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(短編集)
アシェンデン
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【この小説が収録されている参考書籍】
アシェンデンの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.32pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
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全2件 1~2 1/1ページ
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ペーパーバック: 352ページ Vintage Classics; New Ed版 (2000/9/26) ISBN-10: 0099289709 のレビュー Vintage およびPenguin から出版されている Collected Short Stories Volume 3 (Vintage Classics) と内容がダブっている。ただし、あちらに収録の Sanatorium (1938)は未収録。 一方、 13. The Flip of a Coin はむこうに収録されてないらしい。(現物では未確認) なぜ、こんな変則的なコレクションにしたのか? では、内容。 スパイ・サスペンスとしても楽しめます。こんなことをわざわざ書くのは、最初の部分がいつものモーム調だから。上流階級の社交生活、根無し草の人間がたむろする多国籍社会を皮肉に観察する。 その後、諜報機関の任務が描かれ、サスペンスに富んだ作風を見せる。 わたしが一番楽しんだのは、 14. A Chance Acquaintance 苦いユーモアや冷静な人間観察ではなく、ドタバタ調の自虐的一品。殺したいほど話し好きで善良なアメリカ人とシベリア鉄道の車内に閉じ込められたアシェンデン(=作者)のイライラを見事に描く。 もっとも、アシェンデン=作者と見てしまうのは早計かもしれない。作者自身の体験としての興味はあるものの、独立したフィクションとして楽しむのが正解だろう。 | ||||
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「月と六ペンス」などで有名な文豪、サマセット・モームの実体験に基づくスパイ小説の古典である。 舞台は第一次世界大戦初期の欧州。 英国の諜報部員アシェンデンは様々な任務を帯びて暗躍する。 本書は「連作読切形式」「短編集」というのが通り相場だが、収められている16のストーリーのいくつかは明確につながっていて、1冊まるごと長編小説といえなくもない。 前半部分はスイス、イタリア、フランスを舞台に様々な登場人物が入り乱れ、任務を遂行するアシェンデンの前に立ちはだかるまさに「スパイ小説」にふさわしい内容なのだが、後半部分になるとX市駐在英国大使の打ち明け話(過去のロマンス)やアシェンデン自身のロマンスなど、ロシア革命は背景にあるものの、どちらかといえば通俗小説(とまで言うと言い過ぎか?)っぽくなってくる。 前半はみごとなハードボイルドなのだが、後半になって茹でが甘くなった? とはいえ、さすがにモーム。そのスト―リテリングの巧みさは素晴らしい。四百数十ページとそこそこのボリュームだが、長さを感じさせずに読者を引っ張ってくれる。 序文にも書かれているが、プロットの連鎖で読者をクライマックスに導くべし、というモームの小説作法の面目躍如たる一冊である。■ | ||||
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