(短編集)

アシェンデン

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評判

アシェンデンの評価:

4.31/5点 レビュー 26件。 D ランク

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平均点4.31pt

Amazonレビュー一覧

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※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全42件 1〜20 1/3ページ
No.42
(4pt)

(2025-85冊目)フレミング、フォーサイス、ル・カレともひと味違うイギリス諜報小説

.
 第一次世界大戦中、イギリス人作家アシェンデンは祖国のためにスパイ活動に勤しむことになる。これはその顛末を描いた連作短編集。

---------------
『月と六ペンス』や『人間の絆』で知られる作家サマセット・モーム自身、大戦中にMI6の一員として諜報活動に携わった経験があります。これはそのときの実体験を基に描いているのでしょう。
 実際に諜報活動に携わったイギリス人作家といえば、007シリーズのイアン・フレミング、『第4の核』で知られるフレデリック・フォーサイス、そしてサーカス・シリーズのジョン・ル・カレと、有名どころが数多存在します。フレミングは華麗で女性にも大人気のスーパー・スパイ、フォーサイスは一応の大団円を迎えるエンタメ・スパイ小説、ル・カレは非情なスパイの実態を冷徹に描く、とそれぞれ個性があります。モームの『アシェンデン』はそのどれとも異なり、ある種淡々と、だからこそ日常の市民生活と諜報活動の不即不離な様子を描いているな、というが素朴な感想です。

 そしてわたしの心に一番残ったのは、諜報活動の様子ではなく、実ることのなかった女性との熱情を描いた『大使閣下』と『恋とロシア文学』の2編です。
『大使閣下』はX国に駐在するイギリス人大使のウィザースプーン卿がかつての友人の女性関係――と称してはいるものの十中八九、自身の体験――を語る短編です。卿とアリックスという軽業師の女との間に恋情が生まれますが、女の自由奔放ぶりに卿自身は翻弄され、腹を立て、それでも縁を切ることができません。自らの気持ちを御することのできない、惚れた男ならではの哀れに心惹かれるのです。
 また『恋とロシア文学』ではアシェンデン自身とロシア人女性アナスターシャ・アレクサンドローヴナとの間のいわくいい難い関係が乾いた筆致で描かれます。あれほど気のあったはずの相手の女性なのに、その女性のほんの些細な日常の習慣が、男の胸中で耐え難い障害と化していく。それでいてアシェンデンと件の女性は数年を経て『ハリントン死の洗濯物』で奇妙な再会を果たします。どこか割り切ったように大人の対応を見せるふたりの関係が奇妙に印象的です。

 この『ハリントン死の洗濯物』はモーム自身がロシア2月革命直後に首都ペトログラードに入って諜報活動に当たり、それがレーニン率いるボルシェビキの11月革命によって頓挫していった苦い経験が背景にあります。当時のロシアの混乱状況を間近に目撃した作家ならではの緊迫感が描かれていて、その点もまた、味わい深い一編といえます。

 翻訳は河野一郎先生。33歳時の1963年(昭和38年)に新潮文庫用に翻訳されたものを、1994年にちくま文庫に収録するにあたって手を入れています。『翻訳上達法』(講談社現代新書)等の指南本を残した河野一郎先生ならではの、大変読みやすい邦訳です。

.
アシェンデン―英国秘密情報部員の手記 (ちくま文庫―モーム・コレクション) Amazon書評・レビュー: アシェンデン―英国秘密情報部員の手記 (ちくま文庫―モーム・コレクション)より
4480030018
No.41
(4pt)

(2025-85冊目)フレミング、フォーサイス、ル・カレともひと味違うイギリス諜報小説

.
 第一次世界大戦中、イギリス人作家アシェンデンは祖国のためにスパイ活動に勤しむことになる。これはその顛末を描いた連作短編集。

---------------
『月と六ペンス』や『人間の絆』で知られる作家サマセット・モーム自身、大戦中にMI6の一員として諜報活動に携わった経験があります。これはそのときの実体験を基に描いているのでしょう。
 実際に諜報活動に携わったイギリス人作家といえば、007シリーズのイアン・フレミング、『第4の核』で知られるフレデリック・フォーサイス、そしてサーカス・シリーズのジョン・ル・カレと、有名どころが数多存在します。フレミングは華麗で女性にも大人気のスーパー・スパイ、フォーサイスは一応の大団円を迎えるエンタメ・スパイ小説、ル・カレは非情なスパイの実態を冷徹に描く、とそれぞれ個性があります。モームの『アシェンデン』はそのどれとも異なり、ある種淡々と、だからこそ日常の市民生活と諜報活動の不即不離な様子を描いているな、というが素朴な感想です。

 そしてわたしの心に一番残ったのは、諜報活動の様子ではなく、実ることのなかった女性との熱情を描いた『大使閣下』と『恋とロシア文学』の2編です。
『大使閣下』はX国に駐在するイギリス人大使のウィザースプーン卿がかつての友人の女性関係――と称してはいるものの十中八九、自身の体験――を語る短編です。卿とアリックスという軽業師の女との間に恋情が生まれますが、女の自由奔放ぶりに卿自身は翻弄され、腹を立て、それでも縁を切ることができません。自らの気持ちを御することのできない、惚れた男ならではの哀れに心惹かれるのです。
 また『恋とロシア文学』ではアシェンデン自身とロシア人女性アナスターシャ・アレクサンドローヴナとの間のいわくいい難い関係が乾いた筆致で描かれます。あれほど気のあったはずの相手の女性なのに、その女性のほんの些細な日常の習慣が、男の胸中で耐え難い障害と化していく。それでいてアシェンデンと件の女性は数年を経て『ハリントン死の洗濯物』で奇妙な再会を果たします。どこか割り切ったように大人の対応を見せるふたりの関係が奇妙に印象的です。

 この『ハリントン死の洗濯物』はモーム自身がロシア2月革命直後に首都ペトログラードに入って諜報活動に当たり、それがレーニン率いるボルシェビキの11月革命によって頓挫していった苦い経験が背景にあります。当時のロシアの混乱状況を間近に目撃した作家ならではの緊迫感が描かれていて、その点もまた、味わい深い一編といえます。

 翻訳は河野一郎先生。33歳時の1963年(昭和38年)に新潮文庫用に翻訳されたものを、1994年にちくま文庫に収録するにあたって手を入れています。『翻訳上達法』(講談社現代新書)等の指南本を残した河野一郎先生ならではの、大変読みやすい邦訳です。

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アシェンデン (ハヤカワ・ポケット・ミステリ) Amazon書評・レビュー: アシェンデン (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)より
4150006237
No.40
(4pt)

リアリストは戦争を肯定するのかな?

スパイ小説の超古典。作者は第一次世界大戦時に大英帝国のスパイとして暗躍。フィクション化されて、いくらく誇張があるにせよ、登場人物のスパイや暗殺者も怪物ぞろい。最後はロシア革命で終わるが、そこで描かれるロシア人が傑作。また、革命前の西ヨーロッパでのロシア・ブームの描写が見事。
 ロシア革命が成功したのは、それが大戦前の世紀末ヨーロッパの没落感と連動していたからだと、ぼくは思うが、リアリスト・サマセット・モームはどうもその没落感を楽しんでいる気配がある。自称リアリスト、実はニヒリスト。人間とは卑小なものだとモームは得々としている、安全地帯(?)でね。
アシェンデン―英国情報部員のファイル (岩波文庫) Amazon書評・レビュー: アシェンデン―英国情報部員のファイル (岩波文庫)より
4003725042
No.39
(4pt)

一気に読めた

モームの作品はどれも退屈しないでどんどん読める。
ロシアのウクライナ侵略でプーチンがKGBに居たということで、読んでみたくなった作品。
中でも「売国奴」の章が一番おもしろかった。
私はモームと相性がよいようで、もっとモーム作品を読んでみたくなり、「要約すると」と「お菓子とビール」を注文した。楽しみである。
アシェンデン―英国秘密情報部員の手記 (ちくま文庫―モーム・コレクション) Amazon書評・レビュー: アシェンデン―英国秘密情報部員の手記 (ちくま文庫―モーム・コレクション)より
4480030018
No.38
(4pt)

一気に読めた

モームの作品はどれも退屈しないでどんどん読める。
ロシアのウクライナ侵略でプーチンがKGBに居たということで、読んでみたくなった作品。
中でも「売国奴」の章が一番おもしろかった。
私はモームと相性がよいようで、もっとモーム作品を読んでみたくなり、「要約すると」と「お菓子とビール」を注文した。楽しみである。
アシェンデン (ハヤカワ・ポケット・ミステリ) Amazon書評・レビュー: アシェンデン (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)より
4150006237
No.37
(5pt)

想定以上に良い状態

全く問題なし
アシェンデン―英国秘密情報部員の手記 (ちくま文庫―モーム・コレクション) Amazon書評・レビュー: アシェンデン―英国秘密情報部員の手記 (ちくま文庫―モーム・コレクション)より
4480030018
No.36
(5pt)

想定以上に良い状態

全く問題なし
アシェンデン (ハヤカワ・ポケット・ミステリ) Amazon書評・レビュー: アシェンデン (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)より
4150006237
No.35
(5pt)

No thanks if well done, no help if in trouble

When war breaks out in Europe, Ashenden, a celebrated multi-lingual Brutish
writer, is recruited by the British Intelligence Department to work as an agent in
Geneva. In this hotbed of international intrigue, the British writer's deep
understanding of human nature and his ability to make acute observations of
people prove to be useful in recognizing and manipulating agents on both sides.
Rank amateur though he is in the game of spying, Ashenden shows great
dexterity and ruthlessness in pursuing a dangerous terrorist and in setting a trap
for a traitor.

In recounting his wartime experiences, Somerset Maugham seems a bit secretive
about the agent's missions, but he focuses on portrayal of characters who come
into contact with Ashenden, including a successful diplomat who volunteers to
confide the naked truth about his melodramatic entanglement with a lowly show
girl in his youth, an unbearably talkative American businessman whose strange
obsession for getting back the wash when put in danger costs him his life, and
a Russian female revolutionary who eats scrambled eggs every morning with
dogged persistence. As a spy story, Ashenden is a wonderful read.
アシェンデン―英国秘密情報部員の手記 (ちくま文庫―モーム・コレクション) Amazon書評・レビュー: アシェンデン―英国秘密情報部員の手記 (ちくま文庫―モーム・コレクション)より
4480030018
No.34
(5pt)

No thanks if well done, no help if in trouble

When war breaks out in Europe, Ashenden, a celebrated multi-lingual Brutish
writer, is recruited by the British Intelligence Department to work as an agent in
Geneva. In this hotbed of international intrigue, the British writer's deep
understanding of human nature and his ability to make acute observations of
people prove to be useful in recognizing and manipulating agents on both sides.
Rank amateur though he is in the game of spying, Ashenden shows great
dexterity and ruthlessness in pursuing a dangerous terrorist and in setting a trap
for a traitor.

In recounting his wartime experiences, Somerset Maugham seems a bit secretive
about the agent's missions, but he focuses on portrayal of characters who come
into contact with Ashenden, including a successful diplomat who volunteers to
confide the naked truth about his melodramatic entanglement with a lowly show
girl in his youth, an unbearably talkative American businessman whose strange
obsession for getting back the wash when put in danger costs him his life, and
a Russian female revolutionary who eats scrambled eggs every morning with
dogged persistence. As a spy story, Ashenden is a wonderful read.
アシェンデン (ハヤカワ・ポケット・ミステリ) Amazon書評・レビュー: アシェンデン (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)より
4150006237
No.33
(5pt)

満足です

たぶん、一般受けはしないだろうが。これは、なかなかいい。こういうのを読むことは老人の冬場の夜の愉しみのひとつなのだ。満足です。
アシェンデン―英国秘密情報部員の手記 (ちくま文庫―モーム・コレクション) Amazon書評・レビュー: アシェンデン―英国秘密情報部員の手記 (ちくま文庫―モーム・コレクション)より
4480030018
No.32
(5pt)

満足です

たぶん、一般受けはしないだろうが。これは、なかなかいい。こういうのを読むことは老人の冬場の夜の愉しみのひとつなのだ。満足です。
アシェンデン (ハヤカワ・ポケット・ミステリ) Amazon書評・レビュー: アシェンデン (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)より
4150006237
No.31
(5pt)

My most favourate among Maugham's novels

My most favorite among Maugham’s novels.
Though criticized as too common to be artistic literature, Maugham placed high importance on legibility and story-telling. This is Maugham’s spy novel at his best based on his experience as intelligence agent.
アシェンデン―英国秘密情報部員の手記 (ちくま文庫―モーム・コレクション) Amazon書評・レビュー: アシェンデン―英国秘密情報部員の手記 (ちくま文庫―モーム・コレクション)より
4480030018
No.30
(5pt)

My most favourate among Maugham's novels

My most favorite among Maugham’s novels.
Though criticized as too common to be artistic literature, Maugham placed high importance on legibility and story-telling. This is Maugham’s spy novel at his best based on his experience as intelligence agent.
アシェンデン (ハヤカワ・ポケット・ミステリ) Amazon書評・レビュー: アシェンデン (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)より
4150006237
No.29
(1pt)

なんで新訳が出るのだろう。

読み始めてすぐ、ああモームだなあ退屈だなあと思ってしまう。スパイ小説だが連作で、じゃあ短編として切れ味がいいかというとそうでもない。ただ西洋人の「ユーモア」という日本人、いや私にはちっとも面白くない会話とか、酒や食べ物の話がだらだら続き、たまさか「女」だの「色恋」がからんでもきわめて陳腐。「モームは面白いが通俗だ」と言われたというが面白くないのである。訳者の一人岡田久雄は「虎キチ」だとか書いてあるが、私が野球に興味がないことと、何か関係があるのかもしれない。
アシェンデン―英国情報部員のファイル (岩波文庫) Amazon書評・レビュー: アシェンデン―英国情報部員のファイル (岩波文庫)より
4003725042
No.28
(4pt)

あくまで通俗なのに、思わずちょっと感心してしまう面白さ

モームはあくまで「通俗」と言われるし、この作品を読んでも確かにそう思うのだが
(「8 ジューリア・ラッツァーリ」の結末の女の科白などは、いかにもという感じ過ぎて
ちょっと萎えた)、それでいて思わず感心してしまうような面白さが本書にはあった。

筋立てはそこまで凝っているというほどではなく、むしろ軽妙で皮肉な「人間観察」
のほうが表に出ている作品が多いのだが、とくに最後のロシア革命に舞台を求めた
挿話など、ハリントン氏とアナスタシーア・アレクサーンドロヴナの2人ともキャラが立ち
過ぎていて、読みながら何度も吹き出してしまった(ただこれも、いささか通俗がかった
アメリカ人やロシア人のイメージを、意図的に誇張した面白さという気はするのだが)。

第一次大戦当時の各国事情やロシアの革命事情に触れた部分なども、「エンタメ」
に徹した作品にはあまりないような知的な面白さがあったが、モームには作品化され
なかったスパイ体験がこのほかにも数多くあったはずというのは、確かにもったいない話
ではあると思う。
アシェンデン―英国情報部員のファイル (岩波文庫) Amazon書評・レビュー: アシェンデン―英国情報部員のファイル (岩波文庫)より
4003725042
No.27
(5pt)

モームらしい。

モームの言葉に
「人は物事の中心ではなく、その周辺にいるのだと心得るべきだ」
というようなのがある。
スパイの仕事は、必要以上に知らされることはなく、知っていても話せないことばかりだから、
当然物事の中心にいることはできない。
自分が関わったミッションの全貌など知る由もなく、ただ自分の役目を静かに果たし、その成り行きを知ることもない。
007シリーズのように、陰謀の中心に常にボンドが巻き込まれ、その全貌がボンドを中心に集約され、
世界の救済がボンドの肩のみにかかる、というようなファンタジーとは対極なのである。
そんなスパイの日常を淡々と、スパイ活動よりその周辺で起きたちょっと面白い話をエッセー風に連作した
小説である。
スパイ小説が、モームの一番モームらしいところを発揮された作品。
味わいがあります。
アシェンデン―英国情報部員のファイル (岩波文庫) Amazon書評・レビュー: アシェンデン―英国情報部員のファイル (岩波文庫)より
4003725042
No.26
(5pt)

男66歳

若いころモームのスパイ短編は読んだが、感心した覚えがまったくない。ところが、著者がまとめたアシェンデンのこの連作短編はストーリー、人間観察ともめっちゃ面白い。哲学的でさえある。ヒッチコックの「間諜最後の日」に使われているのだが、この映画からモームを思い出し再読し始めて現在に到っている次第。
アシェンデン―英国情報部員のファイル (岩波文庫) Amazon書評・レビュー: アシェンデン―英国情報部員のファイル (岩波文庫)より
4003725042
No.25
(3pt)

注意!Collected Short Stories Vol.3 とダブリ

ペーパーバック: 352ページ
Vintage Classics; New Ed版 (2000/9/26)
ISBN-10: 0099289709 のレビュー

 Vintage およびPenguin から出版されている
Collected Short Stories Volume 3 (Vintage Classics)
と内容がダブっている。ただし、あちらに収録の
Sanatorium (1938)は未収録。
 一方、 13. The Flip of a Coin はむこうに収録されてないらしい。(現物では未確認)
 なぜ、こんな変則的なコレクションにしたのか?

 では、内容。
 スパイ・サスペンスとしても楽しめます。こんなことをわざわざ書くのは、最初の部分がいつものモーム調だから。上流階級の社交生活、根無し草の人間がたむろする多国籍社会を皮肉に観察する。
 その後、諜報機関の任務が描かれ、サスペンスに富んだ作風を見せる。
 わたしが一番楽しんだのは、
14. A Chance Acquaintance
 苦いユーモアや冷静な人間観察ではなく、ドタバタ調の自虐的一品。殺したいほど話し好きで善良なアメリカ人とシベリア鉄道の車内に閉じ込められたアシェンデン(=作者)のイライラを見事に描く。
 もっとも、アシェンデン=作者と見てしまうのは早計かもしれない。作者自身の体験としての興味はあるものの、独立したフィクションとして楽しむのが正解だろう。

 
アシェンデン―英国秘密情報部員の手記 (ちくま文庫―モーム・コレクション) Amazon書評・レビュー: アシェンデン―英国秘密情報部員の手記 (ちくま文庫―モーム・コレクション)より
4480030018
No.24
(3pt)

注意!Collected Short Stories Vol.3 とダブリ

ペーパーバック: 352ページ
Vintage Classics; New Ed版 (2000/9/26)
ISBN-10: 0099289709 のレビュー

 Vintage およびPenguin から出版されている
Collected Short Stories Volume 3 (Vintage Classics)
と内容がダブっている。ただし、あちらに収録の
Sanatorium (1938)は未収録。
 一方、 13. The Flip of a Coin はむこうに収録されてないらしい。(現物では未確認)
 なぜ、こんな変則的なコレクションにしたのか?

 では、内容。
 スパイ・サスペンスとしても楽しめます。こんなことをわざわざ書くのは、最初の部分がいつものモーム調だから。上流階級の社交生活、根無し草の人間がたむろする多国籍社会を皮肉に観察する。
 その後、諜報機関の任務が描かれ、サスペンスに富んだ作風を見せる。
 わたしが一番楽しんだのは、
14. A Chance Acquaintance
 苦いユーモアや冷静な人間観察ではなく、ドタバタ調の自虐的一品。殺したいほど話し好きで善良なアメリカ人とシベリア鉄道の車内に閉じ込められたアシェンデン(=作者)のイライラを見事に描く。
 もっとも、アシェンデン=作者と見てしまうのは早計かもしれない。作者自身の体験としての興味はあるものの、独立したフィクションとして楽しむのが正解だろう。

 
アシェンデン (ハヤカワ・ポケット・ミステリ) Amazon書評・レビュー: アシェンデン (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)より
4150006237
No.23
(5pt)

注意!Collected Short Stories Vol.3 とダブリ

ペーパーバック: 352ページ
Vintage Classics; New Ed版 (2000/9/26)
ISBN-10: 0099289709 のレビュー

 Vintage およびPenguin から出版されている
Collected Short Stories Volume 3 (Vintage Classics)
と内容がダブっている。ただし、あちらに収録の
Sanatorium (1938)は未収録。
 一方、 13. The Flip of a Coin はむこうに収録されてないらしい。(現物では未確認)
 なぜ、こんな変則的なコレクションにしたのか?

 では、内容。
 スパイ・サスペンスとしても楽しめます。こんなことをわざわざ書くのは、最初の部分がいつものモーム調だから。上流階級の社交生活、根無し草の人間がたむろする多国籍社会を皮肉に観察する。
 その後、諜報機関の任務が描かれ、サスペンスに富んだ作風を見せる。
 わたしが一番楽しんだのは、
14. A Chance Acquaintance
 苦いユーモアや冷静な人間観察ではなく、ドタバタ調の自虐的一品。殺したいほど話し好きで善良なアメリカ人とシベリア鉄道の車内に閉じ込められたアシェンデン(=作者)のイライラを見事に描く。
 もっとも、アシェンデン=作者と見てしまうのは早計かもしれない。作者自身の体験としての興味はあるものの、独立したフィクションとして楽しむのが正解だろう。

アシェンデン―英国秘密情報部員の手記 (ちくま文庫―モーム・コレクション) Amazon書評・レビュー: アシェンデン―英国秘密情報部員の手記 (ちくま文庫―モーム・コレクション)より
4480030018