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月の影 影の海 十二国記
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【この小説が収録されている参考書籍】
月の影 影の海 十二国記の評価:
| 書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.57pt | ||||||||
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全201件 81~100 5/11ページ
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| 大好きです。 初めて読んだときに、立ち直れないくらいの衝撃を受けました。 こんな物語がこの世に存在したのか、と。 何度読み直しても、この感動と衝撃は消えることがありません。 もの凄く壮大で、偉大で、緻密な世界がここに。 そこのあなたも、是非読んでみてください。 | ||||
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| ハマったら最後です。 続きを読みたくて仕方がなくなるはずです。 先生、早く続きを・・・。 | ||||
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| 大切な人に進められて全巻大人買いしました。 まず、こちらの「月の影、影の海」から…本当にすばらしいのひとことです。 主人公陽子の物語が心や五感に突き刺すように訴えてきます。 葛藤と生きる術、つらくとも諦めない精神など…。 惜しまれるのは学生の頃この本と出合いたかったなと思いました。 進めてくれた大切な人に感謝しつつ、ずっと手元に置いておきたい1冊です。 | ||||
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| NHKのアニメでその名は知りつつも、これまで読んだことのなかった「十二国記」。 タイトルからはどれが第1作か分からないシリーズですが、本作品がシリーズ本編として最初に発表されたもの、ということで読んでみました。 著者が「あとがき」で、ファンタジーをあまり読んだことがない、と書いているのと同様、私もファンタジー小説はあまり読んだことがありません。 記憶にあるものとしては、「後宮小説」(酒見賢一著)と、「グインサーガ」シリーズ(栗本薫著)の最初の10冊、くらいでしょうか。 と言うわけで、多くの作品と比較しての感想は述べることはできませんが、この作品の大きな特徴は日本と同じ「漢字」国である、中国を思わせる幻の国を舞台としていることです。 「後宮小説」もそうですが、「漢字」で表記できる中国を小説の舞台とするのは、ある意味で「日本的」なファンタジーになっていると言えましょう。 物語の途中で、人名や物の名前が、登場する際には、「ケイキ」「タイホ」「ランカ」など、カタカナで表記されます。 「景気?」「逮捕?」「欄干?」と何のことか、と思わせますが、物語が展開していく中で、どんな「漢字」が当て嵌まるのか、主人公に知らされます。 すると、それがこの物語の世界観に見事に合致していているのです。 さらにそれが、主人公に待ち受ける運命にも繋がっていて、妙に納得させられてしまうのでした。 物語の展開は、中嶋陽子という普通の女子高生が、異世界に迷い込んでしまい、苦難を乗り越えていく、というもので、当初ティーンエイジャー向けに書かれたという経緯からすると、感情移入しやすい設定なのだろうとは思いますが、もっと上の世代にも十分通用する小説となっていると思います。 久々にイラスト入りの小説を読みましたが、「楽駿」については、イラスト入りで正解ですね(この意味、読んだ方にだけ分かっていただければ…)。 | ||||
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| 序章 月の影 影の海<上> 「誰からも嫌われたくない」 場当たりで優等生な日常を送ってきた[主人公・陽子]が [ケイキ]と出会い、異世界で平穏とは縁遠い日々を強いられる。 胸が苦しくなるのは自分の考えに「甘え」があるからなのだろうか? 上巻の内容は重い。が、一旦惹き込まれたら抜け出せない。 <上巻>を読み終わる頃には<下巻>が読みたくなり、 <下巻>を読み終えた時、<全シリーズ>が読みたいと思った。 発刊されて何十年も経つのにまだ完結してないようですが、 未だに続巻を待ち続ける人の声が多い人気のシリーズ。 とてもお勧めです | ||||
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| 陽子は上巻では裏切られるばかりで可哀想だけど、下巻で楽俊という味方ができます。 彼は陽子の心の支えになってくれます。二人の会話シーンは好きです。 楽俊が陽子の涙を拭うシーンがとてもよかったです。 下巻では陽子がなぜこの国に連れてこられたかが明かされます。 最初は帰りたいとだけ思っていた陽子でしたが、ここの国での自分の役割を見つけて、やっぱり帰りたくないような・・・という気持ちも生まれます。 陽子がこれからどんな活躍をするのか、とても楽しみです。 | ||||
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| 見知らぬ異国に飛ばされ、文化の違いに悩みながらも自分が飛ばされた理由を探り、元の世界に戻るために動き出す。 よくある題材かもしれませんがこういうお話は好きなので引きこまれました。 そこで出会う人々に、何回も裏切られる陽子がとても可哀想になってきます。 心に残ったのは青猿と陽子の葛藤シーンです。 陽子が必死になって青猿の言葉を否定するのはどこかでそう思っている部分があるからと、実際そうだったとしたらとても怖いからだと思います。 何気に人間の本質を見抜いているような青猿の言葉は印象的です。 そして、帰りたいと願っているのに、主人公の心の中では葛藤が生まれていて、誰も自分のことは待っていないんじゃないかと思う。 陽子はいい子なのだけど、それは本当の自分じゃないかもしれなくて、周りの人にも本当はどう思われているのかわからなくて・・・ 形としては残酷だけど、この国に来たことで陽子は自分の本当の姿を見ることができたのだと思います。 | ||||
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| 壮大な世界観と、詳細に積み上げられた設定に、すぐさまのめり込んでしまった作品です。 何よりも人間の葛藤と成長が、丁寧かつ力強く描かれているのがいい。 まだの方はぜひ、陽子と一緒に旅をしてみてください。 | ||||
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| 十二国記シリーズ全巻5回以上繰り返し読みました。 何度読んでも夢中になってしまう力があります。 今のところ何も読んでも、これほど夢中になれず、困っています。 | ||||
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| レーベルはライトノベルですが、物語自体は全然“ライト”では無いです。 陽子は毎晩、同じ夢を見る。 水滴の音と日に日に近づいてくる魔物の群の夢。 その夢の魔物がすぐそこまで近づいた夢を見た日に陽子は学校でケイキと名乗る奇妙な格好をした青年に「貴女を迎えにきた」と告げられる。その後、夢で見た魔物に襲われケイキに半ば連れ去られる形で逃げるが途中ではぐれてしまい、独り異世界に放り込まれてしまう・・・ 上巻はとにかく暗いです。 主人公・陽子の性格は気弱で人に嫌われないように知らず知らず「良い子」を演じてしまっている女子高生。突然連れて行かれた異界では、身に覚えが無い事で敵や兵士に追われるわ、信じた人に裏切られるわで散々な目に遭い、最終的に人間不信に陥ってしまいます。 正直、上巻だけ読むだけで断念してしまう可能性大です(ーー;) ですが、下巻では陽子が異世界に連れて来られた理由が分かりますし、陽子に生涯の友と言える人物も登場し、出会った事で荒んだ陽子の心が癒され、これまでの誤った考え方を見直し、良い方向へ変わっていきます。 全然、“ライト”ノベルではないファンタジー。 上巻の暗さにめげず、是非下巻も読んでみて下さい。 陽子の考え方を通して、自分の間違った考え方に気づける物語でもあります。 | ||||
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| 十二国記シリーズの始まりの話。 …でも、この上巻は一番読みづらいかも知れない。 他の巻は何度も読み返しているのだけれど、「月の影〜」上巻だけはなかなか読みたい気になれない。 暗いし重いし、辛い。 下巻「楽俊」の登場から話が上向いて明るくなってくるけれども、上巻はその上向く直前で切れているので、ひたすら暗く重く、辛い場面が凝縮している。 突然異界に放り出されてしまった主人公、陽子。 …誰もが陽子ほど辛い思いをしなければ、真人間になれないというのではないと思う。 そんなことしていたら、ほとんどの人間はまともに生きていけない。 この体験が陽子を磨いたのはたしかだけど、陽子みたいに潰れず立ち上がれるのは何人か。 そもそもこれが陽子ではなく、予王みたいな弱々しい人物だったら、慶はまた空位が続いて、滅亡一歩手前まで行ったのではないか。 ケイキの、後から考えると「死んでもいい」くらいに思っているんじゃないかと思ってしまいそうな乱暴さは、性格にしてもどうかと… 予王に似た娘だから嫌気がさしたのはわかるけれども、それにしたって、フォロー不足ではありませんか…? あげく、これで陽子が殺されてしまったら、また空位が延びて国が傾くわけで、その上自身も殺されてしまったら、どこまで国が荒れたか分からない。 そんなあなたに傾国の麒麟の称号をささげたい。 (前で痛い目にあったから、似ててヤケクソになったのか?とにかく主を好きとは思えない態度ですよね。陽子は登極にあたりかなり痛い目にあった部類だと思う。) | ||||
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| 陽子がどんどん成長していく様が、見物です。 最初、いきなりわけわからず新しい世界に放り込まれる所が可哀想ですが。 最初の試練は、景麒があんな性格だから、こんなことになったのかなぁ?とちょっと思いました。何の説明も無しに忠誠を誓って陽子を混乱に陥れていますし。 敵が攻めてきてるからとはいえ、無謀です。 あとから説明するつもりだったんでしょうが、敵に捕まっちゃうし。 これが延麒だったら、最初に簡略な説明くらいしたかもね、と思います。 楽俊に出会わなかったら、陽子はどうなっていたんだろう? 楽俊が人間の姿になっちゃうところはツボでした。かわいいネズミと思いきや?!です。でも素敵です。 | ||||
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| 初めて読んだのは13年前。それから半年間、一日も欠かすことなくシリーズを繰り返し読む毎日でした。 この作品の魅力は総てこの本から始まっています。 主人公の陽子は、ファンタジーの主人公にはおよそ似つかわしくない。 正義感もなく、信念もなく、勇気もない。 人の顔色を伺い、嫌われないように生きていくことに精一杯な人間。 読んでてこちらの胸が痛くなるほどリアルで、人間臭い主人公です。 そして物語の展開も読者の期待を良い意味で裏切ります。 異世界に連れて行かれてからも助けはなく、裏切られ傷付けられる毎日。 陽子に突きつけられる現実は辛く、悲しい言葉が続きます。 「友人、と呼んでいた誰もが実は友人ではないことなど、心のどこかでわかっていた」 「べつにおまえが消えたのが悲しいわけじゃないのさァ。自分の子供を亡くしたのが悲しくて、 そんな自分が哀れなだけさ。」 どん底の状態で、上巻が終わります。 「ここで終わらすか?」「ここまでやる?」と思いつつ、下巻を読まずにいられません。 人間の汚さ、暗さをファンタジーに見事に織り交ぜて、完璧な伏線を張り、下巻で見事に回収していく。 小野不由美の圧倒的な才能がこの本で分かります。 | ||||
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| 十二国記シリーズ第一作目。蓬莱にいた景王陽子が慶国に戻るまでの話。 上巻は陽子が異世界に連れてこられるところからはじまる。景麒につれてこられた異世界で一人孤独に異形の魔物と戦う様はなんとも痛ましかった。妖魔に追われ疲労し人に助けを求めても裏切られ、どんどん誰も信じられなくなっていく陽子を見るのはとても辛い。陽子に付きまとい惑わす猿も陽子をどんどんと追い詰めていき上巻は本当に読んでいるのが辛くなる。上巻では陽子は徹底的に打ちのめされている。 変わって下巻では陽子が旅の途中で出会う楽俊が陽子を救う。人を完全に信じることができなくなった陽子は楽俊をはじめは信頼できなかったが、徐々に心を許していく。楽俊の存在が陽子を救っていくのだが、楽俊のものの考え方は読んでいて勉強になった。 「前略・・・だから信じてもらえりゃ嬉しいし、信じてもらえなかったら寂しい。それはおいらの問題。おいらを信じるのも信じないのも陽子の勝手だ。おいらを信じて陽子は得をするかも知れねえし、損をするかもしれねえ、けどそれは陽子の問題だな」 この台詞の前後を読むと、楽俊という人物がとてもすごいと思う。こんな考え方をできる人なんてそういないだろう。 その後陽子たちは雁国に渡り延王に会うそこで陽子は慶国の王になることを考え始める。 下巻では楽俊が非常にためになることをよく言うので、大げさな話だが人生を生きるうえで必ず役に立つと思う。ちなみに楽俊は十二国記を読む上で必須となる知識もよく語るのでよく読んでおくとシリーズを読む上で非常に役に立つ。 十二国記を読むとよく思うのは国とはなんなのかということ。国の代表は国民を大切に守らなければならないのに実際はそうも行かない様子。世の政治家には十二国記を読んで国とはなんなのかをよく考えてもらいたい。 | ||||
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| 十二国記シリーズ第一作目。蓬莱にいた景王陽子が慶国に戻るまでの話。 上巻は陽子が異世界に連れてこられるところからはじまる。景麒につれてこられた異世界で一人孤独に異形の魔物と戦う様はなんとも痛ましかった。妖魔に追われ疲労し人に助けを求めても裏切られ、どんどん誰も信じられなくなっていく陽子を見るのはとても辛い。陽子に付きまとい惑わす猿も陽子をどんどんと追い詰めていき上巻は本当に読んでいるのが辛くなる。上巻では陽子は徹底的に打ちのめされている。 変わって下巻では陽子が旅の途中で出会う楽俊が陽子を救う。人を完全に信じることができなくなった陽子は楽俊をはじめは信頼できなかったが、徐々に心を許していく。楽俊の存在が陽子を救っていくのだが、楽俊のものの考え方は読んでいて勉強になった。 「前略・・・だから信じてもらえりゃ嬉しいし、信じてもらえなかったら寂しい。それはおいらの問題。おいらを信じるのも信じないのも陽子の勝手だ。おいらを信じて陽子は得をするかも知れねえし、損をするかもしれねえ、けどそれは陽子の問題だな」 この台詞の前後を読むと、楽俊という人物がとてもすごいと思う。こんな考え方をできる人なんてそういないだろう。 その後陽子たちは雁国に渡り延王に会うそこで陽子は慶国の王になることを考え始める。 下巻では楽俊が非常にためになることをよく言うので、大げさな話だが人生を生きるうえで必ず役に立つと思う。ちなみに楽俊は十二国記を読む上で必須となる知識もよく語るのでよく読んでおくとシリーズを読む上で非常に役に立つ。 十二国記を読むとよく思うのは国とはなんなのかということ。国の代表は国民を大切に守らなければならないのに実際はそうも行かない様子。世の政治家には十二国記を読んで国とはなんなのかをよく考えてもらいたい。 | ||||
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| 彩雲国と一緒に友達に勧められました。 こちらは素晴らしいです。 上巻であまりの重さに辛くはなりましたが、 それでも物語の深さにはまって読み続けました。 そして下巻にかけての展開で、私は泣いてしまいました。 今出ているシリーズ全て買うことに決めました。 私は大人よりも子供達に読んでもらいたいと思います。 今を生きるヒントを与えてくれる作品だと思いました。 | ||||
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| この巻は主人公が生きる事を諦める程の絶望を味わいます。 その容赦の無さには脱帽です。 次巻では漸く少しずつ成長していく主人公を感じることができます。 諦めずに次巻も読んで下さい。 きっと大切な何かに気付かさせてくれる筈。 購入して2カ月で5回は読みました。 現在のCG技術が有れば映画化しても良い作品として世に残せると思える程、良い作品です。 | ||||
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| 活字から離れていたので、ふと思い立って購入。 読み終えて全シリーズ注文しました。 今は著者の本を買えるものは全部買っています。 ばらまかれた伏線が中盤から収束していく時の怒濤の感じは楽しいです。 そこに行くまでに読むのをやめた人は人生の半分を損してますよ〜。 読み始めたらアリジゴクのようにやめられなくなります。 気付いたら徹夜してしまって仕事行った時は疲れた…。 読み終えたらシリーズの読破をおすすめします。 | ||||
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| 「十二国記」は総じて言えば、王と王の半身である麒麟の物語、彼らが収める十二の国の物語です。 麒麟が王を選び、王は麒麟と運命共同体となの国を治めていくのですが、彼らがいかに仙(不老不死の仙人)や神獣であったとしても、心を持つ人間に近い生き物であり、彼らの生き方そのものが国を左右し、民の命を左右します。もちろん王の資質がなかったり、王になりたくなかったりする王が立つこともあり、そんな彼らがいかに王になってゆくのか、またたとえ名君と言われた王であってもいつかは終わっていくというのが、この物語の読みどころです。王と一蓮托生の麒麟もまた適切でない王を選んでしまう(天啓には逆らえないので。ただし天啓自体に実体はない)ことがあり、「選ばれた人間」であっても万能ではありません。そして、そもそも天啓とは何なのか天意とは…と深みのあるテーマを持っています。ちなみに、恋愛色は皆無でストイックです。 シリーズ第一巻は、蓬莱(現代日本)で高校生をしていた陽子が、突然自分を主と崇める無愛想に麒麟に出会い、異世界に吹っ飛ばされるところから始まります。上巻は新しい世界でなんのサポートも受けられず、裏切りにあったり、襲われたりと散々な旅となっています。こんなに苦労しているファンタジーも珍しい、です。たいていは新しい出会いなんかがあって仲間が増えていくのが横道なので(笑)。上巻は苦しい描写をひたすら追っていくことになります。 | ||||
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| 「十二国記」は総じて言えば、王と王の半身である麒麟の物語、彼らが収める十二の国の物語です。 麒麟が王を選び、王は麒麟と運命共同体となの国を治めていくのですが、彼らがいかに仙(不老不死の仙人)や神獣であったとしても、心を持つ人間に近い生き物であり、彼らの生き方そのものが国を左右し、民の命を左右します。もちろん王の資質がなかったり、王になりたくなかったりする王が立つこともあり、そんな彼らがいかに王になってゆくのか、またたとえ名君と言われた王であってもいつかは終わっていくというのが、この物語の読みどころです。王と一蓮托生の麒麟もまた適切でない王を選んでしまう(天啓には逆らえないので。ただし天啓自体に実体はない)ことがあり、「選ばれた人間」であっても万能ではありません。そして、そもそも天啓とは何なのか天意とは…と深みのあるテーマを持っています。ちなみに、恋愛色は皆無でストイックです。 下巻になって、陽子はやっとふかふかしたかわいい鼠の姿の半獣、楽俊と出会うのですが、散々な目にあっていたので簡単には信じることができない陽子…。月の影影の海はファンタジーの中でも人間くさく弱い部分を容赦なく扱っている作品で、読み応えがあります。「王」にならずに馴染んだ蓬莱(日本)帰りたいと泣く陽子。どちらかというとおどおどしたおとなしい高校生だった彼女が、いきなり途方もなく大きな役割を与えられ戸惑う気持ちが丁寧に描かれています。後半に登場する頼もしい協力者である、陽子の国「景」の隣国「雁」の王様とその麒麟もなかなか魅力的です。蓬莱(日本)で育ったふたりは500歳…この物語だとほんと長寿のひとが多いので、自然とも大きくなります。「雁」の王様は元戦国武将なんですよ。現代を生きてきた陽子と戦国武将が協力し合っていくのがなんだか不思議と面白くて。下巻はよく読み返します。 | ||||
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