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七つの時計
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七つの時計の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.50pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全14件 1~14 1/1ページ
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〇電子書籍版発行……2012年5月25日 Kindleの「メモとハイライト」「栞」機能……×(本文のどこに入れても、「目次」と表記) Kindleの表紙……×(なぜか著者の肖像写真) Kindleのページ表記……〇(あり) 『チムニーズ荘の秘密』から数年後、持主のケイタラム卿は邸を鉄鋼王サー・オズワルド・クートに貸し出していたが、二年の借用期間が終了して、ケイタラム卿がチムニーズ荘に戻ってくる。主人公は彼の娘バンドル。前作でもチョイ役ながら登場して、元気のいいところを見せていたが、本作は主に彼女の冒険であるw 彼女は元気がいいだけでなく、運転がめっぽう荒い。 どれくらい荒いかというと、呑気なケイタラム卿が同乗しようとしないくらいであるw 当時の道の状態や接地性や制動力を想像すると、大層危険な運転をしている描写に感じたが、いや当時はエンジンも非力だから、描写ほどには速度は出ていないのかなとか、交通量が現代と全然違っていて、意外に危なくないのかななんて思いながら読んでいると、案の定突然道に出てきた人影を轢いてしまう……コラコラ。 それが撃たれたデヴァルーで、実際のところ彼女は撥ねていなかったのだが、突然の人影に対応できなかった事実は変わらない。まぁ当たり屋のように飛び出してきたのかもしれないがw いずれにせよ、それを切っ掛けにバンドルは事件に巻き込まれる――というか、自ら渦中に飛び込んでいく。 彼女の登場早々、レイディ・クートの手に負えなかったチムニーズ荘の庭師頭をあっさり意に添わせるシーンが傑作だ。 それにしても著者の冒険スリラーは緩いw いや、わたしはそれは特長であって、好きな点でもあるのだが、この手のジャンルに、ひりつく緊張感や苦味あるストーリー、情緒を揺さぶられる展開を期待する人にとっては、とてつもなくつまらなく感じてしまうかも。 前途ある若き青年が二人も殺されるのだが、――それが担当のキャラでもあるが――ケイタラム卿は最初に掲げたようにとぼけたコメントをするし、周囲の友人たちも、悲しがったり憤ったりする台詞はあるものの、極めてドライに――というか、怯えることなくユーモラスにわちゃわちゃ動いている。ましてや犯人サイドの感情のなさはむしろ怖ろしく感じたほどである。 話は変わるが、題名について。 原題がThe Seven Dials Mysteryだから、邦訳の『七つの時計』は間違いではないし、死んだジェリーの枕元には、なぜか一個減った7個の時計が並んでいたという謎がある。しかしこの「なぜか」に対する回答は吃驚するほどしょーもなかったw そもそも原題のSeven Dialsは、その名を冠した秘密結社の名称であって、作中ではセブン・ダイヤルズと訳されている。むだに7個の時計に注視してしまった……。 まぁ細かいことはさておき、本作には顔を覆って会合する秘密結社が登場する。しかし『ビッグ4』で感じたような不満はなかった。 秘密結社の扱いが両者で随分異なることもあるが、感想がこれほど違う根本の理由は、本書にエルキュール・ポワロが登場しないからである。ポワロもユーモラスな会話を多用するキャラなのだが、こと推理小説で、凶悪な犯人を糾弾する神の使いを演じる“全能の名探偵”に、容易く幼稚な陰謀論に与してもらうわけにはいかないからw もちろん作品内では、陰謀論ではなく驚くべき事実である……。 そんなこんなで、著者の冒険スリラーはこんなものと構えているので、個人的には本書を十分楽しんだ。 その割に★3つだけどw ところで英国の外交と言えば、多くの点で日本の外交より遥かに優秀、あるいは狡猾なのだが、本作に登場する外務次官や若き外交官たちに有能な気配はまったく見られないのがなんとも……。 それはある任務における装いだという描写もあったが、それにしても、「なにしろ十一時までには外務省に顔を出さなきゃいけませんから」(P.21)って、この勤務体系はひど過ぎない? こういった端々の描写は、すべてが事実でもなければ空想でもないように思うのだが、現実では どのあたりだったのだろう? | ||||
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アガサの活劇物は、あまり興味を引かないのだが、最後までしっかり読むと、意外に面白い読後感が出てくる。 | ||||
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ポアロもミス・マープルもトミーとタペンスも出ない、パーカー・パイン氏も謎のクィン氏も登場しない。クリスティ女史のそのような作品にも反面傑作が多数あることは周知の通りですが、本作、チムニーズ館の所有者ケイタラム卿の一人娘バンドルが実に魅力的。既に文庫で読了の本作を、どうしても電子版でも新訳で読みたくて購入、すごく面白く読めました。当然真犯人は記憶していましたが、クリスティ女史お得意の筆致に作品を堪能。同じく有名な探偵達が登場しない分作中人物描写が見事で読み甲斐ある『茶色の服を着た男』と読後感を比較してみました。どちらも娯楽性の高い傑作ですが、『茶色の服を着た男』の構成はやや単調、女主人公アンの性格がやや激し過ぎてちょっと疲れるのに比して、バンドルは非常に魅力的な女性、セブン・ダイアルズなる秘密結社の謎に始まり軽妙な展開にワクワクする。どちらも素晴らしい作品ですが、自分は本作のほうが好きです。欲を言えば、ちょっと描写が足らずリアリティー薄いビルがもう少し描かれていたらより面白かったかなと。いずれにせよ、非日常の世界に連れ出してくれた本作、また読みたくなると思います。オススメ‼︎ | ||||
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最後まで逆転が続きます。 主人公の行動が、良くも悪くも事態をひっかき回していたようです。 | ||||
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『チムニーズ館の秘密』を読んでるとさらにおもしろい。 今回の主人公は公爵令嬢バンドルだ。 チムニーズ館の一時的オーナーサー・オズワルド・クート氏って何者? バンドルと父のケイタラム卿との会話がたのしい。 | ||||
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終盤まで犯人が判明しないよう、上手く書かれています。 推理小説は作家と読者の闘いでもあると思うのですが、 こちらの推理を上手くそらしてしまう力があるので、 そこが悔しいけど面白い。 犯人が判って読み返してみるのも面白いです。 | ||||
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2つの殺人とその裏に見え隠れする謎の組織「セブン・ダイヤルズ・クラブ」。そしてその組織の正体を暴こうとするバンドルとジミー、ロレーンだが...。 とにかく結末(犯人と「セブン・ダイヤルズ・クラブ」のナンバー7の正体)に驚かされる作品。最後の最後で白と黒が反転するような鮮やかさ。後の某有名作品で使用されているトリックの原型も用いられている。 犯人が最後にバンドルを殺そうとした理由がよくわからないのが唯一の不満だが、それを除けば作者冒険ものの軽妙さが存分に楽しめる作品である。 | ||||
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勇気ある一人の女性の行動が 物語を進めていきます。 まさかバンドルがあのような行動に及ぶとは 思いもしませんでした。 だって、普通あのような行動は 男性だってためらうというのに… それを女性がやっちゃうんですよ。 きっと犯人に関しては 予想もつかないことでしょう。 まさかの展開が 本当にありえてしまいますからね。 恐ろしいものです。 最後まで気を抜いてはいけない作品です。 | ||||
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なぜ時計が7つなのか。 いろいろな謎がわいてきて、その解がわかりませんでした。 アガサクリスティの経験による作品と想像(創造)による作品に分類すると、想像による作品に区分できるかもしれません。 事件のあったのはアガサクリスティの知っている地方なので、経験による作品に分類できるかもしれません。 そうすると、人物、地方と、経験と想像の2軸で4つに分類できます。 人物も地方も経験のない作品は、ほとんどないような気がしますがどうでしゅうか。 まもなく全作品を読み終わりますが、最初のころに読んだものは全く覚えていないので、断言できません。 表計算ソフトに入れて分類をはじめたので、2度目を読みながら分類していこうと思っています。 ほかに、なにか分類に使う概念はあるでしょうか。 | ||||
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あまりにも意外な結末だったので、犯人に関する前半の描写について文句を言いたくなるほどでした。 ストーリーは分かり易いものです。Sir Oswald がChimneysで開いた週末のパーティーでの不審死をめぐって、若者達が事件の真相に迫ります。第二の死に遭遇したBundleはSeven Dials という秘密結社の存在を突き止め、Jimmy、犠牲者の妹Loraineと協力して活躍します。三者三様の冒険に乗り出します。 愉快な場面もあって、特にLord Caterhamのパーソナリティは楽しさを倍加します。娘Bundleの結婚をめぐっての,Lomaxとの会話では笑い出してしまいました。とぼけて見える若者が実は切れ者だったり、重厚にみえる政治家がドジだったり人間描写が固定していないところが楽しめます。 いつもながらBattle 警部の手腕は光ってますね。 | ||||
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チムニーズ館に宿泊していた外交官の一人、ジェリー・ウェイドを驚かせてやろうと、他の宿泊客たちが彼の部屋に八つの目覚まし時計をベッドの下に忍ばせたのだが、翌朝彼は睡眠薬の飲みすぎで死んでいた。そして、八つの時計のうちの一つが庭へ投げ捨てられ、七つの時計がマントルピースの上に並べられていた。 この謎に、チムニーズ館の主人ケイタラム卿の娘、バンドルが立ち向かうが、新たな殺人が発生し、その被害者もまた「セブン・ダイヤルズ」という言葉を残して死んでいった。果たして、謎の組織「セブン・ダイヤルズ・クラブ」と事件との関連は?...というのが本書のあらすじ。 舞台は『チムニーズ館の秘密』と同じチムニーズ館で、前作で脇役キャラだった人物は多く登場するが、前作の主役だったアンソニー・ケイドは登場せず、話の内容にも前作とのつながりはない。さしずめ『新・チムニーズ館の秘密』といったところだろうか。 『チムニーズ館』を読まなくても楽しめる(実際、私は本書の方を先に読んだが特に支障は感じなかった)が、作品の雰囲気をより楽しむためには順番に読んだ方がよいだろう。 『チムニーズ館』はドバタバ劇のような軽いノリが楽しく面白かったが、意外性とか驚愕度という点では今一つだったのに対し、本書の結末には間違いなく驚かされると思う。 作者はある叙述のトリックを仕掛けていて、そのトリックは(本当はトリックではないのだが)バンドルにも仕掛けられているので、読者はバンドルの視点で物語を追っていく限り、彼女と同じ驚愕を感じるに違いないと思う。 『チムニーズ館』同様、本格推理作品ではないので論理的に謎を解くことはできない。流れに任せて一気に読み通すのがよい。 | ||||
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この作品は、クリスティーの作品の中でも傑作の部類に入ると思います。 『チムニーズ館の秘密』と同じ登場人物が出てきますが、話はつながっていないので、これ単体で楽しめます。『チムニーズ館の秘密』では脇役だったバンドルが本作では主人公です。 謎のセブン・ダイヤルズをめぐる冒険ミステリです。途中で犯人はわかってしまいましたが、最後の謎解きでは驚かされてしまいました。読後、何気なく読んでいたところが、実はとても巧妙に書かれていたことに驚かされました。 個人的には、前作に続いてケイタラム卿が出てきたことと、前作では邪魔者扱いだったビル・エヴァズレーが活躍できていたことが嬉しかったです。 | ||||
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クリスティのミステリのなかで最も好きな作品です。クリスティを知ってまだ間もない頃に何度も読み返したからかも知れません。先日読み返したら、最近の好みと少しずれていて、時の流れを感じました。 ポアロもミス・マープルも出てきませんが(バトル警視は登場します)、バンドルという知的で行動力のある若いヒロインが、友人の外交官たちを巻き込んで殺人事件の解明に乗り出します。サスペンス風味の冒険青春小説といった趣で、読後感がとても爽やかです。登場人物は有閑なお金持ち。古き良きイギリスの香りがします。 若い方にお勧めの本です。夏休みにいかが? | ||||
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秘密結社、新発明の秘密書類、泥棒紳士、ヨーロッパ出身の妖婦…。こう聞くだけで、冒険ミステリー好きな人にはたまらないと思います。しかし、こうした「お約束」とでもいった設定を用いながら、ありきたりのお話にしていないところが、クリスティーのクリスティーたるゆえんではないでしょうか?読み進んでいくうちに、明かされていく真実は、私たちの予想をいい意味で裏切るもので、テンポのよさと相まって、一気に読まされます。正直、クリスティ-ファンの方なら、犯人はすぐにピンと来るでしょうから、犯人の意外性という点では、欠ける所があるかもしれません。しかし、セブン・ダイヤルズ・クラブとその首領であるナンバー7の正体には、本当に驚かされました。さらにこの作品を楽しく読ませているのは、ユーモアのセンスとでも言うべきものが、底に流れているからでしょう。クリスティーの冒険ミステリーの典型的主人公とも言える生き生きとした女性バンドルと、イヌのように忠実な愛すべきビルとの恋愛も含め、多彩な登場人物が物語を彩り、盛り上がてくれています。個人的には、愛すべきぐうたら、バンドルの父であるケイタラム卿とバトル警部のファンです。 | ||||
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