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永遠(とわ)に去りぬ
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永遠(とわ)に去りぬの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.00pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全7件 1~7 1/1ページ
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40歳をやや越えた魅力的な女性と山登りの途中で遇い、一時の語らいを楽しんだ後、その女性が謎の死を遂げるという惹句が気に入ったので読んでみた。 若い頃、このような惹句(いくら魅力的だったとしても40歳を越えたオバハン)に心が動くことはなかったのに、いやはや歳をとったものだ。 冒頭、内訌・賞牌・石径・開豁・稽(とど)める・嶝(さかみち)・陟(のぼ)り・…と、やたら凝った文字を使用し、その気障さに辟易としたが、慣れてしまうと、逆に文学的味わいが有るもんだと気にならなくなった。 とりわけ半ば過ぎまでゆったりと読み進めてきてからの、後半のスピード感は瞠目するものがある。 ゴダードは文章力に加え、当り前のことだが、ミステリーに拘泥しているところが嬉しい。 | ||||
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叙情的な美しい人生のひとコマが、まさか謎の殺人事件へのプロローグになろうとは・・・事件の真相もさることながら、それを暴こうともがく関係者の行動にものけぞること請け合い。そして驚愕のラスト!「巻き込まれ型主人公」が多いゴダード作品ですが、これもそう。よく言えば「感受性が強い、他人のために何かしなければ気がすまない」ボランティア・ヒーローですが、めった斬りするなら「金持ちでヒマなだけ、おせっかい」。その好き嫌いはともかく、その人が東奔西走することで事態はここまで面白くなるのです!健康のため、徹夜の一気読みにご注意な一作です。 | ||||
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事実は小説より奇なりという月並みな語がある。この本は小説であるが(あるが故にか?)、十分に奇であった。事実でも起こりうるであろうか?人間の精神が追い込まれたとき、大いなる悲しみに占められたとき、この本の後半部分や結末のような行動にでるであろうか?主人公の「私」の感じている感覚は、決して文章で説明が付くようなものではなく、多少なりとも同様の感性を有する読み手にだけ伝わるきわめて感覚的なものであるように思え、奇であるかそうでないかは意見の分かれるところであろう。さて、本作の原著は1995年に出版されている。当然、日本での訳本の出版は原著の出版順になっていないため、原著を読むのが億劫な私は最近これを読んだ。デビュー作の「千尋の闇」に衝撃を受けて以来、内容が!読めてしまうような作品が続き、ゴダードから離れつつあった頃であった。だが、この作品に関しては、完全にだまされてしまった。何度も私の推測に覆い被さるように、展開が変わり、驚かされた。非常に複雑なプロットであり、物語の始めである「小さな出会い」を何重にも包み込んでいる。その点で、最高評価をしたいと思う。しかしながら、結末に難を感じた。最後の最後までは納得できる展開であったが、「私」が結末の直前に考えたことと、本当の最後に起こってしまったこと、その「私」の変わり様が納得できない(ネタばれになるため詳しくは書けないが)。文頭にも書いたが、これが納得できるかどうかも、読み手の感性によるのではあるが・・・・。 | ||||
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蒸せかえる夏の夕暮れに出会った女性。主人公は一時の語らいで、彼女のある言葉が胸に響いた。凄惨な殺人事件の被害者となってしまった女性が残した言葉。主人公は、彼女の面影に惹かれた自分を認めつつその事件と取り巻く人間関係の渦中へ身を置いていく。友人でもなく恋人でもないただ一時惹かれた人をそんなに想い起こすものなのか?と不思議にも感じたが一瞬でも胸に響く言葉、まなざしに接するとどんなに長い時間をともにした相手より深く心が惹かれることは現に存在するのではないだろうか。この本を最後まで読んでそう思えてきた。人の知性が為せる精神の危うさ、もろさ、情熱が事件の謎を深くしたのか。翻訳本だが読みやすかった。人の精神の行方を考えつつ読めて面白かった。 | ||||
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事件の真相は、最初あまりに薄っぺらであるように思われた。しかしその薄っぺらな真相は覆され事件は意外な面を見せ、さらに重い真実が影に隠れていたのだ。物語りは非常に入り組んだ迷路のように事件の核心に向かってロビンと読者を導いていく。この迷路にはどこにでも出口があるように見えるが、実際にはどこにも出られず中心へ向かうしかない。最後は事件の核心にとらわれてしまうロビンともども、読者はしっかりゴダードの世界にすっかり取りこまれてしまうのだ。 読み応えのある一冊、じっくり読む時間のあるときにおすすめしたい。 | ||||
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あたまをあきらかにして、将来を決めるためにくわだてた、ウェールズ国境への旅。 そこで出逢った四十なかばの女性。精神は若く、上品なのだが、澄ました顔で予想もつかないことをやりそうな蓮っ葉なところがあり、ぜひともそばにおいて味わってみたいなぞめいた静かな様子の持ち主。 初対面の「私」と、心の奥底をかいま見せたようなやり取りを経て、彼女は「グレイドストリまで乗せてあげましょうか?」と言った。 「私」は、申し出を断り、彼女の二人乗りの白いメルセデスに乗ることなく別れたが、旅の残りは、またしても、貴重な機会を、逃したのかという後悔と、彼女への思いで彩られた。 五日後、母の家で、彼女が「私」と出逢ったあの日、表現主義の画家の家で、暴行され絞殺されたのを知る。 容疑者は逮捕された。しかし、彼は、容疑を否認する。性交渉はあったが、彼女に誘われたのだ、殺してはいない。それが容疑者の主張だ。 有罪の判決。だが、「私」は、落ち着かない。はたして彼女は、「私」を誘ったように、犯人も誘ったのではないか。二流の小説でよくあるように、上品な女性が、ときおり、思い切った情事に身を任すというのは、ここでも真実なのではないか。 昔はかわいかったかもしれないがいまは美しい。そんな女性の、真の生活とはなにか。 そして、ゴダードのつけた決着は? | ||||
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最初はのろのろと物かダリは進みますが、中盤から さすがはゴダードと言うすごい展開になります。 良くこんな小説が書けるなあ、と毎回感心しますが、今回は特にプロットの組み立てが素晴らしいです。 主人公もゴダードらしい男の人です。 | ||||
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