろ恐ろしくシンプルな)ので、勘の良い読者の方なら、最初からある程度結末を予期しながら読めるかもしれない。しかし、そうでない読者だった私は、むしろその鈍感さ故に、読み終わった後、結末を暗示するべく埋め込まれ、慎ましやかに潜んでいた仕掛けの数々を辿り直すという快楽を味わった。薄い本ですぐ読めるので、旅に出る方、例えば夜間に飛ぶ飛行機の中などでの読書におすすめの本。ただし、性的描写が多いので、日本語を理解する方々の多い場所では読みづらいかもしれない。 | ||||
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