冷血

【この小説が収録されている参考書籍】

評判

冷血の評価:

3.76/5点 レビュー 109件。 B ランク

Amazon書評・レビュー点数毎のグラフです

平均点3.76pt

Amazonレビュー一覧

Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全144件 21〜40 2/8ページ
No.124
(4pt)

犯罪とは常にこのように不条理なものかもしれない

「マークスの山」「レディ・ジョーカー」で高村薫の大ファンになった私にとって、その後の「照柿」「晴子情歌」
あたりから、彼女の小説の方向性がより内省的、観念的(という表現でいいかどうか)になっていく
中、なかなか寡作の彼女の作品を手に取ることが憚れてきた。この「冷血」も書かれてから10年ほど
経ってから手に取ることになった。この小説もかなり重いものだと書評等で知らされていたので
覚悟しながらじっくりと読むことにした。ネットの裏掲示板で知り合った若い男二人が、年末資産家の
歯医者一家宅に侵入、留守だと思っていた家人4人を殺害、キャッシュカードと貴金属類を奪って逃走する。
高村らしくディーテイルに拘り、彼らが知り合い、犯行に及び、逮捕され、警察の聴取を受け、
起訴される様子が、まるで法律関係書類を読むが如くに淡々と語られる。別に金欲しさの犯行でも
なく、まして4人を殺害する妥当性もなく、行き当たりばったりの犯行。犯人二人から得られる供述からも
皆が納得できる動機は出てこない。二人にとってこの凶行は何だったのか。巻末には、遺族たち
自身が亡くなった4人の人間たちへの思いが複雑であったことも述べられる。犯罪という一般人に
取っては最も非日常的な行為は決して教科書のように皆が納得できる理由付けや、ストーリーを常に
持っているものではないということを高村は言っているのか。人生経験を積み、成熟した刑事合田
雄一郎とともにこの犯罪を考えていくという読者の立場を楽しみながら読了した。考えさせられる
作品だが、決して退屈ではない。高村薫の筆力を見せつけられた気がした。
冷血(上) Amazon書評・レビュー: 冷血(上)より
4620107891
No.123
(5pt)

戸田は親というより時代の犠牲者なのでは。

本作のタイトル通り「冷血」な犯人のひとり井上に対して、もうひとりの犯人戸田の生い立ちには哀愁が漂う。戸田を象徴していると言っていい彼の悲惨な歯の状態は作中で彼の両親が子供に無関心であったことの表れのひとつとして描写されている。

 しかし、戸田が昭和四十三年生まれであるということを考慮するとこれは一概に親のせいにできるものではないと思う。

 1970年前後の日本では「虫歯の洪水」といわれるほど虫歯が蔓延していた。当時虫歯の痛みに苦しんでいた子供は何も戸田だけではなく日本中に存在していたのである。そして乳歯は生え変わるのだからと治療をしないでいることが珍しくなかった。幼少の戸田は学校検診で治療勧告書をもらうと治療を受けさせてもらっていたようなのでまだ幸福な方だといえる。

 今でこそ子供を持つ親は子供に歯が生えるとすぐに歯磨きを始め、歯科医院で定期検診やフッ素塗布などの予防処置を受けさせているが戸田が生まれ育った時代ではそれこそ歯科関係者の子供でもなければそんなことをしてはもらえなかったであろう。昭和三十一年生まれの私の両親も、あの時代は親が子供の歯を磨いてやる習慣などなかったと言っていた。(なんなら令和の今ですら田舎ではそんな習慣のない家庭はあるのだ。)

 戸田は「歯列矯正をしてもらえなかったせいで歯磨きがまともにできてなかったんだと思う」と言っているが、当時の日本で歯列矯正を受けられる子供などそうそういまい。今ですら高額な治療費が払えず歯並びが悪いままの人は少なくないし、歯磨きがしやすいよう歯並びを整えるという発想をする親が昭和の時代にどれだけいたであろうか。今ですら歯列矯正を美容整形の一種だと思っている者がいくらでもいるのだ。昭和半ばならば親が矯正治療の存在そのものを知らないかもしれないし、そうでなくとも役者を目指すわけでもないなら歯並びなんかどうだっていいというのがその時代ではスタンダードではなかったか。

 昭和中期の生まれである戸田の両親は恐らく戦前~戦中の生まれであると推測できる。教師になっているのであるからその世代にしては恵まれた環境に育った可能性が高いが、それでも戦中や戦後のひもじさを、歯を食いしばって耐えてきたことであろう。子供にはせめてそんな思いをさせまいと、将来いい暮らしができるように子供に学歴をつけさせようとするのは自然なことであろう。確かに戸田の親の教育熱心さは異常といえるが、そもそも戸田と同じ昭和四十年前後生まれの人々の少子化の今とは比べ物にならぬほど厳しかったそうだ。そんな時代だと教師の親は自ずと厳しくもなるだろう。

 そういったことを考えると、戸田は毒親の犠牲者というより「虫歯の洪水と受験戦争」の時代の犠牲者なのかもしれない。

 小説そのものは文句なしに面白かったので星五つ。
冷血(上) Amazon書評・レビュー: 冷血(上)より
4101347255
No.122
(5pt)

戸田は親というより時代の犠牲者なのでは。

本作のタイトル通り「冷血」な犯人のひとり井上に対して、もうひとりの犯人戸田の生い立ちには哀愁が漂う。戸田を象徴していると言っていい彼の悲惨な歯の状態は作中で彼の両親が子供に無関心であったことの表れのひとつとして描写されている。

 しかし、戸田が昭和四十三年生まれであるということを考慮するとこれは一概に親のせいにできるものではないと思う。

 1970年前後の日本では「虫歯の洪水」といわれるほど虫歯が蔓延していた。当時虫歯の痛みに苦しんでいた子供は何も戸田だけではなく日本中に存在していたのである。そして乳歯は生え変わるのだからと治療をしないでいることが珍しくなかった。幼少の戸田は学校検診で治療勧告書をもらうと治療を受けさせてもらっていたようなのでまだ幸福な方だといえる。

 今でこそ子供を持つ親は子供に歯が生えるとすぐに歯磨きを始め、歯科医院で定期検診やフッ素塗布などの予防処置を受けさせているが戸田が生まれ育った時代ではそれこそ歯科関係者の子供でもなければそんなことをしてはもらえなかったであろう。昭和三十一年生まれの私の両親も、あの時代は親が子供の歯を磨いてやる習慣などなかったと言っていた。(なんなら令和の今ですら田舎ではそんな習慣のない家庭はあるのだ。)

 戸田は「歯列矯正をしてもらえなかったせいで歯磨きがまともにできてなかったんだと思う」と言っているが、当時の日本で歯列矯正を受けられる子供などそうそういまい。今ですら高額な治療費が払えず歯並びが悪いままの人は少なくないし、歯磨きがしやすいよう歯並びを整えるという発想をする親が昭和の時代にどれだけいたであろうか。今ですら歯列矯正を美容整形の一種だと思っている者がいくらでもいるのだ。昭和半ばならば親が矯正治療の存在そのものを知らないかもしれないし、そうでなくとも役者を目指すわけでもないなら歯並びなんかどうだっていいというのがその時代ではスタンダードではなかったか。

 昭和中期の生まれである戸田の両親は恐らく戦前~戦中の生まれであると推測できる。教師になっているのであるからその世代にしては恵まれた環境に育った可能性が高いが、それでも戦中や戦後のひもじさを、歯を食いしばって耐えてきたことであろう。子供にはせめてそんな思いをさせまいと、将来いい暮らしができるように子供に学歴をつけさせようとするのは自然なことであろう。確かに戸田の親の教育熱心さは異常といえるが、そもそも戸田と同じ昭和四十年前後生まれの人々の少子化の今とは比べ物にならぬほど厳しかったそうだ。そんな時代だと教師の親は自ずと厳しくもなるだろう。

 そういったことを考えると、戸田は毒親の犠牲者というより「虫歯の洪水と受験戦争」の時代の犠牲者なのかもしれない。

 小説そのものは文句なしに面白かったので星五つ。
冷血(上) Amazon書評・レビュー: 冷血(上)より
4620107891
No.121
(5pt)

生きることと死ぬこと

生きること、死ぬことについて考える。未決囚や脳性麻痺の子ども、殺された一家の生と死に向き合う合田雄一郎。精密機器のような職業人でありつつ泥臭いヒューマニズムにまみれた合田雄一郎が魅力的で、一気に読了した。
冷血(下) Amazon書評・レビュー: 冷血(下)より
4101347263
No.120
(5pt)

生きることと死ぬこと

生きること、死ぬことについて考える。未決囚や脳性麻痺の子ども、殺された一家の生と死に向き合う合田雄一郎。精密機器のような職業人でありつつ泥臭いヒューマニズムにまみれた合田雄一郎が魅力的で、一気に読了した。
冷血(下) Amazon書評・レビュー: 冷血(下)より
4620107905
No.119
(5pt)

合田雄一郎

合田雄一郎の個人生活の描写が大変好ましい。農業を始めたり、検事さんと旅行を計画したりサボテンを育てたり。
迷い常に悩んでいるのも人間らしい。
冷血(上) Amazon書評・レビュー: 冷血(上)より
4101347255
No.118
(5pt)

合田雄一郎

合田雄一郎の個人生活の描写が大変好ましい。農業を始めたり、検事さんと旅行を計画したりサボテンを育てたり。
迷い常に悩んでいるのも人間らしい。
冷血(上) Amazon書評・レビュー: 冷血(上)より
4620107891
No.117
(5pt)

「冷血」なのは誰? なに?

上下巻を通した感想になります。
カタルシスのない犯罪・警察小説であり、その点で著者の小説をエンタメの世界に閉じ込めておきたい従前の読者からは不評です。
しかし底本になっているカポーティの「冷血」を読みこなせる方でしたら、この小説全体を貫く著者の問題意識や善意・誠意といったものに敬服の念を抱けるでしょう。
一家殺人という一般に「重い」とされる犯罪にしては、あまりにも軽薄な犯人たち。
しかし、メディアなどが増幅してその「冷血」さ、残忍さを暴き煽りたてる犯罪者の素顔はこんなものかもしれないと納得させます。
終盤になると「冷血」なのは犯人だけではなく、むしろ犯人の履歴に寄り添わない社会・司法・死刑制度・国家ではないかと思い知らされるでしょう。
たとえば残酷と諸外国から評される日本の死刑制度の存置について無関心な私たちの「冷血」さ。
「マークスの山」「照柿」などで得られたカタルシスを求める人にはどうにも不満かもしれません。
しかし、著者のスケールは慰みものの小説には収まりきらないことを知らされるに違いない名作かつ問題作です。
人間というもの、その「罪と罰」の固定観念を穿つ恐ろしさ。
ありきたりな小説ではないので、読む人を選ぶでしょうが、読後に覚える満足感は高村薫作品だからこそのものです。
小説や文学に対して「冷血」でない方には相当な刺激になることは間違いありません。
冷血(上) Amazon書評・レビュー: 冷血(上)より
4101347255
No.116
(5pt)

「冷血」なのは誰? なに?

上下巻を通した感想になります。
カタルシスのない犯罪・警察小説であり、その点で著者の小説をエンタメの世界に閉じ込めておきたい従前の読者からは不評です。
しかし底本になっているカポーティの「冷血」を読みこなせる方でしたら、この小説全体を貫く著者の問題意識や善意・誠意といったものに敬服の念を抱けるでしょう。
一家殺人という一般に「重い」とされる犯罪にしては、あまりにも軽薄な犯人たち。
しかし、メディアなどが増幅してその「冷血」さ、残忍さを暴き煽りたてる犯罪者の素顔はこんなものかもしれないと納得させます。
終盤になると「冷血」なのは犯人だけではなく、むしろ犯人の履歴に寄り添わない社会・司法・死刑制度・国家ではないかと思い知らされるでしょう。
たとえば残酷と諸外国から評される日本の死刑制度の存置について無関心な私たちの「冷血」さ。
「マークスの山」「照柿」などで得られたカタルシスを求める人にはどうにも不満かもしれません。
しかし、著者のスケールは慰みものの小説には収まりきらないことを知らされるに違いない名作かつ問題作です。
人間というもの、その「罪と罰」の固定観念を穿つ恐ろしさ。
ありきたりな小説ではないので、読む人を選ぶでしょうが、読後に覚える満足感は高村薫作品だからこそのものです。
小説や文学に対して「冷血」でない方には相当な刺激になることは間違いありません。
冷血(上) Amazon書評・レビュー: 冷血(上)より
4620107891
No.115
(4pt)

唯一無二の犯罪小説。

下巻になると被害者側の印象がすっかり薄くなります。てっきり殺された家族の友人知人の動向や発言を描くことで事件の悲劇性を増幅させるのかと思っていました。ところが本作では、ほとんどの頁を犯人二人の調書を記述するばかりです。そのあたりに他の犯罪小説とちがう、本作の独自性があると思います。
残り100頁あたりからの、死へ向かう戸田、手紙を記す井上、合田刑事の独白を読むにつけ、人間の生や死、あるいは人間そのものの存在について深く考えさせられます。
この小説は読み手の年齢や人生経験によって受けとめ方がかわる作品だと思います。何年か経ったらもう一度読まなければならない、そんな気がした一冊です。
冷血(下) Amazon書評・レビュー: 冷血(下)より
4101347263
No.114
(4pt)

唯一無二の犯罪小説。

下巻になると被害者側の印象がすっかり薄くなります。てっきり殺された家族の友人知人の動向や発言を描くことで事件の悲劇性を増幅させるのかと思っていました。ところが本作では、ほとんどの頁を犯人二人の調書を記述するばかりです。そのあたりに他の犯罪小説とちがう、本作の独自性があると思います。
残り100頁あたりからの、死へ向かう戸田、手紙を記す井上、合田刑事の独白を読むにつけ、人間の生や死、あるいは人間そのものの存在について深く考えさせられます。
この小説は読み手の年齢や人生経験によって受けとめ方がかわる作品だと思います。何年か経ったらもう一度読まなければならない、そんな気がした一冊です。
冷血(下) Amazon書評・レビュー: 冷血(下)より
4620107905
No.113
(4pt)

下巻も楽しみです。

下巻はまだ読んでいません。上巻のみの感想です。
第一章では、被害者一家の長女である中学一年生あゆみ、加害者の戸田、同じく井上の三人のモノローグが交互に語られます。
あゆみの語りからは無邪気で平和な日常が淡々と描かれ、読者の共感を獲るのに十分な描写です。一方加害者の二人の発言や行動からはおよそ常人からは理解できない狂気が匂わされ、不穏な空気が強く漂います。
そして両者が対照的であればあるほど、その後に待つ悲劇性が顕著になります。ある程度先の展開が分かっているだけに、読んでいて息苦しさを感じるほどでした。
第ニ章の冒頭になると既に犯行後数日が経った場面になります。犯行そのものが具体的に描写されない分、かえって悲惨な情景が想起され、凄みを増す効果が出ていると思います。その後、犯人の二人は相次いであっさりと捕まり、取り調べが始まるところで上巻は終わります。
事件そのものは上巻で終わってしまいました。下巻で何が描かれるのか現時点で全く分かりません。ただ、この作品が単純な捜査や謎解きに重点を置いたものでないことは確かです。この後も高村薫さんの世界を存分に楽しみたいと思います。
冷血(上) Amazon書評・レビュー: 冷血(上)より
4101347255
No.112
(4pt)

下巻も楽しみです。

下巻はまだ読んでいません。上巻のみの感想です。
第一章では、被害者一家の長女である中学一年生あゆみ、加害者の戸田、同じく井上の三人のモノローグが交互に語られます。
あゆみの語りからは無邪気で平和な日常が淡々と描かれ、読者の共感を獲るのに十分な描写です。一方加害者の二人の発言や行動からはおよそ常人からは理解できない狂気が匂わされ、不穏な空気が強く漂います。
そして両者が対照的であればあるほど、その後に待つ悲劇性が顕著になります。ある程度先の展開が分かっているだけに、読んでいて息苦しさを感じるほどでした。
第ニ章の冒頭になると既に犯行後数日が経った場面になります。犯行そのものが具体的に描写されない分、かえって悲惨な情景が想起され、凄みを増す効果が出ていると思います。その後、犯人の二人は相次いであっさりと捕まり、取り調べが始まるところで上巻は終わります。
事件そのものは上巻で終わってしまいました。下巻で何が描かれるのか現時点で全く分かりません。ただ、この作品が単純な捜査や謎解きに重点を置いたものでないことは確かです。この後も高村薫さんの世界を存分に楽しみたいと思います。
冷血(上) Amazon書評・レビュー: 冷血(上)より
4620107891
No.111
(5pt)

何とも言えませんわ

読み応えありました、いつもながら高村薫先生。
冷血とは、誰を示すのか、何を示すのか…。
冷血(上) Amazon書評・レビュー: 冷血(上)より
4101347255
No.110
(5pt)

何とも言えませんわ

読み応えありました、いつもながら高村薫先生。
冷血とは、誰を示すのか、何を示すのか…。
冷血(上) Amazon書評・レビュー: 冷血(上)より
4620107891
No.109
(4pt)

ぜひ下巻まで読んで欲しい 「冷血」の真の意味は・・

犯人はすぐにわかるし、早々に逮捕される。いわゆる推理物ではない。
犯人の動機探しというか、警察的・検察的な動機付け、とでもいおうか。

途中、確かに「これは、合田刑事である意味はあるのか?」と問いながら読んで、
匙を投げかけた時もあったが、我慢して下巻まで読了して、
「なるほどこれは合田でなければならなかった」と納得。

そして、「冷血」のタイトルにも疑問がわきつつ・・・

この後は下巻のレビューで書きたい
冷血(上) Amazon書評・レビュー: 冷血(上)より
4101347255
No.108
(4pt)

ぜひ下巻まで読んで欲しい 「冷血」の真の意味は・・

犯人はすぐにわかるし、早々に逮捕される。いわゆる推理物ではない。
犯人の動機探しというか、警察的・検察的な動機付け、とでもいおうか。

途中、確かに「これは、合田刑事である意味はあるのか?」と問いながら読んで、
匙を投げかけた時もあったが、我慢して下巻まで読了して、
「なるほどこれは合田でなければならなかった」と納得。

そして、「冷血」のタイトルにも疑問がわきつつ・・・

この後は下巻のレビューで書きたい
冷血(上) Amazon書評・レビュー: 冷血(上)より
4620107891
No.107
(4pt)

真に「冷血」だったのは

下巻は、ほぼ、合田と同じ目線でただひたすら調書を読む。
彼と同じように、犯人を知りたい気持ちがわいてくる。

タイトルに疑問もわいた。
犯人は4人殺した「冷血」な奴らだったろうか。
「真相」とでもつけた方がよかったのではないか。
真に冷血だったのは、冷血な犯人像を描きたかった検察、国の方ではないのか。
決して犯人に同情しているわけではないが、このまま彼らを殺してしまってよいのかとも思った。

<少しネタバレ>
上巻では合田である必要性に疑問を感じていたが、
ギンリョウソウのシーンで、ああ、この作品は合田でなければならなかったと納得した。
不必要に感じていた医療過誤の捜査も、犯人の葉書のセリフのためにだけ、必要だったのだとこれも納得。
冷血(下) Amazon書評・レビュー: 冷血(下)より
4101347263
No.106
(4pt)

真に「冷血」だったのは

下巻は、ほぼ、合田と同じ目線でただひたすら調書を読む。
彼と同じように、犯人を知りたい気持ちがわいてくる。

タイトルに疑問もわいた。
犯人は4人殺した「冷血」な奴らだったろうか。
「真相」とでもつけた方がよかったのではないか。
真に冷血だったのは、冷血な犯人像を描きたかった検察、国の方ではないのか。
決して犯人に同情しているわけではないが、このまま彼らを殺してしまってよいのかとも思った。

<少しネタバレ>
上巻では合田である必要性に疑問を感じていたが、
ギンリョウソウのシーンで、ああ、この作品は合田でなければならなかったと納得した。
不必要に感じていた医療過誤の捜査も、犯人の葉書のセリフのためにだけ、必要だったのだとこれも納得。
冷血(下) Amazon書評・レビュー: 冷血(下)より
4620107905
No.105
(4pt)

好きなら読め!といいたい

確かに高村さんの作品は難解だったり読み進め難い点もあります。でも、好きな作家さんだったらまず読んでみようよ、と思うんですが・・。最近ここのレビューを見てつい買うのをためらう事が多々あるので。冷血は合田刑事が出てくるから一瞬おおーっ!と思って買われる方もあるのでしょうが、一家4人が惨殺され、その犯人を巡る心の動き、合田ありきではなく、事件そのものを描いているんだと思って読んでみたらどうでしょうか。最新作の我らが少女Aでも合田さんが出てきますが、私は最後の最後、あのたった一行に涙し、やはり高村作品はいいなぁと感動しました。
冷血(上) Amazon書評・レビュー: 冷血(上)より
4101347255